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第1部 3章 新たな住まい
生活用品を揃えに
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「さて、馬車も確保できたし、最初はどこに向かう?」
「う~ん、私じゃどこに行くのがいいか分からないから、ライラお願い!」
私は必殺の人任せを発動する。実際にさっきの見学でどこまでのものがいるかなんて判断できないのだ。社会人生活もお一人様だったから、食器とかもどれぐらいあった方がいいとか分からないんだよね。
「承知しました。では、最初は武器屋に行きましょう」
「ぶ、武器屋!?どうして?」
「そんなに驚くことか?調理用のナイフを買いに行くだけだと思うが…」
「えっと、包丁を売ってる店とかは?」
「包丁?ナイフとは違うものですか?」
「うう~ん、そう言われるとどう違うか説明しにくいんだけど、料理用のナイフって言えばいいのかな?」
「ミツキのところは料理用のナイフだけで生計が立っていたの?普通の武器も売らないと難しくないかしら?」
あっ、そうか。見たところ移動も馬車だし、基本的に流通は街中で完結していそうだ。包丁を作って一般人に売ったところで、買い替え需要なんてそれなりだし、刃物なら剣も扱ってる店で売る方が買う方もメリットがあるのかな。砥石もどの道あるだろうし。
「まあ、私の村だと剣とかも個人で持ってる分だけだったような…外にはまず出なかったのであいまいですけど」
「小さい村なら商人もほとんど寄らないでしょうし、町だと全部分かれていると思ってたのね。案外、色々まとめて売ってたりするのよ。例えば鍛冶に失敗した剣なんかはスキレットやボウルになって店頭で売ってたりね」
「へ~、使い回したりしないんですね」
「そういうところもあるとは思うけれど、品質が悪くなるって言われてるからね。あんまり使い回してると評判にも関わるから、そういうのは他の鉄製品にするのよ」
「まあ、それでも木の食器の方が多いな。あっちは作るのも楽だし、作ったら後は乾燥だけで製品になるからな」
「木の食器ですか、味があっていいですよね」
「端から欠けていくけどね。最後には燃料にできるから無駄がないけど」
私達がそんな話をして歩いていると、不意に馬車が止まった。
「お嬢様、着きましたよ」
「ありがとうございます。じゃあ、店に入ってきますね。その前にと…」
馬車が止まったのは店の目の前。これなら、鎧を外しても大丈夫だろう。
「ミツキ様、大丈夫ですか?」
「大丈夫!心配しないで」
心配してくれるライラさんに笑顔で返し、鎧を脱ぐ。その裏ではライラさんが御者さんに何か言っていた。まあ、今後の予定とかかな?御者さんには店の前で待ってもらい、私たちは武器屋へと入っていった。
「いらっしゃい。ん?騎士様か。今日は何の御用で?」
「ああ、この子の家で使うナイフを探しにな」
「…そちらにあります。何かあれば呼んでください」
「分かった」
私たちは店主らしきおじさんが指さした方に向かって早速ナイフを見る。
「何だか気難しそうな人でしたね」
「まあ、武器屋から見たら料理用のナイフなんておまけもいいところだからな」
「それより、どれを使うか見ていきましょう。ミツキ様」
「はい。あれ?私も選ぶんですか?」
「もちろんです。もし、ご自身でやられる際に使いにくかったら怪我をしてしまいますよ」
「そう言われるとそうですね。じゃあ、2本だけ選びますね」
私はライラさんのガイドも受けながら、2本のナイフを選ぶ。一つは少し重くて高さがあるもの。もう一つはペティナイフで高さも刃も短いものだ。最初はもっと刃渡りの長いものも1本ぐらいと思ったけれど、力の伝わり方の問題で私だと扱いにくいとのことで見送った。
「流石ライラだな。使う人間のことをよく見ている。ミツキ、刃物はどこでも切れると思われがちだが、先に行くにつれ力が伝わりにくい。思っている以上に刃の長い刃物は慣れが必要だぞ」
「騎士であるクウィードさんにも言われると説得力が違いますね。ライラはどれにするの?」
「私ですか?そうですね。こちらとこちら、後はパンを切るのにはこちらを…」
ライラさんが手際よく数本のナイフを選んでいく。きっと私のナイフを選びながら選んでいたのだろう。
「あれ?このペティナイフ、私と同じものじゃない?」
「はい。ミツキ様がお使いになる分とは別になります」
「別に一緒でいいのに…」
「いいえ、同じものでも使っていくと持ち主の癖がついてしまいますから」
「へ~、そうなんだ。私はあんまり料理をしてこなかったから良く解らないなぁ」
もちろん、肉じゃがとか簡単な料理ならしてきたけど、食べるのも自分一人だから本格的に自炊もしてこなかったからな。
「ライラさん、もう他に見るものはないの?」
「ええ。アルテラは何かみたいものでも?」
「ちょっとだけいい?ミツキも」
「私は別に構いませんよ」
どうやらアルテラさんは飾ってある武器に興味があるようで、しばし店内を見ることになった。
「う~ん、私じゃどこに行くのがいいか分からないから、ライラお願い!」
私は必殺の人任せを発動する。実際にさっきの見学でどこまでのものがいるかなんて判断できないのだ。社会人生活もお一人様だったから、食器とかもどれぐらいあった方がいいとか分からないんだよね。
「承知しました。では、最初は武器屋に行きましょう」
「ぶ、武器屋!?どうして?」
「そんなに驚くことか?調理用のナイフを買いに行くだけだと思うが…」
「えっと、包丁を売ってる店とかは?」
「包丁?ナイフとは違うものですか?」
「うう~ん、そう言われるとどう違うか説明しにくいんだけど、料理用のナイフって言えばいいのかな?」
「ミツキのところは料理用のナイフだけで生計が立っていたの?普通の武器も売らないと難しくないかしら?」
あっ、そうか。見たところ移動も馬車だし、基本的に流通は街中で完結していそうだ。包丁を作って一般人に売ったところで、買い替え需要なんてそれなりだし、刃物なら剣も扱ってる店で売る方が買う方もメリットがあるのかな。砥石もどの道あるだろうし。
「まあ、私の村だと剣とかも個人で持ってる分だけだったような…外にはまず出なかったのであいまいですけど」
「小さい村なら商人もほとんど寄らないでしょうし、町だと全部分かれていると思ってたのね。案外、色々まとめて売ってたりするのよ。例えば鍛冶に失敗した剣なんかはスキレットやボウルになって店頭で売ってたりね」
「へ~、使い回したりしないんですね」
「そういうところもあるとは思うけれど、品質が悪くなるって言われてるからね。あんまり使い回してると評判にも関わるから、そういうのは他の鉄製品にするのよ」
「まあ、それでも木の食器の方が多いな。あっちは作るのも楽だし、作ったら後は乾燥だけで製品になるからな」
「木の食器ですか、味があっていいですよね」
「端から欠けていくけどね。最後には燃料にできるから無駄がないけど」
私達がそんな話をして歩いていると、不意に馬車が止まった。
「お嬢様、着きましたよ」
「ありがとうございます。じゃあ、店に入ってきますね。その前にと…」
馬車が止まったのは店の目の前。これなら、鎧を外しても大丈夫だろう。
「ミツキ様、大丈夫ですか?」
「大丈夫!心配しないで」
心配してくれるライラさんに笑顔で返し、鎧を脱ぐ。その裏ではライラさんが御者さんに何か言っていた。まあ、今後の予定とかかな?御者さんには店の前で待ってもらい、私たちは武器屋へと入っていった。
「いらっしゃい。ん?騎士様か。今日は何の御用で?」
「ああ、この子の家で使うナイフを探しにな」
「…そちらにあります。何かあれば呼んでください」
「分かった」
私たちは店主らしきおじさんが指さした方に向かって早速ナイフを見る。
「何だか気難しそうな人でしたね」
「まあ、武器屋から見たら料理用のナイフなんておまけもいいところだからな」
「それより、どれを使うか見ていきましょう。ミツキ様」
「はい。あれ?私も選ぶんですか?」
「もちろんです。もし、ご自身でやられる際に使いにくかったら怪我をしてしまいますよ」
「そう言われるとそうですね。じゃあ、2本だけ選びますね」
私はライラさんのガイドも受けながら、2本のナイフを選ぶ。一つは少し重くて高さがあるもの。もう一つはペティナイフで高さも刃も短いものだ。最初はもっと刃渡りの長いものも1本ぐらいと思ったけれど、力の伝わり方の問題で私だと扱いにくいとのことで見送った。
「流石ライラだな。使う人間のことをよく見ている。ミツキ、刃物はどこでも切れると思われがちだが、先に行くにつれ力が伝わりにくい。思っている以上に刃の長い刃物は慣れが必要だぞ」
「騎士であるクウィードさんにも言われると説得力が違いますね。ライラはどれにするの?」
「私ですか?そうですね。こちらとこちら、後はパンを切るのにはこちらを…」
ライラさんが手際よく数本のナイフを選んでいく。きっと私のナイフを選びながら選んでいたのだろう。
「あれ?このペティナイフ、私と同じものじゃない?」
「はい。ミツキ様がお使いになる分とは別になります」
「別に一緒でいいのに…」
「いいえ、同じものでも使っていくと持ち主の癖がついてしまいますから」
「へ~、そうなんだ。私はあんまり料理をしてこなかったから良く解らないなぁ」
もちろん、肉じゃがとか簡単な料理ならしてきたけど、食べるのも自分一人だから本格的に自炊もしてこなかったからな。
「ライラさん、もう他に見るものはないの?」
「ええ。アルテラは何かみたいものでも?」
「ちょっとだけいい?ミツキも」
「私は別に構いませんよ」
どうやらアルテラさんは飾ってある武器に興味があるようで、しばし店内を見ることになった。
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