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二日目:生まれて生きて、その先に
キミを想う
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「……俺が高伊勢抄のように振る舞うのが嫌なのか?」
「……別にそういうわけじゃない」
嫌ではない。
それは本当だ。
例え偽物であったとしても、こんな状況で抄が居てくれたのは嬉しかった。
死ね神に死の宣告をされた後でも、楽しい日常を送ることができたのだから。
でも、それを抄が知ったら。
高伊勢抄の親友である伊那西拓が、よりにもよってその偽物に心を許し、抄と同じように接していたら。
本人がいなくても代わりがいるから問題ないとでも言うように日々を過ごしていたら。
抄がこの二日間のボクを見たら、どんな思いを抱くのだろうか。
「……後ろめたいんだ。お前をショウとして扱うことが。昨日までのボクを見て、ショウがどんな感情を抱くのかって想像しただけで、ボクは……罪悪感で死にたくなる」
「そんなこと気にしないよ、高伊勢抄は。むしろ死なれる方が不満だね」
「なんでそんなことがわかるんだよ」
「言うまでもないだろ?」
高伊勢抄の記憶を持っているから。
それだけは紛れも無い事実だ。
「俺は、タクが偽物と楽しく過ごしてても文句なんて言わないよ。偽物を本物だと思い込んでても構わない……きっとそう思うに違いないと確信が持てる。なんでかわかるか?」
「記憶があるからだろ」
「それもある。思考と人格だけは誰よりも俺だからな。この世で一番の理解者だって自負がある。でも、それよりも重要な点がある」
微笑んでいるような。
悲しんでいるような。
彼女は寂しげな顔でボクを真っ直ぐに見ていた。
一つ呼吸をして。
一拍の間を置いて。
彼女はゆっくりとその口を開いた。
「死んでるからだよ、タク。俺はもう死んで、この世にはいないんだ」
それはとうに知っていたはずのこと。
それは目を背けてきた事実。
目の前の少女が抄の偽物であるのなら、本物はもうこの世にはいない。
ボクはもう抄に会うことはできなくて。
抄と話すこともできなくて。
抄へ思いを伝えることも。
抄の思いを知ることもできない。
死んだら全てが終わる。
それは当人だけでなく、関わる人間にとっても同じだ。
抄が死んで全てを失ったように、ボクの中からも抄の全てが消え去った。
高伊勢抄という名の親友がいたという、過去形の事実だけを残して。
「親友が楽しく生きてくれるならそれでいいんだよ、俺は。傍にいるのが誰であれ、例え本物のことを忘れたとしてもな。死に際に、死んだ後に男が思うことなんてそんなもんだろ」
抄は事故のように死んだ。
偶々ボクの近くにいたというだけで死んだ。
死ぬその瞬間まで、自分が本当に死ぬだなんて考えていなかっただろう。
一度殺されて、そして蘇生させられたのだから。
死後の願いを聞かれたときだって、また蘇生されると考えていたはずだ。
遺言も残せなくて、最後の願いすらも偽物を生み出すだけだったなんて。
そんなのはきっと、死んでも死に切れない。
「っ……どうしてっ!」
「ん?」
それなのにどうして、目の前のこいつはどうしてこんなにも――
「……別にそういうわけじゃない」
嫌ではない。
それは本当だ。
例え偽物であったとしても、こんな状況で抄が居てくれたのは嬉しかった。
死ね神に死の宣告をされた後でも、楽しい日常を送ることができたのだから。
でも、それを抄が知ったら。
高伊勢抄の親友である伊那西拓が、よりにもよってその偽物に心を許し、抄と同じように接していたら。
本人がいなくても代わりがいるから問題ないとでも言うように日々を過ごしていたら。
抄がこの二日間のボクを見たら、どんな思いを抱くのだろうか。
「……後ろめたいんだ。お前をショウとして扱うことが。昨日までのボクを見て、ショウがどんな感情を抱くのかって想像しただけで、ボクは……罪悪感で死にたくなる」
「そんなこと気にしないよ、高伊勢抄は。むしろ死なれる方が不満だね」
「なんでそんなことがわかるんだよ」
「言うまでもないだろ?」
高伊勢抄の記憶を持っているから。
それだけは紛れも無い事実だ。
「俺は、タクが偽物と楽しく過ごしてても文句なんて言わないよ。偽物を本物だと思い込んでても構わない……きっとそう思うに違いないと確信が持てる。なんでかわかるか?」
「記憶があるからだろ」
「それもある。思考と人格だけは誰よりも俺だからな。この世で一番の理解者だって自負がある。でも、それよりも重要な点がある」
微笑んでいるような。
悲しんでいるような。
彼女は寂しげな顔でボクを真っ直ぐに見ていた。
一つ呼吸をして。
一拍の間を置いて。
彼女はゆっくりとその口を開いた。
「死んでるからだよ、タク。俺はもう死んで、この世にはいないんだ」
それはとうに知っていたはずのこと。
それは目を背けてきた事実。
目の前の少女が抄の偽物であるのなら、本物はもうこの世にはいない。
ボクはもう抄に会うことはできなくて。
抄と話すこともできなくて。
抄へ思いを伝えることも。
抄の思いを知ることもできない。
死んだら全てが終わる。
それは当人だけでなく、関わる人間にとっても同じだ。
抄が死んで全てを失ったように、ボクの中からも抄の全てが消え去った。
高伊勢抄という名の親友がいたという、過去形の事実だけを残して。
「親友が楽しく生きてくれるならそれでいいんだよ、俺は。傍にいるのが誰であれ、例え本物のことを忘れたとしてもな。死に際に、死んだ後に男が思うことなんてそんなもんだろ」
抄は事故のように死んだ。
偶々ボクの近くにいたというだけで死んだ。
死ぬその瞬間まで、自分が本当に死ぬだなんて考えていなかっただろう。
一度殺されて、そして蘇生させられたのだから。
死後の願いを聞かれたときだって、また蘇生されると考えていたはずだ。
遺言も残せなくて、最後の願いすらも偽物を生み出すだけだったなんて。
そんなのはきっと、死んでも死に切れない。
「っ……どうしてっ!」
「ん?」
それなのにどうして、目の前のこいつはどうしてこんなにも――
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