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伯爵家の人達1
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ん…ここはどこだっけ…?
見たことが無い天井が目に入り、アルフォンスは不思議に思った。
そっか、昨日から伯爵家に居るんだったな…。
納得して起き上がると、すぐにノックの音がしてメアリーが入って来た。
「アル様、おはようございます。」
「おはよう、メアリー。」
メアリーに手伝って貰い、身支度を終えると、ダンがやってきた。
「おはようございます、アル様。メアリーに聞きまして、私もアル様と呼ばせていただきます。朝食ですが、よろしければジェイス様と一緒に召し上がりませんか?」
「分かった、良いよ。」
1人の食事は寂し過ぎるから、一緒に食べられるなんて嬉しいな。
アルフォンスがニコニコしていたら、ダンがボソッと呟く。
『ジェイスがメチャクチャ喜びそうな可愛い笑顔だ。』
「ん?何か言った?」
「いいえ何も。では食堂へ行きましょう。」
気のせいだったのかと思い、ダンとメアリーと共に食堂へ向かう。
昨日は余裕がなくて良く見られなかった屋敷は、落ち着いた雰囲気で統一感がある。使われている物は、詳しくない僕でも品があって良い物だと分かるほどだ。
公爵家に居た時は、良い物を使ってるはずだけど、派手でゴチャゴチャしてる感じで、居心地悪かったもんなぁ。
そんな事を考えてる間に食堂に着いた。
「あ、アルフォンス君、おはよう。良く眠れたかな?」
「ジェイス様、おはようございます。良く眠れました。」
ジェイス様は伯爵だから、敬語に気を付けて朝の挨拶をした。こんな感じで大丈夫かな?
ジェイス様を見ると、口を尖らせ不満そうな表情になっている。
どこか変だったかな?どうしよう。
「ジェイス様。そんな顔してないで、言わないとアル様には分かりませんよ。」
呆れ顔のダンに、より不満を表にしたジェイスはダンを睨み付けた。
「ダンずるいぞ、俺も愛称で呼びたい。」
「ったく、連れて来てやったんだから、それくらい自分でやれよ。」
ニヤッと口角を上げたダンに、ジェイスはぐぬぬと悔しがった。
そんな2人のやり取りを見て、アルフォンスは思わず、ふふっと笑ってしまった。
「アル様、こいつはいつもこんな感じなので、どうぞ仲良くしてあげてくださいね。」
「うん、分かった。」
そんな風に言われたジェイスは、顔を反らした。赤くなった顔を見せたくなかったが、耳が赤いのは隠せていない。
「はいはい、照れてる人は放っておいて。アル様、こいつの隣にどうぞ。」
「ありがとう。」
ダンはジェイスの隣の椅子を引き、アルフォンスを座らせた。その後、メアリーと一緒に食器や料理を運んできて、テーブルに並べていく。
わぁ、動きが早いし、並べ方がすごくキレイだ。あっ、僕も手伝った方が良いよね?
「あの、僕も手伝…」
「アル君は座ってて良いの。」
復活したらしいジェイスに言われ、浮かせた腰を下ろした。
「そうですよ、とりあえず今日はゆっくりしてください。明日からは手伝ってもらいますからね。」
「そっか、分かったよ。」
安心したアルフォンスは、ニコッと笑顔を見せた。
可愛らしい笑顔に、ダンが思った通りジェイスが喜び、機嫌が良くなる。
「いや~お待たせ。あ、君がアルフォンス様だね。俺は料理担当のカイ、よろしくな。大体の料理は作れるから、リクエストあれば遠慮なく言ってくれ。」
「よろしくね。何か思いついたらお願いしようかな。あと呼び方アルで良いよ。」
今度お菓子とか頼んでみようかな。
食べたいものを想像していたら、ジェイスが食事の挨拶をした。
「皆揃ったね。では、恵みに感謝し、いただこう!」
各々が食べ始めたのを見て、アルフォンスもスープを1口、口に含んだ。
「美味しい!」
空いていたお腹に染み渡り、思わず頬が緩んだ。
「口にあったようで良かった。成長期だからな、遠慮しないでいっぱい食えよ。これ手作りだから上手いぞ。」
「うん、ありがとう。」
カイがくれたバターとジャムをパンに塗り、噛る。焼きたてパンに溶けたバターとジャムの程よい甘さが合わさって、すごく美味しかった。
「これすっごく美味しい!」
夢中で食べ、あっという間に朝食を完食してしまった。
食べてる間に、使用人達の紹介してもらったら、5人しか居ないようだ。ダン、メアリー、カイの他には、今外に出ているメアリーの息子が2人。屋敷は大きいが各々有能だから、問題ないらしい。庭については年に数回庭師に頼んでるそうだ。
お腹を擦ってひと息つくと、隣から笑いを堪える声が聞こえる。ジェイスを見ると、僕を見て震えていた。
「アル君、ジャム付いてるよ。」
「え!?」
何で拭こうかと慌てていると、ジェイスが布巾を持ち、アルフォンスの口元を拭った。
「アル君って、ほんと可愛いね。」
布巾を見ると、べっとりとジャムが付いていた。
そんな結構な量を付けたまま気づかないなんて、恥ずかしい過ぎる!しかも可愛いって言われた!
