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第1話_追放の街角で
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王都地下迷宮、第九層。
水気を帯びた岩肌が、ぼんやりとした灯火に照らされて揺れている。魔物の唸り声が遠くで響き、仲間の足音は……しない。
剣士・巧は、背中を岩に預けながら、じりじりと剣先を魔猪へと向けた。目の前には二メートルを超える異形の魔物〈牙突きのボア〉。脳天から垂れる泥のような血に目もくれず、巧は言葉を吐く。
「……置いていかれたか。いや、“捨てられた”のほうが正しいか」
彼の仲間だった討伐隊〈暗視のロウソク亭〉は、先ほど魔猪の咆哮とともに、一斉に階段へと逃げ出した。合図もなく、相談もなく。盾役を務める巧が最前にいたにもかかわらず。
魔猪が突進してきた瞬間、唯一聞こえたのは、隊長格の男の言葉だった。
「……悪いな、巧。お前には無理だ」
それは戦況を読んだ判断ではない。ただ、巧を切り捨てる言い訳だった。
魔猪の爪が鳴る。巧は左へ飛び、剣の腹で受け流す。弾かれた衝撃で肩が悲鳴を上げたが、構わず滑るように退いた。
(使い捨ての盾ってわけか……)
視線が鋭くなる。巧は決して言葉に出さないが、胸の奥で煮え立つ感情を飲み込む。
──“敵がどう動くか”じゃない、“どう動かせるか”だ。
それが、巧の戦術眼だった。生まれ持っての才能ではない。何百回と死にかけ、命を削りながら身に着けた、戦場でしか磨かれない柔軟な動きと洞察。
体勢を整えた巧は、地面の苔を蹴って魔猪の左側面へと回り込む。魔猪が鼻息を荒げて振り向いた瞬間、その太い脚の関節へと刃を滑り込ませた。
ぐしゃり。
重い音とともに、魔猪が片膝をつく。次の瞬間、巧は飛び退いて距離を取ると、死角から岩場に隠されたルーン石を蹴り上げた。
ルーンが発動し、魔猪の眼前に強烈な閃光が弾ける。
魔猪が咆哮を上げる。だが、それは最後の抵抗だった。巧の剣が、咽喉元に走る光の軌跡とともに、一閃で貫いた。
「……勝手に、決めつけるなよ」
魔猪が崩れ落ちる。息を整えながら、巧は仲間が逃げた方角とは逆の通路へと足を向けた。
信頼も、名誉も、王都での居場所さえも、今や泥と化した。だが、まだ命だけはある。
なら、やり直すだけだ。
──迷宮を出た先で、すべてが変わるとは思いもしなかった。
* * *
王都、地上の下町。
迷宮を出て数時間。陽は落ち、夜のとばりが〈木漏れ日の樽〉という古びた酒場を包んでいた。巧は肩の傷に包帯を巻きながら、カウンターに身を預けていた。
「で? 裏切られて捨てられましたって顔で、うちの店に入ってきたのが君ってわけ?」
声をかけてきたのは、赤毛をくるくると編み込んだ女性だった。派手な羽飾りを頭に差し、背にリュートを背負っている。
──吟遊詩人。しかも相当な腕前だろう。
「顔に書いてある? 『捨てられました』って」
皮肉のつもりで返すと、彼女は満面の笑みで「うん」と頷いた。
「私はすず。物語を集めて歌にするのが仕事。君みたいな『いい話の匂いがする人』は、見逃さないの」
「……趣味が悪いな」
巧は酒を一口飲み干した。だが、すずはまるで動じない。
「そう? でもね、君……いい目をしてる。損な役回りに慣れてるくせに、誰かのために動いちゃうタイプでしょ?」
「黙って飲ませてくれ」
「だーめ。傷の話か、酒代か、どっちか払ってもらうよ?」
この女──やけに馴れ馴れしい。だが、どこか気を許したくなる声色をしていた。まるで、乾いた心にしみ込む雨のように。
と、その時。
酒場の扉が乱暴に開け放たれた。
どさり、と誰かが床に倒れる音。見ると、剣を帯びた青年が血塗れで飛び込んでいた。
「──っ、近衛、が……っ、ここも……!」
その瞬間、巧の目が鋭く光る。すずが顔を強張らせた。
──王宮近衛。それは、国王直属の武装部隊。
「すず、隠れる場所は?」
「奥の貯蔵庫! でも、まさか本当に……」
巧は青年の脇を支え、その顔を見た。整った顔立ち。だが、目の奥に深い決意を宿した青年──
「名前を聞いていいか?」
「……勇。第三王子だった……でも、今は、勘当された……逃亡者だ」
すずが息を呑んだ。彼女のように世間に明るい者ならば、「勘当された王子」の意味を理解するには十分すぎた。
勇──かつて王家の血を引くも、今は戸籍からも除かれた存在。
巧は瞬時に判断する。
(この男を見捨てれば、少なくとも王都からの追跡は受けずに済むかもしれない。だが──)
「足を動かせ、勇。死ぬ気ならそのあとにしろ」
有無を言わせず、巧は勇を抱えるようにして立ち上がる。その腕力と体捌きに、すずも目を見張った。
「店の裏手から水路へ逃げ道があるわ。でも、すぐに追手が来るわよ!」
「その前に、物陰に潜む兵の目を逸らす必要がある」
巧がそう呟いたと同時に、彼の目は酒場の梁の上にいた黒影を捉えた。
王宮近衛の斥候。既に監視が始まっていたのだ。
巧はすずのリュートに目を向ける。「弦、使えるか?」
「もちろん。音楽は戦だもの」
「……じゃあ、派手にやろう」
* * *
次の瞬間、〈木漏れ日の樽〉の中でリュートの明るい音色が響き渡った。
「さあ、皆さん! 本日の即興劇場のお時間よーっ!」
すずが高らかに歌い出す。詩の内容は、放蕩王子と恋に落ちた吟遊詩人の逃避行。まるで勇とすず自身を模したような芝居が、場内を支配する。
巧は、その隙に勇を貯蔵庫へ運び込み、床下の蓋を開けた。そこは古い下水路へと通じていた。
「感謝する。……だが、君は何者なんだ?」
勇が息を切らしながら問うた。巧は一言だけ答える。
「……ただの捨てられた冒険者さ。お前と似たようなもんだ」
その言葉に、勇はふっと口元を緩めた。
「なら、妙な縁だな」
床下へと身を沈め、蓋を閉じた瞬間、表の扉が蹴破られる音が響く。
「この中に、第三王子の潜伏情報あり!」
金属鎧の軋み。複数の足音。
だが、酒場の中央では──すずが、即興劇の“クライマックス”を歌い上げていた。
「──さあ、愛するあなた、我と共に逃げましょう! 宵闇を抜けて、自由の朝日へ!」
その瞬間、巧は酒場の外壁をよじ登って裏路地へ抜け、すずの合図と共に煙玉を放った。視界が曇る。
その混乱の中で、巧とすずは階段を駆け下り、下水路へと飛び込む。
* * *
真夜中の下水路。苔と湿気が混ざる空気の中、三人は息を整えていた。
「……助けて、くれて……ありがとう」
勇が呟く。巧は無言で頷いた。
すずはリュートを背中に戻しながら、しれっと笑う。
「まったく。次は静かな酒場で出会いたいわね、王子さま?」
「すず。俺はもう王子じゃない。……ただの追われる身だ」
「じゃあ“勇くん”ね。逃亡王子で吟遊詩人好みのキャラだわ」
からかうような声。だが、どこか優しい音が混ざっていた。
「それで? あんたたち、これからどうするの?」
すずが問うと、勇が顔を上げて真っ直ぐ巧を見る。
「俺は、王都を出る。王宮の腐敗を、この目で見た。もう逃げない。──打倒する」
「そんなことを口にしたら、ますます命が危なくなるぞ」
巧が苦笑混じりに返すと、勇は逆に堂々と答えた。
「命が惜しくて王位を捨てるなら、最初から逃げたりしない。仲間が必要なんだ。俺に力を貸してくれないか」
その言葉に、すずが驚いた顔を見せる。
巧は、少しだけ目を閉じて、しばし黙った。思い浮かぶのは──地下九層、あの魔猪の突進の瞬間。仲間たちの背。
そして、今、自分の横に立つこの男の、真っ直ぐな瞳。
「……わかった。だが条件がある」
「なんでも言え」
「俺のことも“追放者”じゃなく、仲間として見ろ」
勇は、静かに頷いた。
こうして、追放された剣士と勘当された王子。二人の物語が、地下から始まった。
水気を帯びた岩肌が、ぼんやりとした灯火に照らされて揺れている。魔物の唸り声が遠くで響き、仲間の足音は……しない。
剣士・巧は、背中を岩に預けながら、じりじりと剣先を魔猪へと向けた。目の前には二メートルを超える異形の魔物〈牙突きのボア〉。脳天から垂れる泥のような血に目もくれず、巧は言葉を吐く。
「……置いていかれたか。いや、“捨てられた”のほうが正しいか」
彼の仲間だった討伐隊〈暗視のロウソク亭〉は、先ほど魔猪の咆哮とともに、一斉に階段へと逃げ出した。合図もなく、相談もなく。盾役を務める巧が最前にいたにもかかわらず。
魔猪が突進してきた瞬間、唯一聞こえたのは、隊長格の男の言葉だった。
「……悪いな、巧。お前には無理だ」
それは戦況を読んだ判断ではない。ただ、巧を切り捨てる言い訳だった。
魔猪の爪が鳴る。巧は左へ飛び、剣の腹で受け流す。弾かれた衝撃で肩が悲鳴を上げたが、構わず滑るように退いた。
(使い捨ての盾ってわけか……)
視線が鋭くなる。巧は決して言葉に出さないが、胸の奥で煮え立つ感情を飲み込む。
──“敵がどう動くか”じゃない、“どう動かせるか”だ。
それが、巧の戦術眼だった。生まれ持っての才能ではない。何百回と死にかけ、命を削りながら身に着けた、戦場でしか磨かれない柔軟な動きと洞察。
体勢を整えた巧は、地面の苔を蹴って魔猪の左側面へと回り込む。魔猪が鼻息を荒げて振り向いた瞬間、その太い脚の関節へと刃を滑り込ませた。
ぐしゃり。
重い音とともに、魔猪が片膝をつく。次の瞬間、巧は飛び退いて距離を取ると、死角から岩場に隠されたルーン石を蹴り上げた。
ルーンが発動し、魔猪の眼前に強烈な閃光が弾ける。
魔猪が咆哮を上げる。だが、それは最後の抵抗だった。巧の剣が、咽喉元に走る光の軌跡とともに、一閃で貫いた。
「……勝手に、決めつけるなよ」
魔猪が崩れ落ちる。息を整えながら、巧は仲間が逃げた方角とは逆の通路へと足を向けた。
信頼も、名誉も、王都での居場所さえも、今や泥と化した。だが、まだ命だけはある。
なら、やり直すだけだ。
──迷宮を出た先で、すべてが変わるとは思いもしなかった。
* * *
王都、地上の下町。
迷宮を出て数時間。陽は落ち、夜のとばりが〈木漏れ日の樽〉という古びた酒場を包んでいた。巧は肩の傷に包帯を巻きながら、カウンターに身を預けていた。
「で? 裏切られて捨てられましたって顔で、うちの店に入ってきたのが君ってわけ?」
声をかけてきたのは、赤毛をくるくると編み込んだ女性だった。派手な羽飾りを頭に差し、背にリュートを背負っている。
──吟遊詩人。しかも相当な腕前だろう。
「顔に書いてある? 『捨てられました』って」
皮肉のつもりで返すと、彼女は満面の笑みで「うん」と頷いた。
「私はすず。物語を集めて歌にするのが仕事。君みたいな『いい話の匂いがする人』は、見逃さないの」
「……趣味が悪いな」
巧は酒を一口飲み干した。だが、すずはまるで動じない。
「そう? でもね、君……いい目をしてる。損な役回りに慣れてるくせに、誰かのために動いちゃうタイプでしょ?」
「黙って飲ませてくれ」
「だーめ。傷の話か、酒代か、どっちか払ってもらうよ?」
この女──やけに馴れ馴れしい。だが、どこか気を許したくなる声色をしていた。まるで、乾いた心にしみ込む雨のように。
と、その時。
酒場の扉が乱暴に開け放たれた。
どさり、と誰かが床に倒れる音。見ると、剣を帯びた青年が血塗れで飛び込んでいた。
「──っ、近衛、が……っ、ここも……!」
その瞬間、巧の目が鋭く光る。すずが顔を強張らせた。
──王宮近衛。それは、国王直属の武装部隊。
「すず、隠れる場所は?」
「奥の貯蔵庫! でも、まさか本当に……」
巧は青年の脇を支え、その顔を見た。整った顔立ち。だが、目の奥に深い決意を宿した青年──
「名前を聞いていいか?」
「……勇。第三王子だった……でも、今は、勘当された……逃亡者だ」
すずが息を呑んだ。彼女のように世間に明るい者ならば、「勘当された王子」の意味を理解するには十分すぎた。
勇──かつて王家の血を引くも、今は戸籍からも除かれた存在。
巧は瞬時に判断する。
(この男を見捨てれば、少なくとも王都からの追跡は受けずに済むかもしれない。だが──)
「足を動かせ、勇。死ぬ気ならそのあとにしろ」
有無を言わせず、巧は勇を抱えるようにして立ち上がる。その腕力と体捌きに、すずも目を見張った。
「店の裏手から水路へ逃げ道があるわ。でも、すぐに追手が来るわよ!」
「その前に、物陰に潜む兵の目を逸らす必要がある」
巧がそう呟いたと同時に、彼の目は酒場の梁の上にいた黒影を捉えた。
王宮近衛の斥候。既に監視が始まっていたのだ。
巧はすずのリュートに目を向ける。「弦、使えるか?」
「もちろん。音楽は戦だもの」
「……じゃあ、派手にやろう」
* * *
次の瞬間、〈木漏れ日の樽〉の中でリュートの明るい音色が響き渡った。
「さあ、皆さん! 本日の即興劇場のお時間よーっ!」
すずが高らかに歌い出す。詩の内容は、放蕩王子と恋に落ちた吟遊詩人の逃避行。まるで勇とすず自身を模したような芝居が、場内を支配する。
巧は、その隙に勇を貯蔵庫へ運び込み、床下の蓋を開けた。そこは古い下水路へと通じていた。
「感謝する。……だが、君は何者なんだ?」
勇が息を切らしながら問うた。巧は一言だけ答える。
「……ただの捨てられた冒険者さ。お前と似たようなもんだ」
その言葉に、勇はふっと口元を緩めた。
「なら、妙な縁だな」
床下へと身を沈め、蓋を閉じた瞬間、表の扉が蹴破られる音が響く。
「この中に、第三王子の潜伏情報あり!」
金属鎧の軋み。複数の足音。
だが、酒場の中央では──すずが、即興劇の“クライマックス”を歌い上げていた。
「──さあ、愛するあなた、我と共に逃げましょう! 宵闇を抜けて、自由の朝日へ!」
その瞬間、巧は酒場の外壁をよじ登って裏路地へ抜け、すずの合図と共に煙玉を放った。視界が曇る。
その混乱の中で、巧とすずは階段を駆け下り、下水路へと飛び込む。
* * *
真夜中の下水路。苔と湿気が混ざる空気の中、三人は息を整えていた。
「……助けて、くれて……ありがとう」
勇が呟く。巧は無言で頷いた。
すずはリュートを背中に戻しながら、しれっと笑う。
「まったく。次は静かな酒場で出会いたいわね、王子さま?」
「すず。俺はもう王子じゃない。……ただの追われる身だ」
「じゃあ“勇くん”ね。逃亡王子で吟遊詩人好みのキャラだわ」
からかうような声。だが、どこか優しい音が混ざっていた。
「それで? あんたたち、これからどうするの?」
すずが問うと、勇が顔を上げて真っ直ぐ巧を見る。
「俺は、王都を出る。王宮の腐敗を、この目で見た。もう逃げない。──打倒する」
「そんなことを口にしたら、ますます命が危なくなるぞ」
巧が苦笑混じりに返すと、勇は逆に堂々と答えた。
「命が惜しくて王位を捨てるなら、最初から逃げたりしない。仲間が必要なんだ。俺に力を貸してくれないか」
その言葉に、すずが驚いた顔を見せる。
巧は、少しだけ目を閉じて、しばし黙った。思い浮かぶのは──地下九層、あの魔猪の突進の瞬間。仲間たちの背。
そして、今、自分の横に立つこの男の、真っ直ぐな瞳。
「……わかった。だが条件がある」
「なんでも言え」
「俺のことも“追放者”じゃなく、仲間として見ろ」
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