上司に連れられていったオカマバー。唯一の可愛い子がよりにもよって性欲が強い

papporopueeee

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追及偏

同性でした

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 それはありえないことだった。
 ツキはあのオカマバーエンジェルにおける唯一の例外であるはずだった。

 それなのに、目の前にいるツキの股間には性の象徴が屹立している。
 今のツキを見て、その性が不明だなんて言う者はいない。

 間違いなく、ツキは川崎翠と同性だった。

「アキラさん……♡」
「っ!?」

 ツキが近づいてきて、体を密着させる。
 足には確かに硬い感触が当たっていて、見間違いでも幻覚でもないという事実を突きつけられる。

 しかし、これはおかしい。
 それはありえてはいけないことのはずだ。

 何故なら、ツキは男性ではないと確信を持つ証拠があった。
 ツキには喉仏が無いはずで、それなのに男性器はあるなんておかしい。

 パンドラの箱の底に残った、わずかな希望を探すように。
 ツキの首に手を添えてその表面をなぞりあげてみる。

「きゃっ♡ あっ♡ あっ♡ だ、大胆すぎますよ……アキラさん……♡」
「…………やっぱり、な……ん? ……っ!?」

 首を撫でる手つきにピクピクと体を震わせるツキ。
 その喉の中間あたり、一般的に喉仏があるだろう位置には何もなかった。

 しかしそれよりも上、顎との境界の間際に、確かに小さな突起が存在していた。
 何度確かめてみても、なだらかな感触の中に突然こりっっとした感触が紛れ込んでいる。

「こっ、これは……?」
「……アキラさん、ご自身の喉仏に手を当ててみてください」
「?」

 言われるがままに、自身の喉仏を触ってみる。
 ツキの物よりも大きく、硬く、遠目でもその存在がわかる喉仏だ。

「その状態のまま、唾を飲み込んでみてください」
「? ……ごくりっ、!」

 唾を飲み込んだその瞬間、喉仏が持ち上がってわずかに引っ込んだ。

 今まで意識していなかったが、実感してみるとなんてことはない。
 喉仏は動くものであり、動かせる物だ。
 ちゃんと確認せずに、一般的な場所に突起がないからといって性を決めつけるのはあまりに早計すぎたのだ。

「えへへっ……可愛い声を出すには、喉仏の位置が大事だったりするんです。ここまで上手になるのに私、結構がんばったんですよ……?」

 褒めてもらえると期待しているかのような笑顔で、ツキは得意気にその残酷な事実を告げた。

 もうツキの性別は決定的だ。
 箱の底には残っていたのは偽りの希望であり、
 残っているのはどう足掻いても変えられない過去のできごとだけ。

「さっ、アキラさん……昨日みたいに、私のこと……好きにしてくれていいんですよ……♡」

 その言葉が、重く頭の中に響く。

 信じたくない。
 信じられない。
 でも、認めざるを得ない。

 川崎翠の童貞は酩酊状態で知らぬ内に失われたばかりか――

 ――捧げた相手が男であったという事実を。
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