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12話
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ジエさんの指示で調理を任されたタキ君とセンカさんは野外で調理を開始した、と思う。
何故、疑問系なのかと言うと、タキ君が相対してるのは食材ではなく、数枚の湾曲した鉄の板だったからだ。
縦が五十センチ程のもので、縦に凹凸があるから組み合わせて使うと思うんだけど。
「りんちゃん、どうしたのー?あ、センカ達が気になる?」
私が疑問視する先にいるタキ君へ、その鈍い青色の目を向けたギンナさんが笑顔で聞いてくれた。
「今日はシチューだな」
「シチュー?!シチューがあるんですか?!」
心なしか嬉しそうに今晩のメニューにあたりを付けたソウマさんに、私は思わず襟首掴んで問い質す勢いで問うた。
「うわ、風呂上がりヤバい…じゃなくて!ちょ…シチューでそんなに興奮しないで、落ち着いて!」
「リン、シチュー好き過ぎ」
距離を詰めてくる私に慌てながらやんわりと近付かない様に牽制するソウマさんと、第三者目線で私の状態を語るアサギリさんに私は我に返った。
「あ、すみません、シチューって聞いて取り乱しちゃって。元の世界と同じ料理名だったからビックリしちゃって」
「へぇー、偶然だねぇ。
センカのシチュー、おいしいんだよぉ、楽しみ~」
「そうなんですか?…おこがましいんですけど、ちょっと期待しちゃいます」
ギンナさんは銀の長い髪、灰色にくすんだ鈍色の青い目で、クールビューティーな印象を受ける容姿をしているけど、癒し系だ。
そんなギンナさんがほんわかとした癒し系の笑みを浮かべながら美味しいと言ったシチューを私も食べてみたい。
でも、タキ君がハンマーを振り下ろして鉄板を叩き始めるのを目撃してしまえば、美味しいシチューにありつけるのか疑問だ。
もう一度言おう。
料理担当の筈のタキ君の手に握られているのは包丁ではない。ハンマーだ。
不安しかない。
不安と懐疑が露骨に顔に出てしまっていたのだろう。
ソウマさんがブハッと吹き出したのを誤魔化しきれない咳払いで強引に有耶無耶にした後、タキ君の調理とは思えない所業を説明してくれた。
「タキは鍋を組み立ててるんですよ。
センカの調合する粘着剤を鍋の隙間に塗り込むから漏れの心配はないです。
セキロウ様とジエ様がいますから、大鍋が必要なんです」
セキロウさんは今朝、十キロの肉塊を食べてたし、沢山食べるだろうけど。
「ジエ様、ああ見えて大飯食らいなんですよ」
「燃費の悪い二人」
…どうなってんだ、異世界人。てか、あの二人。
因みに。
さっき私がセキロウさんは村長って言った時、一番最初に吹き出した内の一人はソウマさんだと私の中で確定した。
―――――――――――――――――――――――――――
「随分手間を掛けたな」
セキロウは水回りの天幕に入るなり、その周到に設えられた一連を見て、傍らのジエに告げた。
嫌味ではなく、素直な感想だと云う事はジエにも伝わっているようで、ジエは淡々と手間を掛けざるを得なかった事情を語る。
「昨晩の野営が最悪だったと分かってたからね。悪印象を払拭するべく部下には頑張って貰ったわ」
「…そうか。俺に話があるんだろう?
早く来い。余り長湯は出来ない質なのは知ってるだろう」
下半身にしか衣類を身に付けていないセキロウは既に全裸となり、浴室へ向かった。
セキロウより遅れて浴室へ入ってきたジエは、豪快に頭から湯を被ると、洗髪を始めながら、湯船にいるセキロウへ話しかける。
「右も左も分からないリンの中で、セキロウは抜群に頼りになる存在として根付いてるわよ。筋書き通りね、満足?」
「こうして至れり尽くせりされては、台無しだがな」
「その割に冷静じゃない」
セキロウも湯から上がり、ジエの傍らで豪快に頭から湯を被った。
再度、桶で湯を取り、その中に石鹸を入れて溶かしながら泡立てる。
「リンの中で俺の存在を根付かせる事が出来たのなら、一先ず俺の筋書きはそれまでだ。
後はリンが喜ぶならどうとでも」
セキロウの考えを聞いてジエの手が止まった。
「…驚いた。腹黒なセキロウの口からそんな殊勝な言葉が出るなんて。
どう云う風の吹き回しよ」
「今のリンを過酷な環境と現実に晒すのは、心身を蝕むばかりだと判断したまでだ」
筋書きを変更するに至った経緯を告げながら、セキロウの脳裏に過るのは、リンに元の世界に戻る術は無いと断言した時の事だった。
帰れないと告げた時のリンの嘆きはセキロウの思うところの比ではなく、表情が乏しい故に気付かれる事はないが、心が壊れてしまうのではないかと恐々としていたのを覚えている。
龍珠は繊細と伝わるが、脆いと表裏一体であり、その意味は心と身体に及ぶのを知るが故の危惧だった。
「今はリンを絆す事を最優先事項にする」
リンに対する新たな方針を聞いたジエは納得したように洗髪を再開した。
「これ以上、リンを追い詰めて依存させるつもりだったら止めさせようと思ってたんだけど、セキロウがすっかり絆されてて良かったわ」
「絆されたのは俺だけか?ジエもだろう?」
泡立てた泡と石鹸の溶液を適当に髪に塗り、セキロウも洗髪を開始する。
「まあね。でも、恐らくリンと面識をもったら全員リンに堕ちるんじゃないかしら。私達は龍珠の扱いを心得ているから滅多な事はしないと思うけど」
「前回の龍珠争奪時の出来事は、人型をとる種族には周知されているからな」
「…でも、いくら滅多な事はしないっていってもさあ…限度、あるわよね」
「…戦闘が丁度いい発散になった事は事実だな」
異性に不自由したことがない異なる美形達の、その稀なる輝石のごとき双眸は、これからの気苦労を思い、遠くを見やった。
―――――――――――――――――――――――――――
ギンナさんに髪を整えて貰った後、私は夕飯の手伝いを申し出た。
食材を刻む位なら私にだって出来る筈!
と、思ってた。食材達を見るまでは。
デカイんだよね、全てが。
似た様なスイーツがあったり、同じ名前の料理があったりしたから、てっきり食材もと思ってたら、サイズが違うとは盲点だった。
でも、それよりもソウマさんが異常なプレッシャーを掛けてくるのが一番のやりづらさだ。
「あぁ…!リンさん!無理しないでくださいねっ、てか、もう、手伝いはその位でいいんじゃないですか?!
リンさんがもし万が一、指切ったりしたら俺の首が…じゃなくて」
「副長、心配しすぎー。まだ岩芋切って皮剥き始めただけじゃないですかぁ」
ギンナさんが煩わしさを隠さずに告げ、更に煩わしさ全開のタキ君が追い討ちを掛ける。
「あーもー、ソウマ副長、うるさいですよ!
もし万が一な事があっても、副長がどうにかなる位じゃないですか。
それくらい何だって言うんですか、まったくもう!
リンさん、それ終わったら僕の隣に来てもらって皮剥いたやつ切ってくれます?」
「リンさんを隣に呼び寄せる必要がどこにあるんだ。
何と言われようと、師団長に頼むと言われたからには…わあ、リンさんっ俺が見てない時を見計らって切るの止めて!」
さっき、やんわり近付くなって諌めてきたのはソウマさんなのに、今じゃ、包丁を握る私とゼロ距離だよ。
今にも包丁を握る手を捕まれそうだよ。
「ソウマ、必死」
アサギリさんはソウマさんの必死さがツボだったようで笑いが止まらない。
ソウマさん、大変だな。部下が自由で。
所でさ、シチューって煮込む必要があるんだよね。
この調子だとシチュー、いつ出来るのかな?
何故、疑問系なのかと言うと、タキ君が相対してるのは食材ではなく、数枚の湾曲した鉄の板だったからだ。
縦が五十センチ程のもので、縦に凹凸があるから組み合わせて使うと思うんだけど。
「りんちゃん、どうしたのー?あ、センカ達が気になる?」
私が疑問視する先にいるタキ君へ、その鈍い青色の目を向けたギンナさんが笑顔で聞いてくれた。
「今日はシチューだな」
「シチュー?!シチューがあるんですか?!」
心なしか嬉しそうに今晩のメニューにあたりを付けたソウマさんに、私は思わず襟首掴んで問い質す勢いで問うた。
「うわ、風呂上がりヤバい…じゃなくて!ちょ…シチューでそんなに興奮しないで、落ち着いて!」
「リン、シチュー好き過ぎ」
距離を詰めてくる私に慌てながらやんわりと近付かない様に牽制するソウマさんと、第三者目線で私の状態を語るアサギリさんに私は我に返った。
「あ、すみません、シチューって聞いて取り乱しちゃって。元の世界と同じ料理名だったからビックリしちゃって」
「へぇー、偶然だねぇ。
センカのシチュー、おいしいんだよぉ、楽しみ~」
「そうなんですか?…おこがましいんですけど、ちょっと期待しちゃいます」
ギンナさんは銀の長い髪、灰色にくすんだ鈍色の青い目で、クールビューティーな印象を受ける容姿をしているけど、癒し系だ。
そんなギンナさんがほんわかとした癒し系の笑みを浮かべながら美味しいと言ったシチューを私も食べてみたい。
でも、タキ君がハンマーを振り下ろして鉄板を叩き始めるのを目撃してしまえば、美味しいシチューにありつけるのか疑問だ。
もう一度言おう。
料理担当の筈のタキ君の手に握られているのは包丁ではない。ハンマーだ。
不安しかない。
不安と懐疑が露骨に顔に出てしまっていたのだろう。
ソウマさんがブハッと吹き出したのを誤魔化しきれない咳払いで強引に有耶無耶にした後、タキ君の調理とは思えない所業を説明してくれた。
「タキは鍋を組み立ててるんですよ。
センカの調合する粘着剤を鍋の隙間に塗り込むから漏れの心配はないです。
セキロウ様とジエ様がいますから、大鍋が必要なんです」
セキロウさんは今朝、十キロの肉塊を食べてたし、沢山食べるだろうけど。
「ジエ様、ああ見えて大飯食らいなんですよ」
「燃費の悪い二人」
…どうなってんだ、異世界人。てか、あの二人。
因みに。
さっき私がセキロウさんは村長って言った時、一番最初に吹き出した内の一人はソウマさんだと私の中で確定した。
―――――――――――――――――――――――――――
「随分手間を掛けたな」
セキロウは水回りの天幕に入るなり、その周到に設えられた一連を見て、傍らのジエに告げた。
嫌味ではなく、素直な感想だと云う事はジエにも伝わっているようで、ジエは淡々と手間を掛けざるを得なかった事情を語る。
「昨晩の野営が最悪だったと分かってたからね。悪印象を払拭するべく部下には頑張って貰ったわ」
「…そうか。俺に話があるんだろう?
早く来い。余り長湯は出来ない質なのは知ってるだろう」
下半身にしか衣類を身に付けていないセキロウは既に全裸となり、浴室へ向かった。
セキロウより遅れて浴室へ入ってきたジエは、豪快に頭から湯を被ると、洗髪を始めながら、湯船にいるセキロウへ話しかける。
「右も左も分からないリンの中で、セキロウは抜群に頼りになる存在として根付いてるわよ。筋書き通りね、満足?」
「こうして至れり尽くせりされては、台無しだがな」
「その割に冷静じゃない」
セキロウも湯から上がり、ジエの傍らで豪快に頭から湯を被った。
再度、桶で湯を取り、その中に石鹸を入れて溶かしながら泡立てる。
「リンの中で俺の存在を根付かせる事が出来たのなら、一先ず俺の筋書きはそれまでだ。
後はリンが喜ぶならどうとでも」
セキロウの考えを聞いてジエの手が止まった。
「…驚いた。腹黒なセキロウの口からそんな殊勝な言葉が出るなんて。
どう云う風の吹き回しよ」
「今のリンを過酷な環境と現実に晒すのは、心身を蝕むばかりだと判断したまでだ」
筋書きを変更するに至った経緯を告げながら、セキロウの脳裏に過るのは、リンに元の世界に戻る術は無いと断言した時の事だった。
帰れないと告げた時のリンの嘆きはセキロウの思うところの比ではなく、表情が乏しい故に気付かれる事はないが、心が壊れてしまうのではないかと恐々としていたのを覚えている。
龍珠は繊細と伝わるが、脆いと表裏一体であり、その意味は心と身体に及ぶのを知るが故の危惧だった。
「今はリンを絆す事を最優先事項にする」
リンに対する新たな方針を聞いたジエは納得したように洗髪を再開した。
「これ以上、リンを追い詰めて依存させるつもりだったら止めさせようと思ってたんだけど、セキロウがすっかり絆されてて良かったわ」
「絆されたのは俺だけか?ジエもだろう?」
泡立てた泡と石鹸の溶液を適当に髪に塗り、セキロウも洗髪を開始する。
「まあね。でも、恐らくリンと面識をもったら全員リンに堕ちるんじゃないかしら。私達は龍珠の扱いを心得ているから滅多な事はしないと思うけど」
「前回の龍珠争奪時の出来事は、人型をとる種族には周知されているからな」
「…でも、いくら滅多な事はしないっていってもさあ…限度、あるわよね」
「…戦闘が丁度いい発散になった事は事実だな」
異性に不自由したことがない異なる美形達の、その稀なる輝石のごとき双眸は、これからの気苦労を思い、遠くを見やった。
―――――――――――――――――――――――――――
ギンナさんに髪を整えて貰った後、私は夕飯の手伝いを申し出た。
食材を刻む位なら私にだって出来る筈!
と、思ってた。食材達を見るまでは。
デカイんだよね、全てが。
似た様なスイーツがあったり、同じ名前の料理があったりしたから、てっきり食材もと思ってたら、サイズが違うとは盲点だった。
でも、それよりもソウマさんが異常なプレッシャーを掛けてくるのが一番のやりづらさだ。
「あぁ…!リンさん!無理しないでくださいねっ、てか、もう、手伝いはその位でいいんじゃないですか?!
リンさんがもし万が一、指切ったりしたら俺の首が…じゃなくて」
「副長、心配しすぎー。まだ岩芋切って皮剥き始めただけじゃないですかぁ」
ギンナさんが煩わしさを隠さずに告げ、更に煩わしさ全開のタキ君が追い討ちを掛ける。
「あーもー、ソウマ副長、うるさいですよ!
もし万が一な事があっても、副長がどうにかなる位じゃないですか。
それくらい何だって言うんですか、まったくもう!
リンさん、それ終わったら僕の隣に来てもらって皮剥いたやつ切ってくれます?」
「リンさんを隣に呼び寄せる必要がどこにあるんだ。
何と言われようと、師団長に頼むと言われたからには…わあ、リンさんっ俺が見てない時を見計らって切るの止めて!」
さっき、やんわり近付くなって諌めてきたのはソウマさんなのに、今じゃ、包丁を握る私とゼロ距離だよ。
今にも包丁を握る手を捕まれそうだよ。
「ソウマ、必死」
アサギリさんはソウマさんの必死さがツボだったようで笑いが止まらない。
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