20 / 30
第20話 鍵とライトと、残り物の福
しおりを挟む
七月のはじめ。夕方の風見荘は、潮の匂いが台所まで入り込んで、包丁の刃にうっすら冷たさを残していた。屋上の風鈴が、昼の熱を忘れたみたいに短く鳴るたび、心咲の胸の奥が一拍遅れて縮む。
昼間、交番で渡された紙には「玄関の鍵を交換」「人感ライト」「夜の施錠確認」と、淡々と書いてあった。言葉が淡々としているのに、紙の角だけが妙に固く感じられる。心咲は、玄関の上がり框に座り込みそうになるのを堪えて、メモ帳を開いた。
『今は、安心したい』
一行書いたら、足の裏が床を踏めた。
玄関のチャイムが鳴ったのは、約束の十七時より四分早かった。翔琉が扉を開ける。整骨院の制服は着替えていて、薄いTシャツの胸元に汗が乾いた跡が残っている。右手には工具箱、左手には小さな紙袋。靴を脱ぐとき、つま先がきっちり揃う。
「……早い」
心咲が言うと、翔琉は肩をすくめるみたいに息を吐いた。
「鍵屋さん、早く来るって。俺が遅れたら、困るでしょ」
その言い方が真面目すぎて、笑いになりかける。けれど心咲は、笑う前に喉がきゅっと締まるのを感じた。紙袋の中身が、カサッと鳴る。
「それ、何ですか」
「懐中電灯。暗いと、作業できないから」
翔琉は当然みたいに言う。心咲は、当然の顔が少しだけ羨ましい。怖さを、道具に変えてしまえる手つきが。
リビングから姫蘭の声がした。
「みんな、今、玄関集合。手、空いてる人は水も持ってきて」
姫蘭はトレーにコップを並べて、歩くたびに水面が揺れないように指を添えている。廊下の長さに合わせて歩幅が一定で、角に差しかかると一瞬だけ体を斜めにして、ぶつからない線を選ぶ。
陽向太は回覧板みたいな厚紙を抱えて出てきた。昼の交番の控えを綺麗にコピーして、チェック欄をつけている。梨加子は電卓を手に、口を結んだまま靴箱の前に立った。朋行はエプロンを外し忘れて、白い粉が袖に薄くついている。
玄関の外から、金属が触れ合う音がした。鍵屋の作業車が停まり、名札をつけた男性が工具を抱えて入ってくる。姫蘭が先に名刺を受け取り、陽向太が「作業開始時刻」と「交換部品の型番」をメモする。翔琉は黙ってドアの蝶番を見て、心咲の目線が揺れているのに気づいたのか、少しだけ背中を手すりみたいに前へ出した。
「大丈夫。ここ、俺が見てる」
背中の言葉が、声より先に届く。心咲は、口が動かなくても、うなずけた。
作業が進むにつれて、玄関は小さな工場みたいになった。古い鍵穴から外された部品が、皿の上に並ぶ。ネジが転がらないように姫蘭が布巾を敷き、陽向太が「拾った人は、拾った場所も書く」と妙に厳しいルールを貼り紙にする。朋行が笑って「砂糖より管理が細かい」と言うと、梨加子が即座に返した。
「砂糖はこぼれても甘いだけ。鍵はこぼしたら、財布が泣く」
泣く、という言葉が出た瞬間、梨加子の目が一瞬だけ泳ぐ。自分の言い方が誰かを刺してきたのを、今日だけは覚えているみたいだった。けれど彼女はすぐ電卓を叩き、見積書の数字を読んだ。
「交換費用、想定より高い。ライトも二個? 玄関と、裏口? 裏口なんて、普段使ってないでしょ」
声は鋭い。でも指先が、ドアチェーンの金具を触って確かめている。ちゃんと動くか、引っかからないか。言い方と手つきが別の方向を向いているのが、風見荘の夕方には不思議と馴染む。
姫蘭がコップを配りながら、紙を一枚出した。
「順番。まず梨加子、次に提案がある人。終わったら、心咲」
カードに名前を書いて、テーブルに置く。争いになりそうな空気の角が、紙一枚で丸くなる。
朋行が手を挙げた。エプロンの紐をほどきながら、少し照れたように言う。
「俺さ、今月の試作、減らせる。新作のフルーツタルト、三回焼く予定だったけど、二回にする。材料代、浮いた分をこっちに回す」
梨加子が顔を上げる。
「……商品、減らしたら売上落ちるじゃない」
「落ちるって決めつけない。味見会で決める。二回で当てる」
朋行は、持っていたノートをぱたんと閉じた。閉じ方が、決意みたいに勢いがある。
陽向太がそれに続いた。
「ライトは二個のほうがいい。裏口っていうか、勝手口。洗濯物取り込むとき、夜も使う。暗いと足元危ない」
言いながら、靴下のかかとを指さす。こすれた跡がある。誰かの生活が、すでにそこを通っている証拠だった。
翔琉がポケットから小さな紙袋を出し、中身をテーブルに置いた。電池と、ネジの予備と、結束バンド。
「ライト、取り付けるときに足りないと困るから。これ、俺が買った」
さらりと言った後で、慌てたように付け足す。
「……みんなの分じゃない。家の分」
家、という言葉が、胸に当たる。心咲は、メモ帳を握ったまま息を吸った。今日の順番は最後。話すと決めたら、逃げない。
鍵屋の男性が最後の確認をして、カチリと新しい鍵が回る音がした。金属の音は冷たいはずなのに、今夜だけは頼もしい。姫蘭が受け取った新しい鍵を、透明な袋に入れて、共有の引き出しへしまう。引き出しの中には、当番表と、救急箱と、屋上の短冊を切るためのハサミが並んでいる。
ライトの設置は、日が落ちる前に始めた。翔琉が脚立を広げ、陽向太が取扱説明書を読み、姫蘭が「工具はここ」と廊下にマットを敷く。朋行はネジを落とさないように小皿を持ち、梨加子はブレーカーの位置を確認して、指で番号をなぞった。
「こんなに人がいるのに、緊張する」
翔琉が脚立の上で言う。真剣な顔で。
「緊張するのは、脚立が揺れるからでしょ」
姫蘭がすかさず言い換えて笑わせると、朋行が「砂糖の入れすぎも緊張する」と乗っかる。陽向太が説明書の字を追いながら、笑いを噛み殺して肩を揺らした。
ライトが付いた瞬間、白い光が玄関の壁を明るく照らした。人の影が、はっきり床に落ちる。心咲はその影を見て、怖さが増すかと思った。けれど、影が見えるということは、見えないものが減るということだった。
順番カードが最後に回ってくる。心咲はキッチンの入口に立ち、みんなの顔を見た。光に照らされて、汗の跡も、粉の跡も、真面目な眉間の皺も、全部見える。
「……費用のこと、私も怖かったです」
言った途端、舌が震えた。怖い、と言っていい場所だと分かっていても、声は勝手に小さくなる。心咲はメモ帳を開いた。昼に書いた一行を指でなぞる。
「でも、残り物には福があるって、うちの祖母が言ってました。余った材料も、余った時間も、怖さも……うまく混ぜたら、ちゃんと食べられる形になる。だから、私も、できることをする」
何をする、と言う前に、心咲は冷蔵庫を開けた。中にあるのは、昨日の味見会の残りの果物と、少し萎れた葉物と、半端な豆腐。貼り紙が揺れて「本日、鍵交換完了」と姫蘭の字で追加されている。
「今夜、残り物で夕飯作ります。フルコースじゃなくて、ちゃんと温かいやつ。帰ってきたら、みんなで食べましょう」
朋行が目を輝かせ、すぐ手を洗いに走る。
「残り物って言うな。『福』って言え。俺、手伝う」
梨加子が電卓を置き、キッチンの蛇口をひねって水を出した。音が、さっきの金属音より柔らかい。
「……無駄にしないなら、賛成。豆腐、賞味期限今日」
言い方は相変わらず短い。でも、手は包丁を取って、まな板を拭いている。
屋上から風鈴の音がまた落ちてきた。新しい鍵と新しい光が、風見荘の夕方を少しだけ変える。心咲は、怖さが完全に消えたわけじゃないと知っている。それでも、みんなの手が同じ方向に動くのを見て、胸の奥に小さな余白ができた。
その余白に、潮の匂いと、温かい湯気と、誰かの「ただいま」が入ってくる気がした。
昼間、交番で渡された紙には「玄関の鍵を交換」「人感ライト」「夜の施錠確認」と、淡々と書いてあった。言葉が淡々としているのに、紙の角だけが妙に固く感じられる。心咲は、玄関の上がり框に座り込みそうになるのを堪えて、メモ帳を開いた。
『今は、安心したい』
一行書いたら、足の裏が床を踏めた。
玄関のチャイムが鳴ったのは、約束の十七時より四分早かった。翔琉が扉を開ける。整骨院の制服は着替えていて、薄いTシャツの胸元に汗が乾いた跡が残っている。右手には工具箱、左手には小さな紙袋。靴を脱ぐとき、つま先がきっちり揃う。
「……早い」
心咲が言うと、翔琉は肩をすくめるみたいに息を吐いた。
「鍵屋さん、早く来るって。俺が遅れたら、困るでしょ」
その言い方が真面目すぎて、笑いになりかける。けれど心咲は、笑う前に喉がきゅっと締まるのを感じた。紙袋の中身が、カサッと鳴る。
「それ、何ですか」
「懐中電灯。暗いと、作業できないから」
翔琉は当然みたいに言う。心咲は、当然の顔が少しだけ羨ましい。怖さを、道具に変えてしまえる手つきが。
リビングから姫蘭の声がした。
「みんな、今、玄関集合。手、空いてる人は水も持ってきて」
姫蘭はトレーにコップを並べて、歩くたびに水面が揺れないように指を添えている。廊下の長さに合わせて歩幅が一定で、角に差しかかると一瞬だけ体を斜めにして、ぶつからない線を選ぶ。
陽向太は回覧板みたいな厚紙を抱えて出てきた。昼の交番の控えを綺麗にコピーして、チェック欄をつけている。梨加子は電卓を手に、口を結んだまま靴箱の前に立った。朋行はエプロンを外し忘れて、白い粉が袖に薄くついている。
玄関の外から、金属が触れ合う音がした。鍵屋の作業車が停まり、名札をつけた男性が工具を抱えて入ってくる。姫蘭が先に名刺を受け取り、陽向太が「作業開始時刻」と「交換部品の型番」をメモする。翔琉は黙ってドアの蝶番を見て、心咲の目線が揺れているのに気づいたのか、少しだけ背中を手すりみたいに前へ出した。
