130 / 149
親睦偏
キスをされています
しおりを挟む
目の前から聴こえるツキの音。
今まで一番近いところにあるツキの顔。
唇に当たる初めての感触。
ただ唇を触れ合わせるだけの、特別な行為。
それを少しの間だけ続けて、やがてツキは顔を離した。
「んっ………あーあー……しちゃった……」
人の唇を不意打ちで勝手に奪っておきながら、略奪者は心底残念そうな顔をしている。
「人の初キスを奪っておいて、その言い草は最低すぎないか……」
「そうですよねー……せっかくのファーストキスだったのに……こんなやけくそな感じになっちゃうなんて……ほんとサイテー……はぁっ……んっ」
溜息を吐きながらも、ツキは躊躇なく再び唇を重ねてきた。
初めてのキスの余韻に浸る間も無く。
同性に初キスを奪われたショックにわななく余裕も無く。
ツキとキスをしたという事実を受け入れることもできず。
されるがままに、ツキとキスをしている。
「はむっ……んっ……っ……舌、入れますね?」
「っ……いや、そこまでは許容できなっ――!?」
なんのために断りを入れたのか。
こちらの返事も最後まで聞かずに、ツキはその粘膜の塊を入れてきた。
「ちゅっ……れろっ……んっ……」
ぬるぬるとした物体が、自分の口の中を這いずり回っている。
水音を立てながら、互いの唾液が混ざり合っている。
あまり気持ち良いとは思えない。
どちらかというと、不快でもある。
ツキのテクニックの問題ではないのだろう。
ツキがディープキスを不得手としているとはとても思えない。
今だって、ただされるがままの翠の舌相手に、ツキの舌は流暢に動いている。
きっと気持ちの問題だ。
だって、ツキも言っていた。
サイテーだって。
「っ……なんですか、その目は……。キスの最中は目を閉じるのが常識ですよ」
「そうなのか。童貞だから知らなかった」
「……本当は、キスだってアキラさんからしてもらう予定だったんですよ」
「そうか……そうだろうな……」
童貞を捧げてもらおうと画策しているくらいだ。
初キスも同様に考えていてもおかしくない。
「はーあー……アキラさんの初めてのキス……不慣れな舌遣いで、きっと可愛かったんだろうなー……れろっ」
ツキの舌に唇を舐められる。
濃厚に。
濃密に。
艶やかに、舌を絡めて。
淡々と。
粛々と。
作業感たっぷりに、ツキはキスをする。
「随分と大人しいんですね。状況わかってますか? アキラさんは今、男性とベロチューしてるんですよ?」
「それはわかってるよ……」
「……ホテルでは、涙を流して嫌がってたくせに」
「別に……今更抵抗したって、何も変わんないからな……」
「つまんない……。そこはせめて、相手が私だから、とか言えないんですか?」
「そんなこと、言うまでもないと思ってたけど」
ツキとはキスをしたかったわけではないけれど。
相手がツキだからキスを受け入れていることは間違いない。
「……言わなきゃ伝わんないですから。それに、そういうのもういいです」
「もういいって、何が?」
「……もう、アキラさんなんていりません。私のことを可愛がってくれないアキラさんなんて、さっさと逆レイプして、全部終わらせちゃいますから……」
今まで一番近いところにあるツキの顔。
唇に当たる初めての感触。
ただ唇を触れ合わせるだけの、特別な行為。
それを少しの間だけ続けて、やがてツキは顔を離した。
「んっ………あーあー……しちゃった……」
人の唇を不意打ちで勝手に奪っておきながら、略奪者は心底残念そうな顔をしている。
「人の初キスを奪っておいて、その言い草は最低すぎないか……」
「そうですよねー……せっかくのファーストキスだったのに……こんなやけくそな感じになっちゃうなんて……ほんとサイテー……はぁっ……んっ」
溜息を吐きながらも、ツキは躊躇なく再び唇を重ねてきた。
初めてのキスの余韻に浸る間も無く。
同性に初キスを奪われたショックにわななく余裕も無く。
ツキとキスをしたという事実を受け入れることもできず。
されるがままに、ツキとキスをしている。
「はむっ……んっ……っ……舌、入れますね?」
「っ……いや、そこまでは許容できなっ――!?」
なんのために断りを入れたのか。
こちらの返事も最後まで聞かずに、ツキはその粘膜の塊を入れてきた。
「ちゅっ……れろっ……んっ……」
ぬるぬるとした物体が、自分の口の中を這いずり回っている。
水音を立てながら、互いの唾液が混ざり合っている。
あまり気持ち良いとは思えない。
どちらかというと、不快でもある。
ツキのテクニックの問題ではないのだろう。
ツキがディープキスを不得手としているとはとても思えない。
今だって、ただされるがままの翠の舌相手に、ツキの舌は流暢に動いている。
きっと気持ちの問題だ。
だって、ツキも言っていた。
サイテーだって。
「っ……なんですか、その目は……。キスの最中は目を閉じるのが常識ですよ」
「そうなのか。童貞だから知らなかった」
「……本当は、キスだってアキラさんからしてもらう予定だったんですよ」
「そうか……そうだろうな……」
童貞を捧げてもらおうと画策しているくらいだ。
初キスも同様に考えていてもおかしくない。
「はーあー……アキラさんの初めてのキス……不慣れな舌遣いで、きっと可愛かったんだろうなー……れろっ」
ツキの舌に唇を舐められる。
濃厚に。
濃密に。
艶やかに、舌を絡めて。
淡々と。
粛々と。
作業感たっぷりに、ツキはキスをする。
「随分と大人しいんですね。状況わかってますか? アキラさんは今、男性とベロチューしてるんですよ?」
「それはわかってるよ……」
「……ホテルでは、涙を流して嫌がってたくせに」
「別に……今更抵抗したって、何も変わんないからな……」
「つまんない……。そこはせめて、相手が私だから、とか言えないんですか?」
「そんなこと、言うまでもないと思ってたけど」
ツキとはキスをしたかったわけではないけれど。
相手がツキだからキスを受け入れていることは間違いない。
「……言わなきゃ伝わんないですから。それに、そういうのもういいです」
「もういいって、何が?」
「……もう、アキラさんなんていりません。私のことを可愛がってくれないアキラさんなんて、さっさと逆レイプして、全部終わらせちゃいますから……」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる