14 / 73
本編
13
しおりを挟む
私はカリンに案内してもらった小屋へとエミリー、カークスと一緒に来ていた。
「確かにしばらく使ってないみたいね。埃っぽいわ」
「だね~。換気とかしないといけないかな」
「だろうな。窓は開けるから掃除道具がないか探してくれ」
テーブルの上の埃を払いながらカークスが言う。
「そうね。ちょっと気が引けるけど家探ししてみるわ」
調べてみると奥の部屋に道具が一式そろっていた。ほうきも長柄と短柄で2本あり、結構細かい性格だったのだろうか?せっかく2本あるのでエミリーと手分けして掃除することにしよう。
「カークス。ほうきが2本と雑巾みたいなのがあったわ。2人で掃くから簡単でいいからテーブルとか拭いてくれる?」
「わかった。じゃあ、床の方は頼む」
3人で手分けして掃除をする。家は入り口からリビングダイニング、その右にちょっとした仕切りを挟んでスペースがある。さらに奥には寝室がある。一人で住んでいたという割にはなかなかしっかりとしている家のようだ。ちなみに掃除道具は寝室に入ってすぐ横のスペースに引き戸があり、そこに仕舞えるようになっている。20分ほど掃除して割と見られるようになってきたので、その後は持ってきたバッグに入れたものを出していき並べていく。
「そう言えばこのバッグにも飛竜のうろこ入ってたのね。ここで加工とかって難しいのかしら?」
「さすがにここでは無理だろう。あれだけの硬さのうろこだ。残念だが王都に帰ってからだろうな」
「残念ね。ここですぐに使えたらちょっとは安全に戦えるかもしれないのに」
「確かにそれはあるな。俺もフォルトもこういう難度の高い依頼を受けるとなると、これまでの武具では対応しきれないだろう」
「2人とも大変だね~。わたしたちはそこまで高い防具とか使わないし、武器も杖だからそこまで重要じゃないし」
「エミリー。これからは今までより危険な旅になるんだから、少なくとも防具は今のローブに何か付ける形になるわよ」
「えっ、でもそこまで重たいのつけられないし…」
「そうね。だからこの依頼はあなたや私にとっても重要なのよ。飛竜のうろこは硬いけど金属よりは軽いから。もしこの依頼中にある程度確保出来たら、みんなにお願いして私たちの防具の分を分けてもらうよう言おうと思ってたの」
「でも、鎧の加工とかって高いんでしょ?」
「まあ確かにある程度するけれど命には代えられないでしょう?それに知り合いの工房に頼む予定だから少しぐらいは安くなるかも」
「なんだ、ティアは工房の知り合いがいるのか。なら、俺やフォルトにも紹介してくれないか?」
「いいわよ。フォルトとも約束してるから帰ったら一緒に行きましょう」
「なんだフォルトは知ってたのか。水臭いな」
「野営の時に偶々話題に上がっただけよ。そういうわけだからエミリーも帰ったら行きましょうね」
「できるだけ重たくないのにしてね」
「それは会って直接言ってみないとね。ちょっと口うるさいから下手なこと言ったら怒られるかも」
「そんな~」
「ティアいる?」
「あら、カリンどうしたの?」
「キルドたちが返ってきたみたいだよ。村の人もびっくりしている見たい」
「どうしてなの?」
「飛竜のうろことか肉とかなんて村で見たことはないからね」
精々、飛竜同士や人間との戦いで見る程度だったという事らしい。
「さあ、みんなも広場へ行って。といっても見えないように林の中だけど」
案内された場所は確かに広場というには木が多い場所だ。これでは走り回ったりはできないが、空に生きる彼女たちには当然なのだろう。
「ティア、帰ったよ。しかし、帰ってきたとたん目立ってしょうがないねこれは」
キルドも今の状況に戸惑いを隠せないようだ。一緒についていったと思われるハーピーの人からは尊敬のまなざしで見られてるし、村の人からもどうやって倒したのかと目が語っている。
「これは、私がやったとは言わない方がよさそうね」
「そうだね…きっとティアは押しつぶされちゃうよ」
話をするタイミングを今か今かと待っているようだが、どうやら長老を待っているらしい。少しして長老がやってきた。
「みんな、聴いてくれ。すでに知っていると思うが、今日ここに来た人間の冒険者はそこの飛竜を2体倒された。どちらも子供ではあるが、最近わしらを苦しめていた飛竜を倒してくれたのだ。それも襲われていたカリンを助け、手当までしてくれておる」
そこで長老がいったん言葉を区切る。村人たちもうっぷんがたまっていたのかオォーという声も聞こえる。
「そこで今日は村でささやかながら彼女たちを歓迎したい。しばらく滞在されるので皆もそのつもりで頼む。何かあればわしのところまで来るとよい」
比較的若い子たちは分かりましたと答え、さっきの話の通り大人たちの中にはキィーと鳴き声で返事したものもいた。簡単に周りを見た感じでは其処まで警戒されてはないみたいだ。やはり以前にいた詩人のおかげだろう。まだ見ぬ彼へありがとうと心の中で思っておこう。そんな風に長老の話を話半分で聞いていたのだが―。
「では、ここでカリンを助け飛竜を倒したものに簡単だが、挨拶をしてもらおうと思う」
ん?今何かとてもめんど…大変なことを言われたような気がする。そ~っと長老の方を見ると手招きされた。打ち合わせもなしに思いつきでそういうのは困る。打ち合わせていたらいいわけでもないけれど。このまま立っていても仕方ないので、長老のいるところに行く。
それにしても今更ながらだが、ほとんどのハーピーたちは林の木の枝につかまっている状態だ。カリンたちハーピーにとっては普通のことなんだろう。でも、視線がずっと上からくるのでちょっと怖い。
「え、ええと。先ほど長老様より紹介されたティアです。カリンを助けたのは全くの偶然なのでそんな感謝されることでもないんですが…。飛竜のことも私たち人間の方でも問題視していて今回来たわけで…」
だめだ、全くまとまらない。考え事をしていたのが悪かったのだろう。全然言葉が出てこない。
「ティアはカリンを助けてくれたの。飛竜を倒してくれたし、高いところも怖いのに飛んで、安全なところに避難させてくれたんだよ。遠慮がちだからこういってるけどみんなよろしくね!」
見かねたカリンが私の代わりに言ってくれた。エミリーより小さな感じだったが結構しっかりしているようだ。ハーピーたちもカリンの話を聞いてうんうんと頷いている。でも、こんな大勢からみられると恥ずかしい…。
「ほらね、今もみんなが見てるから照れちゃってるんだ」
「ホントだ、ティア」
エミリーにまでからかわれて頬をつつかれる。それで空気も和んだのか、その後は今日の予定について簡単に話があった。この後、簡単な歓迎の宴をしたいから30分後にまたここへ集まって欲しいとのことだった。私たちは了承して、フォルトとキルドを小屋へと案内する。
「へぇ~。思ったより広いかな」
「そうだな。1人暮らしと聞いていたからもう少し狭いと思ったが、これなら全員寝れそうだな」
「部屋割りとかも今決めましょうか」
「いや、ティアとエミリーが寝室を使うといいよ。僕たちはリビングかその横のところで眠れそうだし」
「それだと床で寝ることになって、疲れが取れないんじゃないの?」
「私たちは野宿にも慣れているからな。前は野営道具すら持たずに移動している時もあったぐらいだ」
「そうだな。雨風が凌げるだけでも贅沢だな」
「全員が男の人のパーティーってそんな感じなの?」
「どうだろうな。野営の道具も消耗品だし見張りを立てているとはいえ、すぐに対応することを考えたら野宿同然の方がいいって意見もあるだろう」
「僕はヤダって言ったんだけどね。1人で野営道具を持ち運びするのも大変だったから、泣く泣くあきらめたんだよ」
「キルドはきれい好きだものね。そこは大いに同情するわ」
「じゃあ持ってきた荷物を一旦分けようか」
「分けるといってもどうするの?」
「とりあえず、うろこは品質ごとに袋で分けるようにして、袋の口に色でも付けて識別しよう。今は持ち運ぶ予定がないから後で寝室にでも運んでもらおうかな?」
「そういうことね、分かったわ。そうそう、さっきカークスと話をしていたんだけど、今回の依頼でうろこが今後の活動の収益分以上にあったら少し置いてもらえないかしら?前に言ってた工房でエミリーと私の防具を作りたいの」
「それは構わないが…」
「なんだフォルト。何かあるのか?」
「ああ、実は私も同じことを考えていてな。プレートメイルは少し重すぎてな。先の戦いでも少し傷んでしまったので新調するのにちょうどいいかなと」
「なら、余った量によって決めましょうか。私たちは最悪報酬分から買い取りでもいいわ。さすがに今ろくな防具が無いから心もとなくって」
「今の量じゃ微妙なところだな。一定以上のサイズ以外は加工し辛くて買取もできないからな。それにハーピーたちにも聞いたんだが、やはり今回の飛竜は小さいらしい。うろこも一部のものは強度があまりないのもあって報告にはいいが、商品としての価値はないものも多かった」
「それは困るわね。良質の素材を求めれば危険だし、依頼だけだと思い通りには進まないし…」
「その辺は今後次第だな。少なくともまだ依頼は終わっていないんだし、まずは依頼を片付けてからだ」
「そうよね。とりあえず今は選別の作業をしましょう」
作業を続けようと横を見るとエミリーがうんうん頷きながらキルドから選別方法を教えてもらっていた。やけに静かだと思ったら真面目に作業をしていたのね。エミリーはこの依頼を受ける時からかなり前向きな姿勢が出てきた。うれしいと思う反面、寂しさもちょっとある。でも、こうやって様々なことができるようになるのはとてもいいと思う。カリンに風の流れのとらえ方を習ったり、自分の可能性が広がっていくのが楽しく感じたのかもしれない。
「そろそろ時間かしら」
その後は選別作業をやっていたが、気づくと宴の始まる時間が近づいていた。
「そうだな。早いかもしれないがこれ以上何かすることもないし、向かうとするか」
「じゃあ、選別の終わったところまでで一旦、寝室に運んでおいてよ」
「分かったわ。残りの分は混ざらないようにそっちで保管しておいてね」
「はいよ」
作業分を寝室へ、まだの分をキルドが運んで私たちは広場へと向かった。
「確かにしばらく使ってないみたいね。埃っぽいわ」
「だね~。換気とかしないといけないかな」
「だろうな。窓は開けるから掃除道具がないか探してくれ」
テーブルの上の埃を払いながらカークスが言う。
「そうね。ちょっと気が引けるけど家探ししてみるわ」
調べてみると奥の部屋に道具が一式そろっていた。ほうきも長柄と短柄で2本あり、結構細かい性格だったのだろうか?せっかく2本あるのでエミリーと手分けして掃除することにしよう。
「カークス。ほうきが2本と雑巾みたいなのがあったわ。2人で掃くから簡単でいいからテーブルとか拭いてくれる?」
「わかった。じゃあ、床の方は頼む」
3人で手分けして掃除をする。家は入り口からリビングダイニング、その右にちょっとした仕切りを挟んでスペースがある。さらに奥には寝室がある。一人で住んでいたという割にはなかなかしっかりとしている家のようだ。ちなみに掃除道具は寝室に入ってすぐ横のスペースに引き戸があり、そこに仕舞えるようになっている。20分ほど掃除して割と見られるようになってきたので、その後は持ってきたバッグに入れたものを出していき並べていく。
「そう言えばこのバッグにも飛竜のうろこ入ってたのね。ここで加工とかって難しいのかしら?」
「さすがにここでは無理だろう。あれだけの硬さのうろこだ。残念だが王都に帰ってからだろうな」
「残念ね。ここですぐに使えたらちょっとは安全に戦えるかもしれないのに」
「確かにそれはあるな。俺もフォルトもこういう難度の高い依頼を受けるとなると、これまでの武具では対応しきれないだろう」
「2人とも大変だね~。わたしたちはそこまで高い防具とか使わないし、武器も杖だからそこまで重要じゃないし」
「エミリー。これからは今までより危険な旅になるんだから、少なくとも防具は今のローブに何か付ける形になるわよ」
「えっ、でもそこまで重たいのつけられないし…」
「そうね。だからこの依頼はあなたや私にとっても重要なのよ。飛竜のうろこは硬いけど金属よりは軽いから。もしこの依頼中にある程度確保出来たら、みんなにお願いして私たちの防具の分を分けてもらうよう言おうと思ってたの」
「でも、鎧の加工とかって高いんでしょ?」
「まあ確かにある程度するけれど命には代えられないでしょう?それに知り合いの工房に頼む予定だから少しぐらいは安くなるかも」
「なんだ、ティアは工房の知り合いがいるのか。なら、俺やフォルトにも紹介してくれないか?」
「いいわよ。フォルトとも約束してるから帰ったら一緒に行きましょう」
「なんだフォルトは知ってたのか。水臭いな」
「野営の時に偶々話題に上がっただけよ。そういうわけだからエミリーも帰ったら行きましょうね」
「できるだけ重たくないのにしてね」
「それは会って直接言ってみないとね。ちょっと口うるさいから下手なこと言ったら怒られるかも」
「そんな~」
「ティアいる?」
「あら、カリンどうしたの?」
「キルドたちが返ってきたみたいだよ。村の人もびっくりしている見たい」
「どうしてなの?」
「飛竜のうろことか肉とかなんて村で見たことはないからね」
