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9話
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やって来たジエさんの部下の人たちは、男性が七人、女性が三人の構成で、セキロウさんや、ジエさんの雰囲気と比較すると若いんじゃないかと思われた。
皆、彫りが深く、顔立ちが整っていて、尚且つ男女共に長身なので、私の感覚では彼らの外見から年齢を推測するのは難しい事だった。
そんな彼らは若いから無茶しちゃうとかそう言う次元を越えた更にその先の量を背負って現れ、その量に唖然とした私を、彼らはガン見していた。
あ、初対面なのに間抜けな顔を晒してしまった。恥ずかしいじゃないかっ
手遅れながら、たるんだ表情を引き締めてた私の視界の端で、ジエさんがあちゃーな顔をしているのを見た。
…え、私の緩んだ口元、そんなに駄目だった?
「スゲェ…本物…」
ぽつりと男性が呟いたのを切っ掛けに、女性もうっとりと呟いた。
「ふわぁ、なにこれぇ、超いい匂い~」
いい匂い?何処から?
ジエさんから?
隣に立つジエさんをそれとなく嗅ごうとしたら、ジエさんの手に鼻から下を覆われて阻止された。
「止めて。私が汗臭かったらどう責任とってくれんのよ」
「ふみまふぇん、もうしまふぇん」
ジエさんから汗臭さを嗅ぎとってしまったら責任問題になるらしい。
美人の美意識の高さは計り知れない。
「でも、いい匂いって云うからジエさんかと思って…」
「しゃべった!なんて可愛い声なの!」
別の女性から褒められたけど、何か皆さんの目付きが血走ってギラギラし出したのは気のせいですか?
「あ、あの、皆さん様子が変じゃないですか?」
「そうね、若いコは未熟だから、龍珠に振り回されちゃうのよ。
私の部下は皆、優秀だから大丈夫かなーって思ってたんだけど、残念ながら買い被ってたみたい」
少し眉を寄せて残念そうなジエさんの表情になんとも言えない気持ちになる。
龍珠ってなんだろう?
それをきちんと理解しなければ、このなんとも言えない気持ちは晴れないと言うことは分かってる。
でも、今は、知って理解を深める気になれない。
覚悟がつかない私は、ジエさんから目を逸らした。
「…っ、師団長、俺達にも龍珠を触らせて…じゃなくて、紹介してください!」
ジエさんに訴えたのは、若い男性陣の中でも落ち着いた雰囲気を纏っている事から、恐らく一番年上の人だと思う。
私を見る目も好奇心でキラキラしているだけに留めている。
ただ、本音は隠しきれずに口走ってしまっていたけれど。
ジエさんは男性部下の水色の目をじっと視た後、やがてニコッと笑った。
男性部下の水色のキラキラした目も眩しいが、ジエさんの笑顔も眩しい。
「後、八百年早いわよ。出直してきなさい」
え、断っちゃうの?
いい笑顔で断られるとは彼も思ってないって、私でも分かるよ?
と思いながら、ジエさんと水色の目の男性を伺っていると、男性が呆然と呟いた。
「師団長がケチ過ぎてビックリです」
「自分もです。尊敬する師団長がこんなにケチだったなんて!」
「ケチでオカマとか」
「そうですよ、紹介ぐらいいいじゃないですかぁ」
「可愛いは共有して皆で幸せに浸るべきですよ!」
男性に賛同しながら、ジエさんへ非難が飛ぶ。
皆の異常な興奮は消え失せて、雰囲気はすっかり元通りになっていた。
ああ、賑やかだな、とちょっと遠くに行ってしまった私を現実に引き戻したのはジエさんの一喝だった。
「おだまりっ!」
「…っ!」×10
部下の人達はジエさんの一喝で、仕込まれたみたいに見事に黙った。
「どさくさに紛れてオカマって言ったの誰だ、聞こえたぞ、コラ」
上司に気兼ねしない環境っていいよね、なんて呑気にほんわかしてる場合じゃなかった。
柄の悪い美人に変貌したジエさんが、鞘に収まってるとは言え長剣の先端で女性の顎を上向かせて、自白を強要しようとしている!
ジエさん、キャラが濃すぎます。チンピラ系オネエとか駄目です、ズルいです!と思いながら、私は慌ててジエさんの腕を引いた。
「ジ、ジエさん、待って、その人もつい口が滑っちゃっただけで、その、すみません!
もう、二度と言わないって本人も反省してる筈ですからっ」
「…リンってこの子の何?」
ジエさんから怪訝そうに問われて私ははっとした。
…そうですね。ホントに。
賑やかに登場したジエさんの部下達と自己紹介を漸く終えると、熱した石を地中に埋めた床暖完備の天幕が建てられ、現在はキングサイズのマットや、ストーブなどを設置中だ。
これとは別にお風呂とトイレと洗面台の水回り専用の天幕が組み立てられている。
私も手伝いを申し出たけど、私に言い付けられた仕事は焚き火をして、お茶を淹れ、ジエさんと寛ぐ事だった。申し訳ないです。
「…おいしい…ジエさん、これおいしいよぉ、ううっ」
「そうでしょ、って泣いてるの?何でよ、どうしたのよ?!」
「あの、それ僕が作ったんですけど、美味しいんですよね?あれ、師団長、おいしいって褒め言葉ですよね?」
紅茶のシフォンケーキ、生クリーム添えにそっくりなおやつを出して貰い、最早懐かしさで内心震えながら食べたら、もう駄目だった。
たった一日、甘いものを食べなかっただけなのに、想像していたよりもずっと身体は甘味を欲していて、一口食べた途端、幸せホルモンが湧いたのを感じた。
そして、何よりもこの異世界でもとの世界で食べていたものと同じ物が食べられる事に喜びが爆発した。
料理担当のタキ君が気を遣って、大急ぎで取って置きの茶葉を取りに行ってくれて、お茶を淹れてくれた。
それを目撃した他の人達も、様子がおかしいと気付き、結局、全員に心配されて囲まれてしまった。
「どうしたって言うのよ、大丈夫?」
「う、うぅ~、だって…」
「リンちゃん、これ使って?擦ったら美味しそうに腫れちゃう…あ、ゴメンつい」
思わず本音を漏らしてしまった女性部下のセンカさんは、同僚達の冷やかな視線で嗜められていたが、差し出してくれた手拭いに罪はないので受け取って、お礼を言った。
センカさんを含めた女性三人は何故かぐちゃぐちゃな私の顔を見てうっとりし、ゴキュと喉を鳴らした男性三人はギュッと目を閉じて顔を伏せた。
ジエさんも恐々とだけど背を擦ってくれた。
そりゃそうだ、ケーキ食べて号泣する女とか怖いわ!
何とか落ち着き、ケーキを食べて号泣に至った経緯を語った。
本日の朝食で生食の肉が出た事。
ここでは生食が基本で調味料などもなく、原始的な味と調理法しかないと思った事。
食事を楽しむ事はもう出来ないと思った事。
「だからもうケーキなんて食べられないと思って…あと、このケーキ、もとの世界のシフォンケーキって物にすごく似てて」
事情を聞いた皆さんの呆れた視線が痛い。
背を擦ってくれていたジエさんの手も止まってしまった。
私だってこんな事で号泣する日が来るなんて思ってもみなかったです。
「あの馬鹿、ろくな事考えないわね」
「いや、寧ろ何も考えてないんじゃ…セキロウ様ですし」
「セキロウ様ですか…」
「ああ、うん、セキロウ様のせいですね」
あれ、私じゃなくてセキロウさんが呆れられてる?
「あの方はデタラメに強いんですけど、その、強さと引き換えにしている部分があって」
「つまり脳筋」
さっきジエさんをオカマと口走ったアサギリさんが端的且つ的確に言い表すと、全員が目を逸らして聞かなかった風を装った。
そんな中、いち早く切り替えたタキ君が私の両手をさっと取ると、世界的人気のアイドルよりも可愛い顔を赤らめて距離を詰めてきた。
「リンさん、僕にリンさんが食べたい物作らせてください!」
「あ、馬鹿タキ、リンさんの手を握るな!ってかお前、力加減してんだろうなっ」
「なに嫁に行こうとしてんのよ!」
「狡猾を隠す為の面。リン、気を付けて」
そして、ジエさん再びの一喝で各自、持ち場に戻っていきましたとさ。
皆、彫りが深く、顔立ちが整っていて、尚且つ男女共に長身なので、私の感覚では彼らの外見から年齢を推測するのは難しい事だった。
そんな彼らは若いから無茶しちゃうとかそう言う次元を越えた更にその先の量を背負って現れ、その量に唖然とした私を、彼らはガン見していた。
あ、初対面なのに間抜けな顔を晒してしまった。恥ずかしいじゃないかっ
手遅れながら、たるんだ表情を引き締めてた私の視界の端で、ジエさんがあちゃーな顔をしているのを見た。
…え、私の緩んだ口元、そんなに駄目だった?
「スゲェ…本物…」
ぽつりと男性が呟いたのを切っ掛けに、女性もうっとりと呟いた。
「ふわぁ、なにこれぇ、超いい匂い~」
いい匂い?何処から?
ジエさんから?
隣に立つジエさんをそれとなく嗅ごうとしたら、ジエさんの手に鼻から下を覆われて阻止された。
「止めて。私が汗臭かったらどう責任とってくれんのよ」
「ふみまふぇん、もうしまふぇん」
ジエさんから汗臭さを嗅ぎとってしまったら責任問題になるらしい。
美人の美意識の高さは計り知れない。
「でも、いい匂いって云うからジエさんかと思って…」
「しゃべった!なんて可愛い声なの!」
別の女性から褒められたけど、何か皆さんの目付きが血走ってギラギラし出したのは気のせいですか?
「あ、あの、皆さん様子が変じゃないですか?」
「そうね、若いコは未熟だから、龍珠に振り回されちゃうのよ。
私の部下は皆、優秀だから大丈夫かなーって思ってたんだけど、残念ながら買い被ってたみたい」
少し眉を寄せて残念そうなジエさんの表情になんとも言えない気持ちになる。
龍珠ってなんだろう?
それをきちんと理解しなければ、このなんとも言えない気持ちは晴れないと言うことは分かってる。
でも、今は、知って理解を深める気になれない。
覚悟がつかない私は、ジエさんから目を逸らした。
「…っ、師団長、俺達にも龍珠を触らせて…じゃなくて、紹介してください!」
ジエさんに訴えたのは、若い男性陣の中でも落ち着いた雰囲気を纏っている事から、恐らく一番年上の人だと思う。
私を見る目も好奇心でキラキラしているだけに留めている。
ただ、本音は隠しきれずに口走ってしまっていたけれど。
ジエさんは男性部下の水色の目をじっと視た後、やがてニコッと笑った。
男性部下の水色のキラキラした目も眩しいが、ジエさんの笑顔も眩しい。
「後、八百年早いわよ。出直してきなさい」
え、断っちゃうの?
いい笑顔で断られるとは彼も思ってないって、私でも分かるよ?
と思いながら、ジエさんと水色の目の男性を伺っていると、男性が呆然と呟いた。
「師団長がケチ過ぎてビックリです」
「自分もです。尊敬する師団長がこんなにケチだったなんて!」
「ケチでオカマとか」
「そうですよ、紹介ぐらいいいじゃないですかぁ」
「可愛いは共有して皆で幸せに浸るべきですよ!」
男性に賛同しながら、ジエさんへ非難が飛ぶ。
皆の異常な興奮は消え失せて、雰囲気はすっかり元通りになっていた。
ああ、賑やかだな、とちょっと遠くに行ってしまった私を現実に引き戻したのはジエさんの一喝だった。
「おだまりっ!」
「…っ!」×10
部下の人達はジエさんの一喝で、仕込まれたみたいに見事に黙った。
「どさくさに紛れてオカマって言ったの誰だ、聞こえたぞ、コラ」
上司に気兼ねしない環境っていいよね、なんて呑気にほんわかしてる場合じゃなかった。
柄の悪い美人に変貌したジエさんが、鞘に収まってるとは言え長剣の先端で女性の顎を上向かせて、自白を強要しようとしている!
ジエさん、キャラが濃すぎます。チンピラ系オネエとか駄目です、ズルいです!と思いながら、私は慌ててジエさんの腕を引いた。
「ジ、ジエさん、待って、その人もつい口が滑っちゃっただけで、その、すみません!
もう、二度と言わないって本人も反省してる筈ですからっ」
「…リンってこの子の何?」
ジエさんから怪訝そうに問われて私ははっとした。
…そうですね。ホントに。
賑やかに登場したジエさんの部下達と自己紹介を漸く終えると、熱した石を地中に埋めた床暖完備の天幕が建てられ、現在はキングサイズのマットや、ストーブなどを設置中だ。
これとは別にお風呂とトイレと洗面台の水回り専用の天幕が組み立てられている。
私も手伝いを申し出たけど、私に言い付けられた仕事は焚き火をして、お茶を淹れ、ジエさんと寛ぐ事だった。申し訳ないです。
「…おいしい…ジエさん、これおいしいよぉ、ううっ」
「そうでしょ、って泣いてるの?何でよ、どうしたのよ?!」
「あの、それ僕が作ったんですけど、美味しいんですよね?あれ、師団長、おいしいって褒め言葉ですよね?」
紅茶のシフォンケーキ、生クリーム添えにそっくりなおやつを出して貰い、最早懐かしさで内心震えながら食べたら、もう駄目だった。
たった一日、甘いものを食べなかっただけなのに、想像していたよりもずっと身体は甘味を欲していて、一口食べた途端、幸せホルモンが湧いたのを感じた。
そして、何よりもこの異世界でもとの世界で食べていたものと同じ物が食べられる事に喜びが爆発した。
料理担当のタキ君が気を遣って、大急ぎで取って置きの茶葉を取りに行ってくれて、お茶を淹れてくれた。
それを目撃した他の人達も、様子がおかしいと気付き、結局、全員に心配されて囲まれてしまった。
「どうしたって言うのよ、大丈夫?」
「う、うぅ~、だって…」
「リンちゃん、これ使って?擦ったら美味しそうに腫れちゃう…あ、ゴメンつい」
思わず本音を漏らしてしまった女性部下のセンカさんは、同僚達の冷やかな視線で嗜められていたが、差し出してくれた手拭いに罪はないので受け取って、お礼を言った。
センカさんを含めた女性三人は何故かぐちゃぐちゃな私の顔を見てうっとりし、ゴキュと喉を鳴らした男性三人はギュッと目を閉じて顔を伏せた。
ジエさんも恐々とだけど背を擦ってくれた。
そりゃそうだ、ケーキ食べて号泣する女とか怖いわ!
何とか落ち着き、ケーキを食べて号泣に至った経緯を語った。
本日の朝食で生食の肉が出た事。
ここでは生食が基本で調味料などもなく、原始的な味と調理法しかないと思った事。
食事を楽しむ事はもう出来ないと思った事。
「だからもうケーキなんて食べられないと思って…あと、このケーキ、もとの世界のシフォンケーキって物にすごく似てて」
事情を聞いた皆さんの呆れた視線が痛い。
背を擦ってくれていたジエさんの手も止まってしまった。
私だってこんな事で号泣する日が来るなんて思ってもみなかったです。
「あの馬鹿、ろくな事考えないわね」
「いや、寧ろ何も考えてないんじゃ…セキロウ様ですし」
「セキロウ様ですか…」
「ああ、うん、セキロウ様のせいですね」
あれ、私じゃなくてセキロウさんが呆れられてる?
「あの方はデタラメに強いんですけど、その、強さと引き換えにしている部分があって」
「つまり脳筋」
さっきジエさんをオカマと口走ったアサギリさんが端的且つ的確に言い表すと、全員が目を逸らして聞かなかった風を装った。
そんな中、いち早く切り替えたタキ君が私の両手をさっと取ると、世界的人気のアイドルよりも可愛い顔を赤らめて距離を詰めてきた。
「リンさん、僕にリンさんが食べたい物作らせてください!」
「あ、馬鹿タキ、リンさんの手を握るな!ってかお前、力加減してんだろうなっ」
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