15 / 19
1
15
しおりを挟む
一泊してゆらゆら揺られること4時間。ようやく私たちは王都の伯爵邸に着いた。そこはとても大きくて、孤児院や教会ともまるで違っていた。
「おい、何さっきからうち見上げてんだライザ?」
「だって、あまりに大きい屋敷なんです」
「そういえば、領地の邸はあの人がくつろげないからと小さめのものにして、前の邸はお義父様に使っていただいてましたわね。これでも王都の伯爵家としては小さい方ですわ。子爵家よりわずかに大きい位です」
「そうなんですね…。やっぱり貴族の方ってお金持ちなんですね」
いわゆる前世の旧家で商売をしているところという形なのだろうか、それとも財閥?よくわからないけどすごいんだなぁとしみじみと思う。テレビやネット以外で見たこともない。大きさでいえば学校だってそうだけど。飾りとかはないしなあ。校長室とかにはあるのかもしれないけど、入れるようなことはしてないし。勿論悪いこともね。
「あらあら、そんなことでどうするのライザ。あなたは今日から私の家の遠縁の人間ですよ。爵位はないけれど代々使用人として働いているという設定忘れないでね」
「はい!こんなお邸に住めるなんて夢のようです。ところで邸にいるうちはどうすればいいですか?水汲みとかでも料理とかでも魔法使えばできますけど…」
「お前なぁ。ここには使用人として来てないんだぞ。ちゃんと魔法の勉強に来てるんだから、必要ないだろ」
「でも…」
「急に生活が変わるから不安なのね。あまり、よくはないけれど少しなら大丈夫なように言っておくわ。ただし、他人の仕事を取りすぎないように!」
そう言っていたずらっぽく微笑むニケ様はとても美しかった。
「お到着お待ちしておりました、奥様」
代表で執事の人が挨拶をすると、それにこたえるように奥の使用人たちが一斉に頭を下げる。ふお~こんなのドラマとかでした見たことないよ~。今までも領主様の邸にはお邪魔していたけれど、そんなに装飾も多くない部屋ばかりで、使用人の方もお手伝いさんみたいな感覚で接してくれていたので、こういうのは初めてだった。
「お坊ちゃまもお久しぶりでございます」
「坊ちゃんはやめろって…」
「それと、その方が…」
「そうよ。紹介するわね。今日から私たちと一緒に住むライザよ。この子の面倒も見てあげてね。それと、私の遠縁になって入るけれど昨日までは孤児院にいたから簡単なマナーを教えてあげて。後はあなたに言っておけばいいかしら?」
「はい、承りますのでこちらに…」
そういうと、ニケ様は執事の方遠くに行ってしまった。残された私とヴェイン様には別々の使用人の方がついてそれぞれ案内してくれる。というか別々に人付くんだ…、改めてすごいというか王都って怖い!
「それではライザ様のお部屋はこちらです」
案内された部屋はみんなで寝ていた部屋と同じぐらいだった。10畳以上はあるなぁ。
「こ、こんなに広いんですか?もう少し狭い部屋ありませんか?」
「こちら以外では窺っておりませんので…」
確かにこの人が部屋を決めたわけではないんだろう。困らせてはいけないし後でニケ様に相談しよう。
「わかりました。じゃあ、ちょっとみてみます」
それではと部屋に逃げ込もうとしたが、つかまった。
「ライザお嬢様。今日よりは伯爵家に魔法の才を認められ、遠縁の家より引き取られたとなっておりますので、こういったことは私たちにお任せください」
そういうとメイドさんはドアを開け、私を案内する。部屋にはすでに机やいすなどが用意されていた。
「こ、こちらは…」
「ライザお嬢様のために用意させていただきましたものです。服もこちらに、ドレスもありますよ。お着替えなさいますか?」
とんでもない!着たら洗わないといけなくなるじゃない。こんな生地の洗い方なんて知らないし、もったいないよ。
「いいい、いいです。それより、本当にここを一人で?」
「はい、ライザお嬢様用の部屋ですので」
にべもなく言い返された。
「おい、何さっきからうち見上げてんだライザ?」
「だって、あまりに大きい屋敷なんです」
「そういえば、領地の邸はあの人がくつろげないからと小さめのものにして、前の邸はお義父様に使っていただいてましたわね。これでも王都の伯爵家としては小さい方ですわ。子爵家よりわずかに大きい位です」
「そうなんですね…。やっぱり貴族の方ってお金持ちなんですね」
いわゆる前世の旧家で商売をしているところという形なのだろうか、それとも財閥?よくわからないけどすごいんだなぁとしみじみと思う。テレビやネット以外で見たこともない。大きさでいえば学校だってそうだけど。飾りとかはないしなあ。校長室とかにはあるのかもしれないけど、入れるようなことはしてないし。勿論悪いこともね。
「あらあら、そんなことでどうするのライザ。あなたは今日から私の家の遠縁の人間ですよ。爵位はないけれど代々使用人として働いているという設定忘れないでね」
「はい!こんなお邸に住めるなんて夢のようです。ところで邸にいるうちはどうすればいいですか?水汲みとかでも料理とかでも魔法使えばできますけど…」
「お前なぁ。ここには使用人として来てないんだぞ。ちゃんと魔法の勉強に来てるんだから、必要ないだろ」
「でも…」
「急に生活が変わるから不安なのね。あまり、よくはないけれど少しなら大丈夫なように言っておくわ。ただし、他人の仕事を取りすぎないように!」
そう言っていたずらっぽく微笑むニケ様はとても美しかった。
「お到着お待ちしておりました、奥様」
代表で執事の人が挨拶をすると、それにこたえるように奥の使用人たちが一斉に頭を下げる。ふお~こんなのドラマとかでした見たことないよ~。今までも領主様の邸にはお邪魔していたけれど、そんなに装飾も多くない部屋ばかりで、使用人の方もお手伝いさんみたいな感覚で接してくれていたので、こういうのは初めてだった。
「お坊ちゃまもお久しぶりでございます」
「坊ちゃんはやめろって…」
「それと、その方が…」
「そうよ。紹介するわね。今日から私たちと一緒に住むライザよ。この子の面倒も見てあげてね。それと、私の遠縁になって入るけれど昨日までは孤児院にいたから簡単なマナーを教えてあげて。後はあなたに言っておけばいいかしら?」
「はい、承りますのでこちらに…」
そういうと、ニケ様は執事の方遠くに行ってしまった。残された私とヴェイン様には別々の使用人の方がついてそれぞれ案内してくれる。というか別々に人付くんだ…、改めてすごいというか王都って怖い!
「それではライザ様のお部屋はこちらです」
案内された部屋はみんなで寝ていた部屋と同じぐらいだった。10畳以上はあるなぁ。
「こ、こんなに広いんですか?もう少し狭い部屋ありませんか?」
「こちら以外では窺っておりませんので…」
確かにこの人が部屋を決めたわけではないんだろう。困らせてはいけないし後でニケ様に相談しよう。
「わかりました。じゃあ、ちょっとみてみます」
それではと部屋に逃げ込もうとしたが、つかまった。
「ライザお嬢様。今日よりは伯爵家に魔法の才を認められ、遠縁の家より引き取られたとなっておりますので、こういったことは私たちにお任せください」
そういうとメイドさんはドアを開け、私を案内する。部屋にはすでに机やいすなどが用意されていた。
「こ、こちらは…」
「ライザお嬢様のために用意させていただきましたものです。服もこちらに、ドレスもありますよ。お着替えなさいますか?」
とんでもない!着たら洗わないといけなくなるじゃない。こんな生地の洗い方なんて知らないし、もったいないよ。
「いいい、いいです。それより、本当にここを一人で?」
「はい、ライザお嬢様用の部屋ですので」
にべもなく言い返された。
1
あなたにおすすめの小説
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました
鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。
素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。
とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。
「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」
転生皇女はフライパンで生き延びる
渡里あずま
恋愛
平民の母から生まれた皇女・クララベル。
使用人として生きてきた彼女だったが、蛮族との戦に勝利した辺境伯・ウィラードに下賜されることになった。
……だが、クララベルは五歳の時に思い出していた。
自分は家族に恵まれずに死んだ日本人で、ここはウィラードを主人公にした小説の世界だと。
そして自分は、父である皇帝の差し金でウィラードの弱みを握る為に殺され、小説冒頭で死体として登場するのだと。
「大丈夫。何回も、シミュレーションしてきたわ……絶対に、生き残る。そして本当に、辺境伯に嫁ぐわよ!」
※※※
死にかけて、辛い前世と殺されることを思い出した主人公が、生き延びて幸せになろうとする話。
※重複投稿作品※
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
目覚めたら大好きなアニメの悪役令嬢でしたが、嫌われないようにしただけなのに全員から溺愛されています
月影みるく
恋愛
目を覚ましたら、大好きだったアニメの世界。
しかも私は、未来で断罪される運命の悪役令嬢になっていた。
破滅を回避するために決めたことはただ一つ――
嫌われないように生きること。
原作知識を頼りに穏やかに過ごしていたはずなのに、
なぜか王族や騎士、同年代の男女から次々と好意を向けられ、
気づけば全員から溺愛される状況に……?
世界に一人しかいない光属性を持つ悪役令嬢が、
無自覚のまま運命と恋を変えていく、
溺愛必至の異世界転生ラブファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる