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第26話 段取り表の赤丸と包帯の端
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九月中旬の木曜日、港町の空は早く暗くなった。整骨院のガラス戸に、海からの風がぶつかって小さく震える。待合の椅子はきちんと並び、壁のカレンダーだけが一日分めくれていた。
最後の患者が帰ると、翔琉は受付の奥でそっと靴下を脱いだ。足首の外側が、赤く熱を持っている。触れた指が熱いのに、顔はいつも通りにして、包帯の端を引っ張った。
「翔琉、今日はここで終わり。練習、行くなよ」
奥から院長の声が飛んでくる。翔琉は返事をしながら、テープを切った。
「はい。……軽く、体幹だけ」
「その“軽く”が一番やばい」
笑い声が混ざる。翔琉も口角だけ上げた。いつもなら、そこでもう一言返せるのに、今日は言葉の前に足首が主張した。立ち上がった瞬間、床が一段だけ沈んだみたいに感じる。
玄関の鈴が鳴った。
「いらっしゃいませ――」
翔琉が顔を上げると、外から冷たい風と一緒に心咲が入ってきた。買い物袋を両手に提げ、頬に少しだけ赤み。前髪が風で乱れているのに、目だけはまっすぐ翔琉を見ている。
「診てもらいに来た?」
翔琉が言うと、心咲は首を横に振った。
「迎え。……それと、確認」
確認、という言い方が妙に落ち着く。翔琉は「何を」と言いかけて、足首の包帯に視線が落ちた。心咲も同じ場所を見る。そこから目を逸らさない。
「さっき、段差でつまずいた?」
「つまずいてない」
「院長先生の声が、さっきより低い。止められてる」
翔琉は黙った。言い返す材料を探しても、足首の熱が先に答えを出してしまう。心咲は買い物袋を椅子に置き、受付カウンターの上に小さなメモを一枚置いた。罫線の引き方が綺麗で、端がそろっている。
「明日の夕方、整形外科。予約、取った」
「……え」
「電話した。『足首が悪化して、最終戦が危うい』って言ったら、空きが出た」
翔琉の胸の奥が、すっと冷える。自分が言う前に、言われた。自分が隠したいところを、隠さない形で拾われた。
「悪化って……」
「さっき、床に触れた。足で。音が違った」
心咲は、靴底の話をしているみたいな口調で言う。翔琉は笑うしかなかった。笑ったら痛みが軽くなるわけでもないのに、笑うと少しだけ呼吸が戻る。
院長が奥から顔を出した。
「お。心咲さん、ナイス。翔琉、明日は行け。俺が書類用意する」
翔琉は「はい」と言って、頭を下げた。下げた瞬間、視界の端で心咲の指が小さく握られるのが見えた。買い物袋の持ち手がきしんでいる。
外に出ると、海風がさらに強かった。街灯が点き始め、坂道の先に港のクレーンが影みたいに浮かぶ。翔琉はいつもの歩幅で歩こうとして、足首が「違う」と言った。半歩遅れる。
「待って」
心咲が、足ではなく声で止める。翔琉は立ち止まり、息を整えた。
「大丈夫。歩ける」
「歩けるのと、走れるのは別。最終戦は走る日」
「……出たい」
翔琉の言葉が、風に持っていかれそうになる。心咲はそれを拾うみたいに、短く言った。
「出るために、今は遅く歩く」
翔琉は、うまく頷けなかった。遅く歩くことが、努力に見えない。手を抜くみたいで、怖い。そう思った瞬間、心咲が買い物袋から小さな保冷袋を取り出して見せた。
「氷。二重。溶けても、床が濡れないように」
「……そこまで」
「靴の向き、そろえる人でしょ。濡れた床で滑るの、嫌い」
翔琉はそこで、やっと頷いた。自分の癖を“責め”にしないで、支えの理由にしてくれる。そのやり方が、心咲らしい。言葉が少ないのに、足元のことは見落とさない。
風見荘に着くと、玄関の前で陽向太がしゃがんでいた。手帳を開き、何かを書いている。横では姫蘭が回覧板の紙を留め直し、朋行は鍋の蓋を抱えて来るところだった。梨加子は台所のスポンジを握っていて、指先が泡で白い。
「おかえり。……足、どうした」
陽向太の視線が、翔琉の足首に止まる。翔琉が「ちょっと」と言いかける前に、心咲が先に言った。
「ちょっとじゃない。明日、整形外科」
朋行が鍋の蓋で風を受け止めながら、口を尖らせた。
「いや、いきなり真顔。鍋が泣く」
「泣くのは鍋じゃない」
姫蘭が、いつもの順番カードを取り出した。紙の角が丸くなっていて、何度も使った跡。
「はいはい。まず、翔琉。痛いのはどこ。次、心咲。段取り。次、みんな。できること」
梨加子がスポンジを置き、黙って冷蔵庫を開けた。製氷皿の残りを確認して、足りない分を水で満たす。誰も何も言わない。でも、その音が、今は一番ありがたい。
夕飯は、残り物のカレーに、朋行が勝手に“整骨院スペシャル”と名付けたヨーグルトソースが乗った。姫蘭が「それ、胃に優しいの?」と聞くと、朋行は胸を張って言う。
「優しい顔して酸っぱい。人間関係と同じ」
「今ここで言う?」
笑いが起きる。翔琉も笑いながら、足を伸ばした。笑っている間だけ、痛みが少し遠ざかる。心咲がテーブルの端に、封筒を置いた。
「これ。今日、作った」
封筒の中から出てきたのは、A4の紙だった。横線と縦線がきっちり引かれ、日付と時間が並ぶ。赤い丸が三つ。持ち物の欄に、太い字で「保険証」「タオル」「水筒(凍らせたペットボトルも可)」と書いてある。最後の欄だけ、文字が小さい。
――痛いと言うのは、負けじゃない。
翔琉は、その一行で喉が詰まった。紙の上にあるのはただの文字なのに、胸の中の固いものが、少しだけ形を変える。
「……これ、俺の休みの日に合わせた?」
「合わせた。院長先生の休みも確認した」
「……確認、が多いな」
心咲は少しだけ目を細めた。笑っているのか、考えているのか、翔琉にはまだ判別がつかない。
「最終戦まで、日数が少ない。確認しないと、抜ける」
陽向太が手帳を閉じる。
「走行距離、落ちてもいい。最終戦に立てることが先」
「それ、サッカーの人が言うと重い」
朋行が両手を上げた。
「よし。明日から、翔琉は“静かに頑張る”担当。俺は“うるさく支える”担当」
姫蘭が笑いながら紙を一枚追加する。
「当番表も変える。階段の掃除は、翔琉の週は免除。代わりに――」
「代わりに、俺がやる」
梨加子が、皿を拭きながら言った。視線は皿に固定されたまま。拭き終わった皿を重ねる手が、今日だけ少し丁寧だった。
食後、みんながそれぞれの部屋へ戻っていく。廊下の足音が遠ざかり、リビングの照明だけが残る。心咲はテーブルの上の段取り表をもう一度整え、角を指でそろえた。
翔琉は紙を見つめたまま、声を出した。
「……こういうの、頼るって言っていいのかな」
心咲は椅子に腰を下ろし、翔琉の足首に視線を落とす。包帯の端が少しめくれている。心咲は黙ってテープを切り、めくれた端を押さえた。指先が優しく、でも迷いがない。
「頼るのは、言うこと。隠さないこと。あと……一緒に決めること」
翔琉の胸が、また小さく痛んだ。今まで、自分は決めることを一人で抱えていた。決めたふりをして、実は怖くて、誰にも渡せなかった。
「……頼っていい?」
翔琉の声は、自分でも驚くほど小さかった。足首の痛みより、喉の震えのほうが大きい。
心咲はテープの端を指で押さえ、短く言った。
「うん」
それだけ。なのに、胸の中の固いものが、ほどける音がした気がした。翔琉は紙を両手で持ち、折らないように受け取った。紙の白さが、部屋の灯りで少し温かく見える。
外で風鈴が鳴った。二人とも一瞬、窓の方を見る。影が動いたように見えて、翔琉の肩が少し強張る。
心咲が立ち上がり、カーテンを少し開けた。そこにいたのは、向かいの家の猫だった。尻尾で器用に風鈴の紐を叩いている。猫は、何事もない顔で欠伸をした。
「……練習、してる」
翔琉が呟くと、心咲がカーテンを閉じながら言った。
「うちも、練習。遅く歩く練習」
翔琉は、痛い足で立ち上がり、ゆっくり一歩を踏み出した。心咲が横に立ち、肩が触れない距離で歩幅を合わせる。たったそれだけで、玄関までの廊下が、いつもより長く感じた。でも、長いのは悪くない。途中で止まっても、隣が消えないなら。
最後の患者が帰ると、翔琉は受付の奥でそっと靴下を脱いだ。足首の外側が、赤く熱を持っている。触れた指が熱いのに、顔はいつも通りにして、包帯の端を引っ張った。
「翔琉、今日はここで終わり。練習、行くなよ」
奥から院長の声が飛んでくる。翔琉は返事をしながら、テープを切った。
「はい。……軽く、体幹だけ」
「その“軽く”が一番やばい」
笑い声が混ざる。翔琉も口角だけ上げた。いつもなら、そこでもう一言返せるのに、今日は言葉の前に足首が主張した。立ち上がった瞬間、床が一段だけ沈んだみたいに感じる。
玄関の鈴が鳴った。
「いらっしゃいませ――」
翔琉が顔を上げると、外から冷たい風と一緒に心咲が入ってきた。買い物袋を両手に提げ、頬に少しだけ赤み。前髪が風で乱れているのに、目だけはまっすぐ翔琉を見ている。
「診てもらいに来た?」
翔琉が言うと、心咲は首を横に振った。
「迎え。……それと、確認」
確認、という言い方が妙に落ち着く。翔琉は「何を」と言いかけて、足首の包帯に視線が落ちた。心咲も同じ場所を見る。そこから目を逸らさない。
「さっき、段差でつまずいた?」
「つまずいてない」
「院長先生の声が、さっきより低い。止められてる」
翔琉は黙った。言い返す材料を探しても、足首の熱が先に答えを出してしまう。心咲は買い物袋を椅子に置き、受付カウンターの上に小さなメモを一枚置いた。罫線の引き方が綺麗で、端がそろっている。
「明日の夕方、整形外科。予約、取った」
「……え」
「電話した。『足首が悪化して、最終戦が危うい』って言ったら、空きが出た」
翔琉の胸の奥が、すっと冷える。自分が言う前に、言われた。自分が隠したいところを、隠さない形で拾われた。
「悪化って……」
「さっき、床に触れた。足で。音が違った」
心咲は、靴底の話をしているみたいな口調で言う。翔琉は笑うしかなかった。笑ったら痛みが軽くなるわけでもないのに、笑うと少しだけ呼吸が戻る。
院長が奥から顔を出した。
「お。心咲さん、ナイス。翔琉、明日は行け。俺が書類用意する」
翔琉は「はい」と言って、頭を下げた。下げた瞬間、視界の端で心咲の指が小さく握られるのが見えた。買い物袋の持ち手がきしんでいる。
外に出ると、海風がさらに強かった。街灯が点き始め、坂道の先に港のクレーンが影みたいに浮かぶ。翔琉はいつもの歩幅で歩こうとして、足首が「違う」と言った。半歩遅れる。
「待って」
心咲が、足ではなく声で止める。翔琉は立ち止まり、息を整えた。
「大丈夫。歩ける」
「歩けるのと、走れるのは別。最終戦は走る日」
「……出たい」
翔琉の言葉が、風に持っていかれそうになる。心咲はそれを拾うみたいに、短く言った。
「出るために、今は遅く歩く」
翔琉は、うまく頷けなかった。遅く歩くことが、努力に見えない。手を抜くみたいで、怖い。そう思った瞬間、心咲が買い物袋から小さな保冷袋を取り出して見せた。
「氷。二重。溶けても、床が濡れないように」
「……そこまで」
「靴の向き、そろえる人でしょ。濡れた床で滑るの、嫌い」
翔琉はそこで、やっと頷いた。自分の癖を“責め”にしないで、支えの理由にしてくれる。そのやり方が、心咲らしい。言葉が少ないのに、足元のことは見落とさない。
風見荘に着くと、玄関の前で陽向太がしゃがんでいた。手帳を開き、何かを書いている。横では姫蘭が回覧板の紙を留め直し、朋行は鍋の蓋を抱えて来るところだった。梨加子は台所のスポンジを握っていて、指先が泡で白い。
「おかえり。……足、どうした」
陽向太の視線が、翔琉の足首に止まる。翔琉が「ちょっと」と言いかける前に、心咲が先に言った。
「ちょっとじゃない。明日、整形外科」
朋行が鍋の蓋で風を受け止めながら、口を尖らせた。
「いや、いきなり真顔。鍋が泣く」
