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第42話 七帝との雑談2
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アキトはあの破天荒な2人にずっと付き添ってきた。
だから、2人の間で荒れた場を止める役もアキトだった。
今は2人はあんな感じになっているため、最近はあまりアキトが2人を止めている場面は見なくなったが。
「ずっと2人の面倒を見てきたから、自然と我が子を見ているような感じになってしまったんすよ。自分には子どもなんていないのに……不思議っすよね。あはは……」
「それぐらい、2人のお世話をしてきたってことだ。立派なことじゃないか」
「ルーカスがそう言うのなら、そうなのかもしれないっすね」
下に潜り込んでしまった馬車を見終わると、今度は日が少しずつ傾いていく空を見上げた。
彼の顔を見ると、何かがすっと抜けて楽になったかのようだった。
少しだけ笑みが浮かんだ。
普段から笑っているアキトだが、このような笑みを浮かべた顔を見たのは初めてだった。
「―――」
「―――? どうかしたんすか?」
「あ、いや。何だかあの2人を見ると、当時だったら考えられないなって思っただけだ」
「本当っすかそれ?」
「ま、まあそういうことにしておいてくれ……」
俺のごまかしはアキトには通じなかった。
そして、お互いに笑いあった。
「じゃあ、俺は次の人のところに行ってくる」
「分かりました! 気をつけるんっすよ!」
「ああ、おりがとな。『ワラムカリス』!」
◇◇◇
俺は次の場所へ向かった。
それにしても、アキトがあんな表情をするとはな……。
まあ、ずっとホムラとミライをそばで見守ってきた男だ。
気持ちが楽になって思わず出てしまったのだろう。
「女の子1人しかいないところに現れるなんて、随分といい度胸じゃないの」
「よう、ティフィーがいなくて寂しいか?」
「もう! それを言わないで頂戴!」
次に俺が訪れた人物は、七帝で木帝の称号を持っていた女性、カラー・ハキハだ。
木属性の魔法を操る、俺たちの中ではお姉さん的存在だ。
しっかりしていて頼れる存在なのだが、ティフィー相手だとデレデレになって溺愛するところがある。
そこが唯一残念なところだ。
今日からここで1週間ほど防衛を務めるカラーは、もうすでに極度の禁断症状が現れていることだろう。
「で、わたくしに何か御用?」
「いや、ちょっと様子を見に来ただけだ」
「―――そしてわたくしのところに来たってわけなの? それってヤバいんじゃないの?」
「うっ……。やっぱりやばかったか……」
「まあ、ルーカスだから許してあげるわ。あなたにはもうすでに大事な人がいるんですもの」
カラーはこめかみを耳にかけながらそう言った。
普通に話すとこんな感じで大人のお姉さんなのだが、何故ティフィー相手になるとあんなにだらしなくなってしまうのかが不思議で仕方がない。
「ルーカスは本当に幸せそうよね。アンラとイチャイチャして、サエイダちゃんもいて……」
「なんだ、カラーは幸せじゃないのか?」
「それはないわ。わたくしだって幸せよ。ティフィーちゃんを甘やかすのはわたくしの生きる糧になってる。でも、何だか最近物足りないような気がしてて……。色々考えていたら、ある日1つの答えにたどり着いたのよ」
「なんだ?」
「それはね……出会いを1回もしていなかったってことよ」
カラーはその場に座ると、俺をちらりと見た。
まさかと思ったが、彼女の顔を見るとどこか哀愁を漂わせていた。
「もうわたくしも20歳後半よ? たまに両親から言われるのよね。そんな年でまだ結婚しないのかって。今まではそんなの関係ないって思ってたけど、今になってから出会いが欲しいなって思うようになっちゃったのよね……」
「それは心に余裕が出来たからなんじゃないのか?」
「えっ?」
「俺だって、聖帝だった頃は恋をするなんて考えもしなかった。自分に必死になりすぎてたんだ。あの時はとにかく己を磨くために訓練一択しかなくて、それが自分の日常だった。でも、追放されてシャイタンにいつの間にか連れ去られて、城の中に連行されて殺されると思ったら、目の前にはアンラがいた。そして、来て欲しいと言われてついて行ったら突然告白されるし……。最初は一目惚れだった俺も、シャイタンでのんびりと暮らしていたら本当にアンラが好きなんだなって思うようになった」
「―――」
「だからなカラー。カラーもここで暮らすようになってから、心が落ち着いたんだと思うぞ。木帝だった頃は恋人が欲しいとかなんて考えもしなかっただろ?」
俺にそう言われ、カラーは顎に手を当てて考え込む。
自分の中ですぐに答えは出たようで、すぐにカラーは答えた。
「確かにそうかも。前なら、ティフィーちゃんがいれば良いと思っていたのに、この国で暮らすようになってから、何か違うなって思うようになった。そう、ルーカスの言う通りね」
「そうだろ? だから、自然とそう思うようになるんだ。まあでも、そんなに焦る必要もないんじゃないのか?」
「―――ふふっ……そうね。ゆっくり考えるわ」
カラーの笑った顔を見ると、どこかスッキリとした顔に変わっていた。
心の中にあったモヤモヤが消え去ったのだろう。
「ありがとうルーカス」
「ああ。そういう相談なら俺はいつでも乗るし、アンラとかミライに聞いてみる方がもっと良いかもしれないな。それじゃ、俺は次のところへ行ってくる」
「ええ、本当にありがとうルーカス!」
「『ワラムカリス』!」
優しいお姉さんのような微笑みを浮かべながら、俺を見送った。
俺はカラーに見送られながら、最後の人物のもとへ向かった。
恐らく、もう交代しているはずだ。
俺とアンラが久しぶりにデートをする直前に、子どものお世話をしてみたいということで、サエイダのお世話をしてくれたあの人物……。
「―――っ!?」
「おう、すまない驚かせてしまったな」
「本当よ! 腰抜けそうになったじゃない!」
そう、雷帝の称号を持っていたミライ・アライだ。
昼ごろまでホムラと布団に包まってイチャイチャしていた、淫らな……ホムラのことが好き過ぎ女子である。
俺が背後で突然現れたことで、思いっきり飛び上がって変なポーズをとっている。
ちょっと前にも言ったが、冗談をよく言うアキトが冗談を言っても良いのは俺とミライだけだ。
俺は良いとして、何故ミライに言って良いのかというと、必ず頬を赤くして怒る様子が面白いからである。
それに毎回ツッコミを入れてくれることで、とてもイジりやすいのだ。
「すまないすまない。ミライを驚かせたくてな」
「ちょっとそれって……どういうことよ!」
ミライは怒り肩にして、歯をギリギリ鳴らしている。
流石にイジりすぎたので、これぐらいにしておこう。
「なあ1つ聞きたいんだが……。お前とホムラはいつもあんな感じなのか?」
俺はミライに聞くと、ミライはビクリと体が跳ねた。
そして、頬を赤く染めて俺から視線を逸した。
まさか……。
「―――ええ、そうよ。ホムラとはいつもそんな感じ」
「は!? お前らやばすぎるだろ……」
「ま、毎日じゃないわよ! あれはたまたまよ、たまたま! ちゃんとホムラと普通に話したり遊びに行ったりしてるわよ」
ミライはそう言っているが、どう聞いても言い訳にしか聞こえない。
慌てているし、変な汗をかいている。
ということは、ホムラとミライは獣同士ということか。
「ねえ、何か失礼なこと考えてない?」
「別に。お前らは獣同士なんだなとか一片も考えてない」
「やっぱり失礼なこと考えてるじゃないのよぉぉぉおお!」
ミライは俺の襟を掴んで前後に大きく揺らす。
もう涙目になってしまっているので、いじりはもうやめよう。
「ホムラとは順調なのか?」
「―――! な、何で急にそういうこと聞くのよ?」
「俺はずっと期待してたからだ。お前たち2人がくっつくことをな」
「―――!」
だから、2人の間で荒れた場を止める役もアキトだった。
今は2人はあんな感じになっているため、最近はあまりアキトが2人を止めている場面は見なくなったが。
「ずっと2人の面倒を見てきたから、自然と我が子を見ているような感じになってしまったんすよ。自分には子どもなんていないのに……不思議っすよね。あはは……」
「それぐらい、2人のお世話をしてきたってことだ。立派なことじゃないか」
「ルーカスがそう言うのなら、そうなのかもしれないっすね」
下に潜り込んでしまった馬車を見終わると、今度は日が少しずつ傾いていく空を見上げた。
彼の顔を見ると、何かがすっと抜けて楽になったかのようだった。
少しだけ笑みが浮かんだ。
普段から笑っているアキトだが、このような笑みを浮かべた顔を見たのは初めてだった。
「―――」
「―――? どうかしたんすか?」
「あ、いや。何だかあの2人を見ると、当時だったら考えられないなって思っただけだ」
「本当っすかそれ?」
「ま、まあそういうことにしておいてくれ……」
俺のごまかしはアキトには通じなかった。
そして、お互いに笑いあった。
「じゃあ、俺は次の人のところに行ってくる」
「分かりました! 気をつけるんっすよ!」
「ああ、おりがとな。『ワラムカリス』!」
◇◇◇
俺は次の場所へ向かった。
それにしても、アキトがあんな表情をするとはな……。
まあ、ずっとホムラとミライをそばで見守ってきた男だ。
気持ちが楽になって思わず出てしまったのだろう。
「女の子1人しかいないところに現れるなんて、随分といい度胸じゃないの」
「よう、ティフィーがいなくて寂しいか?」
「もう! それを言わないで頂戴!」
次に俺が訪れた人物は、七帝で木帝の称号を持っていた女性、カラー・ハキハだ。
木属性の魔法を操る、俺たちの中ではお姉さん的存在だ。
しっかりしていて頼れる存在なのだが、ティフィー相手だとデレデレになって溺愛するところがある。
そこが唯一残念なところだ。
今日からここで1週間ほど防衛を務めるカラーは、もうすでに極度の禁断症状が現れていることだろう。
「で、わたくしに何か御用?」
「いや、ちょっと様子を見に来ただけだ」
「―――そしてわたくしのところに来たってわけなの? それってヤバいんじゃないの?」
「うっ……。やっぱりやばかったか……」
「まあ、ルーカスだから許してあげるわ。あなたにはもうすでに大事な人がいるんですもの」
カラーはこめかみを耳にかけながらそう言った。
普通に話すとこんな感じで大人のお姉さんなのだが、何故ティフィー相手になるとあんなにだらしなくなってしまうのかが不思議で仕方がない。
「ルーカスは本当に幸せそうよね。アンラとイチャイチャして、サエイダちゃんもいて……」
「なんだ、カラーは幸せじゃないのか?」
「それはないわ。わたくしだって幸せよ。ティフィーちゃんを甘やかすのはわたくしの生きる糧になってる。でも、何だか最近物足りないような気がしてて……。色々考えていたら、ある日1つの答えにたどり着いたのよ」
「なんだ?」
「それはね……出会いを1回もしていなかったってことよ」
カラーはその場に座ると、俺をちらりと見た。
まさかと思ったが、彼女の顔を見るとどこか哀愁を漂わせていた。
「もうわたくしも20歳後半よ? たまに両親から言われるのよね。そんな年でまだ結婚しないのかって。今まではそんなの関係ないって思ってたけど、今になってから出会いが欲しいなって思うようになっちゃったのよね……」
「それは心に余裕が出来たからなんじゃないのか?」
「えっ?」
「俺だって、聖帝だった頃は恋をするなんて考えもしなかった。自分に必死になりすぎてたんだ。あの時はとにかく己を磨くために訓練一択しかなくて、それが自分の日常だった。でも、追放されてシャイタンにいつの間にか連れ去られて、城の中に連行されて殺されると思ったら、目の前にはアンラがいた。そして、来て欲しいと言われてついて行ったら突然告白されるし……。最初は一目惚れだった俺も、シャイタンでのんびりと暮らしていたら本当にアンラが好きなんだなって思うようになった」
「―――」
「だからなカラー。カラーもここで暮らすようになってから、心が落ち着いたんだと思うぞ。木帝だった頃は恋人が欲しいとかなんて考えもしなかっただろ?」
俺にそう言われ、カラーは顎に手を当てて考え込む。
自分の中ですぐに答えは出たようで、すぐにカラーは答えた。
「確かにそうかも。前なら、ティフィーちゃんがいれば良いと思っていたのに、この国で暮らすようになってから、何か違うなって思うようになった。そう、ルーカスの言う通りね」
「そうだろ? だから、自然とそう思うようになるんだ。まあでも、そんなに焦る必要もないんじゃないのか?」
「―――ふふっ……そうね。ゆっくり考えるわ」
カラーの笑った顔を見ると、どこかスッキリとした顔に変わっていた。
心の中にあったモヤモヤが消え去ったのだろう。
「ありがとうルーカス」
「ああ。そういう相談なら俺はいつでも乗るし、アンラとかミライに聞いてみる方がもっと良いかもしれないな。それじゃ、俺は次のところへ行ってくる」
「ええ、本当にありがとうルーカス!」
「『ワラムカリス』!」
優しいお姉さんのような微笑みを浮かべながら、俺を見送った。
俺はカラーに見送られながら、最後の人物のもとへ向かった。
恐らく、もう交代しているはずだ。
俺とアンラが久しぶりにデートをする直前に、子どものお世話をしてみたいということで、サエイダのお世話をしてくれたあの人物……。
「―――っ!?」
「おう、すまない驚かせてしまったな」
「本当よ! 腰抜けそうになったじゃない!」
そう、雷帝の称号を持っていたミライ・アライだ。
昼ごろまでホムラと布団に包まってイチャイチャしていた、淫らな……ホムラのことが好き過ぎ女子である。
俺が背後で突然現れたことで、思いっきり飛び上がって変なポーズをとっている。
ちょっと前にも言ったが、冗談をよく言うアキトが冗談を言っても良いのは俺とミライだけだ。
俺は良いとして、何故ミライに言って良いのかというと、必ず頬を赤くして怒る様子が面白いからである。
それに毎回ツッコミを入れてくれることで、とてもイジりやすいのだ。
「すまないすまない。ミライを驚かせたくてな」
「ちょっとそれって……どういうことよ!」
ミライは怒り肩にして、歯をギリギリ鳴らしている。
流石にイジりすぎたので、これぐらいにしておこう。
「なあ1つ聞きたいんだが……。お前とホムラはいつもあんな感じなのか?」
俺はミライに聞くと、ミライはビクリと体が跳ねた。
そして、頬を赤く染めて俺から視線を逸した。
まさか……。
「―――ええ、そうよ。ホムラとはいつもそんな感じ」
「は!? お前らやばすぎるだろ……」
「ま、毎日じゃないわよ! あれはたまたまよ、たまたま! ちゃんとホムラと普通に話したり遊びに行ったりしてるわよ」
ミライはそう言っているが、どう聞いても言い訳にしか聞こえない。
慌てているし、変な汗をかいている。
ということは、ホムラとミライは獣同士ということか。
「ねえ、何か失礼なこと考えてない?」
「別に。お前らは獣同士なんだなとか一片も考えてない」
「やっぱり失礼なこと考えてるじゃないのよぉぉぉおお!」
ミライは俺の襟を掴んで前後に大きく揺らす。
もう涙目になってしまっているので、いじりはもうやめよう。
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