32 / 40
第32話_虚数精算反転
しおりを挟む
王宮大広間の帳簿壇上、淡い青光を放つ“計算陣”が起動し始めた。白帳派の帳将たちが円陣を組み、千年帳簿を囲む。壇の中央に立つのは総長エルヴェ。金刺繍のローブを翻し、口元に冷笑を浮かべる。
「国家の余剰は、時を超え我らの糧となるべし。いざ、“虚数精算”を!」
詠唱とともに陣の結節点が光を増し、空間がねじれ始める。壇下では貴族と官僚が立ち並び、民衆代表は遠巻きに見守っていた。
そこへ、壇へ踏み出した男が一人。
暖大だった。
その手には、褐色の革表紙で綴じられた巨大な帳簿があった。脇に控える萌衣、誠、祐香、一成、愛弓の五人は、それぞれ緊張の面持ちで場を囲む。
「その精算、国家の命脈を喰らう逆算だ。ならば――我々はその関数を反転させてもらおう」
ざわつく会場。エルヴェが冷ややかな目で笑った。
「哀れな元帳簿係が、何を寝言を。これは千年前の契約と術式だ。我ら以外、扱えるはずもなかろう」
暖大は静かに返す。
「ならば試してみるといい。この千年前の大帳簿……お前たちの術式の起点となる“原式典型”には、反転値もまた刻まれている」
彼は帳簿を開き、中央の“虚数仕訳頁”に掌を添えた。淡く文字が浮かび上がると同時に、背後の計算陣が一瞬脈動を止めた。
「詠唱を開始します。萌衣、補助を」
「了解」
萌衣の治癒術式が、暖大の脳内に直接数式を投影する。思考の迷いを消すための補助魔法だ。彼は一息吸い、低く語り始めた。
「負の等比、零点関数、そして市民一人一人の税源口座へ――」
指先が計算陣をなぞるように動き、数式が空間に刻まれてゆく。
「“虚数精算”、反転入力。開始」
次の瞬間、空間が震えた。
計算陣が、音もなく逆回転を始めたのだ。
白帳派の陣形が崩れ、数人が尻餅をつく。エルヴェは信じられぬという顔で叫ぶ。
「ば、馬鹿な! 逆算など――国庫の制御は我らの術式下にあるはず!」
祐香が会場の片隅から声をあげた。
「暖大さんは“原式典型”を元に、国家会計の関数モデルを構築していたの。すべての帳簿改竄は、逆転可能な形式で蓄積されていた」
一成がすぐさま続ける。
「そして民衆の口座へ、自動再分配が始まっている。証拠も送った。王都各地の通貨魔石が応答してる」
会場の誰かが叫ぶ。「俺の家の口座、光ってるぞ!」――次々と歓声が起きる。
愛弓が静かに壇の端へ進み、手を高く掲げた。
「これが、我らの“大返却”です! 搾取された税が、民に還る――それこそが、国家の真なる決算!」
民衆の歓声が一気に広がり、貴族たちの一部も思わず立ち尽くした。
壇上の暖大は、重い一歩を踏みしめるように語る。
「私たちは、帳簿を数字として扱うが、そこに記されるのは人の命の重みだ。君たちはそれを、ただの利得としか見なかった。ならば、その重さを思い知るがいい」
エルヴェが憤怒に震え、魔術剣を抜こうとした刹那、誠が盾を構えて前へ出た。
「これより先は、真剣の問答だな」
冷気が空気を裂き、計算陣は静かに収束へ向かっていた。空中に浮かんだ“分配記録”が、自動的に王都のすべての口座へ伝達されていく――
白帳派の結界が軋む音を立てて崩れ始めた。
計算陣の中央には、まるで天体の運行を模すような幾何魔術が展開され、空間に浮かぶ帳簿群がひとつひとつ民衆の口座と接続されてゆく。空を埋め尽くす青光の糸――それは、かつて隠されていた“搾取の証拠”が、今まさに“還元の根拠”として変化した瞬間だった。
「これは……こんな魔術、前例がない……!」
壇上で膝をつく白帳派の記録係が、蒼白な顔で呟く。暖大は、眉一つ動かさず静かに言った。
「君たちは、前例があることしかやってこなかった。それが腐敗を生んだ」
エルヴェはなおも叫ぶ。「民に金を返せば、王国の蓄積が崩壊するぞ! 今後の戦費も、王家の威光も、何もかも!」
暖大は振り返らず、応える。
「それでも民が生き残れる国家のほうが、“収支”として正しい」
その言葉は、数値を扱う者の確信だった。
決算陣が最終段階に入る。萌衣が補助魔法を切り替え、暖大の意識を支え続ける。高密度の魔力運算が脳を焼きかねない状況だが、彼は平然と式を組み替え続けていた。
会場のあちこちから歓喜の声が響く。
「娘の入院費が返ってきた……!」
「今年の種籾が買えるぞ!」
「借金が……帳消しになった……」
それらの声が、まるで祝詞のように天井へ昇っていく。
愛弓が高らかに宣言する。
「この日をもって、灰雲峡国の決算体系は、白帳派による特権制度から解き放たれました! 市民一人ひとりが納めた税は、記録され、照合され、正しく還元されます!」
それは、ただの制度変更ではなかった。
それは、国家という巨大な魔術機構を、人の手に取り戻すための“逆魔術”だった。
計算陣が、最後の点灯を示した。
すべての転送処理が完了し、原式帳簿が再封印される。暖大は、その場に膝をつく。彼の呼吸は浅く、しかし満足げだった。
「……終わった。あとは、君たちがやればいい」
萌衣がすぐに駆け寄り、肩を支える。
「まだ立っていただきますよ、暖大さん。次は、平和な世界の構築です」
誠が剣を下ろし、祐香がそっと魔符を仕舞う。一成は周囲を警戒しながら、静かに微笑んだ。
「“国家”という数字の集合体に、人間の尊厳を取り戻した。それは、あなたの功績だ、暖大さん」
大広間には、もはや白帳派の支配の気配はなかった。
暖大はふと、遠くの壁に掛けられた古い王国憲章の額縁を見やり、微かに口角を上げた。
「じゃあ次は……“引き算”の時間かな」
「国家の余剰は、時を超え我らの糧となるべし。いざ、“虚数精算”を!」
詠唱とともに陣の結節点が光を増し、空間がねじれ始める。壇下では貴族と官僚が立ち並び、民衆代表は遠巻きに見守っていた。
そこへ、壇へ踏み出した男が一人。
暖大だった。
その手には、褐色の革表紙で綴じられた巨大な帳簿があった。脇に控える萌衣、誠、祐香、一成、愛弓の五人は、それぞれ緊張の面持ちで場を囲む。
「その精算、国家の命脈を喰らう逆算だ。ならば――我々はその関数を反転させてもらおう」
ざわつく会場。エルヴェが冷ややかな目で笑った。
「哀れな元帳簿係が、何を寝言を。これは千年前の契約と術式だ。我ら以外、扱えるはずもなかろう」
暖大は静かに返す。
「ならば試してみるといい。この千年前の大帳簿……お前たちの術式の起点となる“原式典型”には、反転値もまた刻まれている」
彼は帳簿を開き、中央の“虚数仕訳頁”に掌を添えた。淡く文字が浮かび上がると同時に、背後の計算陣が一瞬脈動を止めた。
「詠唱を開始します。萌衣、補助を」
「了解」
萌衣の治癒術式が、暖大の脳内に直接数式を投影する。思考の迷いを消すための補助魔法だ。彼は一息吸い、低く語り始めた。
「負の等比、零点関数、そして市民一人一人の税源口座へ――」
指先が計算陣をなぞるように動き、数式が空間に刻まれてゆく。
「“虚数精算”、反転入力。開始」
次の瞬間、空間が震えた。
計算陣が、音もなく逆回転を始めたのだ。
白帳派の陣形が崩れ、数人が尻餅をつく。エルヴェは信じられぬという顔で叫ぶ。
「ば、馬鹿な! 逆算など――国庫の制御は我らの術式下にあるはず!」
祐香が会場の片隅から声をあげた。
「暖大さんは“原式典型”を元に、国家会計の関数モデルを構築していたの。すべての帳簿改竄は、逆転可能な形式で蓄積されていた」
一成がすぐさま続ける。
「そして民衆の口座へ、自動再分配が始まっている。証拠も送った。王都各地の通貨魔石が応答してる」
会場の誰かが叫ぶ。「俺の家の口座、光ってるぞ!」――次々と歓声が起きる。
愛弓が静かに壇の端へ進み、手を高く掲げた。
「これが、我らの“大返却”です! 搾取された税が、民に還る――それこそが、国家の真なる決算!」
民衆の歓声が一気に広がり、貴族たちの一部も思わず立ち尽くした。
壇上の暖大は、重い一歩を踏みしめるように語る。
「私たちは、帳簿を数字として扱うが、そこに記されるのは人の命の重みだ。君たちはそれを、ただの利得としか見なかった。ならば、その重さを思い知るがいい」
エルヴェが憤怒に震え、魔術剣を抜こうとした刹那、誠が盾を構えて前へ出た。
「これより先は、真剣の問答だな」
冷気が空気を裂き、計算陣は静かに収束へ向かっていた。空中に浮かんだ“分配記録”が、自動的に王都のすべての口座へ伝達されていく――
白帳派の結界が軋む音を立てて崩れ始めた。
計算陣の中央には、まるで天体の運行を模すような幾何魔術が展開され、空間に浮かぶ帳簿群がひとつひとつ民衆の口座と接続されてゆく。空を埋め尽くす青光の糸――それは、かつて隠されていた“搾取の証拠”が、今まさに“還元の根拠”として変化した瞬間だった。
「これは……こんな魔術、前例がない……!」
壇上で膝をつく白帳派の記録係が、蒼白な顔で呟く。暖大は、眉一つ動かさず静かに言った。
「君たちは、前例があることしかやってこなかった。それが腐敗を生んだ」
エルヴェはなおも叫ぶ。「民に金を返せば、王国の蓄積が崩壊するぞ! 今後の戦費も、王家の威光も、何もかも!」
暖大は振り返らず、応える。
「それでも民が生き残れる国家のほうが、“収支”として正しい」
その言葉は、数値を扱う者の確信だった。
決算陣が最終段階に入る。萌衣が補助魔法を切り替え、暖大の意識を支え続ける。高密度の魔力運算が脳を焼きかねない状況だが、彼は平然と式を組み替え続けていた。
会場のあちこちから歓喜の声が響く。
「娘の入院費が返ってきた……!」
「今年の種籾が買えるぞ!」
「借金が……帳消しになった……」
それらの声が、まるで祝詞のように天井へ昇っていく。
愛弓が高らかに宣言する。
「この日をもって、灰雲峡国の決算体系は、白帳派による特権制度から解き放たれました! 市民一人ひとりが納めた税は、記録され、照合され、正しく還元されます!」
それは、ただの制度変更ではなかった。
それは、国家という巨大な魔術機構を、人の手に取り戻すための“逆魔術”だった。
計算陣が、最後の点灯を示した。
すべての転送処理が完了し、原式帳簿が再封印される。暖大は、その場に膝をつく。彼の呼吸は浅く、しかし満足げだった。
「……終わった。あとは、君たちがやればいい」
萌衣がすぐに駆け寄り、肩を支える。
「まだ立っていただきますよ、暖大さん。次は、平和な世界の構築です」
誠が剣を下ろし、祐香がそっと魔符を仕舞う。一成は周囲を警戒しながら、静かに微笑んだ。
「“国家”という数字の集合体に、人間の尊厳を取り戻した。それは、あなたの功績だ、暖大さん」
大広間には、もはや白帳派の支配の気配はなかった。
暖大はふと、遠くの壁に掛けられた古い王国憲章の額縁を見やり、微かに口角を上げた。
「じゃあ次は……“引き算”の時間かな」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる