4人の勇者に巻き込まれて異世界に呼ばれた俺が何故か全員の勇者のスキルを使える件について~スキル:ラーニングで無双する異世界生活~

明夜

文字の大きさ
1 / 8

1話 突然の召喚

しおりを挟む
「それでさーそのとき智弘がー」

「馬鹿すぎだろ」

「おいおいその話はするなって」


 忘れ物を取りに教室に戻るとうるさい奴らに出くわしてしまった。長谷川龍吾、大野恵、橋田智弘、飯田麻衣だったか。クラスでも目立つ4人グループだ。


「あれ? どうしたんだい西田君」

「ちょっと忘れ物をな」


 あと俺の名前は四宮だ。四宮京谷、それがフルネームだ。クラスメイトの名前くらいしっかり覚えておいてくれよ長谷川。


「そうなんだ。あ、このあとカラオケ行くんだけどよかったら一緒にいかない?」

「遠慮しとく。予定があるんで」


 飯田が俺を誘うと他の3人が少し嫌そうな顔をする。そして俺が断ると笑顔になり用事があるなら仕方ないと頷き合う。俺は1人で本を読んだりするのが好きなんだ。全員が全員が他人と一緒にいるのが楽しいわけじゃないんだぞ。

 さっさと忘れ物をとって教室を出ようとした瞬間床が強く輝いて俺は思わず目をつむった。そして再び目を開けるとそこは教室ではなくどこかの広間で俺たちは豪華な服を着た人や鎧を着た兵士に囲まれていた。


「どうか勇者さま。この世界を魔王の脅威からお救いください」

「え、ここどこですか」

「魔王って何」

「というかあんた誰? ここどこ?」


 飯田、大野、橋田が次々に疑問を口にする。それだけ一斉に聞いても答えられないだろうに。俺はとりあえず黙って様子を見ることにした。代表者なのか1人の少女が前に進み出る。腰まで届く金髪と日本人離れしたスタイル。モデルが裸足で逃げ出すほど整っている顔。大野がアホ面で見惚れるのも納得できるほどの美人だ。


「申し訳ありません。私のこの国の王女レーティア。500年ぶりに復活した魔王イブリースから世界を救っていただくためにあなた方4人の勇者様を召喚いたしました。どうかわが国、いえ世界を救って……」

「ちょっと待ってくれ。今4人と言ったか? 俺たちは5人だぞ」


 長谷川の言う通りここには長谷川たち4人と俺で合わせて5人いる。1人多いのだ。


「そんな筈は……。ステータスを確認してみていただけませんか? 本人にしか見えませんが勇者様でしたらそこにジョブが出ているはずです。確認の方法はステータスと口に出すだけです」

「「「「ステータス」」」」

「ステータス」


 長谷川たちに習って俺もそう口にすると驚くことに目の前に半透明のウインドウ、ゲームなどに出てくるようなものが現れた。書かれているのは名前、性別、年齢、ジョブそしてスキルと大分シンプルだが。


「私はジョブの欄に大賢者とあるわ。あとなんかスキル:ライトってのも見える」

「私は聖女と書いてあります。スキルは癒しの風ですね」

「俺はバトルマスターってあるな。スキルは瞬発だ」


 大野、飯田、橋田が技能の名前を言うと同時に光ったり、心地いい風が吹いたり、大野の筋肉が盛り上がったりした。それらを見たレーティアと後ろの奴らがどよめく。反応を見るにかなり強いジョブとスキルなのだろう。ライトは光っただけに見えたが。しかしこの3人は勇者ではない。となると、

「俺は……勇者とあるな」

「やっぱり! 召喚は成功していたのですね! 試しに使ってみてはいただけませんか」

「ああ。来いクラウソラス!!」


 長谷川が叫ぶとその手に光が集まり剣をかたどっていく。数秒後そこには今まで見たこともないような美しい装飾がなされた長剣が握られていた。まさに聖剣といった感じだ。


「その剣は伝説の勇者が使ったという聖剣クラウソラス! やはりあなたが勇者様なのですね」


 レーティアは喜びのあまりか長谷川の手を握りしめ瞳に涙を溜めた。美人に手を握られ鼻息がかかるほどの距離に接近され長谷川が赤面する。


「ちょっと龍吾! 離れなさいよこのスケベ!」

 
 その様子に腹を立てたのか大野が後ろから長谷川の頭をはたいた。慌てて離れる2人。そして今さら気恥ずかしくなったのかレーティアは咳払いで誤魔化すと俺の方に顔を向けた。


「それでジョブのところにはなんと?」

「……いや何も書かれていない。どうやら俺は巻き込まれただけらしい」


 そう正直に言うと周りにいるやつらの視線が露骨に冷たいものになる。なんだこいつら? 勝手に呼んどいて期待と違ったからってそんな目で見て。これは正直に言わなくて正解だったな。


「なあ俺は巻き込まれただけみたいだが元の世界には返してもらえるのか?」

「はい。魔王イブリースを討伐しその魔石を使えば」

「魔石?」

「勇者様の世界にはないものでしょうからご説明しますね」


 レーティアによるとこの世界の全ての生き物はその体内に魔石を宿しているらしい。そしてその魔石は宿主が強ければ強いほど秘める魔力が大きくなる。俺たちの召喚には王国秘蔵の魔石を使ったが還すのにもそれと同じクラスの魔石が必要で魔王の魔石はそれを満たせる唯一のもの、とのことだ。

 はっきり言って胡散臭い。魔王が500年ぶりに復活したと言っていたがならなんで魔王の魔石で俺たちを元の世界に還せるなんてわかるんだ? そもそもそれだけ強大な魔力を秘めた魔石が魔王から出たとして俺たちの帰還に素直に使うのか? それらを考えた俺の結論はこいつらは信用しないほうがいい、だった。


「魔王は長谷川たちが倒してくれるんだろ? なら俺はそれまで好きにさせてもらうわ。当面の生活費だけでもくれれば黙って出ていくからさ。それでいいだろ?」

「貴様! 姫様になんて口の利き方を!!」

「勝手に召喚しといて口の利き方もクソもないだろ。無礼さで言えばお前らのほうが数段上だ」


 レーティアに対する態度が気に入らなかったのか兵士の1人が叫ぶが俺が言い返すと顔を真っ赤にして黙った。少しは自覚があるらしい。


「わかりました。後ほど路銀などを準備してお渡しします」

「待てよ西野。たった1人で異世界をうろつくなんて危険だろ。俺たちと一緒に」

「魔王を倒す戦いに参加しろって? 勘弁してくれ。俺は巻き込まれただけだしジョブだってないんだぞ。ついて行っても直ぐに死ぬだけだ」

「それは……」

「もういいじゃん龍吾。西野だって自分で言ってるんだし。西野の好きにさせてあげよう」

「でも恵、四宮君1人なんて心配だよ。せめてこの城に残ってもらうとか」


 そう言ってもらえると助かるがな大野。それはお前たちの旅に邪魔者を入れたくないからだろう。俺だってごめんだが。あと飯田。お前はちゃんと名前覚えていてくれたんだな。ありがとな。


「ああそれと。餞別代りにもう一つ頼みたいことがあるんだが」

「なんですか?」


 俺の望みは非常にあっさり許可をもらえた。怪しまれるかと色々理由を考えていたのが馬鹿みたいだ。





 数時間後。俺は頼みをかなえてもらったあと当面の生活費をもらい王城の門まで兵士の1人に案内されていた。門を出る直前重要なことを聞き忘れたことに気づく。


「そう言えば手軽に金を稼ぐ方法ってどんなのがある? 法に触れない範囲で」

「それならば冒険者ギルドがいいでしょう。様々な依頼があるのでジョブを持っていなくても受けれるものがあるはずです」

「そうかありがとう」


 わざわざジョブをもっていなくても平気なことを教えてくれた兵士に感謝する。最も恐らく今の俺は勇者4人よりよっぽど多くのスキルを持っているんだが。もう一度頭の中でステータスと呟くと目の前に半透明のウインドウが出る。そこにはこう書かれていた。


ステータス
四宮京谷 男 16歳 

ジョブ:なし

スキル:ラーニング レベル2 
   :ライト レベル1 
   :癒しの風 レベル1
   :瞬発 レベル1
   :聖剣召喚クラウソラス レベル1
   :剛力 レベル5
   :剣術 レベル6
   :水魔法 レベル4
   :炎魔法 レベル4
   :風魔法 レベル4





 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

処理中です...