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第2話 ルイ
ナナに初めて会ったのは彼女が5歳の時だ。
久しぶりに目覚めてなにか食うものがないかと物色していたら、変わった魂の持ち主が来たから襲ってやった。
先に魔力の強いガキの方を片付けて、次に変な魂の持ち主であるナナに向かった。
ナナは聞いたこともない言葉を話していた。
「あくりょうたいさん!」とか「エクスぺ(自主規制)……ナム!」とか叫んで走り回った。
必死で生きようとあがく姿が滑稽だった。
これ1回で殺すのもったいないな。
それで先に殺したガキに憑依して、ナナを助けたのだった。
僕はナナと婚約して、彼女といつも一緒に過ごすようになった。
ナナは思った通り、僕を楽しませてくれた。
彼女の前世である異世界の話は興味深かった。
魔法のない世界。
科学が進歩して、この世界よりも文明が進んでいた。
1度に何億人も殺せる化学兵器など、興味深い。
ふむ、この世界は僕のものだから、飽きたらそちらを手にするのも悪くない。
そう軽く思っていたのだが、ナナの滑稽さはだんだん愛嬌に変わり愛着がわいた。
隷属させて一生縛り付けようかと思ったが、それはいつだってできる。
いらなくなったら、殺せばいいしね。
ナナのためなら、何でもできた。
この体の両親を操って、婚約に同意させた。
初めはひどく反対されたんだ。
家柄はいいけど貧乏だし、地味過ぎるって。
使用人にもってこいだから、側にいさせただけだって。
ムカついたからアイツらを隷属させて、使用人にしたんだ。
その後はこの国の中枢を手に入れた。
僕の魔力は称賛に値するから、ナナではふさわしくないって言いだしたからだ。
他の女を紹介するからとしつこくしたので、中枢にいる人間を全部隷属させた。
何の問題もない。
すぐにでも結婚できたけど、ナナは恋愛に憧れを持っていた。
異世界での前世では奥手で、恋をしたことがなかったのだ。
図書館デートとか、制服デートとか、待ち合わせとか。
ほんのささいなことだけど、ナナにとっては大事なことらしい。
婚約している時期は今しかないんだよって言われると、なるほどそうかとも思う。
ナナが喜ぶなら、待ってもいい。
そう思えた。
ただ学校はナナ以外、ほぼすべてがつまらなかった。
僕が人間に教わることなんてほとんどない。
唯一、ナナの異世界の話ぐらいだ。
時々間違ったことも言うし、反吐が出る。
だから教師どもの意識をいじって、正しいことを教えてやった。
うっとうしい貴族学校を終えて、やっとナナと結婚できると思ったら、今度はガキどもが婚約破棄騒動を起こした。
全く興味がなかった。
時間の無駄だ。
だいたいこの僕の時間を無駄にするなんて、それこそ万死に値する。
他人事の茶番だと思ったら、ナナの様子がおかしい。
「まだ何かあるんだね。さっさと僕に話してごらん。
僕が君を守ってあげる」
そう言うとやっとナナは話しだした。
これから魔王が出現するから、あのガキどもに倒してもらわないといけないんだと言い出す。
魔王、ここにいるけど?
だけどそれを教えるわけにも行かないし。
本気で怯えるナナは、魔王が倒れない限り安心してくれないだろう。
それで替え玉に力を与えて、討伐させることにした。
だが予想以上にガキどもが弱かった。
本当にコイツらが僕を倒すはずだったのか?
せっかく作った替え玉にすら確実に負ける。
だから全員隷属させて、鍛えた。
ナナのためとはいえ、くだらない時間だった。
そういえば、聖女と公爵令嬢も異世界の記憶があるという。
でもナナのようにかわいくない。
なにが違うんだろう?
わからない、全然違うとしか言えない。
違いを調べる時間すら無駄に感じてしなかった。
ナナの話では、ヤツらを送り出す壮行会なるものをしないといけないらしい。
国はすべて僕のものだから、やるのは簡単だ。
すぐに手配させる。
ナナには次期侯爵夫人として、国から招待状を送った。
僕からは、お揃いのデザインのドレスを送った。
擬態の体の色だが金髪に青目なのでその色にしたら、ナナは頬を赤く染めて喜んでくれた。
やっぱりかわいい。
鍛えた成果もあって、討伐隊もそれなりになっていた。
見た目が若干変わったせいか、ヤツらをみたナナがびっくりして目を丸くしていた。
そんなところもかわいい。
「どうかしたの?」
「えーと、何でもないの。ちょっと見た目が……。
でもギリギリいけると思う」
ナナがそう言うなら、大丈夫だろう。
ヤツらが討伐に出かけてもナナは心配そうにしていた。
鍛えたとはいえ、ヤツらは甘ちゃんだ。
だからある程度戦わせてと考えていたが、時間がかかりすぎた。
結局僕が替え玉を倒した。
そのせいで結婚式が延期することになった。
祝賀パレードの式典を教会でするという。
僕の一番大事な結婚式を遅らせるだと?
ちょっとイラついたけどナナが許可をだした。
彼女は幸せそうだったし、無事に結婚できたからまぁいいとしよう。
初夜のナナはかわいかった。
人間は殺さなくても、あんなに真っ赤になるんだな。
うるんだ瞳で僕を見つめ、唇からもれる吐息は何よりも甘い。
ああ、これが愛なのか。
初めて知った愛しいという感情。
ナナはいつも僕に新しいことを教えてくれる。
隷属なんかさせなくても、ナナは僕のもの。
いや、僕がナナのものかもしれない。
魂を縛る必要はないのだ。
ナナのいないこの世界はつまらない。
彼女がいなくなるまで、つまらない人間どもを滅ぼすのはもう少し先でいいだろう。
久しぶりに目覚めてなにか食うものがないかと物色していたら、変わった魂の持ち主が来たから襲ってやった。
先に魔力の強いガキの方を片付けて、次に変な魂の持ち主であるナナに向かった。
ナナは聞いたこともない言葉を話していた。
「あくりょうたいさん!」とか「エクスぺ(自主規制)……ナム!」とか叫んで走り回った。
必死で生きようとあがく姿が滑稽だった。
これ1回で殺すのもったいないな。
それで先に殺したガキに憑依して、ナナを助けたのだった。
僕はナナと婚約して、彼女といつも一緒に過ごすようになった。
ナナは思った通り、僕を楽しませてくれた。
彼女の前世である異世界の話は興味深かった。
魔法のない世界。
科学が進歩して、この世界よりも文明が進んでいた。
1度に何億人も殺せる化学兵器など、興味深い。
ふむ、この世界は僕のものだから、飽きたらそちらを手にするのも悪くない。
そう軽く思っていたのだが、ナナの滑稽さはだんだん愛嬌に変わり愛着がわいた。
隷属させて一生縛り付けようかと思ったが、それはいつだってできる。
いらなくなったら、殺せばいいしね。
ナナのためなら、何でもできた。
この体の両親を操って、婚約に同意させた。
初めはひどく反対されたんだ。
家柄はいいけど貧乏だし、地味過ぎるって。
使用人にもってこいだから、側にいさせただけだって。
ムカついたからアイツらを隷属させて、使用人にしたんだ。
その後はこの国の中枢を手に入れた。
僕の魔力は称賛に値するから、ナナではふさわしくないって言いだしたからだ。
他の女を紹介するからとしつこくしたので、中枢にいる人間を全部隷属させた。
何の問題もない。
すぐにでも結婚できたけど、ナナは恋愛に憧れを持っていた。
異世界での前世では奥手で、恋をしたことがなかったのだ。
図書館デートとか、制服デートとか、待ち合わせとか。
ほんのささいなことだけど、ナナにとっては大事なことらしい。
婚約している時期は今しかないんだよって言われると、なるほどそうかとも思う。
ナナが喜ぶなら、待ってもいい。
そう思えた。
ただ学校はナナ以外、ほぼすべてがつまらなかった。
僕が人間に教わることなんてほとんどない。
唯一、ナナの異世界の話ぐらいだ。
時々間違ったことも言うし、反吐が出る。
だから教師どもの意識をいじって、正しいことを教えてやった。
うっとうしい貴族学校を終えて、やっとナナと結婚できると思ったら、今度はガキどもが婚約破棄騒動を起こした。
全く興味がなかった。
時間の無駄だ。
だいたいこの僕の時間を無駄にするなんて、それこそ万死に値する。
他人事の茶番だと思ったら、ナナの様子がおかしい。
「まだ何かあるんだね。さっさと僕に話してごらん。
僕が君を守ってあげる」
そう言うとやっとナナは話しだした。
これから魔王が出現するから、あのガキどもに倒してもらわないといけないんだと言い出す。
魔王、ここにいるけど?
だけどそれを教えるわけにも行かないし。
本気で怯えるナナは、魔王が倒れない限り安心してくれないだろう。
それで替え玉に力を与えて、討伐させることにした。
だが予想以上にガキどもが弱かった。
本当にコイツらが僕を倒すはずだったのか?
せっかく作った替え玉にすら確実に負ける。
だから全員隷属させて、鍛えた。
ナナのためとはいえ、くだらない時間だった。
そういえば、聖女と公爵令嬢も異世界の記憶があるという。
でもナナのようにかわいくない。
なにが違うんだろう?
わからない、全然違うとしか言えない。
違いを調べる時間すら無駄に感じてしなかった。
ナナの話では、ヤツらを送り出す壮行会なるものをしないといけないらしい。
国はすべて僕のものだから、やるのは簡単だ。
すぐに手配させる。
ナナには次期侯爵夫人として、国から招待状を送った。
僕からは、お揃いのデザインのドレスを送った。
擬態の体の色だが金髪に青目なのでその色にしたら、ナナは頬を赤く染めて喜んでくれた。
やっぱりかわいい。
鍛えた成果もあって、討伐隊もそれなりになっていた。
見た目が若干変わったせいか、ヤツらをみたナナがびっくりして目を丸くしていた。
そんなところもかわいい。
「どうかしたの?」
「えーと、何でもないの。ちょっと見た目が……。
でもギリギリいけると思う」
ナナがそう言うなら、大丈夫だろう。
ヤツらが討伐に出かけてもナナは心配そうにしていた。
鍛えたとはいえ、ヤツらは甘ちゃんだ。
だからある程度戦わせてと考えていたが、時間がかかりすぎた。
結局僕が替え玉を倒した。
そのせいで結婚式が延期することになった。
祝賀パレードの式典を教会でするという。
僕の一番大事な結婚式を遅らせるだと?
ちょっとイラついたけどナナが許可をだした。
彼女は幸せそうだったし、無事に結婚できたからまぁいいとしよう。
初夜のナナはかわいかった。
人間は殺さなくても、あんなに真っ赤になるんだな。
うるんだ瞳で僕を見つめ、唇からもれる吐息は何よりも甘い。
ああ、これが愛なのか。
初めて知った愛しいという感情。
ナナはいつも僕に新しいことを教えてくれる。
隷属なんかさせなくても、ナナは僕のもの。
いや、僕がナナのものかもしれない。
魂を縛る必要はないのだ。
ナナのいないこの世界はつまらない。
彼女がいなくなるまで、つまらない人間どもを滅ぼすのはもう少し先でいいだろう。
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