重槍士は褐色毒ショタに出会う

papporopueeee

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……宴って聞いてたんだけど?

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 王宮の前にて

「あんた、宴の席にまでそんなもんを持ち込むつもりか?」

「ダメか?」

「そりゃダメだろう。ただの刃物でさえアウトだってのに、そんなバカでかいランスと盾はな……。それに、そんなの担いでたら落ち着いて食事もできないんじゃないか?」

「ハンターってのはいついかなる時でも武器を携帯するのが基本なんでな。無いと逆に落ち着かないんだ。主賓ってことで、大目に見てくれよ」

 この言葉は嘘ではないが、正確ではない。ライセンスを持ったハンターでも、さすがに四六時中武器を携帯なんてしない。

 まだこの国を完全には信用できていないだけだ。多少の無礼は承知でも、護身用の獲物を手放したくはなかった。

「んー……まあいいか。レスト王からも融通を効かせるように言われてるからな。あんたなら、変なことはしないだろうし」

「へー、レスト王が?」

 我ながら無茶な要求だと思っていたが、まさかこんなにもすんなり通ってしまうとは。最初はいけ好かないおっさんだと思っていたが、意外と話はわかる人物なのかもしれない。広場でも素直にルカテの恩赦を認めていたし。

 ルカテの為ではあったが、レスト国には良い恩の売り方ができたのかもしれない。

「宴席の会場は離宮に用意してある。くれぐれも、寄り道したりして変な場所に入らないでくれよ」

「離宮……あっちか?」

「違う違う、そっちは王族の居住スペースだ。宴席は真逆の方だよ。少し歩けば迎えが待ってるから、素直についていけばいい」

「ふーん……」

 門番に指示された方へ歩き始めると、程なくして兵士が迎えに来た。その腰にぶら下がるボウガンを見ていると、武器を持ち込む正当性を後押しされているような心地になる。宴だと言うのに兵士が堂々と武器を携帯しているのだから、俺だって問題無いだろう。お互い様というやつだ。

「レスト王! 客人をお連れしました!」

 この離宮は民衆を集めてのパーティ等でも使っているような場所なのだろう。直方体の離宮の中には部屋の仕切りがなく、だだっ広い空間が広がっていた。

 中心には1辺に10人は座れそうな長方形のテーブルがぽつんと置かれており、既にレスト王とルカテが着席している。

「……宴って聞いてたんだけど?」

 テーブルに座っているのはルカテとレスト王の2人だけだ。その背後には20名ほどの兵士が待機しているが、宴に参加するような雰囲気ではない。そして王宮までの道すがらも、民衆たちに宴に参加するような雰囲気は無かった。

 なんとも寂しい宴もあったものだ。

「ルカテはいまだ微妙な立ち位置に居る。この形式の方が宴も楽しめるだろうという気遣いだったが、不服か?」

「む……それなら……まあ……」

 レスト王の言う事も尤もだ。恩赦を受けたとはいえ、ルカテのこの国での立ち位置は大きくは変わっていない。あまり人が多くてもルカテが楽しめないだろう。

 俺としては少し物足りなく感じてしまうが、ルカテが喜んでいるのならそれで――

「……ルカテ?」

 心なしか、ルカテがやつれている気がした。昼間に別れた時はもっと生気に満ちていた気がするのだが。その表情もどこか暗く、俺ともあまり目を合わせてくれない。

 恩赦をもらい油断していたが、何かされたのだろうか。一度レスト王に引き渡してしまったが、失敗だったかもしれない。

「ルカテ、こっちに座らないか? せっかくの宴なのに、隣に誰も居ないんじゃ寂しいからさ」

「っ……」

 声をかけてみたが、ルカテの反応は予想していたものとは違っていた。

 わかりやすく視線を逸らし口を噤む様は、まるで俺を拒絶しているかのようだ。そういえば、ずっと身に着けていた俺の外套も今は被っていない。
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