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先輩
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先輩の指先が震えながら私の胸に接近してきて、やがてつぷりと沈み込んだ。
何度も、何度も。
先輩はプニプニと指先を沈める行為を繰り返した。
「……わぁっ」
「コウちゃんと比べちゃうと私のも控えめなんですけれど、ご満足いただけてますか?」
「う、うん……っ! 私、自分のが小さいから、ずっと女の人の普通の胸ってどんな感じなんだろうって気になってて……。こ、こんなに柔らかいんだね!」
先輩は未知の体験に目を輝かせている。
まるで蛹が蝶になる瞬間を目撃した小学生のような表情だ。
「こ、これって何カップなの?」
「私のはCです」
「そっか、これがCなんだ……」
「ところで……先輩? 私のお願いも聞いていただけますか?」
「え゙っ」
「私も、先輩の胸を――」
「ダメっ!」
とても強い、ハキハキとした拒絶だった。
「キリちゃん、絶対エッチな触り方するでしょ!」
「はい!」
「ダメぇっ!」
先輩に距離を離されてしまった。
胸もしっかり両腕でガードされてしまっている。
人のは触っておきながら自分のはダメだと言うのだから、先輩もひどいお人だ。
「残念です。それじゃあ代わりに、脱いでいただけますか?」
「いやっ!」
「焦らないでください先輩。ただ無条件に脱げと言っているわけじゃありません。ハグの間だけ脱いでほしいんです」
「っ!」
「素肌でのハグ、気持ちよかったですよね? だから、今日は半袖を着て来られたんですよね? だったら、もっと気持ちよくなりたくないですか? ご覧の通り私は全裸です。あとは先輩が脱げば脱ぐほど……わかりますよね?」
「ぅ……っく」
「もしも恥ずかしいという気持ちがあるのなら、安心してください。今日のハグは明かりを消してベッドで行いますので」
「えっ?」
「明かりを消してしまえば先輩が脱いでも私はそれを見ることができません。ふたりで布団を被ってしまえば尚のこと。恥ずかしい要素は消え去ります。そしたら、後はふたりで気持ちよくなるだけです。そうは思いませんか?」
先輩が唾を飲み込む音が聴こえた。
「私は先に布団に入っていますね。先輩の心の準備が出来たら、明かりを消してこちらに来て下さい。そしたら……蕩け合ってしまうくらい、ハグしましょう?」
「……ぁっ」
先輩を放って布団に潜る。
先輩が脱ぐ姿を見ないとアピールするために、しっかりと掛け布団を頭から被った。
もちろん、掛け布団を被ってもその隙間から外の様子を窺うことはできるのだが。
「……」
私が布団に潜ってから一分。
先輩はまだ座り尽くしていた。
たまにシャツの裾に指を伸ばしたと思っても、また離してしまう。
こちらをチラリと見ては困った表情で口元をパクパクさせては視線を落とす。
そしてまたシャツに指だけかけて、また離す。
体感だけれど、十分くらいは先輩はそうしていたかもしれない。
「……っ!」
先輩はついにすくっと立ち上がると、明かりを消した。
視界が暗闇に遮られ、代わりに聴覚が研ぎ澄まされていって、衣擦れの音が聴こえ始めた。
先輩がついに脱ぎ始めたのだろう。
パさりと軽い何かが落ちる音が鳴った。
そしてジッパーを動かす音は、ジーンズに手をかけた音だ。
歩く音が近づいてくる。
暗闇でよく見えないが、きっとベッドの前には下着姿の先輩がいるのだろう。
「……」
先輩は無言で立ち尽くしている。
脱いだはいいものの、まだ布団に入る勇気が整っていないのかもしれない。
「き、キリちゃん……? ね、寝ちゃったの?」
「っ?」
何度も、何度も。
先輩はプニプニと指先を沈める行為を繰り返した。
「……わぁっ」
「コウちゃんと比べちゃうと私のも控えめなんですけれど、ご満足いただけてますか?」
「う、うん……っ! 私、自分のが小さいから、ずっと女の人の普通の胸ってどんな感じなんだろうって気になってて……。こ、こんなに柔らかいんだね!」
先輩は未知の体験に目を輝かせている。
まるで蛹が蝶になる瞬間を目撃した小学生のような表情だ。
「こ、これって何カップなの?」
「私のはCです」
「そっか、これがCなんだ……」
「ところで……先輩? 私のお願いも聞いていただけますか?」
「え゙っ」
「私も、先輩の胸を――」
「ダメっ!」
とても強い、ハキハキとした拒絶だった。
「キリちゃん、絶対エッチな触り方するでしょ!」
「はい!」
「ダメぇっ!」
先輩に距離を離されてしまった。
胸もしっかり両腕でガードされてしまっている。
人のは触っておきながら自分のはダメだと言うのだから、先輩もひどいお人だ。
「残念です。それじゃあ代わりに、脱いでいただけますか?」
「いやっ!」
「焦らないでください先輩。ただ無条件に脱げと言っているわけじゃありません。ハグの間だけ脱いでほしいんです」
「っ!」
「素肌でのハグ、気持ちよかったですよね? だから、今日は半袖を着て来られたんですよね? だったら、もっと気持ちよくなりたくないですか? ご覧の通り私は全裸です。あとは先輩が脱げば脱ぐほど……わかりますよね?」
「ぅ……っく」
「もしも恥ずかしいという気持ちがあるのなら、安心してください。今日のハグは明かりを消してベッドで行いますので」
「えっ?」
「明かりを消してしまえば先輩が脱いでも私はそれを見ることができません。ふたりで布団を被ってしまえば尚のこと。恥ずかしい要素は消え去ります。そしたら、後はふたりで気持ちよくなるだけです。そうは思いませんか?」
先輩が唾を飲み込む音が聴こえた。
「私は先に布団に入っていますね。先輩の心の準備が出来たら、明かりを消してこちらに来て下さい。そしたら……蕩け合ってしまうくらい、ハグしましょう?」
「……ぁっ」
先輩を放って布団に潜る。
先輩が脱ぐ姿を見ないとアピールするために、しっかりと掛け布団を頭から被った。
もちろん、掛け布団を被ってもその隙間から外の様子を窺うことはできるのだが。
「……」
私が布団に潜ってから一分。
先輩はまだ座り尽くしていた。
たまにシャツの裾に指を伸ばしたと思っても、また離してしまう。
こちらをチラリと見ては困った表情で口元をパクパクさせては視線を落とす。
そしてまたシャツに指だけかけて、また離す。
体感だけれど、十分くらいは先輩はそうしていたかもしれない。
「……っ!」
先輩はついにすくっと立ち上がると、明かりを消した。
視界が暗闇に遮られ、代わりに聴覚が研ぎ澄まされていって、衣擦れの音が聴こえ始めた。
先輩がついに脱ぎ始めたのだろう。
パさりと軽い何かが落ちる音が鳴った。
そしてジッパーを動かす音は、ジーンズに手をかけた音だ。
歩く音が近づいてくる。
暗闇でよく見えないが、きっとベッドの前には下着姿の先輩がいるのだろう。
「……」
先輩は無言で立ち尽くしている。
脱いだはいいものの、まだ布団に入る勇気が整っていないのかもしれない。
「き、キリちゃん……? ね、寝ちゃったの?」
「っ?」
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