「大丈夫。ここ、俺が見てる」
背中の言葉が、声より先に届く。心咲は、口が動かなくても、うなずけた。
作業が進むにつれて、玄関は小さな工場みたいになった。古い鍵穴から外された部品が、皿の上に並ぶ。ネジが転がらないように姫蘭が布巾を敷き、陽向太が「拾った人は、拾った場所も書く」と妙に厳しいルールを貼り紙にする。朋行が笑って「砂糖より管理が細かい」と言うと、梨加子が即座に返した。
「砂糖はこぼれても甘いだけ。鍵はこぼしたら、財布が泣く」
泣く、という言葉が出た瞬間、梨加子の目が一瞬だけ泳ぐ。自分の言い方が誰かを刺してきたのを、今日だけは覚えているみたいだった。けれど彼女はすぐ電卓を叩き、見積書の数字を読んだ。
「交換費用、想定より高い。ライトも二個? 玄関と、裏口? 裏口なんて、普段使ってないでしょ」
声は鋭い。でも指先が、ドアチェーンの金具を触って確かめている。ちゃんと動くか、引っかからないか。言い方と手つきが別の方向を向いているのが、風見荘の夕方には不思議と馴染む。
姫蘭がコップを配りながら、紙を一枚出した。
「順番。まず梨加子、次に提案がある人。終わったら、心咲」
カードに名前を書いて、テーブルに置く。争いになりそうな空気の角が、紙一枚で丸くなる。
朋行が手を挙げた。エプロンの紐をほどきながら、少し照れたように言う。
「俺さ、今月の試作、減らせる。新作のフルーツタルト、三回焼く予定だったけど、二回にする。材料代、浮いた分をこっちに回す」
梨加子が顔を上げる。
「……商品、減らしたら売上落ちるじゃない」
「落ちるって決めつけない。味見会で決める。二回で当てる」
朋行は、持っていたノートをぱたんと閉じた。閉じ方が、決意みたいに勢いがある。
陽向太がそれに続いた。
「ライトは二個のほうがいい。裏口っていうか、勝手口。洗濯物取り込むとき、夜も使う。暗いと足元危ない」
言いながら、靴下のかかとを指さす。こすれた跡がある。誰かの生活が、すでにそこを通っている証拠だった。
翔琉がポケットから小さな紙袋を出し、中身をテーブルに置いた。電池と、ネジの予備と、結束バンド。
「ライト、取り付けるときに足りないと困るから。これ、俺が買った」
さらりと言った後で、慌てたように付け足す。
「……みんなの分じゃない。家の分」
家、という言葉が、胸に当たる。心咲は、メモ帳を握ったまま息を吸った。今日の順番は最後。話すと決めたら、逃げない。
鍵屋の男性が最後の確認をして、カチリと新しい鍵が回る音がした。金属の音は冷たいはずなのに、今夜だけは頼もしい。姫蘭が受け取った新しい鍵を、透明な袋に入れて、共有の引き出しへしまう。引き出しの中には、当番表と、救急箱と、屋上の短冊を切るためのハサミが並んでいる。
ライトの設置は、日が落ちる前に始めた。翔琉が脚立を広げ、陽向太が取扱説明書を読み、姫蘭が「工具はここ」と廊下にマットを敷く。朋行はネジを落とさないように小皿を持ち、梨加子はブレーカーの位置を確認して、指で番号をなぞった。
「こんなに人がいるのに、緊張する」
翔琉が脚立の上で言う。真剣な顔で。
「緊張するのは、脚立が揺れるからでしょ」
姫蘭がすかさず言い換えて笑わせると、朋行が「砂糖の入れすぎも緊張する」と乗っかる。陽向太が説明書の字を追いながら、笑いを噛み殺して肩を揺らした。
ライトが付いた瞬間、白い光が玄関の壁を明るく照らした。人の影が、はっきり床に落ちる。心咲はその影を見て、怖さが増すかと思った。けれど、影が見えるということは、見えないものが減るということだった。
順番カードが最後に回ってくる。心咲はキッチンの入口に立ち、みんなの顔を見た。光に照らされて、汗の跡も、粉の跡も、真面目な眉間の皺も、全部見える。
「……費用のこと、私も怖かったです」
言った途端、舌が震えた。怖い、と言っていい場所だと分かっていても、声は勝手に小さくなる。心咲はメモ帳を開いた。昼に書いた一行を指でなぞる。
「でも、残り物には福があるって、うちの祖母が言ってました。余った材料も、余った時間も、怖さも……うまく混ぜたら、ちゃんと食べられる形になる。だから、私も、できることをする」
何をする、と言う前に、心咲は冷蔵庫を開けた。中にあるのは、昨日の味見会の残りの果物と、少し萎れた葉物と、半端な豆腐。貼り紙が揺れて「本日、鍵交換完了」と姫蘭の字で追加されている。
「今夜、残り物で夕飯作ります。フルコースじゃなくて、ちゃんと温かいやつ。帰ってきたら、みんなで食べましょう」
朋行が目を輝かせ、すぐ手を洗いに走る。
「残り物って言うな。『福』って言え。俺、手伝う」