「泣くのは鍋じゃない」
姫蘭が、いつもの順番カードを取り出した。紙の角が丸くなっていて、何度も使った跡。
「はいはい。まず、翔琉。痛いのはどこ。次、心咲。段取り。次、みんな。できること」
梨加子がスポンジを置き、黙って冷蔵庫を開けた。製氷皿の残りを確認して、足りない分を水で満たす。誰も何も言わない。でも、その音が、今は一番ありがたい。
夕飯は、残り物のカレーに、朋行が勝手に“整骨院スペシャル”と名付けたヨーグルトソースが乗った。姫蘭が「それ、胃に優しいの?」と聞くと、朋行は胸を張って言う。
「優しい顔して酸っぱい。人間関係と同じ」
「今ここで言う?」
笑いが起きる。翔琉も笑いながら、足を伸ばした。笑っている間だけ、痛みが少し遠ざかる。心咲がテーブルの端に、封筒を置いた。
「これ。今日、作った」
封筒の中から出てきたのは、A4の紙だった。横線と縦線がきっちり引かれ、日付と時間が並ぶ。赤い丸が三つ。持ち物の欄に、太い字で「保険証」「タオル」「水筒(凍らせたペットボトルも可)」と書いてある。最後の欄だけ、文字が小さい。
――痛いと言うのは、負けじゃない。
翔琉は、その一行で喉が詰まった。紙の上にあるのはただの文字なのに、胸の中の固いものが、少しだけ形を変える。
「……これ、俺の休みの日に合わせた?」
「合わせた。院長先生の休みも確認した」
「……確認、が多いな」
心咲は少しだけ目を細めた。笑っているのか、考えているのか、翔琉にはまだ判別がつかない。
「最終戦まで、日数が少ない。確認しないと、抜ける」
陽向太が手帳を閉じる。
「走行距離、落ちてもいい。最終戦に立てることが先」
「それ、サッカーの人が言うと重い」
朋行が両手を上げた。
「よし。明日から、翔琉は“静かに頑張る”担当。俺は“うるさく支える”担当」
姫蘭が笑いながら紙を一枚追加する。
「当番表も変える。階段の掃除は、翔琉の週は免除。代わりに――」
「代わりに、俺がやる」
梨加子が、皿を拭きながら言った。視線は皿に固定されたまま。拭き終わった皿を重ねる手が、今日だけ少し丁寧だった。
食後、みんながそれぞれの部屋へ戻っていく。廊下の足音が遠ざかり、リビングの照明だけが残る。心咲はテーブルの上の段取り表をもう一度整え、角を指でそろえた。
翔琉は紙を見つめたまま、声を出した。
「……こういうの、頼るって言っていいのかな」
心咲は椅子に腰を下ろし、翔琉の足首に視線を落とす。包帯の端が少しめくれている。心咲は黙ってテープを切り、めくれた端を押さえた。指先が優しく、でも迷いがない。
「頼るのは、言うこと。隠さないこと。あと……一緒に決めること」
翔琉の胸が、また小さく痛んだ。今まで、自分は決めることを一人で抱えていた。決めたふりをして、実は怖くて、誰にも渡せなかった。
「……頼っていい?」
翔琉の声は、自分でも驚くほど小さかった。足首の痛みより、喉の震えのほうが大きい。
心咲はテープの端を指で押さえ、短く言った。
「うん」
それだけ。なのに、胸の中の固いものが、ほどける音がした気がした。翔琉は紙を両手で持ち、折らないように受け取った。紙の白さが、部屋の灯りで少し温かく見える。
外で風鈴が鳴った。二人とも一瞬、窓の方を見る。影が動いたように見えて、翔琉の肩が少し強張る。
心咲が立ち上がり、カーテンを少し開けた。そこにいたのは、向かいの家の猫だった。尻尾で器用に風鈴の紐を叩いている。猫は、何事もない顔で欠伸をした。
「……練習、してる」
翔琉が呟くと、心咲がカーテンを閉じながら言った。
「うちも、練習。遅く歩く練習」
翔琉は、痛い足で立ち上がり、ゆっくり一歩を踏み出した。心咲が横に立ち、肩が触れない距離で歩幅を合わせる。たったそれだけで、玄関までの廊下が、いつもより長く感じた。でも、長いのは悪くない。途中で止まっても、隣が消えないなら。
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