4 / 11
第1章 前書き…?
第4話 どうするか
しおりを挟む
「お、おおお俺の名前は、アレクシス・ベイクウェル!美しい方、俺と、ここ婚約してください!」
(…なんだこいつ)
ぐちぐち文句を言ってきたかと思えば、突然の告白(?)。
(情緒不安定…?)
〈単なる一目惚れですね。〉
(意味わからん)
賢者の言葉をばっさり切り捨てて、立ち上がる。アレクシスは、再び固まった。そんな姿を見つつ、思い出した。まだ自分の状況を全く把握できていない。
(賢者、とりあえずここどこ)
〈異世界…正確には地球の存在している宇宙とは別の宇宙にある星、です。〉
(分かりやすく)
〈かなり分かりやすく言ったつもりなんですが…えーと、元暮らしていたのは、地球ですよね〉
(うん)
〈地球の周りには宇宙がありますよね〉
(あった)
〈その宇宙とは、別の宇宙に存在するのが、この星です。〉
(別の、宇宙…?)
〈はい。この世界には、ものすごい数の宇宙が存在しているんです。わかりやすくいえばブドウみたいなものですね。ブドウのように、沢山の宇宙が隣接しているのです。〉
(ふーん。分かった。で、僕はなんでここにいる?)
一通り説明を聞いて、曖昧な返事をした。正直言って、理解はできていない。賢者が突っ込むより早く、質問を浴びせる。
〈落ちたからですよ〉
賢者はすぐに答えた。
(落ちた?なにに?)
〈時空の穴、です。今回は特例中の特例。特例どころか、異常ですよ。〉
(特例とか、異常とか、なに?)
〈宇宙同士はたまに繋がることがあるんですけどね、星同士が繋がることなんてほとんど…千年に一度くらいくらいの確率でしか繋がらないんです。しかもそれが人の通れるくらいに大きくなることなんてこれまでに多分5回くらいしかありません。その5回のうち人が落ちたことは…前に一度、あった、みたいです…。しかもそれが龍の星に繋がってたみたいですね…。〉
最後の方はもう独り言のようになっていたので、龍の星については突っ込まないでおいた。頭の中で情報を整理していると、アレクシスと ばっちり目が合う。瞬間に目をそらされる。そして、ちらちらこちらを見ながら、
「あの…」
と呟いた。
「なに」
「えっ。あ、あの!名前を、教えていただけませんか…。」
つぶやき声が聞こえていないと思ったのか、反応するとびくり、と肩を震わせて弱々しい声で答えた。何をそんなに恥ずかしがっているのか、真っ赤になっている。
「…悠」
「ハル…さん?」
「なに」
アレクシスは噛みしめるように名前を繰り返した。わざわざ「さん」をつけて。そして、急にニヤニヤし始めた。顔を赤らめている程度ならまだ可愛かったものの、ニヤニヤしているのは正直気持ち悪い。思い切り顔をしかめてアレクシスを見ると、慌てて口元を覆った。
「す、すみません。ハルさん。嬉しくて、つい…ニヤけました。」
「さん付け気持ち悪いから、ハルでいい。」
謝罪をスルーして、言った。
「…ハル…?」
「ん、」
ゆっくりと名前を呼ばれる。顔を見ると、アレクシスは思いきり顔に手を当てた。すごい、痛そうな音がした。
「俺のことは、アレクって呼んでくださいぃぃ…。」
(そんな痛かったのか)
さっきよりも弱々しい声でアレクシス、改めアレクが言った。
〈イチャイチャしないでください〉
(してない)
急に賢者が喋り出した。アレクと話していた間、前に時空の穴に落ちた記録を賢者が頭の中で展開していたが、スルーしておいた。うるさいし、意味わかんないし、鬱陶しくてしょうがなかったがキレそうになるのをなんとか堪えていた。目の前のアレクも大分鬱陶しいが、賢者ほどでもなかったから我慢した。やっと、鬱陶しい2人に解放されて実に嬉しい。
…と、いうか。こんなことしてる場合じゃない。状況把握はできたものの、現状の解決にはなっていない。今直面している問題は
(これからどうするか。住む場所、食べ物の確保、そして何より布団…寝る場所…!)
「どうするか…」
(…なんだこいつ)
ぐちぐち文句を言ってきたかと思えば、突然の告白(?)。
(情緒不安定…?)
〈単なる一目惚れですね。〉
(意味わからん)
賢者の言葉をばっさり切り捨てて、立ち上がる。アレクシスは、再び固まった。そんな姿を見つつ、思い出した。まだ自分の状況を全く把握できていない。
(賢者、とりあえずここどこ)
〈異世界…正確には地球の存在している宇宙とは別の宇宙にある星、です。〉
(分かりやすく)
〈かなり分かりやすく言ったつもりなんですが…えーと、元暮らしていたのは、地球ですよね〉
(うん)
〈地球の周りには宇宙がありますよね〉
(あった)
〈その宇宙とは、別の宇宙に存在するのが、この星です。〉
(別の、宇宙…?)
〈はい。この世界には、ものすごい数の宇宙が存在しているんです。わかりやすくいえばブドウみたいなものですね。ブドウのように、沢山の宇宙が隣接しているのです。〉
(ふーん。分かった。で、僕はなんでここにいる?)
一通り説明を聞いて、曖昧な返事をした。正直言って、理解はできていない。賢者が突っ込むより早く、質問を浴びせる。
〈落ちたからですよ〉
賢者はすぐに答えた。
(落ちた?なにに?)
〈時空の穴、です。今回は特例中の特例。特例どころか、異常ですよ。〉
(特例とか、異常とか、なに?)
〈宇宙同士はたまに繋がることがあるんですけどね、星同士が繋がることなんてほとんど…千年に一度くらいくらいの確率でしか繋がらないんです。しかもそれが人の通れるくらいに大きくなることなんてこれまでに多分5回くらいしかありません。その5回のうち人が落ちたことは…前に一度、あった、みたいです…。しかもそれが龍の星に繋がってたみたいですね…。〉
最後の方はもう独り言のようになっていたので、龍の星については突っ込まないでおいた。頭の中で情報を整理していると、アレクシスと ばっちり目が合う。瞬間に目をそらされる。そして、ちらちらこちらを見ながら、
「あの…」
と呟いた。
「なに」
「えっ。あ、あの!名前を、教えていただけませんか…。」
つぶやき声が聞こえていないと思ったのか、反応するとびくり、と肩を震わせて弱々しい声で答えた。何をそんなに恥ずかしがっているのか、真っ赤になっている。
「…悠」
「ハル…さん?」
「なに」
アレクシスは噛みしめるように名前を繰り返した。わざわざ「さん」をつけて。そして、急にニヤニヤし始めた。顔を赤らめている程度ならまだ可愛かったものの、ニヤニヤしているのは正直気持ち悪い。思い切り顔をしかめてアレクシスを見ると、慌てて口元を覆った。
「す、すみません。ハルさん。嬉しくて、つい…ニヤけました。」
「さん付け気持ち悪いから、ハルでいい。」
謝罪をスルーして、言った。
「…ハル…?」
「ん、」
ゆっくりと名前を呼ばれる。顔を見ると、アレクシスは思いきり顔に手を当てた。すごい、痛そうな音がした。
「俺のことは、アレクって呼んでくださいぃぃ…。」
(そんな痛かったのか)
さっきよりも弱々しい声でアレクシス、改めアレクが言った。
〈イチャイチャしないでください〉
(してない)
急に賢者が喋り出した。アレクと話していた間、前に時空の穴に落ちた記録を賢者が頭の中で展開していたが、スルーしておいた。うるさいし、意味わかんないし、鬱陶しくてしょうがなかったがキレそうになるのをなんとか堪えていた。目の前のアレクも大分鬱陶しいが、賢者ほどでもなかったから我慢した。やっと、鬱陶しい2人に解放されて実に嬉しい。
…と、いうか。こんなことしてる場合じゃない。状況把握はできたものの、現状の解決にはなっていない。今直面している問題は
(これからどうするか。住む場所、食べ物の確保、そして何より布団…寝る場所…!)
「どうするか…」
0
あなたにおすすめの小説
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
――自由を手に入れるために、なにがあっても金は稼ぎます――
金さえあれば人生はどうにでもなる――
そう信じている守銭奴、鏡谷知里(28)。
交通事故で死んだはずの彼が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。
しかもなぜか、規格外のチート魔力を手に入れていた。
だがその力は、本来存在してはいけないものだった。
知里の魔力は、封印されていた伝説の冒険者の魔力と重なったことで生まれた世界のバランスを崩す力。
その異常な魔力に目を付けたのは、この世界を裏から支配する存在――
「世界を束ねる管理者」
神にも等しい力を持つ彼らは、知里を危険視し始める。
巻き込まれたくない。
戦いたくもない。
知里が望むのはただ一つ。
金を稼いで楽して生きること。
しかし純粋すぎる仲間に振り回され、事件に巻き込まれ、気付けば世界の管理者と敵対する羽目に――。
守銭奴のチート魔力持ち冒険者 VS 世界を支配する管理者。
金のために生きる男が、望まぬまま世界の頂点と戦うことになる
巻き込まれ系異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
どうやら俺は、魔王を倒した英雄の両親より強いらしい。~オリハルコンを斬ってくっつけたら試験無しで王立学園に入学、いろいろやらかすハメに
試運転中
ファンタジー
山を割るほどに剣を極めたおとん「ケン」と、ケガなど何でも治してしまうおかん「セイ」。
そんな二人に山で育てられた息子「ケイ」は、15歳の大人の仲間入りを機に、王都の学園へと入学する。
両親の素性すらも知らず、その血を受け継いだ自分が、どれほど常軌を逸しているかもわからず。
気心の知れた仲間と、困ったり楽しんだりする学園生活のはずが……
主人公最強だけど、何かがおかしい!? ちょっぴり異色な異世界学園ファンタジー。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~
夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。
全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった!
ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。
一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。
落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる