人間初心者

油そば

文字の大きさ
1 / 1

人間初心者

しおりを挟む
「初めまして!今日から人間になりました!
非検体YZです!
よろしくお願いします!!」

真夏のクーラーが壊れダラダラ汗をかき意識が朦朧としてきた教室にソイツは現れた。

「えっと、、君は、、
人間?」

僕は状況を受け入れることができず、朦朧としてきた意識はまるでジェットコースターの下のシーンを思い出すかのようにまた意識が取り戻した。

「はい!人間っす!!
まだ、人間始めたてで右も左もわからいっすがよろしくお願いします!」

「えっと、、、うん、、よろしく、、
僕は北村春って言うんだ
よく女の子に間違えちゃうんだけど、おと、、
えっと、、君聞いてる??」

非検体YZと言った少年は口を開け窓をポカーンと見ていた。
僕も窓が気になり、彼とまるでシンクロをしているかのように口を開けること15秒
僕は外を見ていたが外には異常など起こるはずもなかった。
僕はいい加減顎が疲れてきたので、口を閉じようとしたその時、少年と目が合った。
少年と目が合うと、少年は顔を赤らめ手で口を覆い被さった。

「わっ!すみません!まだ人間になれてないもんでして!」

「いいよ別に大丈夫だよ」
僕はそういうと、改めて少年の名前を聞くことにした。

「君さっき非検体YZって言ってたけど
それもしかして、キャラ?
不思議ちゃんとか、俺様系とか色々いると思うけど、今の時代それだけで渡り歩くのは厳しいと思うよ」

少年はキョトンとしていた。
話が通じてない??

「キャラ?キャラってなんですか??」

「キャラを知らない??
キャラってほらあれだよ、よくテレビとかで見るだろ!
あの、、実はめちゃくちゃ頭いいけど
1タス1を面白おかしく間違えようとして
滑ってしまうタレントとかいるんだろ!
それだよ!」

「????」

少年はまたしても顔がキョトンとしていた。
もしかして、本当についさっきまで人間じゃなかったのかもしれない
スライム??それとも、なんかの化学物質で作られた植物もしくは鉄?????
それとも天然??
いつもは人のことを疑い、クラスの人気者達のギャグを教室の端で冷笑している僕だったが、彼はキャラじゃないそう
心の中が疼いていた。

そしてまた翌日
僕はまたいつものように、クーラーの壊れた教室でココアシガレットをタバコに見立てて吸っていると、また教室をガラガラと開く音がした。
見覚えがある顔だと思ったら彼だ。
昨日非検体YZとか言ってた彼だった。
だが、彼の格好は機能と違い
彼の手には虫取り網首には虫取り籠をぶら下げていた。
「こんにちは!」
彼は元気よくするので、僕もこんにちはと声を返すと、彼は僕の袖を引っ張っり
廊下を飛び越し、1キロ先の森へと
僕を引っ張り出したのだ。
やろぉぉ!!と声を出したが、僕の声など彼の前では無力だった。
にしても、168センチ体重75キロとぽっちゃりな僕を片手で持ち上げ、1キロも休まず、走り続けた彼は本当に何者なんだ。
彼の体からは汗は一滴も出てなかった。
本当に何者なんだ。
「どうです?
虫取りしませんか?」

「えぇ、、この日僕は小学生ぶりに蝉を触った。」

翌日僕は誰もいない教室でいつものように
寝ていると、ゾンビが入ってきた。
「えぇ!ゾンビ!?」
ゾンビは四足歩行で僕の方へ向かってきた。
相場は二足歩行じゃないのかよ!
とツッコミながらも、逃げていると
どこからか、僕の手を掴む人がいた。
非検体YZだった。
彼は僕の手を掴みそのまま教室へ出た。
教室を出て学校を出ると、街はゾンビで溢れかえっていた。
「もう助からないだろう、助かったとしても、家族や兄弟先生は、、、」
無理なんだろう
僕は最後に非検体YZの顔を拝もうとしたが、彼の表情は変わらずずっと、口角が上がりっぱなしだった。
「君は多分人間になれないんだろう。」
普通は絶望するものだ


しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

意味がわかると怖い話

井見虎和
ホラー
意味がわかると怖い話 答えは下の方にあります。 あくまで私が考えた答えで、別の考え方があれば感想でどうぞ。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...