転生できませんでした。

油そば

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0話 転生失敗

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目を覚ますと昼の3時。家には誰もいない、もうみんな、学校や仕事に行ったのだろうか
俺の名前は田村 小学生時代はタムっちや、タムケン タムタムという愛称で親しまれていた。
まぁ今となってはそんなことどうでもいい
俺は、リビングに行き、こんな引きこもりの俺にも昼ごはんを提供して下さる母親の料理を食べる。正直母親の料理は美味しくない、いや作ってもらってる分際でこんなこと言うのはものすごく失礼だと思うが、なんと言うか、味が薄すぎたり、濃すぎたりして味が極端なんだ。
例えばこの前俺の母親が作ってたお汁粉なんて、塩辛かった。普通ありえないだろ。お汁粉は甘いもんだろ!とも思うが作って下さるのでなんも言えない。
俺は母親が作ってくれた。昼飯を食べ終わり、ベットでゴロンとテレビをみた。正直平日の昼時のテレビなんて主婦が見るもんだがらあまり面白くない。いや、面白くないと言う表現は言い過ぎか、多分俺に刺さらないと思う。ほら昔ごきげんようという番組あっただろう。アレは俺の中で凄く良かった。
と一人呟きながら、冷蔵庫から父親が、昨日買ってきたビールを取り出し、飲み。
ぷっはぁ!!社畜のビールはうめぇ!!とよくわからない昼ドラを見ながら俺はいつものように、ソシャゲのログボを淡々とこなしていると
俺がこのアプリを入れてから5年が経ったという通知がきた。
引きこもってから5年も経ったのか、、、と俺はつぶやいた。正直俺はこの生活に不安を感じている。特に夜なんてたまったもんじゃない、、
俺はこのまま一生引きこもって死ぬのか、、彼女もできずに、童貞も卒業できずと俺は不安のあまりODを考えた時期もあった。
だが結局できなかった。
俺には行動力がないからだ。いつもネットで他人を見下し、家族を見下し、自室では王様気分なのだが、やはり行動力がないせいか、家族や友人も作れず30歳を迎えている。
この人生に意味なんてあるのだろうか、俺はこのまま、友達も作れずこの狭い自室の王様で死ぬのだろうかと思いながら俺は日課のネットサーフィンをしていると、あるサイトが出てきたのだ。
それは
転生講座!!
というものだった。俺はどこの馬鹿がこのサイトを運営しているんだ。と思いつつ、少し興味があるので、そのサイトのリンクを開くと
転生する方法という少し興味深いサイトが出てきたので、俺は気になり、そのサイトに書いてあることを少しみてみた。
転生方法

1 ワイシャツをつけます!

2 軽自動車に轢かれます!!

たったこれだけで!君も明日から転生者!

と書かれているサイトをみて、俺は最近の転生はこんな簡単にできるんだなぁと思い少し感心していたら束の間、玄関からもの音がする。俺は、誰かが帰ってきたのだろうかと思い、急いで自室に戻ろうと、母親が玄関にいたのだ。
俺は、母親と3年近く顔を合わせてないせいか
母親は俺の顔を見ると少し驚き、、
たっちゃん、、、と言い、俺に抱きついたのだ。
俺はなんで、母親が俺に抱きついてるのか、あまりよくわからなかったが、まぁいいやと思い、母親と3時間近く喋ると、自室に戻った。
正直めっちゃくそ疲れた。だって俺は、引きこもりだぜ、こんなに喋ったの久しぶりだってと、グズグズ言っていると俺は転生することを思いだし、急いでワイシャツをつけて外を飛び出し、軽トラに轢かれる準備をした。だが、やはり軽トラは来ないというか車自体あまり来ない、というのも俺の家はクソ田舎だから当たり前かと思い、後日また転生するかと考えたその時、近所の山田さんという小さい頃俺によくしてくれたババアがスクーターで俺の方に向かってくる!
なんでだ、あのババア免許返納しねぇのか!?よ!今年で90だぞ!!あのババア!
と言ってると、山田さんは俺を弾いたのだ。
聞こえる?
聞こえる?たむちゃん、、、
誰かの声がする。はっ!?もしかして、転生成功したのか!!俺ここで無双できる感じっすか?と思い目を覚ますとそこは見慣れた天井の木目があった。
あれもしかして俺は恐る恐る目を自分の手を見ると、見覚えのある太い手があった。
どうやら転生に失敗したらしい。
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