1 / 30
第1話 靴の向きがそろう夕方
四月の上旬。風見市の港から吹く潮の匂いが、段ボールの紙の匂いに混じって、鼻の奥に残った。駅前の大通りを一本外れると、車の音が少し遠のき、代わりに洗濯物が風にあおられる布の音が聞こえる。
心咲はキャリーケースの取っ手を握り直し、地図アプリの青い点と、目の前の古い二階建てを見比べた。駅から歩いて十二分。長い木の廊下があると聞いていた通り、玄関の庇の下には、木が雨に濡れたまま乾いたような匂いが染みついている。かすれた表札は「風見荘」。引き戸は押すより引くほうが軽かった。
戸を引くと、最初に目に飛び込んだのは靴だった。つま先の向きが、一直線にそろっている。まるで校正紙の行頭が乱れないように、誰かが定規で整えたみたいに。
その定規みたいな手の持ち主が、玄関のたたきにしゃがんでいた。胸に整骨院の名札をつけた男が、小さなブラシで砂を掃いている。風見市の砂は粒が細かいのか、ブラシの先でこすれるたび、さらさらと音がした。
心咲が「こんにちは」と言い終わるより先に、男は靴を一足だけ指二本でつまみ、ほんの数センチ、向きを直した。
「すみません。靴、同じ向きのほうが落ち着くんです」
命令でも、取り繕いでもない。朝に牛乳を買う、みたいな調子で言う。
心咲は反射で「気にしないでください」と返しかけ、口の中で止めた。初対面で靴の向き。自分の胸の中の針が、ちく、と立つのが分かる。
けれど心咲は、針のまま言葉にしない。鞄から小さなメモ帳を取り出し、鉛筆で一行だけ書いた。
――今の気持ち:びっくり。ちょっとムッ。
書いてから、胸の針が少しだけ丸くなる。自分がどう感じたかを、自分が把握する。そこから順番が始まる。
「心咲さん、ですよね。名札、用意してます」
男は立ち上がり、玄関脇の木箱から白い名札を一枚取り出した。手書きの字で「心咲」。インクが少し滲んでいる。丁寧に書こうとして筆圧を上げた滲み方だ。
「俺は翔琉。翔琉って書いて、かける、です。ここ、風が強いから、初日は迷うかもしれないけど」
「迷う前に着きました」
心咲が言うと、翔琉は軽く目を丸くした。
「……すごいですね。俺、約束の十分前に着く癖があるんで。負けた」
「負けた、って」
「勝ち負けじゃないんですけど、つい」
負けた、と言いながら、悔しそうでもない。むしろ面白がっている。その顔に、心咲の胸の針がもう一段、丸くなる。
廊下は噂通り長かった。板がきしむ場所が、一定の間隔である。そこだけ踏み外さないように歩くと、自然に歩幅がそろった。壁には当番表が貼ってあり、名前が並んでいる。筆跡が三種類ある。几帳面な細字、勢いのある太字、丸っこい字。右端に小さく「冷蔵庫の貼り紙は勝手に剥がさない」と追記があり、心咲は思わずそこを二度読んだ。剥がす人がいたのだろう。
心咲の部屋は二階の角だった。窓を開けると、潮の匂いが強くなる。屋上の手すりが見え、その先に、海の白い反射がちらりと光った。壁は新しく塗り直されているのに、床板だけが年季を隠さない。スーツケースを置いた瞬間、底のキャスターが板に当たって、軽い音を立てた。
その音が、出版社の校正部で鳴っていたコピー機の音を、なぜか思い出させる。紙の束、赤字、締め切り。誰かのため息。心咲はそれをメモにせず、窓を閉めた。
共同キッチンに近づくほど、甘い匂いが濃くなる。オーブンの余熱と、砂糖が焦げる寸前の香り。そこに潮の匂いが混ざって、妙にお腹が鳴りそうになった。
「お、新顔! おかえりって言っていい?」
エプロン姿の男が、ボウルを抱えたまま振り向いた。髪に粉が少しついているのに、本人は気づいていない。机の上には切った苺と、余りそうな果物が並んでいる。
「朋行。洋菓子屋の厨房。今日、いちごが余ったんだ。味見会、する?」
「味見会、って何ですか」
「余り物を、ちゃんと幸せにする会」
朋行が真面目な顔で言った直後、にやっと笑って、スプーンを差し出した。
心咲は一瞬だけ迷い、受け取って苺のソースをひと舐めした。甘い。酸っぱさが後から追いかけてくる。舌の上の緊張がほどけ、思わず目が細くなる。
「……おいしい」
「はい、今『おいしい』いただきました。ここ、記録係は?」
「記録係って、何の」
「『おいしい』を貯金すると、落ち込んだ日に引き出せるんだよ。利子つく」
利子、という言葉がなぜか出版社っぽくて、心咲は口元を押さえた。笑い声が漏れるのは、久しぶりだった。
奥から女性が水の入ったグラスを二つ持って現れた。薄いブルーのシャツの袖をきっちりまくり、歩く速度が早いのに、揺れない。
「初日は水分。あと、話す順番、決めたほうがいい」
女性はグラスを置き、机の上に小さなカードを並べた。「自己紹介」「住み方」「困りごと」「今日の夕飯」。文字が読みやすいよう、太さがそろっている。
「姫蘭。設計。口論になりそうなときは、水を配って、席を替える。今日、まだ口論は起きてないけどね」
心咲はカードの端を指で押さえた。順番があると、安心する。原稿を読むときも、行を追う順番があるから、迷子にならない。
「……助かります」
思わず出た言葉に、自分で少し驚く。ここに来て、まだ一時間も経っていないのに。
そこへ、玄関ががらりと開く音がした。勢いよく入ってきた青年が、靴を脱ぎかけた足で一瞬止まり、つま先をそろえ直してから顔を上げた。
「新しい人? 陽向太。よろしく」
背中に小さなリュック。手には、コンビニ袋がぶら下がっている。袋の中で氷がころころ鳴った。
「練習の氷、余ったから。誰か、捻挫したとき用」
翔琉が流しの前で、陽向太の水筒を洗っていた。泡が細かい。力を入れすぎない手つきで、底の角までスポンジを滑らせる。
「水筒、忘れたら困ると思って」
「ありがとう。忘れた俺が言うのも変だけど、助かる」
さらに、階段から小さく舌打ちのような音がした。女性が一人、キッチンに顔を出し、冷蔵庫の貼り紙をちらりと見てから言った。
「苺、ここに直置きしないで。汁、残るから」
言い切ると、棚からトレイを取り出して苺を移し替え、布巾で机を拭く。動きが速い。布巾を洗い、きっちり絞ってから元の場所へ戻す。
「梨加子。……はい、新しい名札」
梨加子は心咲の名札の角を指で整え、胸元に留め直してくれた。言葉は短いのに、手だけが丁寧だった。
夕方のキッチンは音が多い。包丁がまな板を叩く音。皿が水切りかごに当たる音。窓の外で風鈴がちりん、と鳴る音。そこへ朋行の「味見会ー!」という掛け声が重なり、心咲はまた笑ってしまった。
朋行が余り物を並べ、姫蘭が「皿は五枚。スプーンは人数分」と数え、陽向太が氷を冷凍庫へ押し込み、梨加子が貼り紙を一枚追加した。「苺はトレイ」。貼り紙の字は、細くてまっすぐで、読みやすい。
心咲はその様子を見ながら、メモ帳を開いた。
――今の気持ち:まだ怖い。でも、笑ってしまった。
怖いのは、知らない家だからだけじゃない。けれど今は、それを説明しなくていい。順番がある。
夕飯は、残り物の暴走だった。朋行が果物を刻んでサラダにし、梨加子が「塩は先」と言って塩を一つまみ、翔琉が黙って皿を温め、姫蘭が席の配置を変えて「会話が偏らない」と笑う。陽向太はスプーンを落として「すみません」と言い、すぐに自分で拾って洗った。誰も大げさに責めない。
食後、翔琉が心咲にだけ小さく言った。
「屋上、案内します。風、強いけど……ここ、風の音が分かりやすいです」
分かりやすい、という言葉が、妙に胸にまっすぐ届く。心咲はうなずき、階段を上がった。
屋上の手すりは冷たかった。夜の海風が指先を撫で、髪を乱す。遠くで波が砕ける白い音がする。風鈴がちりん、と鳴るたび、胸の中のざわめきが少し整列するみたいだった。
「ここ、慣れると、音で天気が分かります」
翔琉は手すりを握りしめず、指を軽く乗せるだけで立っていた。風に逆らわない立ち方だ。
足元に、小さな赤い石が落ちているのに心咲が気づいた。夜の灯りを受けると、赤い花びらみたいな模様が内部に浮かぶ。
「それ、前からあるんです。誰かが拾って、戻して……またここに落ちてる」
翔琉はそう言って、石を心咲に差し出した。渡し方が、押しつけではなく、先に手を開いて待つ感じだった。
心咲は石を受け取り、掌で温めた。冷たいはずなのに、握ると不思議と落ち着く。
「とりあえず、預かります」
「預かる、いいですね。……返す場所、分かるまで」
