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邂逅
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艶のあるロングヘアー。
幸薄そうな顔。
女子高生の平均を超える長身。
制服を押し退けるように膨らんだ胸と、スカートで隠しきれていないお尻の膨らみ。
好みだ。とてつもなく私の好みの女性だ。先輩のようなちんまい女の子も好きだが、目の前の女性も大変好みだ。どんな要求にも応えてくれそうだし、甘やかしてくれるタイプのネコには大変そそられるものがある。
この包容力の化身と言えるような女性が哲学部を訪れるなんて、どのような要件なのだろうか。
先輩には私以外の友達はいないはずだし、こんな女生徒は同学年では見たこともない。制服を着ていることから教師というわけでもなさそうだし、三年生だろうか。
ただ、最上級生が今更こんな場末の部活に用があるとも思えないけれど。
「あ、あああ、あの……」
女性は見るからに挙動不審だ。おどおどとしていて、この瞬間に押し倒してもいけてしまいそうな印象を受ける。
試しに押し倒してみてもいいかもしれない。
「て、哲学部の見学をしたいんですけど……いいですか?」
「……え?」
「あなた、入部希望なの!?」
小動物のように座っていた先輩が急に割り込んできた。甲高い声が耳に響く。
私の下で喘ぐ時はもう少し甘い感じでお願いします。
「あ、ああぁっ、えと、そ、ま、まだ……っ」
「……あの、もしよろしければ中に入って話しませんか? イスならたくさん余ってますので」
「は、ひゃ、はい。お、おお邪魔しますっ……」
女性は促されるままにびくびくと怯えながら席に着いた。それを見届けてから私も女性の隣に座る。
これで女性は先輩と私に挟まれる形になった。
おそらく先輩はこの女性を逃す気はないのだろう。まだ確定したわけではないが彼女は哲学に興味があるようだから。
もちろん私も逃がす気はない。これほどの逸材だからすでに彼氏がいる可能性が高いが、それでもみすみす逃がす手もない。上手くいけばこの制服のその先を拝め、幸薄い顔が蕩けるところを見れるかもしれないのだから。
「あなた、哲学に興味があるの!?」
先輩の声は上擦っていた。年上の女性に対して敬語を使うことすら忘れているし、それほど興奮しているということなのだろう。
女性は先輩の勢いにすっかり怯えてしまっていて、このままでは逃げ出しかねない。逃げ出しても逃がすつもりはないが、穏便に済むならその方が良い。ここは口を挟ませてもらうことにしよう。
「先輩、少し落ち着いてください。まずは彼女の話を聞きませんか?」
「あっ、そ、それもそうね……」
先輩はわかりやすく落ち込んでしまった。初対面の人間に対して興奮した姿を見せたことに対して自己嫌悪してしまっているのかもしれない。
その姿は嗜虐心をそそられるが、まだ抑えなければ。今はまだ優しくして好感度を稼がなければベッドインが遠のいてしまう。
「いえ、先輩の気持ちはとても素晴らしいと思います。私、先輩が部員獲得に熱心なことはとても嬉しいんです!」
「そ、そう……?」
先輩がパっと頬を赤らめる。
これだけで気持ちを持ち直してくれるのだからありがたい限りだ。このままでは先輩はいつか悪い人に騙されるだろうが、そこは安心してほしい。私が守ってみせる。
その代わり調教はさせていただくが。
「それじゃあ、お話を聞かせてもらってもいいですか? ご自身のペースで、話したいことを話していただいて構わないので」
女性は私の言葉を受けた後に大きく深呼吸を繰り返した。
吸って、吐いて。吸って、吐いて。
呼吸を繰り返す度に胸の揺れる音が聴こえていたのは私だけの秘密にしておこう。
「……あ、あの、私、ぶ、部活体験期間中で……こ、高等部の先生にここの話を教えてもらったんです」
「……はぁっ!?」
私の声に女性と先輩が同時に悲鳴を漏らした。
「ぶ、部活体験期間!? あなた、いまそう言ったんですか!?」
「あっ、うっ、えっく、は、はぃ……」
部活体験期間。それは中等部の三年が高等部の部活動を一足早く体験する行事だったはずだ。
つまり、彼女は中等部の三年であり、この三人の中では一番の年下ということになる。
「っ……ぅっ……」
とてもそうは見えない。私も同年代と比べれば発育は良い方だが、彼女は桁違いだ。目測ではあるが、何もかもが一回りは私よりも大きい。先輩と比べれば親子に見えなくもない肉体だ。
高校生が中学生相手に性行為をしたら、それは犯罪になるのだろうか。いや、同性だからセーフだろう。中学時代も同級生相手にやってたし、きっと大丈夫だ。同意の上ならきっと……。
「あ、ご、ごめんね。ちょっとびっくりしちゃって……あまりにも大人びていたから、まさか中等部だとは思わなくて」
「キリちゃんもまだまだね。私は最初から気づいていたわよ? ほら、制服のデザインが少し違うでしょう?」
言われて見てみれば確かに細かなデザインに差異がある。体型ばかり見ていたせいだろう。まったく気づかなかった。
しかし、それを素直に認めるのも癪だ。一応それらしい言い訳をしておこう。
「な、なるほど。私はこの学園に入ったのは高等部からだから知りませんでした……」
「せ、先輩は外部受験をなさったんですか?」
「うん、そうだよ」
「そう、キリちゃんは数少ない高等部からの編入生なんだよ! 成績もすっごくいいんだから」
まるで私の手柄は自分のおかげだと言いたげな物言いだ。まあ、将来先輩を養うためには大学卒が金銭的に不可欠だ。先輩のために勉強しているというのも間違いではない。
「わぁっ……!」
心なしか、後輩ちゃんの私を見る目がキラキラと光っているように見える。
先輩も言っていたが、高等部に外部受験して入って来る人間は多くない。特別試験が難しいというわけではないが、中高一貫に後から入ってこようと思う人間が少ないのだろう。
「す、すごい……。わ、私、先輩のような人初めて見ましたっ!」
後輩ちゃんの言うすごいというのは優れているという意味ではなく、珍しいという意味に違いない。
しかし好感度を稼げているのであれば意味などどうでもいい。これは年上の余裕を見せつければコロっと落とせそうな雰囲気だ。
そうなると甘えるプランが無くなってしまうが……いや、あえて年下に甘えるシチュエーションもありか。
ただ、今は年上ムーブをかましても先輩からの好感度が落ちる可能性が高い。ここは二人きりになったときのためにとっておくことにしよう。
「あ、あはは……ま、まあ私のことはいいんですよ。それより、話を遮ってごめんなさい。続きを聞かせてもらってもいいですか?」
「あ、は、はいっ! そ、それで、私は友達と、部活見学をしていたんですけど……その、あまり……」
良い部活が見つからなかったと。しかしだからといってなぜこの哲学部にやってきたのか。そもそも部ですらないのに。この部室だって先生方が憐れみの温情で提供してくださっている有様だというのに。
「それで、先生に相談してみたんです……。そ、そしたら、ここを紹介されて……。と、友達は、哲学に興味がなくて、その、帰っちゃったんですけど……、でも、先生が新しい友達を作ってみるのもいいんじゃないかって……。わ、私は哲学って好きで、せ、先生の推薦もあったから、だから……き、来てみました」
友達作りという目的なら、確かにこの哲学部は適しているかもしれない。友達を作るためには、互いに友を求めている状態なのが最も都合がいいからだ。
私は可愛い子と友達になるのは大歓迎だし、先輩も友達には飢えているだろう。
「なるほど、それでここの扉を叩いたってわけね。でも、そんな甘い考えでやっていけるのかしら?」
「……先輩?」
先輩の口調が調子に乗り始めていた。おそらく、後輩ちゃんを自分より下だと認識したのだろう。
確かに上級生に囲まれて挙動不審な後輩ちゃんはついイジメたくなるが、それはまだ早いのではなかろうか。
「ここは友達を作るための場所じゃないわ。仲良しこよしのお遊戯クラブと思っているんだったら、それは勘違いよ。私たちは真理を追い求める求道者としてここに集っているのだから」
先輩、私そんな活動した覚えがないです。仮に先輩が真理の求道者だとしても私が違います。先ほど哲学の入門書読むことを否定したばかりです。
調子に乗るのはいいが、今は待ってほしい。
せっかくの新入部員候補なのだから。せっかくの私の好みの女の子なんだから。
「も、もちろんわかっていますっ! わ、私もま、まだまだ先輩方には及ばないかもしれないけど、で、でも、哲学書は昔からずっと読んでいて、えと……だ、だからっ」
「……昔から?」
空気の変わる音が聞こえた。
彼女は今中学三年生だ。十五歳だ。
そんな彼女が、昔から哲学を嗜んでいたと言っていた。
幸薄そうな顔。
女子高生の平均を超える長身。
制服を押し退けるように膨らんだ胸と、スカートで隠しきれていないお尻の膨らみ。
好みだ。とてつもなく私の好みの女性だ。先輩のようなちんまい女の子も好きだが、目の前の女性も大変好みだ。どんな要求にも応えてくれそうだし、甘やかしてくれるタイプのネコには大変そそられるものがある。
この包容力の化身と言えるような女性が哲学部を訪れるなんて、どのような要件なのだろうか。
先輩には私以外の友達はいないはずだし、こんな女生徒は同学年では見たこともない。制服を着ていることから教師というわけでもなさそうだし、三年生だろうか。
ただ、最上級生が今更こんな場末の部活に用があるとも思えないけれど。
「あ、あああ、あの……」
女性は見るからに挙動不審だ。おどおどとしていて、この瞬間に押し倒してもいけてしまいそうな印象を受ける。
試しに押し倒してみてもいいかもしれない。
「て、哲学部の見学をしたいんですけど……いいですか?」
「……え?」
「あなた、入部希望なの!?」
小動物のように座っていた先輩が急に割り込んできた。甲高い声が耳に響く。
私の下で喘ぐ時はもう少し甘い感じでお願いします。
「あ、ああぁっ、えと、そ、ま、まだ……っ」
「……あの、もしよろしければ中に入って話しませんか? イスならたくさん余ってますので」
「は、ひゃ、はい。お、おお邪魔しますっ……」
女性は促されるままにびくびくと怯えながら席に着いた。それを見届けてから私も女性の隣に座る。
これで女性は先輩と私に挟まれる形になった。
おそらく先輩はこの女性を逃す気はないのだろう。まだ確定したわけではないが彼女は哲学に興味があるようだから。
もちろん私も逃がす気はない。これほどの逸材だからすでに彼氏がいる可能性が高いが、それでもみすみす逃がす手もない。上手くいけばこの制服のその先を拝め、幸薄い顔が蕩けるところを見れるかもしれないのだから。
「あなた、哲学に興味があるの!?」
先輩の声は上擦っていた。年上の女性に対して敬語を使うことすら忘れているし、それほど興奮しているということなのだろう。
女性は先輩の勢いにすっかり怯えてしまっていて、このままでは逃げ出しかねない。逃げ出しても逃がすつもりはないが、穏便に済むならその方が良い。ここは口を挟ませてもらうことにしよう。
「先輩、少し落ち着いてください。まずは彼女の話を聞きませんか?」
「あっ、そ、それもそうね……」
先輩はわかりやすく落ち込んでしまった。初対面の人間に対して興奮した姿を見せたことに対して自己嫌悪してしまっているのかもしれない。
その姿は嗜虐心をそそられるが、まだ抑えなければ。今はまだ優しくして好感度を稼がなければベッドインが遠のいてしまう。
「いえ、先輩の気持ちはとても素晴らしいと思います。私、先輩が部員獲得に熱心なことはとても嬉しいんです!」
「そ、そう……?」
先輩がパっと頬を赤らめる。
これだけで気持ちを持ち直してくれるのだからありがたい限りだ。このままでは先輩はいつか悪い人に騙されるだろうが、そこは安心してほしい。私が守ってみせる。
その代わり調教はさせていただくが。
「それじゃあ、お話を聞かせてもらってもいいですか? ご自身のペースで、話したいことを話していただいて構わないので」
女性は私の言葉を受けた後に大きく深呼吸を繰り返した。
吸って、吐いて。吸って、吐いて。
呼吸を繰り返す度に胸の揺れる音が聴こえていたのは私だけの秘密にしておこう。
「……あ、あの、私、ぶ、部活体験期間中で……こ、高等部の先生にここの話を教えてもらったんです」
「……はぁっ!?」
私の声に女性と先輩が同時に悲鳴を漏らした。
「ぶ、部活体験期間!? あなた、いまそう言ったんですか!?」
「あっ、うっ、えっく、は、はぃ……」
部活体験期間。それは中等部の三年が高等部の部活動を一足早く体験する行事だったはずだ。
つまり、彼女は中等部の三年であり、この三人の中では一番の年下ということになる。
「っ……ぅっ……」
とてもそうは見えない。私も同年代と比べれば発育は良い方だが、彼女は桁違いだ。目測ではあるが、何もかもが一回りは私よりも大きい。先輩と比べれば親子に見えなくもない肉体だ。
高校生が中学生相手に性行為をしたら、それは犯罪になるのだろうか。いや、同性だからセーフだろう。中学時代も同級生相手にやってたし、きっと大丈夫だ。同意の上ならきっと……。
「あ、ご、ごめんね。ちょっとびっくりしちゃって……あまりにも大人びていたから、まさか中等部だとは思わなくて」
「キリちゃんもまだまだね。私は最初から気づいていたわよ? ほら、制服のデザインが少し違うでしょう?」
言われて見てみれば確かに細かなデザインに差異がある。体型ばかり見ていたせいだろう。まったく気づかなかった。
しかし、それを素直に認めるのも癪だ。一応それらしい言い訳をしておこう。
「な、なるほど。私はこの学園に入ったのは高等部からだから知りませんでした……」
「せ、先輩は外部受験をなさったんですか?」
「うん、そうだよ」
「そう、キリちゃんは数少ない高等部からの編入生なんだよ! 成績もすっごくいいんだから」
まるで私の手柄は自分のおかげだと言いたげな物言いだ。まあ、将来先輩を養うためには大学卒が金銭的に不可欠だ。先輩のために勉強しているというのも間違いではない。
「わぁっ……!」
心なしか、後輩ちゃんの私を見る目がキラキラと光っているように見える。
先輩も言っていたが、高等部に外部受験して入って来る人間は多くない。特別試験が難しいというわけではないが、中高一貫に後から入ってこようと思う人間が少ないのだろう。
「す、すごい……。わ、私、先輩のような人初めて見ましたっ!」
後輩ちゃんの言うすごいというのは優れているという意味ではなく、珍しいという意味に違いない。
しかし好感度を稼げているのであれば意味などどうでもいい。これは年上の余裕を見せつければコロっと落とせそうな雰囲気だ。
そうなると甘えるプランが無くなってしまうが……いや、あえて年下に甘えるシチュエーションもありか。
ただ、今は年上ムーブをかましても先輩からの好感度が落ちる可能性が高い。ここは二人きりになったときのためにとっておくことにしよう。
「あ、あはは……ま、まあ私のことはいいんですよ。それより、話を遮ってごめんなさい。続きを聞かせてもらってもいいですか?」
「あ、は、はいっ! そ、それで、私は友達と、部活見学をしていたんですけど……その、あまり……」
良い部活が見つからなかったと。しかしだからといってなぜこの哲学部にやってきたのか。そもそも部ですらないのに。この部室だって先生方が憐れみの温情で提供してくださっている有様だというのに。
「それで、先生に相談してみたんです……。そ、そしたら、ここを紹介されて……。と、友達は、哲学に興味がなくて、その、帰っちゃったんですけど……、でも、先生が新しい友達を作ってみるのもいいんじゃないかって……。わ、私は哲学って好きで、せ、先生の推薦もあったから、だから……き、来てみました」
友達作りという目的なら、確かにこの哲学部は適しているかもしれない。友達を作るためには、互いに友を求めている状態なのが最も都合がいいからだ。
私は可愛い子と友達になるのは大歓迎だし、先輩も友達には飢えているだろう。
「なるほど、それでここの扉を叩いたってわけね。でも、そんな甘い考えでやっていけるのかしら?」
「……先輩?」
先輩の口調が調子に乗り始めていた。おそらく、後輩ちゃんを自分より下だと認識したのだろう。
確かに上級生に囲まれて挙動不審な後輩ちゃんはついイジメたくなるが、それはまだ早いのではなかろうか。
「ここは友達を作るための場所じゃないわ。仲良しこよしのお遊戯クラブと思っているんだったら、それは勘違いよ。私たちは真理を追い求める求道者としてここに集っているのだから」
先輩、私そんな活動した覚えがないです。仮に先輩が真理の求道者だとしても私が違います。先ほど哲学の入門書読むことを否定したばかりです。
調子に乗るのはいいが、今は待ってほしい。
せっかくの新入部員候補なのだから。せっかくの私の好みの女の子なんだから。
「も、もちろんわかっていますっ! わ、私もま、まだまだ先輩方には及ばないかもしれないけど、で、でも、哲学書は昔からずっと読んでいて、えと……だ、だからっ」
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