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親睦偏
朝食を知りました
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「そういえば、ツキは食べないのか? さっき自分の分もついでに買ったって言ってたけど」
テーブルに並べられた朝食は翠の分だけだ。
ツキは翠が起きる前にもう食べてしまったのだろうか。
「私もこれから食べますよ。ほら♪」
そう言ってツキはビニール袋の中を漁ると、取り出した中身をテーブルの上に並べ始めた。
最初に取り出されたのは200mlサイズの牛乳。
次に取り出されたのは200mlサイズの豆乳。
「牛乳と豆乳の両方飲むのか?」
「なんか、飲み合わせがいいらしいですよ? 健康的に」
「まあ、どっちも乳とはいえ別物だから、被ってるわけじゃないんだろうけど……」
「やだ……アキラさんのえっち♡」
「己の脳みそは思春期で成長が止まってんのか。それにツキに乳はないんだから、手で隠すな」
「何言ってるんですか、ちゃんとありますよ。おっぱいというのは概念なんですから。私の胸は貧乳と捉えてもらって問題ないはずです」
「いや、さすがに胸板と貧乳は違くないか……?」
「そりゃ中身の構造は違いますけど、男の人にとって重要なのは外見だけじゃないですか。それなら、私の胸はアキラさんにとっては超貧乳な女性とそうは変わらないですよ」
なんだかとても失礼な発言が飛び出した気がするけれども、ここはスルーしておくこととしよう。
巨乳好きの人間が下手に触れると火傷しそうな気がする。
「ツキの言わんとしていることはわからないでもないけど……でもまあ、そんな固執するようなことでもないか……」
「それなら、アキラさんは私のおっぱいに欲情したってことでいいですか……♡」
「良くない。それは元々ツキの妄言なんだから、事実を捻じ曲げるんじゃありません」
「もう、恥ずかしがらなくてもいいのに♡ それじゃあ、私も朝食をいただきますね」
「……ん? えっ、朝食ってそれだけか?」
「そうですよ?」
そう言ってツキはコップを一つ用意すると、そこに牛乳と豆乳を注ぎ始めた。
「無調整豆乳も、低脂肪乳も、単体だと微妙な味なんですけど、混ぜると飲みやすくなるから不思議ですよねー」
「……それだけで足りるのか? 一応今日は出かけるんだし、もうちょっと食べといた方が……」
「大丈夫ですよ、いつもこれなので。むしろこれに慣れすぎちゃって、朝から固形物食べると気持ち悪くなっちゃうんです。ご心配なさらずとも、お昼からは普通に食べるので安心してください。あっ、でも……朝から激しい運動をご所望でしたら、話は別ですけどね……♡」
そう言ってわざとらしく頬に手を添えるツキ。
どうやら本当に普段から牛乳と豆乳だけを朝食としているようだ。
最近は朝食を食べない人間も珍しくないようだから、それと比べればツキは栄養を摂取しているほうなのだろう。
飲料とはいえ、牛乳も豆乳も健康に良い食品だ。
そこまで心配することでもないのかもしれない。
「んー……」
「アキラさん? どうしたんですか、そんなに難しい顔して」
それでも、どことなく心にモヤモヤが溜まってしまう。
ツキのような若い子の食が細いと不安になってしまうのは、精神的にも年を取ってきた証拠なのだろうか。
「……ツキ、体重はいくつだ?」
「は?」
テーブルに並べられた朝食は翠の分だけだ。
ツキは翠が起きる前にもう食べてしまったのだろうか。
「私もこれから食べますよ。ほら♪」
そう言ってツキはビニール袋の中を漁ると、取り出した中身をテーブルの上に並べ始めた。
最初に取り出されたのは200mlサイズの牛乳。
次に取り出されたのは200mlサイズの豆乳。
「牛乳と豆乳の両方飲むのか?」
「なんか、飲み合わせがいいらしいですよ? 健康的に」
「まあ、どっちも乳とはいえ別物だから、被ってるわけじゃないんだろうけど……」
「やだ……アキラさんのえっち♡」
「己の脳みそは思春期で成長が止まってんのか。それにツキに乳はないんだから、手で隠すな」
「何言ってるんですか、ちゃんとありますよ。おっぱいというのは概念なんですから。私の胸は貧乳と捉えてもらって問題ないはずです」
「いや、さすがに胸板と貧乳は違くないか……?」
「そりゃ中身の構造は違いますけど、男の人にとって重要なのは外見だけじゃないですか。それなら、私の胸はアキラさんにとっては超貧乳な女性とそうは変わらないですよ」
なんだかとても失礼な発言が飛び出した気がするけれども、ここはスルーしておくこととしよう。
巨乳好きの人間が下手に触れると火傷しそうな気がする。
「ツキの言わんとしていることはわからないでもないけど……でもまあ、そんな固執するようなことでもないか……」
「それなら、アキラさんは私のおっぱいに欲情したってことでいいですか……♡」
「良くない。それは元々ツキの妄言なんだから、事実を捻じ曲げるんじゃありません」
「もう、恥ずかしがらなくてもいいのに♡ それじゃあ、私も朝食をいただきますね」
「……ん? えっ、朝食ってそれだけか?」
「そうですよ?」
そう言ってツキはコップを一つ用意すると、そこに牛乳と豆乳を注ぎ始めた。
「無調整豆乳も、低脂肪乳も、単体だと微妙な味なんですけど、混ぜると飲みやすくなるから不思議ですよねー」
「……それだけで足りるのか? 一応今日は出かけるんだし、もうちょっと食べといた方が……」
「大丈夫ですよ、いつもこれなので。むしろこれに慣れすぎちゃって、朝から固形物食べると気持ち悪くなっちゃうんです。ご心配なさらずとも、お昼からは普通に食べるので安心してください。あっ、でも……朝から激しい運動をご所望でしたら、話は別ですけどね……♡」
そう言ってわざとらしく頬に手を添えるツキ。
どうやら本当に普段から牛乳と豆乳だけを朝食としているようだ。
最近は朝食を食べない人間も珍しくないようだから、それと比べればツキは栄養を摂取しているほうなのだろう。
飲料とはいえ、牛乳も豆乳も健康に良い食品だ。
そこまで心配することでもないのかもしれない。
「んー……」
「アキラさん? どうしたんですか、そんなに難しい顔して」
それでも、どことなく心にモヤモヤが溜まってしまう。
ツキのような若い子の食が細いと不安になってしまうのは、精神的にも年を取ってきた証拠なのだろうか。
「……ツキ、体重はいくつだ?」
「は?」
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