心咲はうなずき、メモ帳を開いて、もう一行だけ足した。
――今の気持ち:帰る場所の形が、少し見えた。
風見荘の夜が、静かに始まった。
心咲はキャリーケースの取っ手を握り直し、地図アプリの青い点と、目の前の古い二階建てを見比べた。駅から歩いて十二分。長い木の廊下があると聞いていた通り、玄関の庇の下には、木が雨に濡れたまま乾いたような匂いが染みついている。かすれた表札は「風見荘」。引き戸は押すより引くほうが軽かった。
戸を引くと、最初に目に飛び込んだのは靴だった。つま先の向きが、一直線にそろっている。まるで校正紙の行頭が乱れないように、誰かが定規で整えたみたいに。
その定規みたいな手の持ち主が、玄関のたたきにしゃがんでいた。胸に整骨院の名札をつけた男が、小さなブラシで砂を掃いている。風見市の砂は粒が細かいのか、ブラシの先でこすれるたび、さらさらと音がした。
心咲が「こんにちは」と言い終わるより先に、男は靴を一足だけ指二本でつまみ、ほんの数センチ、向きを直した。
「すみません。靴、同じ向きのほうが落ち着くんです」
命令でも、取り繕いでもない。朝に牛乳を買う、みたいな調子で言う。
心咲は反射で「気にしないでください」と返しかけ、口の中で止めた。初対面で靴の向き。自分の胸の中の針が、ちく、と立つのが分かる。
けれど心咲は、針のまま言葉にしない。鞄から小さなメモ帳を取り出し、鉛筆で一行だけ書いた。
――今の気持ち:びっくり。ちょっとムッ。
書いてから、胸の針が少しだけ丸くなる。自分がどう感じたかを、自分が把握する。そこから順番が始まる。
「心咲さん、ですよね。名札、用意してます」
男は立ち上がり、玄関脇の木箱から白い名札を一枚取り出した。手書きの字で「心咲」。インクが少し滲んでいる。丁寧に書こうとして筆圧を上げた滲み方だ。
「俺は翔琉。翔琉って書いて、かける、です。ここ、風が強いから、初日は迷うかもしれないけど」
「迷う前に着きました」
心咲が言うと、翔琉は軽く目を丸くした。
「……すごいですね。俺、約束の十分前に着く癖があるんで。負けた」
「負けた、って」
「勝ち負けじゃないんですけど、つい」
負けた、と言いながら、悔しそうでもない。むしろ面白がっている。その顔に、心咲の胸の針がもう一段、丸くなる。
廊下は噂通り長かった。板がきしむ場所が、一定の間隔である。そこだけ踏み外さないように歩くと、自然に歩幅がそろった。壁には当番表が貼ってあり、名前が並んでいる。筆跡が三種類ある。几帳面な細字、勢いのある太字、丸っこい字。右端に小さく「冷蔵庫の貼り紙は勝手に剥がさない」と追記があり、心咲は思わずそこを二度読んだ。剥がす人がいたのだろう。
心咲の部屋は二階の角だった。窓を開けると、潮の匂いが強くなる。屋上の手すりが見え、その先に、海の白い反射がちらりと光った。壁は新しく塗り直されているのに、床板だけが年季を隠さない。スーツケースを置いた瞬間、底のキャスターが板に当たって、軽い音を立てた。
その音が、出版社の校正部で鳴っていたコピー機の音を、なぜか思い出させる。紙の束、赤字、締め切り。誰かのため息。心咲はそれをメモにせず、窓を閉めた。
共同キッチンに近づくほど、甘い匂いが濃くなる。オーブンの余熱と、砂糖が焦げる寸前の香り。そこに潮の匂いが混ざって、妙にお腹が鳴りそうになった。
「お、新顔! おかえりって言っていい?」
エプロン姿の男が、ボウルを抱えたまま振り向いた。髪に粉が少しついているのに、本人は気づいていない。机の上には切った苺と、余りそうな果物が並んでいる。
「朋行。洋菓子屋の厨房。今日、いちごが余ったんだ。味見会、する?」
「味見会、って何ですか」
「余り物を、ちゃんと幸せにする会」
朋行が真面目な顔で言った直後、にやっと笑って、スプーンを差し出した。
心咲は一瞬だけ迷い、受け取って苺のソースをひと舐めした。甘い。酸っぱさが後から追いかけてくる。舌の上の緊張がほどけ、思わず目が細くなる。
「……おいしい」
「はい、今『おいしい』いただきました。ここ、記録係は?」
「記録係って、何の」
「『おいしい』を貯金すると、落ち込んだ日に引き出せるんだよ。利子つく」
利子、という言葉がなぜか出版社っぽくて、心咲は口元を押さえた。笑い声が漏れるのは、久しぶりだった。
奥から女性が水の入ったグラスを二つ持って現れた。薄いブルーのシャツの袖をきっちりまくり、歩く速度が早いのに、揺れない。
「初日は水分。あと、話す順番、決めたほうがいい」
女性はグラスを置き、机の上に小さなカードを並べた。「自己紹介」「住み方」「困りごと」「今日の夕飯」。文字が読みやすいよう、太さがそろっている。
「姫蘭。設計。口論になりそうなときは、水を配って、席を替える。今日、まだ口論は起きてないけどね」
心咲はカードの端を指で押さえた。順番があると、安心する。原稿を読むときも、行を追う順番があるから、迷子にならない。
「……助かります」
思わず出た言葉に、自分で少し驚く。ここに来て、まだ一時間も経っていないのに。
そこへ、玄関ががらりと開く音がした。勢いよく入ってきた青年が、靴を脱ぎかけた足で一瞬止まり、つま先をそろえ直してから顔を上げた。
「新しい人? 陽向太。よろしく」
背中に小さなリュック。手には、コンビニ袋がぶら下がっている。袋の中で氷がころころ鳴った。
「練習の氷、余ったから。誰か、捻挫したとき用」
翔琉が流しの前で、陽向太の水筒を洗っていた。泡が細かい。力を入れすぎない手つきで、底の角までスポンジを滑らせる。
「水筒、忘れたら困ると思って」
「ありがとう。忘れた俺が言うのも変だけど、助かる」
さらに、階段から小さく舌打ちのような音がした。女性が一人、キッチンに顔を出し、冷蔵庫の貼り紙をちらりと見てから言った。
「苺、ここに直置きしないで。汁、残るから」
言い切ると、棚からトレイを取り出して苺を移し替え、布巾で机を拭く。動きが速い。布巾を洗い、きっちり絞ってから元の場所へ戻す。
「梨加子。……はい、新しい名札」
梨加子は心咲の名札の角を指で整え、胸元に留め直してくれた。言葉は短いのに、手だけが丁寧だった。
夕方のキッチンは音が多い。包丁がまな板を叩く音。皿が水切りかごに当たる音。窓の外で風鈴がちりん、と鳴る音。そこへ朋行の「味見会ー!」という掛け声が重なり、心咲はまた笑ってしまった。
朋行が余り物を並べ、姫蘭が「皿は五枚。スプーンは人数分」と数え、陽向太が氷を冷凍庫へ押し込み、梨加子が貼り紙を一枚追加した。「苺はトレイ」。貼り紙の字は、細くてまっすぐで、読みやすい。
心咲はその様子を見ながら、メモ帳を開いた。
――今の気持ち:まだ怖い。でも、笑ってしまった。
怖いのは、知らない家だからだけじゃない。けれど今は、それを説明しなくていい。順番がある。
夕飯は、残り物の暴走だった。朋行が果物を刻んでサラダにし、梨加子が「塩は先」と言って塩を一つまみ、翔琉が黙って皿を温め、姫蘭が席の配置を変えて「会話が偏らない」と笑う。陽向太はスプーンを落として「すみません」と言い、すぐに自分で拾って洗った。誰も大げさに責めない。
食後、翔琉が心咲にだけ小さく言った。
「屋上、案内します。風、強いけど……ここ、風の音が分かりやすいです」
分かりやすい、という言葉が、妙に胸にまっすぐ届く。心咲はうなずき、階段を上がった。
屋上の手すりは冷たかった。夜の海風が指先を撫で、髪を乱す。遠くで波が砕ける白い音がする。風鈴がちりん、と鳴るたび、胸の中のざわめきが少し整列するみたいだった。
「ここ、慣れると、音で天気が分かります」
翔琉は手すりを握りしめず、指を軽く乗せるだけで立っていた。風に逆らわない立ち方だ。
足元に、小さな赤い石が落ちているのに心咲が気づいた。夜の灯りを受けると、赤い花びらみたいな模様が内部に浮かぶ。
「それ、前からあるんです。誰かが拾って、戻して……またここに落ちてる」
翔琉はそう言って、石を心咲に差し出した。渡し方が、押しつけではなく、先に手を開いて待つ感じだった。
心咲は石を受け取り、掌で温めた。冷たいはずなのに、握ると不思議と落ち着く。
「とりあえず、預かります」
「預かる、いいですね。……返す場所、分かるまで」
心咲はうなずき、メモ帳を開いて、もう一行だけ足した。
――今の気持ち:帰る場所の形が、少し見えた。
風見荘の夜が、静かに始まった。
あなたにおすすめの小説
課長と私のほのぼの婚
藤谷 郁
恋愛
冬美が結婚したのは十も離れた年上男性。
舘林陽一35歳。
仕事はできるが、ちょっと変わった人と噂される彼は他部署の課長さん。
ひょんなことから交際が始まり、5か月後の秋、気がつけば夫婦になっていた。
※他サイトにも投稿。
※一部写真は写真ACさまよりお借りしています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
「君はいらない」と捨てられた夜、天敵の冷徹社長に「なら、俺が貰う」と拾われました。――手を出さない約束でしたが、彼の理性が限界のようです
葉山 乃愛
恋愛
【婚約破棄から始まる、不器用なライオン(冷徹社長)の猛烈な求愛!】
「俺の妻になるなら覚悟しろ。……もう、指一本逃がすつもりはない」
★あらすじ★
「美月は完璧すぎて、可愛げがないんだよ」
28歳の誕生日。
一流ホテルのウエディングプランナーである相沢美月(あいざわ みつき)は、婚約者の裏切りにより、結婚目前ですべてを失った。
雨の降る路地裏。
ヒールも折れ、心も折れてうずくまっていた美月の前に現れたのは、かつての高校時代の天敵であり、現在は勤務先の冷徹な社長 一条蓮(いちじょう れん)だった。
「捨て猫以下だな」
そう憎まれ口を叩きながらも、彼は泥だらけの美月を躊躇なく抱き上げ、最高級ペントハウスへと連れ帰る。
そして、彼が突きつけたのは、あまりにも強引な提案だった。
「住む場所がないなら、俺の家に来い。その代わり――俺の『婚約者』役を演じろ」
利害の一致した契約関係。
条件は「お互いに干渉しないこと」、そして「決して手を出さないこと」。
……のはずだったのに。
「髪、濡れたままだと風邪を引く」
「あんな男のために泣くな。顔が台無しだ」
同居生活で見えてきたのは、冷徹な仮面の下に隠された、不器用すぎるほどの優しさと独占欲。
美月が作った手料理を誰よりも美味しそうに食べ、元婚約者が復縁を迫ってくれば「俺の女に触れるな」と徹底的に排除する。
天敵だったはずの彼に守られ、凍っていた美月の心は次第に溶かされていく。
しかし、ある雷雨の夜。
美月が不用意に彼に触れた瞬間、一条の理性のタガが外れてしまい――。
「……手を出さない約束? 撤回だ」
「そんな無防備な顔で見つめて、何もしないでいられるほど、俺は聖人君子じゃない」
10年越しの片思いをこじらせたハイスペック社長 × 仕事熱心で恋愛に臆病なプランナー。
契約から始まった二人の関係が、本物の愛(溺愛)に変わるまで。
元婚約者への痛快な「ざまぁ」も収録した、極上の大人のシンデレラストーリー!
【登場人物】
◆相沢 美月(28)
ホテルの敏腕ウエディングプランナー。真面目でお人好しな性格が災いし、「つまらない女」と婚約破棄される。実は家事万能で、酔うと少しだけ甘えん坊になる(本人は無自覚)。
◆一条 蓮(28)
ホテルグループの社長。美貌と才覚を併せ持つが、他人に興味を示さないため「氷の貴公子」と呼ばれる。実は高校時代から美月を一途に想い続けており、彼女のこととなると冷静さを失う。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
藤白ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
愛を知った私は、もう二度と跪きません
阿里
恋愛
泥だらけのドレス、冷え切った食事、終わりのない書類仕事。
家族のために尽くしてきたエカテリーナに返されたのは、あまりにも残酷な追放宣告だった。
「呪われた男にでも喰われてこい」
そう笑って送り出した彼らは知らなかった。辺境伯ゼノスが、誰よりも強く、美しく、そして執着心が強い男だということを。
彼の手によって「価値ある女」へと生まれ変わったエカテリーナ。
その輝きに目が眩み、後悔して這いつくばる元家族たち。
「エカテリーナ様、どうかお助けを!」
かつて私を虐げた人たちの悲鳴を聞きながら、私は最愛の夫の腕の中で、静かに微笑む。