8 / 9
※魔王の座
しおりを挟む
温かで優しく大きな手が髪を撫でる。その心地よさに、ヴェルダルクは、うっとりと身を寄せた。身体が酷く怠くて、目を覚ますのを躊躇する。もう少し、寝ていたい…。そう思いながら微睡む。
ああ、もうそろそろ起きないとサクライに叱られてしまう。アイツは、口うるさいから、早く起き上がらなければ。面倒な気持ちで、ヴェルダルクはようやっと重い瞼を持ち上げた。視界に入ったのは、金髪の美しい青年。ヴェルダルクの横たわるベッドに腰掛け、黒髪を撫でている。ヴェルダルクが目覚めたのに気が付き、うっすらと微笑み口を開いた。
「貴方と出会ったあの日、僕は貴方を征服するつもりだった。貴方に拾われたのは偶然だったけど、僕が魔界に堕ちたのは偶然じゃない。この国を滅ぼすために、故意に堕とされたんです。貴方を殺して、父や母に認めてもらおうと思っていた。」
静かな声が淡々と話す。
やっぱり自分は、騙されていたのかとぼんやり思う。
「でも、ヴェル様と暮らしていくうちに僕は、貴方を殺せなくなった。」
うっとりと、ヴェルダルクの頬を撫でながらヴァルスは言う。透き通る宝石のような蒼い瞳が近づいてくる。柔らかな感触が唇に触れ、それからすぐに濡れた舌先が閉じている唇を開く。少しザラつきのあるそれが、舌を絡めとり口内を犯していく。混ざり合う唾液を必死に飲み込むうちに、身体が快楽を追った。離れていく唇を、ヴェルダルクは名残惜しそうに見た。
「ヴェル様が、僕を愛しているみたいに大事にするから……、僕は、ヴェル様を愛してしまった。」
「愛…?」
「でも、ヴェル様は、僕を捨てようとした。」
「っ…違うっ!」
「違う…? 何が違うんですか?」
「ひうぁっ!」
違うという言葉に、ヴァルスが反応する。怒りを露にした声のあと、大きな手に陰茎を掴まれた。その手は、やや乱雑にヴェルダルクの陰茎を擦った。同仕様もなく、快楽が高まっていく。
「やぁっ…あっ!…まってぇ…。」
「だから、僕は貴方を征服する。征服して、僕は、貴方から魔王の座を奪うことにした。」
「せい、ふく…? ぁ、んあっ!」
「ふふっ、そういえば、まだここでイってなかったですよね?」
「へっ? ぁあっ‼ やっ、ぁ、あ!」
征服…?
オレを征服して、魔王の座を奪う?
快楽に飲まれそうになりながら、必死に言葉の意味を理解しようとする。しかし、そんな思考を惑わすようにヴァルスの手が動く。先走りが溢れ、ぬるぬると粘りを増す。身体がびくびくとする、腰が勝手に動いてしまう。それに気がついたヴァルスが、更に動きを早めた。ヴェルダルクの呼吸がはっはっと荒くなる。鼓動も高まって、身体がどんどん熱くなった。
「あっ、あ、あっ、イクッ、いっちゃうぅ…。やっ、はっ、ぁあっ!」
熱い欲が迫り上がり、ヴェルダルクは、ついに爆ぜた。足がガクガクと震えて痙攣した。びゅーびゅーっと長い長い射精がつづく。ヴェルダルクは、身体を仰け反らせ、足先をぴんと張った。
「ぁあっ、うあっ……ああ、あっ。」
「気持ちいい? もっとイきたいですよね?」
「…へっ? やっ!、もういいっ! ぁあっ!」
イったばかりで、まだ震える身体。それなのにヴァルスは、欲を吐き出したばかりの陰茎をまた擦り始める。グチュグチュと水音を立てながら、しごかれる。ヴェルダルクは、連続的な声を垂れ流して悶え喘ぐ。
「やだっ…もう、やだぁ! イったぁ! もうやだ…やだぁっ!」
ボロボロと泣きながら、ヴァルスに必死に叫ぶ。もはや精液は垂れ流しの状態だ。ぴゅっぴゅうと、もう何度も何度も射精している。けれど、ヴァルスは手を止めてくれない。
気持ち良い…、気持ち良い…。
苦しい…、気持ちよすぎて、おかしくなるっ。
「ああ、泣いているヴェル様、かわいい。」
耳元で囁かれる甘い声。ヴェルダルクの身体がぴくりと反応した。途端に、身体の奥を電気のようなビリビリとしたものが駆け巡っていく。これ…、やばいっ!
「やぁ! ぁっ、なんか、変んんんっ…ゔぁる、すっ! やだぁっ…やだっ…ぁあっ、あああっ!」
ぷしゅっ…ぱたたたっ…。頭が真っ白になる。一際大きな快感が全身をびくびくと痙攣させる。脚がガクガクと震えた、イってるのに、イクのが…、止まらないっ。精液ではないものが、腹部やシーツを濡らした。
「あはっ♡ ヴェル様、お漏らししちゃったね。」
「ふぁっ…、やぁっ、見ないでぇ。」
羞恥心で涙を浮かべるヴェルダルク。
そんな彼を抱きしめ、ヴァルスは、恍惚の表情を浮かべた。
「こんなんじゃヴェル様、もう魔王なんて務まらないですね。でも大丈夫、僕が貴方の代わりに魔王になりますから。ヴェル様は、ずっと此処で僕のお嫁さんとして囲ってあげます。貴方は、もうこの部屋から出なくていいんだ。ううん、この部屋から出られない。絶対に逃さないです。もし逃げるようなことがあれば…。」
永遠に貴方を犯し続ける。
「今日からは、僕が魔王だ。」
終
ああ、もうそろそろ起きないとサクライに叱られてしまう。アイツは、口うるさいから、早く起き上がらなければ。面倒な気持ちで、ヴェルダルクはようやっと重い瞼を持ち上げた。視界に入ったのは、金髪の美しい青年。ヴェルダルクの横たわるベッドに腰掛け、黒髪を撫でている。ヴェルダルクが目覚めたのに気が付き、うっすらと微笑み口を開いた。
「貴方と出会ったあの日、僕は貴方を征服するつもりだった。貴方に拾われたのは偶然だったけど、僕が魔界に堕ちたのは偶然じゃない。この国を滅ぼすために、故意に堕とされたんです。貴方を殺して、父や母に認めてもらおうと思っていた。」
静かな声が淡々と話す。
やっぱり自分は、騙されていたのかとぼんやり思う。
「でも、ヴェル様と暮らしていくうちに僕は、貴方を殺せなくなった。」
うっとりと、ヴェルダルクの頬を撫でながらヴァルスは言う。透き通る宝石のような蒼い瞳が近づいてくる。柔らかな感触が唇に触れ、それからすぐに濡れた舌先が閉じている唇を開く。少しザラつきのあるそれが、舌を絡めとり口内を犯していく。混ざり合う唾液を必死に飲み込むうちに、身体が快楽を追った。離れていく唇を、ヴェルダルクは名残惜しそうに見た。
「ヴェル様が、僕を愛しているみたいに大事にするから……、僕は、ヴェル様を愛してしまった。」
「愛…?」
「でも、ヴェル様は、僕を捨てようとした。」
「っ…違うっ!」
「違う…? 何が違うんですか?」
「ひうぁっ!」
違うという言葉に、ヴァルスが反応する。怒りを露にした声のあと、大きな手に陰茎を掴まれた。その手は、やや乱雑にヴェルダルクの陰茎を擦った。同仕様もなく、快楽が高まっていく。
「やぁっ…あっ!…まってぇ…。」
「だから、僕は貴方を征服する。征服して、僕は、貴方から魔王の座を奪うことにした。」
「せい、ふく…? ぁ、んあっ!」
「ふふっ、そういえば、まだここでイってなかったですよね?」
「へっ? ぁあっ‼ やっ、ぁ、あ!」
征服…?
オレを征服して、魔王の座を奪う?
快楽に飲まれそうになりながら、必死に言葉の意味を理解しようとする。しかし、そんな思考を惑わすようにヴァルスの手が動く。先走りが溢れ、ぬるぬると粘りを増す。身体がびくびくとする、腰が勝手に動いてしまう。それに気がついたヴァルスが、更に動きを早めた。ヴェルダルクの呼吸がはっはっと荒くなる。鼓動も高まって、身体がどんどん熱くなった。
「あっ、あ、あっ、イクッ、いっちゃうぅ…。やっ、はっ、ぁあっ!」
熱い欲が迫り上がり、ヴェルダルクは、ついに爆ぜた。足がガクガクと震えて痙攣した。びゅーびゅーっと長い長い射精がつづく。ヴェルダルクは、身体を仰け反らせ、足先をぴんと張った。
「ぁあっ、うあっ……ああ、あっ。」
「気持ちいい? もっとイきたいですよね?」
「…へっ? やっ!、もういいっ! ぁあっ!」
イったばかりで、まだ震える身体。それなのにヴァルスは、欲を吐き出したばかりの陰茎をまた擦り始める。グチュグチュと水音を立てながら、しごかれる。ヴェルダルクは、連続的な声を垂れ流して悶え喘ぐ。
「やだっ…もう、やだぁ! イったぁ! もうやだ…やだぁっ!」
ボロボロと泣きながら、ヴァルスに必死に叫ぶ。もはや精液は垂れ流しの状態だ。ぴゅっぴゅうと、もう何度も何度も射精している。けれど、ヴァルスは手を止めてくれない。
気持ち良い…、気持ち良い…。
苦しい…、気持ちよすぎて、おかしくなるっ。
「ああ、泣いているヴェル様、かわいい。」
耳元で囁かれる甘い声。ヴェルダルクの身体がぴくりと反応した。途端に、身体の奥を電気のようなビリビリとしたものが駆け巡っていく。これ…、やばいっ!
「やぁ! ぁっ、なんか、変んんんっ…ゔぁる、すっ! やだぁっ…やだっ…ぁあっ、あああっ!」
ぷしゅっ…ぱたたたっ…。頭が真っ白になる。一際大きな快感が全身をびくびくと痙攣させる。脚がガクガクと震えた、イってるのに、イクのが…、止まらないっ。精液ではないものが、腹部やシーツを濡らした。
「あはっ♡ ヴェル様、お漏らししちゃったね。」
「ふぁっ…、やぁっ、見ないでぇ。」
羞恥心で涙を浮かべるヴェルダルク。
そんな彼を抱きしめ、ヴァルスは、恍惚の表情を浮かべた。
「こんなんじゃヴェル様、もう魔王なんて務まらないですね。でも大丈夫、僕が貴方の代わりに魔王になりますから。ヴェル様は、ずっと此処で僕のお嫁さんとして囲ってあげます。貴方は、もうこの部屋から出なくていいんだ。ううん、この部屋から出られない。絶対に逃さないです。もし逃げるようなことがあれば…。」
永遠に貴方を犯し続ける。
「今日からは、僕が魔王だ。」
終
59
あなたにおすすめの小説
俺にだけ厳しい幼馴染とストーカー事件を調査した結果、結果、とんでもない事実が判明した
あと
BL
「また物が置かれてる!」
最近ポストやバイト先に物が贈られるなどストーカー行為に悩まされている主人公。物理的被害はないため、警察は動かないだろうから、自分にだけ厳しいチャラ男幼馴染を味方につけ、自分たちだけで調査することに。なんとかストーカーを捕まえるが、違和感は残り、物語は意外な方向に…?
⚠️ヤンデレ、ストーカー要素が含まれています。
攻めが重度のヤンデレです。自衛してください。
ちょっと怖い場面が含まれています。
ミステリー要素があります。
一応ハピエンです。
主人公:七瀬明
幼馴染:月城颯
ストーカー:不明
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
内容も時々サイレント修正するかもです。
定期的にタグ整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ヤリチン伯爵令息は年下わんこに囚われ首輪をつけられる
桃瀬さら
BL
「僕のモノになってください」
首輪を持った少年はレオンに首輪をつけた。
レオンは人に誇れるような人生を送ってはこなかった。だからといって、誰かに狙われるようないわれもない。
ストーカーに悩まされていたレある日、ローブを着た不審な人物に出会う。
逃げるローブの人物を追いかけていると、レオンは気絶させられ誘拐されてしまう。
マルセルと名乗った少年はレオンを閉じ込め、痛めつけるでもなくただ日々を過ごすだけ。
そんな毎日にいつしかレオンは安らぎを覚え、純粋なマルセルに毒されていく。
近づいては離れる猫のようなマルセル×囚われるレオン
平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます
クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。
『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。
何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。
BLでヤンデレものです。
第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします!
週一 更新予定
ときどきプラスで更新します!
前世から俺の事好きだという犬系イケメンに迫られた結果
はかまる
BL
突然好きですと告白してきた年下の美形の後輩。話を聞くと前世から好きだったと話され「????」状態の平凡男子高校生がなんだかんだと丸め込まれていく話。
重すぎる愛には重すぎる愛で返すのが道理でしょ?
チョコレートが食べたい
BL
常日頃から愛が重すぎる同居人兼恋人の深見千歳。そんな彼を普段は鬱陶しいと感じている主人公綾瀬叶の創作BLです。
初投稿でどきどきなのですが、良ければ楽しんでくださると嬉しいです。反響次第ですが、作者の好きを詰め込んだキャラクターなのでシリーズものにするか検討します。出来れば深見視点も出してみたいです。
※pixivの方が先行投稿です
隠れヤンデレは自制しながら、鈍感幼なじみを溺愛する
知世
BL
大輝は悩んでいた。
完璧な幼なじみ―聖にとって、自分の存在は負担なんじゃないか。
自分に優しい…むしろ甘い聖は、俺のせいで、色んなことを我慢しているのでは?
自分は聖の邪魔なのでは?
ネガティブな思考に陥った大輝は、ある日、決断する。
幼なじみ離れをしよう、と。
一方で、聖もまた、悩んでいた。
彼は狂おしいまでの愛情を抑え込み、大輝の隣にいる。
自制しがたい恋情を、暴走してしまいそうな心身を、理性でひたすら耐えていた。
心から愛する人を、大切にしたい、慈しみたい、その一心で。
大輝が望むなら、ずっと親友でいるよ。頼りになって、甘えられる、そんな幼なじみのままでいい。
だから、せめて、隣にいたい。一生。死ぬまで共にいよう、大輝。
それが叶わないなら、俺は…。俺は、大輝の望む、幼なじみで親友の聖、ではいられなくなるかもしれない。
小説未満、小ネタ以上、な短編です(スランプの時、思い付いたので書きました)
受けと攻め、交互に視点が変わります。
受けは現在、攻めは過去から現在の話です。
拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
宜しくお願い致します。
平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法
あと
BL
「よし!別れよう!」
元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子
昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。
攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。
……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。
pixivでも投稿しています。
攻め:九條隼人
受け:田辺光希
友人:石川優希
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグ整理します。ご了承ください。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる