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幼少期
しおりを挟む私の記憶は、児童公園の公衆トイレ内から始まる。
首からさげてる鍵の紐で自ら首を絞めている記憶だ。
今思えば、幼い頃から自傷癖があったのだろう。ある種、自慰行為のようなものだったのかもしれない。とさえ思っている。
家に帰れば祖父と母が喧嘩をしている。母方の祖父だが、関係は最悪。
お互いに早く死ねばいいと思っているに違いない。
何事もないかのように自室へ向かう。この二人の喧嘩なら、ほっとけばすぐに終わる。
問題は、仕事だと嘘をついて出かけている父(あいつ)が、もうじき帰ってくるってこと。
我が家は、祖父、両親、弟の5人家族だが、父に女がいるのを知らない者はいない。恐らく飼い猫のキキも知っているだろう。
バレてないと思って、手土産を片手に帰ってくるのが馬鹿みたいだ。
父は、母の再婚相手。つまり私は連れ子、弟とは異父姉弟(きょうだい)ということになる。
それを知ることになったのは、学校の道徳の授業で母子手帳が必要になり、探したときのこと。
父の名前の欄に、知らない人の名前。
一緒に暮らしている父の名前ではなかった。
1歳の時、性格の不一致での離婚だったらしいが、今となってはその理由も本当であったのかはわからない。
だが、その事実が判明したことで合点が行くこともあった。
父は、幼い私をストレスを解消するための玩具(どうぐ)として扱った。蹴られ殴られ、そんなの日常茶飯事だった。
スクーターのヘルメットで殴られた時には、流石に頭から血が出て、自分は死んでしまうんだ。とさえ思った。
殴られるだけならまだよかった。
父はやたらと一緒に風呂に入りたがった。その事実を知るまでは、普通の事だと思っていた。でも違った。そういうのが好みだったのだろう。
寝るときはいつも隣で寝かせられた。パパが好きだったから嬉しかった。父も、娘として私のことを好きでいてくれてるのだと。
だから毎晩、下着の中に手が伸びてくることも、寝間着の上から撫で回されることも普通だと思っていた。
数年経って、母は父から別れを切り出され離婚した。私としては、赤の他人で気味の悪い趣味を持つ、父と離れられて心から嬉しかった。だが、そこから母は変わってしまった。
父を愛していた母は、前夫との子供である私が、憎かったのだろう。
お前は誰だ。なぜ家にいる。
死んでしまえ。
私から父を奪ったのはお前だ。
毎日罵られた。
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