重槍士は褐色毒ショタに出会う

papporopueeee

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裏側

どうか、全てを費やすほどの贖罪をさせてください

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「さて……では本題に入ろうか、ルカテ。広場で宣言した通り、私はお前に恩赦を与えようと思うのだが……お前はどう思う?」

「……そのようなもの、いただくことはできません。この身は決して許されてはいけない罪を犯した身……どうか、全てを費やすほどの贖罪をさせてください」

 僕はドゥノーラ王子を殺してしまった。それによって、ティルハ王妃は心を喪った。絶対に忘れることができないはずの仇である僕を忘れるほどに。王子との思い出を喪失し、赤子であった頃まで自失するほどに。愛していたはずの我が子と人形の区別がつかなくなるほどに。

 僕が赦されるはずがなかった。人を殺すというのは、そんな簡単に赦されていいものではなかった。誰に何を言われようとも、僕自身が僕を赦すことができないのだから。

「贖罪を欲するか。その言葉に二言は無いな」

「はい……どんな罰でも、僕は受け入れます。どうか、この汚れた身に罰をお与えください」

「よかろう。ならばルカテ、お前にはこの国にその毒を奉納する任をくれてやる。お前自身は汚れた罪人であろうとも、その身体に流れる毒は賢く使えれば実に有用だ。当初は脅威であったが、研究も進み今では恐れるものではない。お前はその生涯を牢獄で過ごし、死ぬまで毒を吐き出し続けるがいい」

「っ……承知いたしました……っ」

 嫌だ、なんて言えなかった。そんなことを言えるような身分じゃない。むしろ、嫌であることを喜ぶべきなのだ。心が辛苦に晒されるほど、心に刺さった罪の杭が小さくなる。この杭は決して消えることはなく、抜けることもないけれど。試練だけが、罪人である僕の心を慰めてくれる。

「あの旅人が滞留している間は3日に一度は外に出してやる。それ以外は牢獄でひたすらに毒を献じているがいい。旅人には、お前から上手く説明しておけ」

「はっ、はい……」

「不服か?」

「そのようなことは……っ!」

 ガル。僕にとっての光。暗く淀んだ心に灯りを持ち込んでくれたお星さま。

 王妃様のことを想えば、僕がすべきことは明白だ。

「なるべく早く出国するよう促します……。決してガルには悟られることの無いように……贖罪に努めることを誓います……」

 3日に一度でも会えるだけ恵まれている。王妃はもう二度と王子には会えないのだから。限られたガルとの逢瀬で、永遠の孤独を迎える覚悟をすればいいだけの話だ。

 ああ、それとも……ガルを求めて一生を苦しむ方が、僕への罰としては相応しいだろうか。

「よろしい。おい、入れ」

 扉の前に待機していたようだ。レスト王が声をかけると、速やかに兵士が部屋へと入ってきた。

「連れていって搾り取れ。ただし、痕が残るようなことはするな。今日は宴席があるからな、気取られると面倒だ」

 兵士に連行され、僕は部屋を出た。自分の足で、自分の意思で。あの暗く閉じた牢獄に戻るために。

 光を奪われ、時間を取り上げられるあの場所で、辛苦と恥辱に満ちた贖罪に身を投じるために。
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