END roll

秋 睡蓮

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4日前

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 昨日の身体の怠さが嘘の様に、この日は調子が良かった
ベッドから身を起こせばその傍ら
腕を枕に突っ伏して眠っている妻の姿があった
「心配、かけたな。すまん」
疲労に乱れてしまっている髪を梳いてやりながら
恐らくは聞こえないだろうソレを呟いてやり、ベッドから降りる
代わりに妻を寝かせてやり、自分はそれから台所へと向かっていた
食事でも拵えようと冷蔵庫を開け、卵とバターを取って出した
作り始めたのは、プレーンオムレツ
丁度焼き上がりと同じに妻が眼をゆるりと覚ます
「起きたか?」
起き抜けで頭がはっきりとしていないのか
妻は台所に立つ自分を暫くぼんやりと眺め、そして
その頭を一気に覚醒させていた
身体は大丈夫なのか、と
「大丈夫だって。今日は、調子がいいから」
安心させる様に笑みを浮かべながら、食卓へと皿に盛ったオムレツを置く
妻を手招き、座る様促した
「久しぶりに作ったから、うまく出来たかは、解らんけど」
召し上がれ、とスプーンを手渡せば妻は両の手を行儀よく合わせ
いただききますの後、食べ始めていた
美味しい
上手い具合に半熟に出来てくれていたようで
妻は嬉しそうに笑みを浮かべてくれる
「俺も、一口いいか?」
余りにもうまそうに食べる妻を見、そう申し出てみれば
妻はそのままに頷き
スプーンで一匙掬うとソレを自分へと向けてきた
アーンしてください、との催促に
自分は若干照れてしまいながらも、妻のスプーンで一口
少し甘すぎると感じてしまいながらも
だがこれくらいが妻の好みなのだという事も知っている
「……ありがとな。美味そうに食ってくれて」
変わらず嬉しそうに食べ梳拗ねる妻へ
その様をまだ見れる事に肩を撫で下ろしながら
自分は感謝の言葉を何度も、告げていたのだった……
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