死の間際、あなたは親友ですか?

papporopueeee

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最終日:朝焼けの中、涙を拭って微笑んで

生をくれた人たち

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 抄の為にも、少女の為にも生きられないボクだとしたら、残る依存先は家族だ。

 父親と母親。
 ボクを生んで育ててくれた両親。
 昨日の祖母との面会時に会ったばかりで、あの時は抄を待たせていたために食事の誘いも断ってしまった。

 ボクが死ねばふたりは悲しむだろう。
 ふたりはボクに時間とお金を費やして、ようやくこの年まで育てあげた。

 簡単ではなかったはずだ。
 苦労をたくさんしたはずだ。
 子供を作るより、ふたりだけで暮らしていた方が何倍も生きやすかったに違いない。

 それでも、ふたりはボクを生んだ。
 途中で投げ出したりせず、ボクが一人でも生きていけるまで育てあげた。
 だから、ボクはその恩に報いなければならない。

 孫の顔を見せる喜びを。
 年々弱る身体の補助を。
 費やしたお金と時間を上回る程の価値を。
 ボクは自分の人生を使ってふたりに返さなければならない。

「最低だな……」

 人生を両親に捧げることがじゃない。
 そんな考えをしてしまう自分に嫌悪感を催した。

 両親はそんなことは望んでいない。
 親は子に恩の返済なんて押し付けない。
 両親は見返りを求めてボクを作ったわけじゃない。

 ボクが死んで悲しむのも、見返りが減るからじゃない。
 子供を作るのは投資とは違う。
 親が子の為に流す涙に、そんな打算の色は微塵も無い。

 義務ではないのだ。
 親孝行は善行ではあるが、義務という枷なんかでは決してない。

「……ふたりになんか言っておいた方がいいのかな」

 ボクは今日死ぬ可能性がとても高い。
 それなのに両親にそのことを何も知らせないのは不義理であるように思えた。

 ボクが死ねば、それは不審死として片付けられるだろう。
 現場に残されるのは頭と体だけであり、殺害者は化け物だ。
 凶器も犯人の目星も付けられるはずがない。
 死の経緯は解明されず、殺された理由も判明しないまま、死んだという事実だけが処理される。

 だから、両親には状況を説明しておいたほうがいいのかもしれない。
 知らされたところで、子が死の危機に直面しているなんて受け止められないかもしれない。
 それでも両親には知る権利があるはずだし、何も知らないまま子に死なれるよりはマシかもしれない。

「でも、死ね神のことをそのまま書くのもなー……だからと言って、遺書に嘘を書くのも……?」

 両親に出すメールの文面を考え始めたところで、一つの問題に思い当たった。

 ボクが今書こうとしているのは遺書だ。
 つまり、それは遺言とほぼ同意義だ。
 ということは、親に遺書のメールを送ったら、ボクはすぐさま殺されるのではないだろうか。
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