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討伐
その重心をわずかに偏らせたその刹那――
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左手で盾を構え、右手にランスを構え、ガルは森から広場へと出た。その足取りはゆっくりとだが、堂々した足運びからは相当の自信が窺えた。
グリフォンはガルを睨みつけている。まだ伏せた姿勢ではあるが、近づいてくる外敵に対する警戒心が全身から溢れ出ていた。
ガルとグリフォンの距離は目測で凡そ20メートル。それが徐々に縮まっていき、15メートルに差し掛かったところでついにグリフォンが動いた。
グリフォンは立ち上がり、ガルを正面に見据えその大きな翼を広げた。きっとあれがグリフォンの威嚇なのだろう。体格差を見せつけて、ガルの威をくじこうとしているのだろう。
一方のガルは少しだけ立ち止まったものの、すぐにまた前進を始めた。
「■■■■■■――!!」
グリフォンの咆哮が響き渡る。鳥の囀りとは比較にならない声量による音波は、耳にするだけで腹の底から恐怖が湧き出てきてしまう。十分に距離が離れている僕ですら、ガルとの約束を違えて逃げ出したくて堪らない。
しかしガルは止まらなかった。僕よりもずっと近い距離で。むしろ咆哮を上げている内に近づいてしまおうかと言わんばかりに、確実に距離を詰めていく。
「■■――!!」
今度はグリフォンは近くにあった岩塊にその爪を振り下ろし、いとも容易く砕いた。人間ほどの大きさはあった岩塊が、グリフォンがその前脚を振っただけで一瞬で粉々に砕け散ってしまった。まるで、今までに襲ってきた人間たちの末路を示すかのように。
それでもガルは歩みを止めない。砕けた岩の破片を盾に受けながらも、まるで打ってこいと言わんばかりに盾を揺らしながら前進していく。
「…………」
そして凡そ10メートルの距離を置いて、ついにガルの前進が止まった。グリフォンが上半身を低く落とし、飛び掛かる寸前の前傾姿勢を取ってようやく、ガルは立ち止まった。
「っ……」
背後で見ているだけでも胃が張りさけそうになる重圧。風の音すらも聴こえなくなるような緊張感。
グリフォンは攻撃の機会を、ガルは前進の機会を、互いに睨み合いながら窺っている。先に動いた方が不利なのだということが、素人の僕にも伝わってきた。
森で襲ってきた猿たちとは違う。グリフォンはしっかりとガルを見据え、警戒していた。迂闊には飛び込まないその立ち回りが、人間との戦闘経験の豊富さを物語っていた。
どうか、このままガルが後退してはくれないだろうかと思わずにはいられない。今からでも、僕の元へと戻ってきて欲しい。
そんな僕の身勝手な願望とは裏腹に、ついにガルが一歩を詰めようと動き出した。一歩進む為に、その重心をわずかに偏らせたその刹那――
「■■■■■■――!!」
――縮んでいたバネの如く、グリフォンはガルへと飛び掛かった。
グリフォンはガルを睨みつけている。まだ伏せた姿勢ではあるが、近づいてくる外敵に対する警戒心が全身から溢れ出ていた。
ガルとグリフォンの距離は目測で凡そ20メートル。それが徐々に縮まっていき、15メートルに差し掛かったところでついにグリフォンが動いた。
グリフォンは立ち上がり、ガルを正面に見据えその大きな翼を広げた。きっとあれがグリフォンの威嚇なのだろう。体格差を見せつけて、ガルの威をくじこうとしているのだろう。
一方のガルは少しだけ立ち止まったものの、すぐにまた前進を始めた。
「■■■■■■――!!」
グリフォンの咆哮が響き渡る。鳥の囀りとは比較にならない声量による音波は、耳にするだけで腹の底から恐怖が湧き出てきてしまう。十分に距離が離れている僕ですら、ガルとの約束を違えて逃げ出したくて堪らない。
しかしガルは止まらなかった。僕よりもずっと近い距離で。むしろ咆哮を上げている内に近づいてしまおうかと言わんばかりに、確実に距離を詰めていく。
「■■――!!」
今度はグリフォンは近くにあった岩塊にその爪を振り下ろし、いとも容易く砕いた。人間ほどの大きさはあった岩塊が、グリフォンがその前脚を振っただけで一瞬で粉々に砕け散ってしまった。まるで、今までに襲ってきた人間たちの末路を示すかのように。
それでもガルは歩みを止めない。砕けた岩の破片を盾に受けながらも、まるで打ってこいと言わんばかりに盾を揺らしながら前進していく。
「…………」
そして凡そ10メートルの距離を置いて、ついにガルの前進が止まった。グリフォンが上半身を低く落とし、飛び掛かる寸前の前傾姿勢を取ってようやく、ガルは立ち止まった。
「っ……」
背後で見ているだけでも胃が張りさけそうになる重圧。風の音すらも聴こえなくなるような緊張感。
グリフォンは攻撃の機会を、ガルは前進の機会を、互いに睨み合いながら窺っている。先に動いた方が不利なのだということが、素人の僕にも伝わってきた。
森で襲ってきた猿たちとは違う。グリフォンはしっかりとガルを見据え、警戒していた。迂闊には飛び込まないその立ち回りが、人間との戦闘経験の豊富さを物語っていた。
どうか、このままガルが後退してはくれないだろうかと思わずにはいられない。今からでも、僕の元へと戻ってきて欲しい。
そんな僕の身勝手な願望とは裏腹に、ついにガルが一歩を詰めようと動き出した。一歩進む為に、その重心をわずかに偏らせたその刹那――
「■■■■■■――!!」
――縮んでいたバネの如く、グリフォンはガルへと飛び掛かった。
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