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最終日:朝焼けの中、涙を拭って微笑んで
辿り着いた先に
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今回の事件の原因は死ね神の誤認だ。
死ね神が何かの間違いでボクを死にたがりだと認識してしまったのが発端で、解決するにはその誤解を解けばいい。
これが答えだ。
これで全て解決だ。
失った物は数多くあれど、ボクは生き延びる事ができる。
完全なハッピーエンドとはいかないが、この物語には幕が下りる。
「そうだ、そうだよ……それで全て終わりのはずなのに……でも、なんでっ……」
思考が止まらない。
答えは出た筈だというのに。
真実に辿り着いたというのに。
ボク自身が、それを否定している。
「間違っているのはどこだ……? 誰が間違っているんだ……?」
訊かなくたってわかる。
言われなくたってわかってる。
死ね神とボクのどちらかが間違っているのだとしたら。
誰が正しいのかなんて、誰が間違っているのかなんて、言うまでもない。
「し、死にたくない……! 死にたいなんて思ってない! 本当だ! ボクは死にたくなんてない……!」
これは本心だ。
死ね神に殺されたくなんてないし、死ぬのなんて真っ平御免だ。
でも、果たしてボクは、生きたいと心の底から願っているのだろうか。
「いっ、生きたいに決まってる……だって、死にたくないんだから! 生きて、生き延びて、ボクは……っ――」
ボクは生き延びて何がしたいのだろうか。
そんな簡単な質問に、ボクは答えてくれない。
それは全て一日目の時点で出てしまっていた答え。
成し遂げたい夢なんてない。
惜しむ程の人生を送っていない。
死ねない理由も。
生きたい理由も。
ボクにはない。
ボクはどうして生きている?
死にたくないという気持ちはどこから来ている?
理由もなく根拠もないこの感情は、本物なのかどうかを疑いたくなる程に曖昧だ。
死にたくない。
その理由がわからない。
生きていたい。
それを本心だと言い切れるだけの思いがない。
人間はいつか死ぬ。
どうせ死ぬのなら、今すぐ終えてしまっても変わらない。
「それでも……っ、それでもっ……っ、……」
それでも生きるのだと宣言出来るほどの強さが、ボクの中の何処にも見当たらない。
生きる理由も、生きる価値もないのだと、ボク自身が思ってしまっている。
ボクがこの先も生き延びることの無意義を、誰よりもボクが認めてしまっている。
「…………ぁ」
そしてボクは自覚してしまった。
隠れていた自死願望を見つけてしまった。
『私がお前の前に現れた時点で、何もかもが遅すぎるのだ』
脳裏に木霊する過去の残響。
顔を上げれば、大鎌を携えた死神が其処に居た。
死ね神が何かの間違いでボクを死にたがりだと認識してしまったのが発端で、解決するにはその誤解を解けばいい。
これが答えだ。
これで全て解決だ。
失った物は数多くあれど、ボクは生き延びる事ができる。
完全なハッピーエンドとはいかないが、この物語には幕が下りる。
「そうだ、そうだよ……それで全て終わりのはずなのに……でも、なんでっ……」
思考が止まらない。
答えは出た筈だというのに。
真実に辿り着いたというのに。
ボク自身が、それを否定している。
「間違っているのはどこだ……? 誰が間違っているんだ……?」
訊かなくたってわかる。
言われなくたってわかってる。
死ね神とボクのどちらかが間違っているのだとしたら。
誰が正しいのかなんて、誰が間違っているのかなんて、言うまでもない。
「し、死にたくない……! 死にたいなんて思ってない! 本当だ! ボクは死にたくなんてない……!」
これは本心だ。
死ね神に殺されたくなんてないし、死ぬのなんて真っ平御免だ。
でも、果たしてボクは、生きたいと心の底から願っているのだろうか。
「いっ、生きたいに決まってる……だって、死にたくないんだから! 生きて、生き延びて、ボクは……っ――」
ボクは生き延びて何がしたいのだろうか。
そんな簡単な質問に、ボクは答えてくれない。
それは全て一日目の時点で出てしまっていた答え。
成し遂げたい夢なんてない。
惜しむ程の人生を送っていない。
死ねない理由も。
生きたい理由も。
ボクにはない。
ボクはどうして生きている?
死にたくないという気持ちはどこから来ている?
理由もなく根拠もないこの感情は、本物なのかどうかを疑いたくなる程に曖昧だ。
死にたくない。
その理由がわからない。
生きていたい。
それを本心だと言い切れるだけの思いがない。
人間はいつか死ぬ。
どうせ死ぬのなら、今すぐ終えてしまっても変わらない。
「それでも……っ、それでもっ……っ、……」
それでも生きるのだと宣言出来るほどの強さが、ボクの中の何処にも見当たらない。
生きる理由も、生きる価値もないのだと、ボク自身が思ってしまっている。
ボクがこの先も生き延びることの無意義を、誰よりもボクが認めてしまっている。
「…………ぁ」
そしてボクは自覚してしまった。
隠れていた自死願望を見つけてしまった。
『私がお前の前に現れた時点で、何もかもが遅すぎるのだ』
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顔を上げれば、大鎌を携えた死神が其処に居た。
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