35 / 49
リバースストーリー
1 家出しない伯爵令嬢
しおりを挟む
これは、カノン=エレステン伯爵令嬢が婚約者と別れることなく幸せをつかんだお話です。
私は世界一幸せ者の王子だろう。私の身体的境遇を見ればそのように言うものはいないだろうが、何より私自身がそれを知っている。そしてそれは私の婚約者がもたらしてくれるものだ。
私の名前はクレヒルト=グレンデル。グレンデル王国の第二王子にして王位継承権第二位の王子である。しかし、私のことを人は雛王子と陰口を叩く。それは私が生まれ持った『魔力病』という病気にある。
『魔力病』とは人が大小持つ魔力をコントロールできずに、体内で巡る魔力が体外に自然に出ていき、衰弱死するという恐ろしい病気だ。治療法は無く、これまでは魔力回復薬を飲み続けることでしか生き永らえないとされた病だ。
ただし、魔力回復薬は平民の一か月分の給料にも相当し、大商家や貴族以外では生き延びることができないと言われてきた。
この病は魔導学・薬学両面より研究されているが、隣国の魔導王国と母の代に婚姻を結び、魔導研究においては近隣諸国でも上位に入る我が国ですら、治療法のきっかけも作れなかった。
また薬でしか治せない病気も多い薬学方面では我が国は後塵を拝していた。そんないつ死ぬともしれない私のために用意された婚約者がカノン=エレステン伯爵令嬢だった。
何も彼女の家が伯爵家にしては権力を持っていたというわけではない。彼女の家は代々、薬学研究に励み彼女の祖父の代には薬学研究所の所長を務めた実績もある。残念ながらその息子は才能が乏しいようだったが、どのみち長く生きられないならと、せめてかの家に今一度チャンスを与え、薬学が発展する期待を込めて結ばれた縁談だった。
親である陛下にも兄にも婚約者にもかいがいしく世話をしてもらう王子。だから雛王子だ。
『クレヒルト様大丈夫ですか?』私の婚約者である彼女はいつもこの言葉から会話を始める。二か月に一度、薬品の匂いとともにやってきては様子を見に来てくれるのだ。彼女から薬品の匂いがするのも仕方のないことだ。ほとんど休みを取らずに研究に勤しんでいるからだ。
調べさせたところによると、彼女は家でかなり粗末な扱いを受けているらしい。パーティーに着ていく服は仕立てるが、それ以外の服と言えばドレスと言えないような服ばかりだ。おまけに研究所から帰っても研究をさせ続けているらしい。
「以前、魔力回復薬の改良版を作った時のように軟禁したら今度こそ許さん!」
魔力回復薬は効能の割に値段が高かったため、これまでは大変高価な薬だったが、彼女のおかげで吐き気のするほど不味い味と臭い、何より効能が上がった。効果量だけでなく使う素材も改良されており、コストカットもできている。これにより延命できるものが増えたのも彼女の功績だったが、そのために開発末期には軟禁してまで開発させたらしい。
「伯爵自らの手で研究を行い、こちらが強く関与できないと思って好き勝手してくれる。だが、これ以上好きにはさせない!」
彼女の元にはこの度その働きから、王家の影をつけることになった。異例のことではあるが、私につけても一切価値がないと押し切り、ようやく二名をつけることができたのだ。
「アーニャ、ライン。お前たち二名には今後、カノンを守ってもらう。彼女に危険が迫らないように全力を尽くせ!」
「はっ!」
ラインが恭しく頭を下げるが、アーニャの方は思案気だ。
「どうかしたか?」
「お嬢様とクレヒルト殿下、どちらかをお守りする時はどうすればよいのでしょう?」
「無論彼女だ」
「わかりました。必ずお守りいたします」
彼女は影としては名門の家の出だ。兄上に感謝しなければ。あれほど忠義に篤く、優秀な影もいないだろう。ああ言えば忠実に任務をこなしてくれる。
二人が気配を消してしばらく、私付きの騎士が入ってくる。
「クレヒルト殿下、本日はカノン様の来訪日ですね」
「それがどうした?」
「顔がにやけてますよ」
思わず顔に手をやると騎士は笑顔を見せていた。そこでようやくからかわれていたのだと気づく。幼少から仕えてくれているが、こういうところは苦手だ。
「にしても、本当に体調がよくなられましたね」
「ああ、やはり盗まれた薬は……」
「ええ、間違いないと思います。ただ、裏が大きいかと思いますので、我慢が必要でしょう」
最近俺に絡んでくる令嬢が『魔力病』治療薬の治験最終段階に入っている薬を盗んだことは分かっている。だが、バックにいるのが誰かまだ分からないので、苦々しくも放っているのだ。カノンの大切な成果を横取りするとは許せんことだ!
「小さい頃のあいつもかわいかった。『クレヒルトさま、これが魔力回復薬の材料です』って薬草園から引き抜いて持ってきたり、ちょっと大きくなれば『クレヒルト様びっくりしました? 改良版ですよ。おいしいでしょう?』なんて、いたずらっぽく笑ったり……ああ、もうすぐ会えるのだな」
「殿下はカノン様が関わる時以外はまともなのに……」
「はあ? お前はあの天使を見てそう思わんのか?」
「確かに彼女は素晴らしい人物ですが、外見をして言うとそこまでかといわれますと」
「何を言うんだ! あの、今日の体調はどうでしょうかと気遣う目も、ゆっくりしてくださいという顔つきもも素晴らしいだろう!」
「外では発言しないでくださいね」
「それをあいつときたら!」
その時、小さなノック音とともに小さな影が部屋に入ってくる。
「クレヒルト様、大きな声を出されていましたが大丈夫ですか? 体調が悪いのだったら……」
「カ、カノン。大丈夫だ。だから寂しいことを言わないでくれ……」
「いいえ、私こそ申し訳ありません。いつもドレスの一つも着ずに来てしまって。先日も他の方に言われましたの」
「別にカノンは気にすることじゃない。それだけ頑張っているんだからね。だけど、いつも言っているように休まないといけないよ」
「わかってはいますが、殿下や同じ病気の方に少しでも早く治っていただきたいんです。その……」
彼女が言い淀んでしまった。私は知っているが、彼女は私が『魔力病』治療薬の開発が終了していることを知らないと思っているからだろう。治験の結果、副作用が強ければ作り直しとなる場合もある。ぬか喜びさせたくないという気持ちと、もうすぐ治してあげられる気持ちがせめぎ合っているのだろう。
その気持ちをとても喜んでいる自分がいる。皆が言うように自分はいまだに何もできていない雛王子だというのに……。
「心配するな。これでも最近は体調がいいのだ。もうしばらくすれば、さらに良くなるかもな」
「……そうですか。では、また来ますので」
「あ、あぁ」
何だか途中から元気がなかったようだがどうしたのだろうか? まあ、彼女のことだ。次に会う時は元気になっているだろう。私も彼女に負けないように頑張らなければな。
「明日からまた、学問の方を再開する」
「体調は大丈夫ですか?」
「ああ、これまで王族の役目を果たせなかった分を取り返さねばな」
「手配は致しますがくれぐれもご無理はなさいませぬように」
「分かっている」
以前にも本を読むのに集中しすぎだというので取り上げられたことがある。あの時はつらかった。なにせ、普段から寝たきりに近いからやることが本当になくなってしまった。あんなことだけはもうごめんだ。
「ふぅ、しかし今日は少し疲れたな。もう休むことにする。引き続き調査の方を頼む」
「はっ!」
こうして今日も終わる。しかし、また次に会えるのは二か月後か……。長いものだな。
私は世界一幸せ者の王子だろう。私の身体的境遇を見ればそのように言うものはいないだろうが、何より私自身がそれを知っている。そしてそれは私の婚約者がもたらしてくれるものだ。
私の名前はクレヒルト=グレンデル。グレンデル王国の第二王子にして王位継承権第二位の王子である。しかし、私のことを人は雛王子と陰口を叩く。それは私が生まれ持った『魔力病』という病気にある。
『魔力病』とは人が大小持つ魔力をコントロールできずに、体内で巡る魔力が体外に自然に出ていき、衰弱死するという恐ろしい病気だ。治療法は無く、これまでは魔力回復薬を飲み続けることでしか生き永らえないとされた病だ。
ただし、魔力回復薬は平民の一か月分の給料にも相当し、大商家や貴族以外では生き延びることができないと言われてきた。
この病は魔導学・薬学両面より研究されているが、隣国の魔導王国と母の代に婚姻を結び、魔導研究においては近隣諸国でも上位に入る我が国ですら、治療法のきっかけも作れなかった。
また薬でしか治せない病気も多い薬学方面では我が国は後塵を拝していた。そんないつ死ぬともしれない私のために用意された婚約者がカノン=エレステン伯爵令嬢だった。
何も彼女の家が伯爵家にしては権力を持っていたというわけではない。彼女の家は代々、薬学研究に励み彼女の祖父の代には薬学研究所の所長を務めた実績もある。残念ながらその息子は才能が乏しいようだったが、どのみち長く生きられないならと、せめてかの家に今一度チャンスを与え、薬学が発展する期待を込めて結ばれた縁談だった。
親である陛下にも兄にも婚約者にもかいがいしく世話をしてもらう王子。だから雛王子だ。
『クレヒルト様大丈夫ですか?』私の婚約者である彼女はいつもこの言葉から会話を始める。二か月に一度、薬品の匂いとともにやってきては様子を見に来てくれるのだ。彼女から薬品の匂いがするのも仕方のないことだ。ほとんど休みを取らずに研究に勤しんでいるからだ。
調べさせたところによると、彼女は家でかなり粗末な扱いを受けているらしい。パーティーに着ていく服は仕立てるが、それ以外の服と言えばドレスと言えないような服ばかりだ。おまけに研究所から帰っても研究をさせ続けているらしい。
「以前、魔力回復薬の改良版を作った時のように軟禁したら今度こそ許さん!」
魔力回復薬は効能の割に値段が高かったため、これまでは大変高価な薬だったが、彼女のおかげで吐き気のするほど不味い味と臭い、何より効能が上がった。効果量だけでなく使う素材も改良されており、コストカットもできている。これにより延命できるものが増えたのも彼女の功績だったが、そのために開発末期には軟禁してまで開発させたらしい。
「伯爵自らの手で研究を行い、こちらが強く関与できないと思って好き勝手してくれる。だが、これ以上好きにはさせない!」
彼女の元にはこの度その働きから、王家の影をつけることになった。異例のことではあるが、私につけても一切価値がないと押し切り、ようやく二名をつけることができたのだ。
「アーニャ、ライン。お前たち二名には今後、カノンを守ってもらう。彼女に危険が迫らないように全力を尽くせ!」
「はっ!」
ラインが恭しく頭を下げるが、アーニャの方は思案気だ。
「どうかしたか?」
「お嬢様とクレヒルト殿下、どちらかをお守りする時はどうすればよいのでしょう?」
「無論彼女だ」
「わかりました。必ずお守りいたします」
彼女は影としては名門の家の出だ。兄上に感謝しなければ。あれほど忠義に篤く、優秀な影もいないだろう。ああ言えば忠実に任務をこなしてくれる。
二人が気配を消してしばらく、私付きの騎士が入ってくる。
「クレヒルト殿下、本日はカノン様の来訪日ですね」
「それがどうした?」
「顔がにやけてますよ」
思わず顔に手をやると騎士は笑顔を見せていた。そこでようやくからかわれていたのだと気づく。幼少から仕えてくれているが、こういうところは苦手だ。
「にしても、本当に体調がよくなられましたね」
「ああ、やはり盗まれた薬は……」
「ええ、間違いないと思います。ただ、裏が大きいかと思いますので、我慢が必要でしょう」
最近俺に絡んでくる令嬢が『魔力病』治療薬の治験最終段階に入っている薬を盗んだことは分かっている。だが、バックにいるのが誰かまだ分からないので、苦々しくも放っているのだ。カノンの大切な成果を横取りするとは許せんことだ!
「小さい頃のあいつもかわいかった。『クレヒルトさま、これが魔力回復薬の材料です』って薬草園から引き抜いて持ってきたり、ちょっと大きくなれば『クレヒルト様びっくりしました? 改良版ですよ。おいしいでしょう?』なんて、いたずらっぽく笑ったり……ああ、もうすぐ会えるのだな」
「殿下はカノン様が関わる時以外はまともなのに……」
「はあ? お前はあの天使を見てそう思わんのか?」
「確かに彼女は素晴らしい人物ですが、外見をして言うとそこまでかといわれますと」
「何を言うんだ! あの、今日の体調はどうでしょうかと気遣う目も、ゆっくりしてくださいという顔つきもも素晴らしいだろう!」
「外では発言しないでくださいね」
「それをあいつときたら!」
その時、小さなノック音とともに小さな影が部屋に入ってくる。
「クレヒルト様、大きな声を出されていましたが大丈夫ですか? 体調が悪いのだったら……」
「カ、カノン。大丈夫だ。だから寂しいことを言わないでくれ……」
「いいえ、私こそ申し訳ありません。いつもドレスの一つも着ずに来てしまって。先日も他の方に言われましたの」
「別にカノンは気にすることじゃない。それだけ頑張っているんだからね。だけど、いつも言っているように休まないといけないよ」
「わかってはいますが、殿下や同じ病気の方に少しでも早く治っていただきたいんです。その……」
彼女が言い淀んでしまった。私は知っているが、彼女は私が『魔力病』治療薬の開発が終了していることを知らないと思っているからだろう。治験の結果、副作用が強ければ作り直しとなる場合もある。ぬか喜びさせたくないという気持ちと、もうすぐ治してあげられる気持ちがせめぎ合っているのだろう。
その気持ちをとても喜んでいる自分がいる。皆が言うように自分はいまだに何もできていない雛王子だというのに……。
「心配するな。これでも最近は体調がいいのだ。もうしばらくすれば、さらに良くなるかもな」
「……そうですか。では、また来ますので」
「あ、あぁ」
何だか途中から元気がなかったようだがどうしたのだろうか? まあ、彼女のことだ。次に会う時は元気になっているだろう。私も彼女に負けないように頑張らなければな。
「明日からまた、学問の方を再開する」
「体調は大丈夫ですか?」
「ああ、これまで王族の役目を果たせなかった分を取り返さねばな」
「手配は致しますがくれぐれもご無理はなさいませぬように」
「分かっている」
以前にも本を読むのに集中しすぎだというので取り上げられたことがある。あの時はつらかった。なにせ、普段から寝たきりに近いからやることが本当になくなってしまった。あんなことだけはもうごめんだ。
「ふぅ、しかし今日は少し疲れたな。もう休むことにする。引き続き調査の方を頼む」
「はっ!」
こうして今日も終わる。しかし、また次に会えるのは二か月後か……。長いものだな。
23
あなたにおすすめの小説
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない
百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。
幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ
暖夢 由
恋愛
【5月20日 90話完結】
5歳の時、母が亡くなった。
原因も治療法も不明の病と言われ、発症1年という早さで亡くなった。
そしてまだ5歳の私には母が必要ということで通例に習わず、1年の喪に服すことなく新しい母が連れて来られた。彼女の隣には不思議なことに父によく似た女の子が立っていた。私とあまり変わらないくらいの歳の彼女は私の2つ年上だという。
これからは姉と呼ぶようにと言われた。
そして、私が14歳の時、突然謎の病を発症した。
母と同じ原因も治療法も不明の病。母と同じ症状が出始めた時に、この病は遺伝だったのかもしれないと言われた。それは私が社交界デビューするはずの年だった。
私は社交界デビューすることは叶わず、そのまま治療することになった。
たまに調子がいい日もあるが、社交界に出席する予定の日には決まって体調を崩した。医者は緊張して体調を崩してしまうのだろうといった。
でも最近はグレン様が会いに来ると約束してくれた日にも必ず体調を崩すようになってしまった。それでも以前はグレン様が心配して、私の部屋で1時間ほど話をしてくれていたのに、最近はグレン様を姉が玄関で出迎え、2人で私の部屋に来て、挨拶だけして、2人でお茶をするからと消えていくようになった。
でもそれも私の体調のせい。私が体調さえ崩さなければ……
今では月の半分はベットで過ごさなければいけないほどになってしまった。
でもある日婚約者の裏切りに気づいてしまう。
私は耐えられなかった。
もうすべてに………
病が治る見込みだってないのに。
なんて滑稽なのだろう。
もういや……
誰からも愛されないのも
誰からも必要とされないのも
治らない病の為にずっとベッドで寝ていなければいけないのも。
気付けば私は家の外に出ていた。
元々病で外に出る事がない私には専属侍女などついていない。
特に今日は症状が重たく、朝からずっと吐いていた為、父も義母も私が部屋を出るなど夢にも思っていないのだろう。
私は死ぬ場所を探していたのかもしれない。家よりも少しでも幸せを感じて死にたいと。
これから出会う人がこれまでの生活を変えてくれるとも知らずに。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
婚約破棄? 国外追放?…ええ、全部知ってました。地球の記憶で。でも、元婚約者(あなた)との恋の結末だけは、私の知らない物語でした。
aozora
恋愛
クライフォルト公爵家の令嬢エリアーナは、なぜか「地球」と呼ばれる星の記憶を持っていた。そこでは「婚約破棄モノ」の物語が流行しており、自らの婚約者である第一王子アリステアに大勢の前で婚約破棄を告げられた時も、エリアーナは「ああ、これか」と奇妙な冷静さで受け止めていた。しかし、彼女に下された罰は予想を遥かに超え、この世界での記憶、そして心の支えであった「地球」の恋人の思い出までも根こそぎ奪う「忘却の罰」だった……
私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?
きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。
しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる