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2-4.ドイツ系ですが砂に穴は掘りません
しおりを挟む「お前一体何なんだ?なんで僕につきまとう」
「だから協力してやるんだって」
「協力なんか、頼んでない」
「金ならテディからもらう。どうせお前の財産は後見人が管理してて自由に使えないんだろ。お前を泳がせていたのは、もっとがっつり稼ぐようになってから金を巻き上げようと思ってのネタを集めてたんだよ。それがケチな犯罪で退学するわ、会社も辞めるわ、アホか」
確かに、こんな奴につきまとわれて喜んでいた僕はアホ以外に何者でもない。
「あれ?お前、パソコンどうした?」
チャアが僕の部屋をうろうろしながら言った。
「捨てた」
「はあっ!?捨てた!?何て事すんだよ!」
「ちゃんとデータはシュレッダーにかけてから捨てたよ」
「そんな問題じゃねえよ。ったく!新しいパソコンがいるじゃん。お前の仕事に」
「仕事って、何言ってるんだ?会社はもう廃業したんだ」
「だから古いのは廃業して、新しい会社を作るんだと。テディが」
「僕はテディと縁を切った」
「バカか。お前」
馬鹿だったかもしれないが、縁を切ったのはテディの家の弁護士に言われたからだ。テディともうつきあわないなら、今回の件で僕が訴えられることはないようにしてやると言われた。僕を起訴するかどうかはその弁護士が決めることじゃないことくらい分かっていたが、相当自分の腕に自身があるのだろう。その弁護士と言い争って勝てる気がしなかった。テディは今卒論で忙しいし、卒業後はファミリー企業に勤めるのだし、会社をたたむのにも良い節目だと思った。
僕は黙り込んでいたのに、チャアは僕の考えてることが聞こえてるかのようにまじまじと僕の顔を見ている。
「お前さあ、お勉強はできるけど、ちょっと発達障害とか言われた事ねえ?」
「はっ発達・・・・!」
そんな酷い言葉は、今まで誰にも言われたことがないぞ。
「冗談だよ。言い過ぎた。気にすんな。とにかくテディがお前と縁を切るわけないだろ。一番の金づるなんだからな。で、お前の復帰第一弾の仕事だけど、ウィルスを作ってもらう」
「ウィルス!?」
「ちょっとおもしろい画像でも作って、ウィルスを仕込む。お前とテディの友人がいそうな場所にそれぞれ転がしておく。ダウンロードした奴らのパソコンはおじゃんだ」
「そんなことできない!」
「なんで?できるだろ?」
「関係ない人のデータをクラッシュするなんて!」
「だから、お前の噂話を広げる奴らだろ?関係なくねーよ」
「とにかく、他人のパソコンをクラッシュさせるなんて、犯罪だ」
「なあ、お前の父ちゃんって学校の先生だった?」
「おばあちゃんが教師だったけど何か?」
チャアは目を見開いて僕を見つめていた。
「ヒッ・・・・・ヒヒヒヒヒッ!」
チャアの口から押さえきらない笑いが漏れる。教師の何がおかしいんだ?
「・・・・・お前って、ビーチに行くとやっぱり砂に穴掘るのか?」
チャアは笑いが混じった震え声で言った。
砂に穴?
「・・・・・ビーチ、行ったことない」
僕が正直に答えたら、チャアは笑い転げて、床の上をのたうち回っている。
「何がおかしい?」
ヒィヒィ言いながら、チャアは涙を拭いて顔を上げた。
「じゃあ、今から行くか?ビーチ」
屈託ない笑顔。
テディと同類の人間?
いや、違う。
全然違う。
「ビーチには行かない。僕は日焼けに弱いんだ」
「今は夜中だぞ。ビーチ初体験するなら絶好のチャンスじゃん」
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