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第六夜
過去が追いついてくる
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「……耳、赤いよ?」
「うるせー……」
クスクスと夕美が声を漏らす。あまりにも照れ臭い状況だ。今の俺は耳だけじゃなくて顔まで真っ赤になっているに違いない。
カオルやあさひにこの状況を見られたらまずいと思い離れようとすると、逃がさないと言わんばかりに夕美がのしかかってきた。
「おっ、おい……!」
「ダメだよ、逃げたら……。お願いだから逃げないで」
「……」
「ありがと……」
夕美の声色は切実だった。表情を用意に想像できてしまうほどに、感情を帯びていた。
「……」
「……」
「なあ、いつまでこうして――」
「……取らないでって言われちゃった、カオルくんに。昨日の話ね」
「取らないでって、何をだ?」
「キミを」
「……俺?」
「ケン君に良く懐いてるんだね。お兄ちゃん大好きっ子だ。可愛いね」
「っ、あ、ああ……カオルがそんなことを言ってたのか……」
カオルとの関係が漏れたのかと思いドキリとしたが、夕美にそんな様子はない。もしも知られていたのなら、こんなリアクションでは済まないはずだ。
「あとは、私がケン君の元彼女だって話しました」
「っ……カオルに教えたのか」
「ダメだった?」
「……いや、そういうわけでもないが」
夕美はカオルが俺に抱いている感情を兄弟愛だと勘違いしているようだ。しかしその間違いを是正することは俺にはできない。
カオルは夕美の発言を受けて何を思っただろうか。
「カオルくんに教えてあげたの。ケン君は私を捨ててカオルくんを選んだ、超が付くほどのブラコンだから安心していいよって」
「なんだよ……棘のある言い方だな」
「間違ってないでしょ?」
「……」
否定をしたいところだが、彼女ではなく義弟を選んだという事実は間違いない。家族愛が強いと言えば聞こえはいいが、ブラコンと形容されても仕方ないだろう。
「……」
「……?」
細く冷たい手が俺の顔に添えられて、胸の中へ抱き寄せられた。
「……でもさ、今だったら違う選択が取れると思わない? 今だったら……義弟と彼女のどちらかだけなんて、そんなこともないでしょ?」
顔に添えられた手が顎へと伸びて、無理やりに上を向かせられる。
「ねえ、ケン君……?」
「――っ!」
呼吸が止まる。それは彼女の顔があまりにも近くて、あまりにも蠱惑的で、寂しそうで。
唇を塞がれてしまったから。
「んっ……」
糸を引きながら夕美の唇が離れていく。
彼女は少し恥ずかしそうにはにかみながら、赤い舌を覗かせて自らの唇をペロリと舐めた。
「私たち、相性良かったよね……。色々とさ?」
「うるせー……」
クスクスと夕美が声を漏らす。あまりにも照れ臭い状況だ。今の俺は耳だけじゃなくて顔まで真っ赤になっているに違いない。
カオルやあさひにこの状況を見られたらまずいと思い離れようとすると、逃がさないと言わんばかりに夕美がのしかかってきた。
「おっ、おい……!」
「ダメだよ、逃げたら……。お願いだから逃げないで」
「……」
「ありがと……」
夕美の声色は切実だった。表情を用意に想像できてしまうほどに、感情を帯びていた。
「……」
「……」
「なあ、いつまでこうして――」
「……取らないでって言われちゃった、カオルくんに。昨日の話ね」
「取らないでって、何をだ?」
「キミを」
「……俺?」
「ケン君に良く懐いてるんだね。お兄ちゃん大好きっ子だ。可愛いね」
「っ、あ、ああ……カオルがそんなことを言ってたのか……」
カオルとの関係が漏れたのかと思いドキリとしたが、夕美にそんな様子はない。もしも知られていたのなら、こんなリアクションでは済まないはずだ。
「あとは、私がケン君の元彼女だって話しました」
「っ……カオルに教えたのか」
「ダメだった?」
「……いや、そういうわけでもないが」
夕美はカオルが俺に抱いている感情を兄弟愛だと勘違いしているようだ。しかしその間違いを是正することは俺にはできない。
カオルは夕美の発言を受けて何を思っただろうか。
「カオルくんに教えてあげたの。ケン君は私を捨ててカオルくんを選んだ、超が付くほどのブラコンだから安心していいよって」
「なんだよ……棘のある言い方だな」
「間違ってないでしょ?」
「……」
否定をしたいところだが、彼女ではなく義弟を選んだという事実は間違いない。家族愛が強いと言えば聞こえはいいが、ブラコンと形容されても仕方ないだろう。
「……」
「……?」
細く冷たい手が俺の顔に添えられて、胸の中へ抱き寄せられた。
「……でもさ、今だったら違う選択が取れると思わない? 今だったら……義弟と彼女のどちらかだけなんて、そんなこともないでしょ?」
顔に添えられた手が顎へと伸びて、無理やりに上を向かせられる。
「ねえ、ケン君……?」
「――っ!」
呼吸が止まる。それは彼女の顔があまりにも近くて、あまりにも蠱惑的で、寂しそうで。
唇を塞がれてしまったから。
「んっ……」
糸を引きながら夕美の唇が離れていく。
彼女は少し恥ずかしそうにはにかみながら、赤い舌を覗かせて自らの唇をペロリと舐めた。
「私たち、相性良かったよね……。色々とさ?」
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