梨加子が電卓を置き、キッチンの蛇口をひねって水を出した。音が、さっきの金属音より柔らかい。
「……無駄にしないなら、賛成。豆腐、賞味期限今日」
言い方は相変わらず短い。でも、手は包丁を取って、まな板を拭いている。
屋上から風鈴の音がまた落ちてきた。新しい鍵と新しい光が、風見荘の夕方を少しだけ変える。心咲は、怖さが完全に消えたわけじゃないと知っている。それでも、みんなの手が同じ方向に動くのを見て、胸の奥に小さな余白ができた。
その余白に、潮の匂いと、温かい湯気と、誰かの「ただいま」が入ってくる気がした。
0
あなたにおすすめの小説
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた
今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。
レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。
不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。
レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。
それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し……
※短め
十八歳で必ず死ぬ令嬢ですが、今日もまた目を覚ましました【完結】
藤原遊
恋愛
十八歳で、私はいつも死ぬ。
そしてなぜか、また目を覚ましてしまう。
記憶を抱えたまま、幼い頃に――。
どれほど愛されても、どれほど誰かを愛しても、
結末は変わらない。
何度生きても、十八歳のその日が、私の最後になる。
それでも私は今日も微笑む。
過去を知るのは、私だけ。
もう一度、大切な人たちと過ごすために。
もう一度、恋をするために。
「どうせ死ぬのなら、あなたにまた、恋をしたいの」
十一度目の人生。
これは、記憶を繰り返す令嬢が紡ぐ、優しくて、少しだけ残酷な物語。
見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。
有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。
選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。
涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。
彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。
やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。
6年前の私へ~その6年は無駄になる~
夏見颯一
恋愛
モルディス侯爵家に嫁いだウィニアは帰ってこない夫・フォレートを待っていた。6年も経ってからようやく帰ってきたフォレートは、妻と子供を連れていた。
テンプレものです。テンプレから脱却はしておりません。
【完結】愛されないと知った時、私は
yanako
恋愛
私は聞いてしまった。
彼の本心を。
私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。
父が私の結婚相手を見つけてきた。
隣の領地の次男の彼。
幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。
そう、思っていたのだ。
(完結)姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……
泉花ゆき
恋愛
蘭珠(ランジュ)が名門である凌家の嫡男、涼珩(リャンハン)に嫁いで一年ほど経ったころ。
一向に後継ぎが出来ないことに業を煮やした夫の母親は、どこからか第二夫人として一人の女性を屋敷へ連れてくる。
やがてその女が「子が出来た」と告げると、姑も夫も大喜び。
蘭珠の実家が商いで傾いたことを口実に、彼女には離縁が言い渡される。
……けれど、蘭珠は知っていた。
夫の涼珩が、「男女が同じ寝台で眠るだけで子ができる」と本気で信じているほど無知だということを。
どんなトラブルが待っているか分からないし、離縁は望むところ。
嫁ぐ時に用意した大量の持参金は、もちろん引き上げさせていただきます。
※ゆるゆる設定です
※以前上げていた作の設定、展開を改稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる