7 / 8
第七章
しおりを挟む
トマトとチーズ、それにガーリックが効いていた。尚且つ。
オリーブだ、これが必ずあってだった。
オリーブの効いたそのイタリア料理を口にしつつだ、カテリーナはシャハラザードとフロリースに対して言った。
「私の国の花ですね」
「そうだね、イスラエルの国花はね」
「はい、オリーブです」
この通りだ、それだけになのだ。
「オリーブは大好きです」
「美味しいしね」
「本当に。こんな素晴らしいものはないと思います」
「オリーブは昔から使われていたわね」
シャハラザードもだ、そのオリーブがよく効いたイタリア料理を食べつつ言う。
「そうだったわね」
「ええ、ギリシア神話の頃からね」
「歴史は古いわね」
「そう、それにね」
カテリーナはさらに言おうとした、だが。
言おうとしたところだ、フロリースが言ってきたのだった。
「平和を象徴するものだね」
「はい、そうです」
「平和だね、まさに」
「そうですね、ですから余計にです」
「オリーブが好きなんだね、君は」
「美味しいだけでないですから」
「そう、だからね」
それでだとだ、フロリースは言う。彼もまたオリーブが効いているイタリア料理を食べている。
その中でだ、こう言うのだった。
「素晴らしいものなんだよ」
「そうですね」
「オリーブは美味しい、だから」
今度はだ、彼はシャハラザードを見て彼女に言った。
「君も好きだね」
「大好きです」
にこりとしてだ、シャハラザードは彼の言葉に答えた。
「本当に」
「そうだね、美味しいから」
シャハラザードもそうであることを確認してだった、そのうえで。
彼はだ、二人に言うのだった。
「オリーブは誰が食べても美味しい、そして受け入れられるものなんだよ」
「オリーブが受け入れられる、つまり」
「そのことは」
「そう、平和もね」
それもだというのだ、オリーブが象徴するそれもまた。
「受け入れられるものなんだよ」
「そうなんですね、平和も」
「それも」
「確かに君達の国は激しく対立している」
世界の誰もが知っていることだ、ましてや仮にも知識人であるフロリースが知らない筈がない。彼は全うな知識人であるから。
「だがね」
「平和はですか」
「受け入れられますか」
「そうだよ、ただ」
「ただ?」
「ただといいますと」
「努力は必要だよ」
平和になる為のそれはというのだ。
「それはね」
「努力はですか」
「それは」
「オリーブは確かに美味しいよ」
このことはこの場で何度も言っている通りだ、本当に美味し。そのオイルが料理を最高のものにしてくれている。
しかしだ、それでもなのだ。
「けれどオイルは出さないとね」
「駄目ですね」
「それは」
「その為にはオリーブを植えて育てて」
そしてだった。
「油を採らないと駄目だね」
「そこまでの努力が必要ですね」
「オリーブを美味しく口にする為には」
「平和もだよ」
オリーブが象徴するこの素晴らしいものもだというのだ。
「何もしないのではね」
「手に入らない」
「そういうものですね」
「そう、だからね」
それ故にだというのだ。
「イスラエルとパレスチナが平和になる為にも」
「努力しないといけない」
「そういうことですね」
「つまりは」
「ただ憂いたり嘆いたりするのではなく」
「今だってね」
激しくいがみ合っている現状でもだというのだ。
オリーブだ、これが必ずあってだった。
オリーブの効いたそのイタリア料理を口にしつつだ、カテリーナはシャハラザードとフロリースに対して言った。
「私の国の花ですね」
「そうだね、イスラエルの国花はね」
「はい、オリーブです」
この通りだ、それだけになのだ。
「オリーブは大好きです」
「美味しいしね」
「本当に。こんな素晴らしいものはないと思います」
「オリーブは昔から使われていたわね」
シャハラザードもだ、そのオリーブがよく効いたイタリア料理を食べつつ言う。
「そうだったわね」
「ええ、ギリシア神話の頃からね」
「歴史は古いわね」
「そう、それにね」
カテリーナはさらに言おうとした、だが。
言おうとしたところだ、フロリースが言ってきたのだった。
「平和を象徴するものだね」
「はい、そうです」
「平和だね、まさに」
「そうですね、ですから余計にです」
「オリーブが好きなんだね、君は」
「美味しいだけでないですから」
「そう、だからね」
それでだとだ、フロリースは言う。彼もまたオリーブが効いているイタリア料理を食べている。
その中でだ、こう言うのだった。
「素晴らしいものなんだよ」
「そうですね」
「オリーブは美味しい、だから」
今度はだ、彼はシャハラザードを見て彼女に言った。
「君も好きだね」
「大好きです」
にこりとしてだ、シャハラザードは彼の言葉に答えた。
「本当に」
「そうだね、美味しいから」
シャハラザードもそうであることを確認してだった、そのうえで。
彼はだ、二人に言うのだった。
「オリーブは誰が食べても美味しい、そして受け入れられるものなんだよ」
「オリーブが受け入れられる、つまり」
「そのことは」
「そう、平和もね」
それもだというのだ、オリーブが象徴するそれもまた。
「受け入れられるものなんだよ」
「そうなんですね、平和も」
「それも」
「確かに君達の国は激しく対立している」
世界の誰もが知っていることだ、ましてや仮にも知識人であるフロリースが知らない筈がない。彼は全うな知識人であるから。
「だがね」
「平和はですか」
「受け入れられますか」
「そうだよ、ただ」
「ただ?」
「ただといいますと」
「努力は必要だよ」
平和になる為のそれはというのだ。
「それはね」
「努力はですか」
「それは」
「オリーブは確かに美味しいよ」
このことはこの場で何度も言っている通りだ、本当に美味し。そのオイルが料理を最高のものにしてくれている。
しかしだ、それでもなのだ。
「けれどオイルは出さないとね」
「駄目ですね」
「それは」
「その為にはオリーブを植えて育てて」
そしてだった。
「油を採らないと駄目だね」
「そこまでの努力が必要ですね」
「オリーブを美味しく口にする為には」
「平和もだよ」
オリーブが象徴するこの素晴らしいものもだというのだ。
「何もしないのではね」
「手に入らない」
「そういうものですね」
「そう、だからね」
それ故にだというのだ。
「イスラエルとパレスチナが平和になる為にも」
「努力しないといけない」
「そういうことですね」
「つまりは」
「ただ憂いたり嘆いたりするのではなく」
「今だってね」
激しくいがみ合っている現状でもだというのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
☘ 累計ポイント/ 180万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる