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混沌の章
反撃
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零は鳥居を出てすぐにある森の中をひたすら走っていた。
零「はあっ…はあっ……」
何十分程走ったか分からないが、日本の神社で一番土地の広い場所であった為、走って外に出るまでは一時間程の距離である。
零「……父さんはもう…」
自分の手中にある祖龍の十を見つめ、
父親がもう帰らぬ人となったことを悟った。
「後は頼んだぞ、零。」
その言葉が聞こえ、彼女は涙を堪えながら必死に走り始めた。
零「畜生…何で助けられねえんだよ!
使える力が目の前にあるのに…!!」
身体に影響が及ぶと狭間は言っていたが、
それは未成年が使うと記憶障害に陥ったり、最悪は死に至るというものであった。
実際は、この龍騎一族に秘められた魔力に繋がる話で、生まれたその瞬間に魔力は身体に生成され、やがて成長するにつれ魔力は多くなる。
祖龍の十を使うためには莫大な魔力が必要とされ、魔力が不十分な未成年の身体ではとても危険で、使用は一切許されないことであった。
そんなこともあってか、龍騎一族では年に一度、祖龍に直接会って祖龍の十を引き継ぐ者を選抜する話が行われるが、年々成人を越しても必要な魔力が足りてない者が増えてきてしまい、結果的にその年に生まれた零に引き継がせることに決めた。
零「…俺にもっと魔力があれば…」
と、その一言を呟くと目の前に空間が開き始めた。
零「!!」
目の前に現れたのは覇者王であった…。
覇「両親共々あっけなく終わったな。」
零「…てめぇ。」
覇「ほう、我に牙を向くか。
ならば見せよ、その力を。
そして我を倒してみせろ。」
本来であればここは逃げるべきであろう。
しかし零には両親と一族を殺されたということに復讐心を募らせていた。
故に彼女は自身の身体などお構い無しにあっさりと覇者王の言葉に乗った。
零「…良いぜ、望むところ。」
首飾りの紐を引きちぎり、勾玉を空にかざす。
そして解放の言葉を唱える。
零「汝、世に十の御霊を捧げん。
それらは情にあり、属に降りしもの。
全ての闇を穿つ光となりて、いでよ。
世に力を…!!」
そう唱えた途端勾玉が光り始め、
空のあちらこちらから色鮮やかな光が降り注ぎ、零に取り込まれていく。
その瞬間彼女の右眼は黒から蒼に変色し、
背からは龍と思わしきオーラが十体も現れた。
覇「それが祖龍の十を宿した者の姿か。
面白い、ならば貴様を取り込んで、」
バキャァッ!!
覇「がはっ!!?な、ぜ…っ!!」
覇者王が動く前に零は勢い良く殴り、蹴り落とし、覇者王は何百メートル先も吹っ飛ばされた。
覇「…武器を持たず、拳と脚だけであの威力だと…!!
そんな馬鹿な…っ!!」
零「祖龍様の力を舐めるな。
お前なんざすぐ殺してやる。」
零が身体に影響が出ていないことを確認していると、
覇者王が体勢を立て直してきた。
覇「この我を侮辱するとは…許せぬ。
…貴様を二度と喋らせないようにしてやる!!」
覇者王は自身の剣先を素早く零に振り落とす。
が、零はそれを素手で受け止める。
覇「っ!!」
零「もはやあの最高神をも超えるこの力、
冥界神は欲したんだろう。なら、
こんな弱い神に頼らず自分で来れば良いもの。」
覇「!!貴様ぁっっ!!!」
零「っ!」
その瞬間、零は覇者王から放たれた波動によって遠く吹っ飛ばされた。
零「…っ、急に何だ……って、」
覇「グオオオオオオオォ!!!!」
覇者王は突然叫び出し、恐ろしい獣に変身した。
零「!!…マジかよ。」
覇「…我ハ神ヲ殺ス魔獣ナリ。
貴様ヲコノ手デ、八つ裂きニシテクレル!!」
零「まずい、このままじゃ此処も…」
魔獣と化した覇者王は、この町を消滅させようと莫大なエネルギーを溜め始めた。
零「っ!…あの技を使うしか…」
あの技、滅龍双破は拳に莫大な魔力を込め、
それを放出するという技。
故にその技を使うには場所も考慮しなければならない。
零「…仕方ない、上空ならある程度は負担も減るはずだ。」
と、零は上空に向かうが、覇者王はエネルギーを溜め終え、ついに放出してしまう。
覇「我の力を愚かな人間共に思い知らせてやろう。
喰らえっ!!!」
黒く光るエネルギーはそのまま町へと動き出す。
するとそこへ…
零「…そうはさせねえ!!」
零は黒のエネルギーを前にして、拳に魔力を込める。
そして…
零「滅龍、双破ぁぁっっ!!!」
拳に宿る魔力が勢い良く風と入り交じり、
それはやがて青白く輝き出した。
覇「我の力に叶うはずが……っ!!?」
なんと黒のエネルギーは零の滅龍双破によって打ち消され、覇者王に飛んできた。
覇「ぐふっ!!!
下等ナ人間如き二ヤラレルナド…
グワァァアアアアッッ!!!!」
覇者王は滅龍双破によってその身を消された。
零「父さん…母さん…皆…仇は取った…ぞ…」
そして見事覇者王を討ち滅ぼした零は力を失い、
そのまま落下していった。
零「はあっ…はあっ……」
何十分程走ったか分からないが、日本の神社で一番土地の広い場所であった為、走って外に出るまでは一時間程の距離である。
零「……父さんはもう…」
自分の手中にある祖龍の十を見つめ、
父親がもう帰らぬ人となったことを悟った。
「後は頼んだぞ、零。」
その言葉が聞こえ、彼女は涙を堪えながら必死に走り始めた。
零「畜生…何で助けられねえんだよ!
使える力が目の前にあるのに…!!」
身体に影響が及ぶと狭間は言っていたが、
それは未成年が使うと記憶障害に陥ったり、最悪は死に至るというものであった。
実際は、この龍騎一族に秘められた魔力に繋がる話で、生まれたその瞬間に魔力は身体に生成され、やがて成長するにつれ魔力は多くなる。
祖龍の十を使うためには莫大な魔力が必要とされ、魔力が不十分な未成年の身体ではとても危険で、使用は一切許されないことであった。
そんなこともあってか、龍騎一族では年に一度、祖龍に直接会って祖龍の十を引き継ぐ者を選抜する話が行われるが、年々成人を越しても必要な魔力が足りてない者が増えてきてしまい、結果的にその年に生まれた零に引き継がせることに決めた。
零「…俺にもっと魔力があれば…」
と、その一言を呟くと目の前に空間が開き始めた。
零「!!」
目の前に現れたのは覇者王であった…。
覇「両親共々あっけなく終わったな。」
零「…てめぇ。」
覇「ほう、我に牙を向くか。
ならば見せよ、その力を。
そして我を倒してみせろ。」
本来であればここは逃げるべきであろう。
しかし零には両親と一族を殺されたということに復讐心を募らせていた。
故に彼女は自身の身体などお構い無しにあっさりと覇者王の言葉に乗った。
零「…良いぜ、望むところ。」
首飾りの紐を引きちぎり、勾玉を空にかざす。
そして解放の言葉を唱える。
零「汝、世に十の御霊を捧げん。
それらは情にあり、属に降りしもの。
全ての闇を穿つ光となりて、いでよ。
世に力を…!!」
そう唱えた途端勾玉が光り始め、
空のあちらこちらから色鮮やかな光が降り注ぎ、零に取り込まれていく。
その瞬間彼女の右眼は黒から蒼に変色し、
背からは龍と思わしきオーラが十体も現れた。
覇「それが祖龍の十を宿した者の姿か。
面白い、ならば貴様を取り込んで、」
バキャァッ!!
覇「がはっ!!?な、ぜ…っ!!」
覇者王が動く前に零は勢い良く殴り、蹴り落とし、覇者王は何百メートル先も吹っ飛ばされた。
覇「…武器を持たず、拳と脚だけであの威力だと…!!
そんな馬鹿な…っ!!」
零「祖龍様の力を舐めるな。
お前なんざすぐ殺してやる。」
零が身体に影響が出ていないことを確認していると、
覇者王が体勢を立て直してきた。
覇「この我を侮辱するとは…許せぬ。
…貴様を二度と喋らせないようにしてやる!!」
覇者王は自身の剣先を素早く零に振り落とす。
が、零はそれを素手で受け止める。
覇「っ!!」
零「もはやあの最高神をも超えるこの力、
冥界神は欲したんだろう。なら、
こんな弱い神に頼らず自分で来れば良いもの。」
覇「!!貴様ぁっっ!!!」
零「っ!」
その瞬間、零は覇者王から放たれた波動によって遠く吹っ飛ばされた。
零「…っ、急に何だ……って、」
覇「グオオオオオオオォ!!!!」
覇者王は突然叫び出し、恐ろしい獣に変身した。
零「!!…マジかよ。」
覇「…我ハ神ヲ殺ス魔獣ナリ。
貴様ヲコノ手デ、八つ裂きニシテクレル!!」
零「まずい、このままじゃ此処も…」
魔獣と化した覇者王は、この町を消滅させようと莫大なエネルギーを溜め始めた。
零「っ!…あの技を使うしか…」
あの技、滅龍双破は拳に莫大な魔力を込め、
それを放出するという技。
故にその技を使うには場所も考慮しなければならない。
零「…仕方ない、上空ならある程度は負担も減るはずだ。」
と、零は上空に向かうが、覇者王はエネルギーを溜め終え、ついに放出してしまう。
覇「我の力を愚かな人間共に思い知らせてやろう。
喰らえっ!!!」
黒く光るエネルギーはそのまま町へと動き出す。
するとそこへ…
零「…そうはさせねえ!!」
零は黒のエネルギーを前にして、拳に魔力を込める。
そして…
零「滅龍、双破ぁぁっっ!!!」
拳に宿る魔力が勢い良く風と入り交じり、
それはやがて青白く輝き出した。
覇「我の力に叶うはずが……っ!!?」
なんと黒のエネルギーは零の滅龍双破によって打ち消され、覇者王に飛んできた。
覇「ぐふっ!!!
下等ナ人間如き二ヤラレルナド…
グワァァアアアアッッ!!!!」
覇者王は滅龍双破によってその身を消された。
零「父さん…母さん…皆…仇は取った…ぞ…」
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