死の間際、あなたは親友ですか?

papporopueeee

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一日目:いつものふたりで、いつもどおりに

見えない所にこそこだわりを

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「真っ先に下着かよ!」
「当たり前だろ。服の試着中に万が一店員さんに見られたら、下着着けてないのバレるし。そしたら露出狂扱いされるぜ?」
「それは、そうだろうけど……」

 試着中に店員に見られる確率がどの程度あるものなのかは分からない。
 しかし、連れが露出狂扱いされるのはボクも避けたいところだ。

 抄がブラジャーを着けていないのは仕方ない。
 そんな物はボクの家にも互いの手持ちにもないのだから、急に女性になった抄が着けている方がおかしい。

 けれどまさか、下まで履いていないなんてことないよな?
 サイズが合わなくても、とりあえず男物の下着を履くことはできるもんな?

「なあ、どれがいいと思う?」

 ボクの葛藤も余所に、抄はどこかウキウキした様子だった。

「……どうしてボクに聞くんだ?」
「これから世話になるんだ。家主好みのやつを着けてやろうと思ってな」

 家では下着が見えないようにしてくれるのが一番ありがたいのだが。

「余計なお世話だよ。ショウの好きなの選べばいいだろ」
「俺の好きなのか……」

 呟きながらショウが手に取ったのは濃紫色のガーターベルトだった。
 抄の好みについても色々聞きたいが、最初に手に取るのがそれでいいのか。
 もっと先に選ぶべき物があるのではないか。

「清純そうな子がガーターベルト着けてるのってちょっといいよな」
「それは……ちょっとわかるけど……」
「どうよ、この見た目でガーター着けてたら」

 抄は振り向いて、コートの上からガーターベルトを当てて見せた。
 コートの上からでは体型はわからないが、ボクは目の前の少女の裸体を見たことがある。

 細い肩、小さい顔、繊細な指。
 セクシーとはかけ離れた、年齢よりも未成熟な印象を与える小柄な体躯。
 対照的に、その胸は抄の願望を詰め込んだように膨らんでいて。
 そんな少女がガーターベルトを着けていたとしたら。

 例えばそれは、大学の構内でたまに見かける少女。
 いつも女子に囲まれていて、男の気配を一切感じさせない隠れファンの多い彼女。
 ある日、偶然彼女の着替えを目撃してしまい、そこで判明するのはガーターベルト。
 その時に目撃者が思うことといえば――

「……」
「おいこのむっつり。エロいこと考えてんじゃねーぞ」
「……なんでわかるんだよ」
「乙女心は複雑って言うだろ? その対義語だよ」

 つまり、童貞心は単純と言いたいのだろうか。
 抄はボクの心を見透かしたかのように、無邪気に笑っていた。
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