寂しいと死んじゃう兎の王子様と最強だけど抱かれちゃう熊騎士のお話

セイヂ・カグラ

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剣術担当→閨担当→???

三夜目※

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 身体が重い、指の先すらも重くて動かない。無防備に晒された喉元にレオンハルト様が噛み付く。掻っ切られてしまうのではないかという不安で目が離せなかった。きっちりと閉められたシャツのボタンが次々に開けられていく。紐やベルトをスルリと解かれ、いとも簡単に脱がされる。やがて、レオンハルト様は下着に手を掛けた。

「はっ…、や、なにを、なさるの、ですか」

 声を震わせながらも唯一できる抵抗をする。
 けれども、黙り込んだ彼は俺の言葉を無視して下着までも脱がせてしまった。
 綺麗な瞳から溢れる涙はやまない。
 何故、レオンハルト様はこんなことをなさるのだろうか。
 礼儀として剣術後の湯浴みはしたけれど、閨に入るときほど丁寧じゃない。
 今夜は触れられないと思っていたから。

「よ、汚れて、しまいます」
   
 俺の陰茎にレオンハルト様のお手が触れた。
 止めるけれども、その手は止まらない。恥ずかしい。
 あっという間に脱がされた。靴下だけを身に着けた裸をレオンハルト様に見られている。
 人形のように転がって動けない身を…。
 何が何やら分からない現状と身体の自由が効かない恐ろしさに陰茎はすっかりクビをもたげていた。
 まだレオンハルト様にしか触れられたことのない初な陰茎。
 だらりと力ないそれをレオンハルト様は、何処からか出した香油を使って刺激する。

「ふっ、ぁ、そ、そんな、ところ…、おやめください」

 緊張と恐怖で擦られても陰茎は柔らかいまま。気持ちよさや快楽を追う余裕など無かった。

「んっ、ひ…‥っ!」

 そう思っていたが、突如として電流のようなものが背を走った。ゾクゾクとしたそれに背が勝手に仰け反る。レオンハルト様が尻尾に触れたのだ。俺の反応を見たレオンハルトは、今度は身体をうつ伏せにさせて、背に触れる。長い指先がうなじから背骨、そして尻尾までツーっと伝う。それから付け根の方をグリグリと押し込まれたりスリスリと撫でられたり、尻尾をしゅるしゅると擦られて俺の口からは欲を含んだような声が漏れた。

「ぁっ、は、んくぅ…っ」

 次第にその指先は尻尾から後孔へと移動した。
 香油を纏った指先がぴたりと、孔にはり付く。

「やっ、だ、だめですっ、きょうは…、準備をしてな、は…ぁ、ぅう」

 そう引き止めるが指は無遠慮に入り込んできた。
 レオンハルト様は、だんまりで何も応えてくれない。
 うつ伏せにされてしまえば、表情も分からない。
 段々と視界が滲んでくる。
 怖い…、怖い…、こわい…っ。

 だけれど、どうしてかレオンハルト様の方が俺よりずっと傷ついているみたいだった。
 
 入り込んできた指先からあたたかなものが流れ込む。腹の中がすっきりしたように感じる。同時にじんわりじんわり熱がまして、段々と中が熱くなっていく。直腸からはとろりとした液体が溢れてきて、まるで汗をかくみたいに濡れてしまう。変だ、これじゃあ雌のようじゃないか。

「ぅ、ぁあ、、」

 濡れそぼる後孔、溢れるそれが尻の間を伝い腿の方まで濡らす。レオンハルト様の指は二本に増えて、腹側にあるしこりを揉み込んだ。トントントンと何度も何度も同じ速度で押し込まれる度に甘い刺激が走って、身体がぴくぴくと震える。陰茎は、すっかり立ち上がってタラタラと涎を垂らしていた。

「んぅ…っ、や、ぁ…」

 合意ではない行為だ。恐ろしくて、怖くて逃げたいけれど身体が重くて動かない。それなのに、身体は覚えてしまった快楽を貪欲に貪り、喉からはまるで悦ぶような嬌声が漏れた。

 ボロルフは、声を殺そうと無意識に唇を噛み締めた。口内に鉄の味が広がる。

 ずっと中を弄っていた指が突然、抜かれた。終わったのだろうか、と胸を撫で下ろすのもつかの間、今度は別のものが宛てがわれた。指よりも太いそれは、ボロルフの解れたはざまにあろうことか入り込んできたのだ。

「ひっ……は……っ、」

 ずるるううっと、めり込むように入り込んできた見知らぬ質量に驚き目を見開く。耳や尻尾の毛は逆立ち、視界がクラクラして、電光が走った。

「ぁあっ、ぅうん……っ!」 

 まさか、挿入ってしまったのか、、、?!

 肉の中を埋め尽くした熱く固い根は、ボロルフの中を強引に暴いていく。
 打ち付けるような抽挿ちゅうそうは、前立腺だけではない場所を擦り上げ、処理しきれないほどの快楽が駆け巡った。
 自分の意志では動かない身体が、激しい腰の動きに合わせるように揺れ、仰け反る。
 ボロルフは、抵抗するのを諦めた。
 びくびくと震える身体を必死に抑えて、瞼をぎゅっと閉じた。
 瞼の隙間からはじんわりと涙が滲んで、ポロポロと溢れてくる。

 この行為が終われば、レオンハルト様は開放してくださるはずだ…。
 きっと俺が彼を悲しませた、苦しませて、怒らせてしまったんだ。
 だから俺は、全て受け入れなくちゃならない。
 俺は、お優しいレオンハルト様をこんなにも傷付けてしまったのか…。

「ん、ぅっ、レオン、ハル、ト様っ……、ぁ、もうしわけ、ありま…せん…っ、、ぁっ、お許…しくださ、ぃ、、」

 涙は、一度溢れ出すと止まらなくてボロルフは、グズグズと啜り泣いた。 

「ぉれ、わ、かりません…どうして、貴方が…、泣い、ていらっしゃるのか…。ぅうっ、どうして、おれは…、いつも貴方を…っ、傷つけて、しまう、のでしょう……ぅぇっ、ごめ、ごめんなさい、ぃっ…。レオンハルトさま…ぁっ、おれは、ぁどうしたら…、良いのでしょう」

 話すうちにどんどんと感情の波が強くなって、悲しさが増してくる。

 ああ、レオンハルト様。
 貴方のお側が、あたたかいことを知ってしまった俺は貴方から離れることができなくなってしまいそうです。
 優しい声や、あのとき笑って下さったお顔が頭から離れないのです。

「ふっ、ぅうっ…、ぐすっ、ぅう」

 次第に言葉は嗚咽の中に飲まれていった。

「……っ」
「…ふっ、、、?」

 中を穿つ動きが止まり、身体を抑えつけていた重力や拘束がパッと消えてしまった。硬直していた身体に柔らかさと軽さが戻る。挿入されていた陰茎がずるりと抜かれ、ポッカリと穴があいたようなボロルフの後孔は心做しか寂しげだ。くぱくぱと名残惜しそうに開閉する淫らな窄まりからトロリとした液体が溢れた。

「は…、はぁっ、れおん、はる、とさま…?」

 呆然とした様子のレオンハルト様は、触れていた手を緩めた。両腕が、だらんと落ちてズリズリと後ずさるみたいに俺から離れる。

「ぁあっ、そんな…、ぼくは、なんてことをっ」

 叫ぶと、そのまま頭を抱え込んだレオンハルト様の呼吸がだんだんと不安定に荒くなっていく。

「はぁっ、はあっ…、ちがうんだ、ボロルフ…っ! ぼくはっ、ぼくは、、」

 けれども今度は縋るように手を伸ばし、起き上がった俺に抱きつく。
 その力は凄まじく、ぎりぎりと苦しかった。

「いや、いやだ、嫌わないで…、ぼくを、ひとりにしないでっ、ボロルフ、、おねがい、ぼくを、ぼくだけを………っ」

 混乱した。レオンハルト様が苦しそうだ。
 でも俺は、どうすれば良いのだろう。
 俺は、指示がないと動けない…。
 抱きつき震えるレオンハルト様の頭を撫でようかと手が迷う。
 撫でて差し上げよう、そう思い耳の毛先に触れたときだった。
 
「出て行ってくれ」
「…え、、?」
「この部屋から…出て行くんだ…」





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