赤くなってるであろう顔を両手で隠した。
「ふふっ、ごめんごめん。ダン、今日のアル君の予定は?」
「先ずは屋敷の案内ですね。その後は学力の確認。昼食後はジェイス様の手伝いをしていただく予定です。」
早速今日から勉強と仕事だ。追い出されないように頑張って働くぞ!グッと気合いを入れて、手を握った。
「え~、アル君来るの、午後だけなの?」
不満顔をしたジェイスを無視して、ダンは言った。
「ずっと居たらお前の仕事が進まないだろ。ご褒美は後だ。なんなら無しにしても良いが?」
「そんなっ!?やるから!仕事ちゃんとやるから、アル君取らないで!」
立ち上がったダンに、涙目のジェイスがすがり付いた。ダンは冷たい目でジェイスを見下ろすと、すぐにアルフォンスに笑顔を向けた。
「アル様、では屋敷を案内します。こいつは無視して行きましょう。」
「う、うん。」
ジェイスはペイッと引き剥がされ、床に転がされた。歩き出したダンに付いて食堂から出て行く。
「アル君また後でね~。」
後ろからジェイス様の弱々しい声が聞こえた。
見たことが無い天井が目に入り、アルフォンスは不思議に思った。
そっか、昨日から伯爵家に居るんだったな…。
納得して起き上がると、すぐにノックの音がしてメアリーが入って来た。
「アル様、おはようございます。」
「おはよう、メアリー。」
メアリーに手伝って貰い、身支度を終えると、ダンがやってきた。
「おはようございます、アル様。メアリーに聞きまして、私もアル様と呼ばせていただきます。朝食ですが、よろしければジェイス様と一緒に召し上がりませんか?」
「分かった、良いよ。」
1人の食事は寂し過ぎるから、一緒に食べられるなんて嬉しいな。
アルフォンスがニコニコしていたら、ダンがボソッと呟く。
『ジェイスがメチャクチャ喜びそうな可愛い笑顔だ。』
「ん?何か言った?」
「いいえ何も。では食堂へ行きましょう。」
気のせいだったのかと思い、ダンとメアリーと共に食堂へ向かう。
昨日は余裕がなくて良く見られなかった屋敷は、落ち着いた雰囲気で統一感がある。使われている物は、詳しくない僕でも品があって良い物だと分かるほどだ。
公爵家に居た時は、良い物を使ってるはずだけど、派手でゴチャゴチャしてる感じで、居心地悪かったもんなぁ。
そんな事を考えてる間に食堂に着いた。
「あ、アルフォンス君、おはよう。良く眠れたかな?」
「ジェイス様、おはようございます。良く眠れました。」
ジェイス様は伯爵だから、敬語に気を付けて朝の挨拶をした。こんな感じで大丈夫かな?
ジェイス様を見ると、口を尖らせ不満そうな表情になっている。
どこか変だったかな?どうしよう。
「ジェイス様。そんな顔してないで、言わないとアル様には分かりませんよ。」
呆れ顔のダンに、より不満を表にしたジェイスはダンを睨み付けた。
「ダンずるいぞ、俺も愛称で呼びたい。」
「ったく、連れて来てやったんだから、それくらい自分でやれよ。」
ニヤッと口角を上げたダンに、ジェイスはぐぬぬと悔しがった。
そんな2人のやり取りを見て、アルフォンスは思わず、ふふっと笑ってしまった。
「アル様、こいつはいつもこんな感じなので、どうぞ仲良くしてあげてくださいね。」
「うん、分かった。」
そんな風に言われたジェイスは、顔を反らした。赤くなった顔を見せたくなかったが、耳が赤いのは隠せていない。
「はいはい、照れてる人は放っておいて。アル様、こいつの隣にどうぞ。」
「ありがとう。」
ダンはジェイスの隣の椅子を引き、アルフォンスを座らせた。その後、メアリーと一緒に食器や料理を運んできて、テーブルに並べていく。
わぁ、動きが早いし、並べ方がすごくキレイだ。あっ、僕も手伝った方が良いよね?
「あの、僕も手伝…」
「アル君は座ってて良いの。」
復活したらしいジェイスに言われ、浮かせた腰を下ろした。
「そうですよ、とりあえず今日はゆっくりしてください。明日からは手伝ってもらいますからね。」
「そっか、分かったよ。」
安心したアルフォンスは、ニコッと笑顔を見せた。
可愛らしい笑顔に、ダンが思った通りジェイスが喜び、機嫌が良くなる。
「いや~お待たせ。あ、君がアルフォンス様だね。俺は料理担当のカイ、よろしくな。大体の料理は作れるから、リクエストあれば遠慮なく言ってくれ。」
「よろしくね。何か思いついたらお願いしようかな。あと呼び方アルで良いよ。」
今度お菓子とか頼んでみようかな。
食べたいものを想像していたら、ジェイスが食事の挨拶をした。
「皆揃ったね。では、恵みに感謝し、いただこう!」
各々が食べ始めたのを見て、アルフォンスもスープを1口、口に含んだ。
「美味しい!」
空いていたお腹に染み渡り、思わず頬が緩んだ。
「口にあったようで良かった。成長期だからな、遠慮しないでいっぱい食えよ。これ手作りだから上手いぞ。」
「うん、ありがとう。」
カイがくれたバターとジャムをパンに塗り、噛る。焼きたてパンに溶けたバターとジャムの程よい甘さが合わさって、すごく美味しかった。
「これすっごく美味しい!」
夢中で食べ、あっという間に朝食を完食してしまった。
食べてる間に、使用人達の紹介してもらったら、5人しか居ないようだ。ダン、メアリー、カイの他には、今外に出ているメアリーの息子が2人。屋敷は大きいが各々有能だから、問題ないらしい。庭については年に数回庭師に頼んでるそうだ。
お腹を擦ってひと息つくと、隣から笑いを堪える声が聞こえる。ジェイスを見ると、僕を見て震えていた。
「アル君、ジャム付いてるよ。」
「え!?」
何で拭こうかと慌てていると、ジェイスが布巾を持ち、アルフォンスの口元を拭った。
「アル君って、ほんと可愛いね。」
布巾を見ると、べっとりとジャムが付いていた。
そんな結構な量を付けたまま気づかないなんて、恥ずかしい過ぎる!しかも可愛いって言われた!
赤くなってるであろう顔を両手で隠した。
「ふふっ、ごめんごめん。ダン、今日のアル君の予定は?」
「先ずは屋敷の案内ですね。その後は学力の確認。昼食後はジェイス様の手伝いをしていただく予定です。」
早速今日から勉強と仕事だ。追い出されないように頑張って働くぞ!グッと気合いを入れて、手を握った。
「え~、アル君来るの、午後だけなの?」
不満顔をしたジェイスを無視して、ダンは言った。
「ずっと居たらお前の仕事が進まないだろ。ご褒美は後だ。なんなら無しにしても良いが?」
「そんなっ!?やるから!仕事ちゃんとやるから、アル君取らないで!」
立ち上がったダンに、涙目のジェイスがすがり付いた。ダンは冷たい目でジェイスを見下ろすと、すぐにアルフォンスに笑顔を向けた。
「アル様、では屋敷を案内します。こいつは無視して行きましょう。」
「う、うん。」
ジェイスはペイッと引き剥がされ、床に転がされた。歩き出したダンに付いて食堂から出て行く。
「アル君また後でね~。」
後ろからジェイス様の弱々しい声が聞こえた。
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