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第1部 1章 始まりの大地
第一騎士発見!
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ライトの魔法を使って周囲を照らすと、騎士の顔が見えた。あっ、この人ちょっとかっこいいかも?
「おおっ、これは助かるな。…なんだと!?」
「ど、どうかしました?光が強すぎたとか?」
急にこっちを見て険しい表情を浮かべる騎士。私、何かやっちゃった?
「き、貴様、デュラハンだったのか!?」
「しまった!そのままだった!!」
何か忘れていると思ったら、人間の姿になることだった。人間になると能力が下がる以外にもここだとマイナスが大きいから忘れていた。この空洞の場所は光が当たらないからか、かなり気温が低い。だから、人の姿だと生きるのもつらいので、すっかり忘れてしまっていたのだ。
「だだだ、大丈夫です。怪しいデュラハンじゃないので!」
「怪しくなくてもデュラハンだろう!こんなところで何をしていた!」
「しゅ、修行です!人が攻撃してきても負けないように。痛いのとか嫌いなので!!」
「…」
「…」
私の言葉を受けて無言で見つめ合う。ううっ、どうにか信じて欲しいなぁ。
「それで、人を襲う気なのか?」
「襲いません!いや、流石に野盗とかに襲われたらやり返しますけど」
何とか話しかけてくれ、私の誠意が分かってもらえたのか、男性は抜きかけていた剣を納めてくれた。
「ではここで何をしているのだ?」
「その前に、あなたの名前を教えてください。私は名乗りましたよ!」
「ん、ああ、俺の名はガイエルだ。この洞窟を出て一番近くにある町のメルキスの領主の息子だ。とはいっても気楽な次男坊だがな」
「へぇ~、偉い騎士さんなんですね」
本人は気楽なんて言ってるけど、見た感じ立派な騎士みたいだし、領主の息子さんなら気楽ってほどでもないんじゃないかな?
「まだ見習いだがな。今日は仲間とこの洞窟の入り口近くの見回りをしていたのだが、急にどこかに迷い込んでしまって出口を探していたのだ。お前は?」
「私は気が付いたらここにいて、今までずっと自分を鍛えていました」
「ずっと?他の魔族は?」
「さあ?記憶にある限りは誰も知り合いはいませんね」
これに関しては魔族どころか誰もなんだけど。
「訓練といってもこんな暗闇の中ではどうしようもないだろう?」
「それが魔族は違うんですよ。魔力をこう…集中させると疑似的に暗闇でも見えるんです。だから、ライトの光がなくても地形とか詳細に見えるんです。それで、毎日剣を振ったり槍を突いたりしてました」
そう言いながら、私はお手製の槍や短剣を見せる。
「な、なんだ?この石を削ったようなぼろぼろの槍や短剣は…」
ガイエルさんは私が見せた武器にはご不満のようだ。まあ、騎士からしたらこんな原始的な石器は見たことないよね。
「その通りですよ。槍なんて持っていないので、その辺の岩場から削り出しました」
私は光に照らされた岩肌を指差して頑張ったアピールをする。
「まるで野生児だな。食料も見当たらんし、よく生きてこられたな」
「まあそこは魔族ですから。魔力さえ食べられれば後は何とでも…」
そこまで言うと、ズサッとガイエルさんが身を引く。
「いや、ガイエルさんの魔力を吸ったりしませんよ。ほら、その辺に生えてる雑草とかから魔力をもらってるんです。一方的に」
見てもらった方が早いので、私はいつも口にしている雑草を見せる。
「これは…魔力草か。こんな貴重な薬草を常用してたのか」
「えっ!?貴重なんですかこれ?」
う~ん、ここでは魔力満ちているからか、いくらでも生えてくるので雑草に近いんだけどなぁ。
「そんなことも知らないのか。いや、魔族ならそんな知識は必要ないか。これは魔力草と言って、その名前の通り食べるだけで魔力が回復する薬草だ。これを加工してマジックポーションにすることで更なる回復効果が見込める。ここに生えている大部分がこの薬草だとすると、それだけで大金持ちになれるぞ?」
「ええっ!?本当ですか!じゃあ、これを貯めて街で売れば…」
ガイエルさんの言葉に胸が躍る。人になれるのを生かして、町にも住んでみたいからお金になるものは大歓迎だ!
「おかしな魔族だな。人は襲わないし、金にうるさいし」
「い、生きていく上でお金は重要なんです!」
「まあ、その点は同意するが本当に変わっているな。お前が人間だったら俺も町に連れて行くんだがな…」
「本当ですか!人に化けられるように頑張ります!!」
ガイエルさんの言葉に希望を持った私は食い気味に発言した。まあ、実際に人間になることはもうできるんだけど、流石に出会ったばかりでそれを言うのは信用に関わる。
「べ、別に人間の町に来ても何もないと思うが…」
「そんなことはありません!きっとおいしいものがいっぱい…」
私はそこまで言うと、数々の異世界飯を頭に思い浮かべる。
「食事は魔力草だけで足りているのではなかったのか?」
「生きるためのものと美味しいものを食べたい欲求は違うんです!」
何より、町に行って食べるのは異世界飯だ。きっとおいしいんだろうなぁ。
「分かった。分かったからそんなに力を入れるな。まあ、人化する魔族の話を聞いたことはあるが、お前が無害かはまだ分からん。魔物や魔族に詳しいやつがいるから、そいつに許可を取ってからだ」
「しょうがないですね。頑張って身に付けますから、なるべく早くでお願いします」
「ああ、大人しく待っていろ」
それから、ガイエルが帰るために元の道までを魔力探知で探し、何とか彼は帰っていった。許可が取れるのが今から楽しみだ。
「おおっ、これは助かるな。…なんだと!?」
「ど、どうかしました?光が強すぎたとか?」
急にこっちを見て険しい表情を浮かべる騎士。私、何かやっちゃった?
「き、貴様、デュラハンだったのか!?」
「しまった!そのままだった!!」
何か忘れていると思ったら、人間の姿になることだった。人間になると能力が下がる以外にもここだとマイナスが大きいから忘れていた。この空洞の場所は光が当たらないからか、かなり気温が低い。だから、人の姿だと生きるのもつらいので、すっかり忘れてしまっていたのだ。
「だだだ、大丈夫です。怪しいデュラハンじゃないので!」
「怪しくなくてもデュラハンだろう!こんなところで何をしていた!」
「しゅ、修行です!人が攻撃してきても負けないように。痛いのとか嫌いなので!!」
「…」
「…」
私の言葉を受けて無言で見つめ合う。ううっ、どうにか信じて欲しいなぁ。
「それで、人を襲う気なのか?」
「襲いません!いや、流石に野盗とかに襲われたらやり返しますけど」
何とか話しかけてくれ、私の誠意が分かってもらえたのか、男性は抜きかけていた剣を納めてくれた。
「ではここで何をしているのだ?」
「その前に、あなたの名前を教えてください。私は名乗りましたよ!」
「ん、ああ、俺の名はガイエルだ。この洞窟を出て一番近くにある町のメルキスの領主の息子だ。とはいっても気楽な次男坊だがな」
「へぇ~、偉い騎士さんなんですね」
本人は気楽なんて言ってるけど、見た感じ立派な騎士みたいだし、領主の息子さんなら気楽ってほどでもないんじゃないかな?
「まだ見習いだがな。今日は仲間とこの洞窟の入り口近くの見回りをしていたのだが、急にどこかに迷い込んでしまって出口を探していたのだ。お前は?」
「私は気が付いたらここにいて、今までずっと自分を鍛えていました」
「ずっと?他の魔族は?」
「さあ?記憶にある限りは誰も知り合いはいませんね」
これに関しては魔族どころか誰もなんだけど。
「訓練といってもこんな暗闇の中ではどうしようもないだろう?」
「それが魔族は違うんですよ。魔力をこう…集中させると疑似的に暗闇でも見えるんです。だから、ライトの光がなくても地形とか詳細に見えるんです。それで、毎日剣を振ったり槍を突いたりしてました」
そう言いながら、私はお手製の槍や短剣を見せる。
「な、なんだ?この石を削ったようなぼろぼろの槍や短剣は…」
ガイエルさんは私が見せた武器にはご不満のようだ。まあ、騎士からしたらこんな原始的な石器は見たことないよね。
「その通りですよ。槍なんて持っていないので、その辺の岩場から削り出しました」
私は光に照らされた岩肌を指差して頑張ったアピールをする。
「まるで野生児だな。食料も見当たらんし、よく生きてこられたな」
「まあそこは魔族ですから。魔力さえ食べられれば後は何とでも…」
そこまで言うと、ズサッとガイエルさんが身を引く。
「いや、ガイエルさんの魔力を吸ったりしませんよ。ほら、その辺に生えてる雑草とかから魔力をもらってるんです。一方的に」
見てもらった方が早いので、私はいつも口にしている雑草を見せる。
「これは…魔力草か。こんな貴重な薬草を常用してたのか」
「えっ!?貴重なんですかこれ?」
う~ん、ここでは魔力満ちているからか、いくらでも生えてくるので雑草に近いんだけどなぁ。
「そんなことも知らないのか。いや、魔族ならそんな知識は必要ないか。これは魔力草と言って、その名前の通り食べるだけで魔力が回復する薬草だ。これを加工してマジックポーションにすることで更なる回復効果が見込める。ここに生えている大部分がこの薬草だとすると、それだけで大金持ちになれるぞ?」
「ええっ!?本当ですか!じゃあ、これを貯めて街で売れば…」
ガイエルさんの言葉に胸が躍る。人になれるのを生かして、町にも住んでみたいからお金になるものは大歓迎だ!
「おかしな魔族だな。人は襲わないし、金にうるさいし」
「い、生きていく上でお金は重要なんです!」
「まあ、その点は同意するが本当に変わっているな。お前が人間だったら俺も町に連れて行くんだがな…」
「本当ですか!人に化けられるように頑張ります!!」
ガイエルさんの言葉に希望を持った私は食い気味に発言した。まあ、実際に人間になることはもうできるんだけど、流石に出会ったばかりでそれを言うのは信用に関わる。
「べ、別に人間の町に来ても何もないと思うが…」
「そんなことはありません!きっとおいしいものがいっぱい…」
私はそこまで言うと、数々の異世界飯を頭に思い浮かべる。
「食事は魔力草だけで足りているのではなかったのか?」
「生きるためのものと美味しいものを食べたい欲求は違うんです!」
何より、町に行って食べるのは異世界飯だ。きっとおいしいんだろうなぁ。
「分かった。分かったからそんなに力を入れるな。まあ、人化する魔族の話を聞いたことはあるが、お前が無害かはまだ分からん。魔物や魔族に詳しいやつがいるから、そいつに許可を取ってからだ」
「しょうがないですね。頑張って身に付けますから、なるべく早くでお願いします」
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