パンツの日

坂口白

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パンツの日

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溶けてしまいそうな強い日差し、茹だるような暑さ、悲鳴のように鳴く蝉たち、アスファルトから昇るかげろう。夏真っ盛りだ。
 ロードバイクに憧れているが親からの無言の圧力に耐えきれず未だ普通の自転車に乗っている少年、日上大輝はその自転車のペダルを漕ぎながら生暖かい、むしろ熱い風をその身に一心に受けていた。
 短く切りそろえられた黒髪、程よく焼けた肌には汗が滴っている。
 だがそれを拭っている場合ではない。大輝はサドルから腰を浮かせ、いわゆる立ち漕ぎで学校への道を急いでいた。

「だああああ遅刻ううううう!」

 時刻はAM8:55
 世間的には夏休みと言われる期間だが部活動に所属している大輝は今日も元気に部活に向かっていた。ちなみに開始は9時だ。まず間違いなく間に合わない。
 大輝は雄叫びをあげながら長い坂道を登っていく。なぜ下りでないのだと思いながら。

「日上いいいいい!」
「べふっ!」

 割と重たい扉を開けた瞬間顔面に飛んできた三色のボールとどすの利いた声。
 その豪速球を避ける神がかり的な瞬発力を大輝は残念ながら有していなかった。顔面でその衝撃を受け止めて顔を押さえながらその場に蹲る。痛みと衝撃に涙が出てきたなんて洗礼だと大輝は恐る恐る顔を上げた。
 そこにいるのは仁王立ちをした黒髪のポニーテールがトレードマークの女子。

「3分の遅刻!さっさと練習入れ馬鹿野郎!」
「…先輩もちろん遅刻した俺が悪いんすけど、なんかこうもうちょい手加減っていうか」
「基礎練倍掛けまでさーん、にーい、いーち」
「さーせんっした!!!!ダッシュ行きます!」

 右腕につけたビビットカラーのデジタル腕時計を伏し目がちに見ながら悪魔の宣告をしようとする先輩、もといマネージャーである中村澪に最敬礼して熱気が立ち込める体育館に走る。
 すでにストレッチを開始している部員たちに先ほどしたように最敬礼をし遅刻を詫びてから大輝は走り出す。
 大輝はこの高校のバレーボール部に所属している。
 この時期は全国大会が行われているのだが大輝の所属しているバレーボール部は惜しくも出場を逃した。大輝はこの学校の二年生であり、部のレギュラーでもあった。

「大輝ー!走り込みとストレッチ終わったらすぐこっちこいフォーメーション確認すんぞ!」
「っす!!」

 スパイクと体育館のフロアが擦れあって独特の高い音が響く。
 その音に混じってボールの弾む音と部員たちの声、空いている窓からは蝉の声と時折風に乗って吹奏楽部の演奏が聞こえてきた。
 この時期の運動部は気合が入る。バレー部もそうだ。
 夏の全国大会は逃したがあと秋と春にも控えている。
 厳密に言えば、このメンバーで目指せる大舞台があと二つしかないということだ。三年は当然気合が入るし、その下に続く者達も先輩卒業後のレギュラーの座を狙って虎視眈々と力をつけいている。
 暑さでバテる間も無く、少年達はボールを追い続ける。
 監督の檄が飛び、部長から喝が入り、マネージャーに励まされる。部員の足首にはお揃いのミサンガが結ばれている。
 澪のお手製だ。
『いつかみんなで全国に行こう』彼女がそう言ったのは夏の全国を逃した次の日の練習の時。
 練習が終わって全員が集合したとき澪は向日葵のように笑って明らかに手作りだとわかるミサンガをみんなに渡した。その目の下に隈があるのがわかり、選手全員が彼女に無理すんなよと声をかけながらも感謝してにやにやしながらそれを身につけていたのはいい思い出だ。
 当然大輝の足首にもそれは巻かれている。

「お前らそんなんで全国いけると思ってんのか!もっとやる気出せよ!!」
「はい!」
「声が小せえ!!」
「はい!!!」

 暑苦しいと思われるだろうがこれが普通、まだ優しい方かもしれない。
 選手達は慣れているのか歯切れよく返事をしてメニューをこなしていく。やらなければならない練習は山ほどある、選手達は流れる汗もそのままに練習に励んだ。

「解散!」
「ありがとうございました!!」

 夏休みの部活動は長い。ここぞとばかりに長い。疲労度も倍以上だ。
 監督の姿が体育館から消えると何人かの部員はその場に膝をついた。だが寝そべる者はいない。モップ掛けが無駄になるからだ。

「あ”ー、今日もしんどかったぁあ」
「おい帰りなんか食おうぜ。学割きくとこあったろ、あのラメーン屋どうよ」
「俺は!おばちゃんよりのいるラーメン屋より!若い姉ちゃんのいるファーストフードがいい!!」
「ばっかおまえ女より金だろばかじゃねえの!」
「金より女だ馬鹿やろおおおお!おま、どうすんだよ俺この3年間彼女いなくて来週の夏祭りまたおまえと行く羽目になんだぞおまえ女欲しいわばか!!」
「俺も彼女できてる予定だったわばか!!!」

 部活に捧げる三年は、その分代償も大きい。

「そんなこと言ってる間は彼女できないよ。ほら体が冷える前に着替えてさっさと帰る!」
「うえー、マネージャー厳しい…」
「事実だよ。彼女欲しいってがっついてる男子より部活に一生懸命な男子の方がずっとかっこいいんだから自信持ちなって」
「はい先生、ならばなぜ我らには彼女ができないのでしょうか」
「バレーボールが恋人だからです」
「………………否定できない自分が嫌っ!!」

 わっと顔を両手で覆って走り去っていく三年生に大輝は哀れむような目を向けた。
 一年のときにも同じような光景を見たような気がする、そう思いながら滲む汗を裾を持ち上げながら拭って部室へと向かう。
 部室は地獄だ。灼熱の体育館がサウナならば部室は地獄だ。
 熱気と強烈な臭い、殺人級だ。大輝は部室のドアを開けると同時に鼻をタオルで覆う、これで少しはダメージが軽減できるが完全ではない。
 なんて手強いんだと思いながら自分のロッカーの前に立った。
 シュー。

「ぅおおおおい!誰だ消臭スプレーぶっかけたの!誰だ!おま、おまえそれ自殺行為だぞばか!」「ドア開けろおおお!」
「まって俺まだパンツ…!!!!」
「先輩消臭じゃなくて制汗っす」
「どっちも同じだよどっちも兵器だよリーサルウェポンだよ!」
「スプレーとかそういうのは外でやろうねー。ここほんとやばいから。死んじゃう」

 今日もバレー部は元気だ。
 大輝はその騒動の間にぱぱっと着替えて携帯を弄る。溜まっているラインの返事をしつつはまっているアプリを起動して時限のダンジョンに挑む。

「大輝なんでお前一人で行ってんだよなんで声かけねえんだよ!」
「一人でもいけると思ったからだ」
「チームプレーしようよおおおおお!」
「マルチな」

 部活が終われば彼らはただの高校生である。
 一人でさっさと帰る人、友人と帰る人、極少数だが勉強をして帰る人、そうやって部室には大輝一人になった。
 部室の中央に置かれている椅子に腰掛けてノートを読む。決して勉強ではない。否、ある意味勉強なのだが数学やら科学ではない。
 所々読みにくいところもあるがびっしりと文字が書き込まれたそれにを大輝は真剣に読んでいた。

「…やっぱ筋肉が足りないのか、いや、踏み込みか?」

 ノートに書かれているのは選手の弱点であったりその日の練習で気がついたこと。
 忙しいマネージャー業務と並行して気がついたことは忘れないようにその場で書き込む。そうやって作られたノートは選手たちにとって欠かせないものでもあった。
 アタッカーである大輝は書かれてあった文に頭を悩ませていた。腕を組んで難しい顔を浮かべながら思案するがどこを改善すればもっと良くなるのかがわからず唸る。やはり今度から練習風景を動画で残すようにして自分の弱点を見つけ出そう、そう決めてノートを閉じたと同時に携帯が間抜けな音を奏でる。
 画面に映った文字と差出人を見て大輝は自分の心臓が跳ねるのを感じた。

 メッセージが来てすぐ既読をつけたら引かれるんじゃないか、だが待たせたら悪いからすぐ返信したほうがいいのではないか。そんな女々しい感情を渦巻かせながら大輝がとった行動は後者だ。出来るだけ自然に、余裕を感じられるような言葉を返さなくてはと真剣に悩んだ大輝であったが打った文字は『今から行きます』という素っ気無いもの。
 立ち上がって携帯をポケットに入れ、部活用のバックを肩にかけて部室を出る。
 もちろん制汗スプレーは忘れない。だがかけすぎも注意だ。

「中村先輩っ」
「、あれ、日上君早いね」
「え、俺今から行きますって」
「来てないよ?」
「え」

 早歩きもとい小走りで自転車置き場に向かうとそこにはもうマネージャーである澪がまっており大輝はその姿が見えた途端走った。余裕のなさに笑えると思いながら声をかけた澪は驚いたようにこちらを振り返る。
 その表情に首を傾げていたが言われた言葉にまさかと思いポケットにねじ込んだ携帯を取り出せばその画面は先ほどの画面で止まったまま。送信するのを忘れていたらしい。

「…すんません」
「いいよ、全然待ってないし。ていうか急がなくてよかったのになんか走らせちゃってごめんね?」
「俺が好きで走っただけなんで」
「そっかー、じゃあ帰りも走る?私が自転車漕ぐから日上君が前走るの」
「それは勘弁」

 いたずらっ子のように笑いながら鬼畜ともとれる提案をしてきた澪に大輝は?茲が引きつるのを感じた。

「冗談だよ。じゃあ帰ろっか?あ、待っててくれてありがとう!」
「いーえ」

 夏休みの間だけ大輝は澪と一緒に帰る約束をした。
 この時期の部活は学校があるときより遅い時間に終わることはない。だがそれでも夕方は過ぎてしまうのだ。そんな中一人で帰っていた澪が他校の生徒にナンパされていたところ助けたことがキッカケでこういう関係が出来上がった。
 以前から澪に想いを寄せている抱きからしたらこれはラッキー以外の何物でもないわけだが。

「前さ、なんかサッカーボールでサーブ練してる映像テレビで見たの!あれ取り入れたらすんごいサーブ打てるんじゃない?あ、スパイクに応用しても」
「たぶん手首が逝くんでやめてください。あー、俺思ったんすけど、やっぱ練習風景ビデオで撮ったらどうっすかね?今スマホとかあるし案外簡単に実行できそうだと思うんすけど」

 自転車を押しながら二人並んで帰り道を歩く。
 話題はいつでもバレーボールのこと、お互いが意見を交換しつつときに怒られながら語り合うこの時間が大輝は大好きだった。

「ていうかさ、やっぱみんな彼女欲しいものなのかな。山瀬君も伊藤君もなんか必死だし、」
「…、先輩たちは早いとこ童貞捨てたいんじゃないですかね」
「は、はぁああ!?」
「中村先輩うるさい」

 予想外に澪から恋愛の話題が出たことに大輝は動揺した。
 悟られまいと必死になった挙句出した言葉は最低で思わず自分を殴り飛ばしたくなった。何スカしたこと言ってんだよ俺も童貞だよ馬鹿野郎。
 大輝の恥ずかしさを代弁するように面白いくらい狼狽えて顔を真っ赤にした澪の可愛さにまた動揺しそうになってそれを隠そうと口に出した言葉にボディーブローを食らわせたくなった。
 こういう反応する女子には柔らかく微笑みながら『なに赤くなってるんですか?』って吐息交じりに囁いとけばなんとかなると姉から教わったばかりなのにと大輝は内心項垂れた。
 その知識が間違いであるとは欠片も思っていないあたり阿呆である。

「ひ、日上君はどうなの?」
「……は?」
「…だ、だから日上君は彼女欲しいとか思わないの?」

 思わぬカウンターに大輝の思考は停止した。
 まさかその問いかけが澪から出るとは思っていなかったのである。だがしかし今の澪の可愛らしさは犯罪級だ。目をそらしているが赤くなっている顔や耳は隠せていない。
 このままだと勢いで言ってしまいそうだ、だがちゃんとしたシチュエーションで言いたいなどという浅はかな欲望の為に大輝は深呼吸をして己を律した。

「…欲しいっす」

 何故言った…!大輝の心はプチパニックである。

「…あ、そう、なんだ」

 大輝の答えが意外だったのか澪は目を丸くして驚いた。
 何かを言おうとして口を一度閉ざしたあと、妙な間をあけてから澪はぱっと笑う。
 その笑顔はいつも大輝が見ているものとよく似ていたけれど、どこか違うものだった。

「どんな子がいいの?あ、当ててあげようか。女バスのなみちゃんとか?それとも吹部のかほちゃん、それとも保健室のみっちゃん?」
「いや、あの、」
「生徒会長も美人だよねぇ、それとも年下好き?」
「ちょ、せんぱ」
「私、だったりして」
「……、っ、」

 息が止まりそうになった。
 揶揄でもなく本当に。大輝の心は大パニックだ。
 何か言葉を言おうにもなにも考えられない。考えが全くまとまらない。どこでバレた、いつからバレてた。

「あ、はは。なんちゃって、そんな訳ないよね、ごめん」
「好きです!」

 思った以上に大きな声が出てしまった。
 どんどん顔が赤くなっているのが自分でわかって大輝は俯く。それと同時に足も止まり、大輝は俯いたまま言葉を繋げる。

「中村先輩が、好きです。笑った顔とか、背ちっさいとことか、すげえかわいいし、糞真面目なとことか、実はドジなとことか、ホント、好きです。実はこうやって送っていけるのもラッキーとか思ってて、あの、」

 本当ならもっとちゃんと、夏祭りだったり大会で優勝したりそういう雰囲気で言いたかった言葉が驚くほど格好悪く紡ぎ出されていく。こんなの全然格好よくない、大輝は内心泣きそうになりながら言葉をきって深呼吸する。
 どれだけ格好悪くて勢い任せでも俯いたままというのだけは頂けない。
 意を決して顔を上げる。意志がぶれる前に口を開いた。

「先輩が好きです。よかったら俺と付き合ってください」

 きっと耳まで真っ赤で、緊張で声は震えているしもしかしたら目も潤んでいるかもしれない。本当に最低な告白だと思いながら大輝は漸く意識して澪の表情を見る。
 心臓が壊れるんじゃないかいうほどに脈打って喉がカラカラに乾いた。

 自転車で坂道を下る。
 立ち漕ぎでないと登れない坂は下りとなると中々の速さを出す。いつもならばノーブレーキで進む大輝だが今日はブレーキを握りゆっくりと下っていく。
 二人乗り、立派な校則違反だが今日だけは許して欲しいと思いながら大輝は頬を撫でる風の涼しさと腹部と背中に感じる熱に心地よさを覚えた。
 会話らしい会話はない。
 それでもこの沈黙は全然苦痛ではなくて大輝は頬を緩めた。

「…ありがとう」
「…っす、」

 いつも通り澪を家まで送り、そのまま帰ってしまおうとペダルに足をかけた途端突風が吹く。
 そういえばそろそろ台風が来るとかなんとか言っていたなと思いつつ澪は大丈夫だろうかと目線を巡らせて大輝は固まった。折角収まった熱がまた顔に集中していくのがわかり、慌てて目を逸らした。

「…見た?」
「見てないっす」
「ホントに?」
「……見ました」

 風でスカートが捲れるなんてそんな古典的な、と思ったものの案外良い。
 今日は幸せな日なのかもしれないと思いつつ逸らしていた視線を元に戻すと同時、結構な力で頬を抓られた。

「…大輝君のえっち」

 頬から手を離した澪は真っ赤な顔でそう呟くと足早に家に入って行ってしまった。
 一方大輝はがくりと自転車のハンドルにもたれかかりながら抓られた頬を撫でる。痛みが今日の出来事を現実だと知らしめているような気がして頬が緩むのを止められない。

「あー、幸せ」

 そう言って大輝も帰路に着くのであった。
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