それでも地球は滅んでいない

油そば

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それでも地球は滅んでいない

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自分が20歳になる頃には地球は滅ぶと思っていた。
理由は特にない。ただそんな気がしただけだ
22歳を迎えた今日そんなことを振り返るとあまりにもバカバカしくて笑いが込み上げてきたのだが、きっと当時の私はそんな
笑すら溢れないほど、真剣にそう思っていたのだろう。
甘ったるい、サワーを飲みながら今までの人生を振り返った。
5月10日の朝の6時、私は神奈川の小さな
産婦人科で生を受けたようだ。
母親によると、私はなかなか産まれてくるのに時間がかかったそうだ。
上2人の兄は、ポンポンポンと、ニワトリの朝の産卵のように早く産まれて来たらしいが、私はどうやら、最後の最後まで粘って、粘って6時間ほど母親の子宮で滞在してたらしい。
当たり前なのだが、その時の記憶は今の私にはない。
だけど、産まれて来た時瞬間は、女の子に間違えられるほど可愛かったらしい。
勿論、母親なので誇張しているかと思うのだが、今でも母親は当時産まれて来た瞬間の私は女の子みたいと言っていた。
アレから、5年近く経ち私は幼稚園へと上がった。
そうだ、アオゲバショウゴの幼稚園編だ。
幼稚園に上がると、私は虫歯が増えた。
ちゃんと食べようと思うも虫歯が痛くて
歯を押さえていたことを今でも鮮明に思いだす。
虫歯が出来た経緯としては、甘いものを食べ過ぎたからだ。
千歳飴、砂糖きび、グラブ・ジャム
色々なものを食べて虫歯が成長した。
成長した虫歯は、どす黒くまるで
黒曜石のようだった。
ちなみに虫歯の数は18本と常人ではありえない多さだった。
歯を押さえながら友達と遊んでいた、それが幼稚園時代の私の思い出だ。
幼稚園時代が終わり、小学校編へと突入すると、私は本格的に世界は自分中心に周り
私が死んだらこの世界は終わるのではないかと思い始めた。
それを裏付けるエピソードが一つあるのだ
昼休みの時間私は、クラスメイト達と遊んでいると、1人の少年が私たちグループに混ざりたいと懇願して来たのだ。
勿論私は、断る理由がなかったので
うぃと死にかけの声でうなづくが、友人達は彼を嫌っているせいか、頑なに彼を私たちグループに入れさせようとしないのだ。
その時私は彼らの、どうでもいい仲間意識に嫌気がさし、私は彼らのグループを抜け
彼と遊ぼうとしたその時、彼らは
「しょうごが抜けるなら俺も抜けると言ったのだ」
その瞬間私は、この世界は自分中心に回っているのだと確信した。
私だけがこの世界の主人公、主人公が死ぬと言うことはきっと、世界は滅ぶのだろう自己陶酔していたことを今でも思い出す。
たまに左胸の古傷が痛むのだから
小学一年生から六年生まで自分に酔って自分は主人公だと言うのを今でも覚えている。
そんな彼も中学生へと上がると
彼は小学時代のトラウマを忘れるように
静かになり、クラスでラノベを読む少年へとなってしまったのだ。ラノベの3巻を読み、ネットで唾を吐きまくるそんな少年になっていったのさ、、
高校生になると彼は彼女が欲しくてたまらなくなり、高校生の癖にマチアプをやり始めるのだ。
勿論顔は兄の写真を使い、ひたすら
いいねをしまくり、マッチした相手にスパムメールを送りまくる。
最低な人間へと進化したのだ。
そんな、人生を送っていた彼は見事大学受験を失敗し、3浪も失敗し彼は今日もまた牛丼を食べるのだ
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