精々、飛竜同士や人間との戦いで見る程度だったという事らしい。
「さあ、みんなも広場へ行って。といっても見えないように林の中だけど」
案内された場所は確かに広場というには木が多い場所だ。これでは走り回ったりはできないが、空に生きる彼女たちには当然なのだろう。
「ティア、帰ったよ。しかし、帰ってきたとたん目立ってしょうがないねこれは」
キルドも今の状況に戸惑いを隠せないようだ。一緒についていったと思われるハーピーの人からは尊敬のまなざしで見られてるし、村の人からもどうやって倒したのかと目が語っている。
「これは、私がやったとは言わない方がよさそうね」
「そうだね…きっとティアは押しつぶされちゃうよ」
話をするタイミングを今か今かと待っているようだが、どうやら長老を待っているらしい。少しして長老がやってきた。
「みんな、聴いてくれ。すでに知っていると思うが、今日ここに来た人間の冒険者はそこの飛竜を2体倒された。どちらも子供ではあるが、最近わしらを苦しめていた飛竜を倒してくれたのだ。それも襲われていたカリンを助け、手当までしてくれておる」
そこで長老がいったん言葉を区切る。村人たちもうっぷんがたまっていたのかオォーという声も聞こえる。
「そこで今日は村でささやかながら彼女たちを歓迎したい。しばらく滞在されるので皆もそのつもりで頼む。何かあればわしのところまで来るとよい」
比較的若い子たちは分かりましたと答え、さっきの話の通り大人たちの中にはキィーと鳴き声で返事したものもいた。簡単に周りを見た感じでは其処まで警戒されてはないみたいだ。やはり以前にいた詩人のおかげだろう。まだ見ぬ彼へありがとうと心の中で思っておこう。そんな風に長老の話を話半分で聞いていたのだが―。
「では、ここでカリンを助け飛竜を倒したものに簡単だが、挨拶をしてもらおうと思う」
ん?今何かとてもめんど…大変なことを言われたような気がする。そ~っと長老の方を見ると手招きされた。打ち合わせもなしに思いつきでそういうのは困る。打ち合わせていたらいいわけでもないけれど。このまま立っていても仕方ないので、長老のいるところに行く。
それにしても今更ながらだが、ほとんどのハーピーたちは林の木の枝につかまっている状態だ。カリンたちハーピーにとっては普通のことなんだろう。でも、視線がずっと上からくるのでちょっと怖い。
「え、ええと。先ほど長老様より紹介されたティアです。カリンを助けたのは全くの偶然なのでそんな感謝されることでもないんですが…。飛竜のことも私たち人間の方でも問題視していて今回来たわけで…」
だめだ、全くまとまらない。考え事をしていたのが悪かったのだろう。全然言葉が出てこない。
「ティアはカリンを助けてくれたの。飛竜を倒してくれたし、高いところも怖いのに飛んで、安全なところに避難させてくれたんだよ。遠慮がちだからこういってるけどみんなよろしくね!」
見かねたカリンが私の代わりに言ってくれた。エミリーより小さな感じだったが結構しっかりしているようだ。ハーピーたちもカリンの話を聞いてうんうんと頷いている。でも、こんな大勢からみられると恥ずかしい…。
「ほらね、今もみんなが見てるから照れちゃってるんだ」
「ホントだ、ティア」
エミリーにまでからかわれて頬をつつかれる。それで空気も和んだのか、その後は今日の予定について簡単に話があった。この後、簡単な歓迎の宴をしたいから30分後にまたここへ集まって欲しいとのことだった。私たちは了承して、フォルトとキルドを小屋へと案内する。
「へぇ~。思ったより広いかな」
「そうだな。1人暮らしと聞いていたからもう少し狭いと思ったが、これなら全員寝れそうだな」
「部屋割りとかも今決めましょうか」
「いや、ティアとエミリーが寝室を使うといいよ。僕たちはリビングかその横のところで眠れそうだし」
「それだと床で寝ることになって、疲れが取れないんじゃないの?」
「私たちは野宿にも慣れているからな。前は野営道具すら持たずに移動している時もあったぐらいだ」
「そうだな。雨風が凌げるだけでも贅沢だな」
「全員が男の人のパーティーってそんな感じなの?」
「どうだろうな。野営の道具も消耗品だし見張りを立てているとはいえ、すぐに対応することを考えたら野宿同然の方がいいって意見もあるだろう」
「僕はヤダって言ったんだけどね。1人で野営道具を持ち運びするのも大変だったから、泣く泣くあきらめたんだよ」
「キルドはきれい好きだものね。そこは大いに同情するわ」
「じゃあ持ってきた荷物を一旦分けようか」
「分けるといってもどうするの?」
「とりあえず、うろこは品質ごとに袋で分けるようにして、袋の口に色でも付けて識別しよう。今は持ち運ぶ予定がないから後で寝室にでも運んでもらおうかな?」
「そういうことね、分かったわ。そうそう、さっきカークスと話をしていたんだけど、今回の依頼でうろこが今後の活動の収益分以上にあったら少し置いてもらえないかしら?前に言ってた工房でエミリーと私の防具を作りたいの」
「それは構わないが…」
「なんだフォルト。何かあるのか?」
「ああ、実は私も同じことを考えていてな。プレートメイルは少し重すぎてな。先の戦いでも少し傷んでしまったので新調するのにちょうどいいかなと」
「なら、余った量によって決めましょうか。私たちは最悪報酬分から買い取りでもいいわ。さすがに今ろくな防具が無いから心もとなくって」
「今の量じゃ微妙なところだな。一定以上のサイズ以外は加工し辛くて買取もできないからな。それにハーピーたちにも聞いたんだが、やはり今回の飛竜は小さいらしい。うろこも一部のものは強度があまりないのもあって報告にはいいが、商品としての価値はないものも多かった」
「それは困るわね。良質の素材を求めれば危険だし、依頼だけだと思い通りには進まないし…」
「その辺は今後次第だな。少なくともまだ依頼は終わっていないんだし、まずは依頼を片付けてからだ」
「そうよね。とりあえず今は選別の作業をしましょう」
作業を続けようと横を見るとエミリーがうんうん頷きながらキルドから選別方法を教えてもらっていた。やけに静かだと思ったら真面目に作業をしていたのね。エミリーはこの依頼を受ける時からかなり前向きな姿勢が出てきた。うれしいと思う反面、寂しさもちょっとある。でも、こうやって様々なことができるようになるのはとてもいいと思う。カリンに風の流れのとらえ方を習ったり、自分の可能性が広がっていくのが楽しく感じたのかもしれない。
「そろそろ時間かしら」
その後は選別作業をやっていたが、気づくと宴の始まる時間が近づいていた。
「そうだな。早いかもしれないがこれ以上何かすることもないし、向かうとするか」
「じゃあ、選別の終わったところまでで一旦、寝室に運んでおいてよ」
「分かったわ。残りの分は混ざらないようにそっちで保管しておいてね」
「はいよ」
作業分を寝室へ、まだの分をキルドが運んで私たちは広場へと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
召喚失敗から始まる異世界生活
思惟岳
ファンタジー
庭付き一戸建て住宅ごと召喚されたせいで、召喚に失敗。いったん、天界に転送されたジュンは、これからどうしたいかと神に問われた。
「なろう」さまにも、以前、投稿させていただいたお話です。
ペンネームもタイトルも違うし、かなり書き直したので、別のお話のようなものですけれど。
【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!
しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。
けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。
そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。
そして王家主催の夜会で事は起こった。
第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。
そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。
しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。
全12話
ご都合主義のゆるゆる設定です。
言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。
登場人物へのざまぁはほぼ無いです。
魔法、スキルの内容については独自設定になっています。
誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる