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※狡い人
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「はっ︙ヴァル、スっ、やだっ、もう苦しいっ︙︙ひあっ。」
天蓋の下りた魔王様の広いベッド。響き渡るのは悲鳴のような嬌声。薄暗い部屋には頭がくらくらするほど甘い匂いが立ち込める。どうにかなってしまいそうな疼き、けれど身を捩ることすらできない。男はただ苦しげに助けを求めていた。何故、こうなっているのかヴェルタルクには分からなかった。唯一分かるのは自分が拾い育てた愛子に、恋しい男に裏切られたのだということ。
首輪を着けられた途端、体の力が抜け動けなくなった。悪魔を無抵抗にする天界の魔導具らしい。ベッドに倒れ動かない自分の身体に困惑しているうちに、いつの間にかヴァルスの手には華やかな硝子細工の香。なんだろうと、様子を見ているとその香の蓋が開けられた。一番に感じたのは甘い匂い、そして体の熱が高まる感覚がした。徐々に呼吸を荒げる魔王様に、ヴァルスは劣悪な笑みを浮かべて呟いた。
「本当に効くのか。」
楽しげに香を眺めたあと、ヴァルスはあろうことかそれを、ヴェルタルクの喉に無理矢理流し込んだ。匂いだけでもクラクラとして呼吸すらままならないのに。飲み込んでしまった喉が熱い。次第に身体が疼きだし、ヴェルタルクは悶えた。
「はあっ︙︙なにっ、なんでぇ︙。」
触れたこともない蕾が、奥が、何かを求めて収縮する。身体の熱が高まり、異常なほど心拍数が上がっている。胸の先端が張る感覚、そこはツンと立ち上がっていた。ただの毒ではない。ガウンの感触すらビクビクと感じてしまう。動かない身体では隠すことすら叶わないヴェルタルクの陰茎は腹に付きそうなほど反り立っていた。気が狂いそうなほどの疼き︙、これはきっと媚薬だ。
「ははっ、あんたのかわいい此処、何もしてないのに涎垂らしてますよ。」
「やっ︙、見るなぁっ︙︙。」
「恥ずかしいですね。魔王様ともあろう人が男の前でおっ勃てるなんて。ああ、乳首真っ赤になってる︙。」
「ひうっ︙! はっ︙あぁ!」
「へぇ、気持ち良いですか?」
「やだっ、やらぁ︙︙。」
クスクスと笑いながらヴァルスは、ガウンの上から乳首を撫でた。布の上を指先がくるくるとなぞる。けれど、欲しい刺激は与えられない。先端の周りをただ焦らすように撫でていく。動かない身体は、自分で触れることを許さない。じれったい動きにヴェルタルクは涙を浮かべて唇を噛み締めた。陰茎は痛いほど張り詰めている。
イきたいっ︙︙。触って欲しい、こんなんじゃ、おかしくなってしまう。
「ヴ、ヴァルス︙っ。」
「︙っ! そんな物欲しそうな声で呼ばないで下さい。」
名前を呼ぶとヴァルスは何故か、ふいっと顔を背けてしまう。名前を呼ばれたのが嫌だったのだろうか。そんなにも、オレを嫌っていたのか。こんな風にオレを嘲るほどに。快楽や刺激を求める脳は、もはや落ち着きのある正常な思考を失っている。ジワジワと目頭が熱くなり、涙が溢れてきた。もう、感情を我慢できない。
「なんでっ、なんでこんなことをするんだ︙。ヴァルス︙︙ゔぁるすぅ︙、オレがそんなに嫌いか? オレは、お前を拾った日から、お前を我が子のように愛してきたつもりだ︙。」
「︙︙我が子、ね。僕はアンタのこと親だと思ったことなんて無い。」
「︙︙っ!」
「今更、飽きた邪魔だって捨てようとしたのはアンタでしょ。僕のこと嫌いになったのは、ヴェル様の方だ。」
「ちがっ︙︙うぐっ!」
無表情でそう答えたヴァルスは、荒々しくガウンの紐を解くと、ヴェルタルクをうつ伏せにさせた。腰を高かかく上げさせられる。この体勢では、秘部がヴァルスに丸見えだ。それなのに、疼く後蕾は欲しがるようにパクパクとする。
「いあっ! ぁあっ、なにっ。」
いきなり冷たい何かが垂らされたと思えば、ずぷりと中に何かが入り込んできた。容赦なく埋められた長く骨ばったそれは、おそらく指。まさかと思い、焦っていると、温かな肉の中で探るように動き出した。拡げるように円を描く、腹の中にはヌルヌルとした感覚。その指がとある一点を見つけ、止まった。そして、狙いを定めぐりぐりとそこを押しはじめた。
「やっ、ヴァ、ルスっ! だめ、ぁあっ、あっあっ︙、なんか変っ、そこっ押しちゃっ、やだっ。」
「使い込んでると思ってた割には、締りが良いな。あの男は、あんまり触ってくれなかったの? 可哀想に︙︙でもこれからは僕がいっぱい弄ってあげます。」
「やっ、こわいっ︙︙ゔぁるすっ、助けて、あっああっ、やっ、あっ。」
「怖い? じゃあ、抱きしめてあげる。気持ち良いよね? ヴェル様、ほら、『気持ち良い』だよ。言って、言ったら怖くなくなる。」
「はっ、ぁっ︙︙? きもち、いいっ︙。」
「うんっ、上手に言えたね。よしよし。」
「ああっ、ヴァルスっ! いいっ、イッちゃう︙はっ、ああっ、あっ、うんんんっ‼」
甘く優しいヴァルスの声に頭がぼんやりとしているうちに、押され続けた腹の内側からびりびりとした快感が走った。きゅうきゅうと指を締め付け、身体が勝手に快楽を貪る。味わったことのない絶頂に身体が絶えずビクビクと痙攣する。はぁはぁと呼吸を整えていても余韻で震えてしまう。気が付けば三本もの指が入り込んでいた。
指が抜かれ、ガチャリと音がする、どうやら首輪が外されたようだ。動けるようになったはずの身体はまだ重だるい。仰向けにされると、潤む瞳にヴァルスの金髪が映った。魔界ではほとんど見ることのない、その美しい髪にヴェルダルクは手を伸ばした。酷く眠たい︙︙。
ああ、なんて良い男なのだろう。
不器用だけど、優しくて、稀に見れる笑顔がかわいい。
オレは、この天使が愛しかった。
いつか自分の脅威になると分かっていた、それでも良かった。
けれど、嫌われるなんて想像はしていなかった。
恋はきっと呪いだ。
だってこんなにも、苦しい。
ゆっくりと穏やかにヴェルダルクは睡眠へと落ちていった。
「本当に、狡い人だ︙。
ヴェル様、アンタが僕をどれだけ嫌っても僕は貴方を逃さない。もう他の誰にも、触れさない。全てはあの日、僕を拾って連れ去った貴方が悪い。だから、僕だけの魔王様になってもらう。一生、逃さない︙︙。」
愛しげにヴェルダルクの黒髪を撫でながら、ヴァルスはそう言った。
天蓋の下りた魔王様の広いベッド。響き渡るのは悲鳴のような嬌声。薄暗い部屋には頭がくらくらするほど甘い匂いが立ち込める。どうにかなってしまいそうな疼き、けれど身を捩ることすらできない。男はただ苦しげに助けを求めていた。何故、こうなっているのかヴェルタルクには分からなかった。唯一分かるのは自分が拾い育てた愛子に、恋しい男に裏切られたのだということ。
首輪を着けられた途端、体の力が抜け動けなくなった。悪魔を無抵抗にする天界の魔導具らしい。ベッドに倒れ動かない自分の身体に困惑しているうちに、いつの間にかヴァルスの手には華やかな硝子細工の香。なんだろうと、様子を見ているとその香の蓋が開けられた。一番に感じたのは甘い匂い、そして体の熱が高まる感覚がした。徐々に呼吸を荒げる魔王様に、ヴァルスは劣悪な笑みを浮かべて呟いた。
「本当に効くのか。」
楽しげに香を眺めたあと、ヴァルスはあろうことかそれを、ヴェルタルクの喉に無理矢理流し込んだ。匂いだけでもクラクラとして呼吸すらままならないのに。飲み込んでしまった喉が熱い。次第に身体が疼きだし、ヴェルタルクは悶えた。
「はあっ︙︙なにっ、なんでぇ︙。」
触れたこともない蕾が、奥が、何かを求めて収縮する。身体の熱が高まり、異常なほど心拍数が上がっている。胸の先端が張る感覚、そこはツンと立ち上がっていた。ただの毒ではない。ガウンの感触すらビクビクと感じてしまう。動かない身体では隠すことすら叶わないヴェルタルクの陰茎は腹に付きそうなほど反り立っていた。気が狂いそうなほどの疼き︙、これはきっと媚薬だ。
「ははっ、あんたのかわいい此処、何もしてないのに涎垂らしてますよ。」
「やっ︙、見るなぁっ︙︙。」
「恥ずかしいですね。魔王様ともあろう人が男の前でおっ勃てるなんて。ああ、乳首真っ赤になってる︙。」
「ひうっ︙! はっ︙あぁ!」
「へぇ、気持ち良いですか?」
「やだっ、やらぁ︙︙。」
クスクスと笑いながらヴァルスは、ガウンの上から乳首を撫でた。布の上を指先がくるくるとなぞる。けれど、欲しい刺激は与えられない。先端の周りをただ焦らすように撫でていく。動かない身体は、自分で触れることを許さない。じれったい動きにヴェルタルクは涙を浮かべて唇を噛み締めた。陰茎は痛いほど張り詰めている。
イきたいっ︙︙。触って欲しい、こんなんじゃ、おかしくなってしまう。
「ヴ、ヴァルス︙っ。」
「︙っ! そんな物欲しそうな声で呼ばないで下さい。」
名前を呼ぶとヴァルスは何故か、ふいっと顔を背けてしまう。名前を呼ばれたのが嫌だったのだろうか。そんなにも、オレを嫌っていたのか。こんな風にオレを嘲るほどに。快楽や刺激を求める脳は、もはや落ち着きのある正常な思考を失っている。ジワジワと目頭が熱くなり、涙が溢れてきた。もう、感情を我慢できない。
「なんでっ、なんでこんなことをするんだ︙。ヴァルス︙︙ゔぁるすぅ︙、オレがそんなに嫌いか? オレは、お前を拾った日から、お前を我が子のように愛してきたつもりだ︙。」
「︙︙我が子、ね。僕はアンタのこと親だと思ったことなんて無い。」
「︙︙っ!」
「今更、飽きた邪魔だって捨てようとしたのはアンタでしょ。僕のこと嫌いになったのは、ヴェル様の方だ。」
「ちがっ︙︙うぐっ!」
無表情でそう答えたヴァルスは、荒々しくガウンの紐を解くと、ヴェルタルクをうつ伏せにさせた。腰を高かかく上げさせられる。この体勢では、秘部がヴァルスに丸見えだ。それなのに、疼く後蕾は欲しがるようにパクパクとする。
「いあっ! ぁあっ、なにっ。」
いきなり冷たい何かが垂らされたと思えば、ずぷりと中に何かが入り込んできた。容赦なく埋められた長く骨ばったそれは、おそらく指。まさかと思い、焦っていると、温かな肉の中で探るように動き出した。拡げるように円を描く、腹の中にはヌルヌルとした感覚。その指がとある一点を見つけ、止まった。そして、狙いを定めぐりぐりとそこを押しはじめた。
「やっ、ヴァ、ルスっ! だめ、ぁあっ、あっあっ︙、なんか変っ、そこっ押しちゃっ、やだっ。」
「使い込んでると思ってた割には、締りが良いな。あの男は、あんまり触ってくれなかったの? 可哀想に︙︙でもこれからは僕がいっぱい弄ってあげます。」
「やっ、こわいっ︙︙ゔぁるすっ、助けて、あっああっ、やっ、あっ。」
「怖い? じゃあ、抱きしめてあげる。気持ち良いよね? ヴェル様、ほら、『気持ち良い』だよ。言って、言ったら怖くなくなる。」
「はっ、ぁっ︙︙? きもち、いいっ︙。」
「うんっ、上手に言えたね。よしよし。」
「ああっ、ヴァルスっ! いいっ、イッちゃう︙はっ、ああっ、あっ、うんんんっ‼」
甘く優しいヴァルスの声に頭がぼんやりとしているうちに、押され続けた腹の内側からびりびりとした快感が走った。きゅうきゅうと指を締め付け、身体が勝手に快楽を貪る。味わったことのない絶頂に身体が絶えずビクビクと痙攣する。はぁはぁと呼吸を整えていても余韻で震えてしまう。気が付けば三本もの指が入り込んでいた。
指が抜かれ、ガチャリと音がする、どうやら首輪が外されたようだ。動けるようになったはずの身体はまだ重だるい。仰向けにされると、潤む瞳にヴァルスの金髪が映った。魔界ではほとんど見ることのない、その美しい髪にヴェルダルクは手を伸ばした。酷く眠たい︙︙。
ああ、なんて良い男なのだろう。
不器用だけど、優しくて、稀に見れる笑顔がかわいい。
オレは、この天使が愛しかった。
いつか自分の脅威になると分かっていた、それでも良かった。
けれど、嫌われるなんて想像はしていなかった。
恋はきっと呪いだ。
だってこんなにも、苦しい。
ゆっくりと穏やかにヴェルダルクは睡眠へと落ちていった。
「本当に、狡い人だ︙。
ヴェル様、アンタが僕をどれだけ嫌っても僕は貴方を逃さない。もう他の誰にも、触れさない。全てはあの日、僕を拾って連れ去った貴方が悪い。だから、僕だけの魔王様になってもらう。一生、逃さない︙︙。」
愛しげにヴェルダルクの黒髪を撫でながら、ヴァルスはそう言った。
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