レイルーク公爵令息は誰の手を取るのか

宮崎世絆

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29 ルミナス視点

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 凄く綺麗な、お人形のような男の子。初めて見た時は素直にそう思った。

 けど。心の底では、どうせこの子も『兄のように本性は口煩くて、意地悪な子』なのだろう、と勝手にそう思っていた。

 男の子は興味がないだろうとは思いながらも、母の自慢の薔薇が植えられた庭へ連れて行った。だって、私は薔薇が大好きだから。

 そうしたら、レイルーク様は母の薔薇園を綺麗だと褒めてくれた。


 レイルーク様はとても優しい人だった。


 私の話を嫌がらずに聞いてくれる。意地悪な事もしないし、言わない。なんて素敵な人なんだろう。


 折角だから薔薇をプレゼントしようと思って、気を付けながら摘もうとしたらまた失敗した。
 いつものように、また棘で怪我をしてしまった。

 ……こんなお転婆な私を見て、どうせ隠れて嘲笑うのだろうなと考えて嫌な気分になったけど。

 レイルーク様は心から心配そうな顔をして、私の手を手当てしてくれた。

 ここでは使えない筈の魔法まで使って。
 無我夢中で使ってしまったみたいだった。……私の為に。

 高すぎる魔力。本当は隠しておきたかったのだと思う。

 献身的な行動に淡い恋心が芽生えた一方で。

 美しくて心優しいレイルーク様に、落ち着きのない私なんて、どう考えても似つかわしくない。と思った。


 でも……。


 綺麗で優しい彼が、照れてそっぽを向いたのを見て。

 レイルーク様も、こんな一面があるんだ。と思ったら。
 嬉しくて、少しだけど希望が湧いてきて。つい、欲が出ちゃう。

 
 隠さないで。貴方の素顔をもっと見せて?


 もっと、もっと。貴方の事が知りたい。


 貴方には、私の事をもっともっと知って欲しいと思える。


 そして、出来るなら……。こんな私でも、どうか……嫌わないで。
 

 そして、願ってもいいのなら。

 
 どうか貴方も、私の事を好きになって。
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