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第2章 港湾都市
28話 食卓を囲んで
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「魔術協会からの返信? 昨日の今日で来るわけ無いだろう。今日中に回答が来れば早い方だ」
朝一番でレオナルドの野郎に胸の印のことを聞きに行ったら、これだ。
「連絡が来ればレーテ、君に報告している。それまで部屋で待つなり、街でも歩いて時間を潰していてくれ」
首に巻いた飾り布を直しながら、こちらを見ずに言葉を続ける。
「君の連れている大飯食らい、適当に外で食事をさせておいてくれ。あれだけ食べるなら、量優先の街中の食事処で食わせたほうがマシだ」
誰が大飯食らいだ。
「ここに滞在している間はどこへ行くのも自由だが、屋敷の物を壊したり、無駄な買い物はしないでくれ。君は金銭感覚がなさすぎるからな」
「人のことを浪費家みたいに言ってくれるね」
「金銭感覚のない人間なんて、浪費家と変わらないだろ」
「私が浪費家なら、レオナルドは守銭奴じゃないのかい?」
「守銭奴大いに結構。金の価値を知らないより万倍ましだ」
こいつら絶対に友達じゃねえな。
「後で執事に金を持って行かせる。この街にいる間はそれでやりくりしてくれ、いいな」
そこまで言うと、野郎さっさとどこかへ行っちまいやがった。
「私一人だったら、部屋でじっとしてるだけでも良いのだけれど……ゴーヴァンは嫌だよね」
「当ったり前だろうが」
一日中部屋に閉じこもりっきりなんざ、牢の中にいるのと変わりねえ。
「なら、ゴーヴァンの朝食がてら、市場の方にでも行ってみるかね」
てことで、金受け取って市場に来て、飯食ってる。
「しっかし、んむっ、オメェもなんあ食っとけよ、あぐっ」
「血以外を食べたところで腹も膨れないからね。食べるだけ無駄さね」
「んぐっ、無駄とかそういうんじゃねえ。この街に来るまでも思ったんだけど、こういう時は一人で食うより、誰かと食う方が美味いんだよ」
今の今まで、コイツが食い物を口にしたところを見たことがない。
二人で食事を囲んでいるのに、一人だけで食ってるってのは、何か変な感じがするのは確かだ。
「一緒に食事、か」
そう言うと、近くのスープの皿を手に取り、匙で一口掬う。
ん……黙っちまったけど、どうしたんだ?
「こういう味、だったんだね。ゴーヴァンは、これを美味しいと言っていたんだね」
「だろ? 美味いよな?」
「ああ、美味しいとも。そうか、料理というのはこういう味だったんだね」
義兄さん、姉さんと一緒に食事をしていたガキの頃を思い出す。
こうやって誰かと食事するってのは、やっぱ、いいものなんだな。
ああ、でもレオナルドみたいな野郎はゴメンだ。
コイツがどのくらい食えるかわからねえから、店員から空の皿を出してもらって、食いたいと言った物を少しずつ取り分けてやる。
ガキの頃は猟が上手く言ったときや、畑が豊作だったときはこうやって器いっぱいに飯を盛ってもらったっけか。
「嬉しそうに、食事をするんだね」
「そうか?」
「さっきから、尾の先が小刻みに揺れているのは違うのかね?」
顔に血が登って熱くなる感覚。
「オメェ、尾が動いてるの見ても言うんじゃねえよ。ガキ見てえで恥ずかしいだろうが」
「え、尾のある種はそういうものなのかね?」
「他は知らねえけど、オレの故郷じゃ尾で気持ちが出るのはガキだけだ」
「別に構わないじゃないかい。それはそれで可愛らしいと思うけどね」
「戦士が可愛いだなんて言われても嬉しかねえ!」
レーテから顔をそらす。
クスクスと笑う声と、美味しいという声が、交互に聞こえていた。
朝一番でレオナルドの野郎に胸の印のことを聞きに行ったら、これだ。
「連絡が来ればレーテ、君に報告している。それまで部屋で待つなり、街でも歩いて時間を潰していてくれ」
首に巻いた飾り布を直しながら、こちらを見ずに言葉を続ける。
「君の連れている大飯食らい、適当に外で食事をさせておいてくれ。あれだけ食べるなら、量優先の街中の食事処で食わせたほうがマシだ」
誰が大飯食らいだ。
「ここに滞在している間はどこへ行くのも自由だが、屋敷の物を壊したり、無駄な買い物はしないでくれ。君は金銭感覚がなさすぎるからな」
「人のことを浪費家みたいに言ってくれるね」
「金銭感覚のない人間なんて、浪費家と変わらないだろ」
「私が浪費家なら、レオナルドは守銭奴じゃないのかい?」
「守銭奴大いに結構。金の価値を知らないより万倍ましだ」
こいつら絶対に友達じゃねえな。
「後で執事に金を持って行かせる。この街にいる間はそれでやりくりしてくれ、いいな」
そこまで言うと、野郎さっさとどこかへ行っちまいやがった。
「私一人だったら、部屋でじっとしてるだけでも良いのだけれど……ゴーヴァンは嫌だよね」
「当ったり前だろうが」
一日中部屋に閉じこもりっきりなんざ、牢の中にいるのと変わりねえ。
「なら、ゴーヴァンの朝食がてら、市場の方にでも行ってみるかね」
てことで、金受け取って市場に来て、飯食ってる。
「しっかし、んむっ、オメェもなんあ食っとけよ、あぐっ」
「血以外を食べたところで腹も膨れないからね。食べるだけ無駄さね」
「んぐっ、無駄とかそういうんじゃねえ。この街に来るまでも思ったんだけど、こういう時は一人で食うより、誰かと食う方が美味いんだよ」
今の今まで、コイツが食い物を口にしたところを見たことがない。
二人で食事を囲んでいるのに、一人だけで食ってるってのは、何か変な感じがするのは確かだ。
「一緒に食事、か」
そう言うと、近くのスープの皿を手に取り、匙で一口掬う。
ん……黙っちまったけど、どうしたんだ?
「こういう味、だったんだね。ゴーヴァンは、これを美味しいと言っていたんだね」
「だろ? 美味いよな?」
「ああ、美味しいとも。そうか、料理というのはこういう味だったんだね」
義兄さん、姉さんと一緒に食事をしていたガキの頃を思い出す。
こうやって誰かと食事するってのは、やっぱ、いいものなんだな。
ああ、でもレオナルドみたいな野郎はゴメンだ。
コイツがどのくらい食えるかわからねえから、店員から空の皿を出してもらって、食いたいと言った物を少しずつ取り分けてやる。
ガキの頃は猟が上手く言ったときや、畑が豊作だったときはこうやって器いっぱいに飯を盛ってもらったっけか。
「嬉しそうに、食事をするんだね」
「そうか?」
「さっきから、尾の先が小刻みに揺れているのは違うのかね?」
顔に血が登って熱くなる感覚。
「オメェ、尾が動いてるの見ても言うんじゃねえよ。ガキ見てえで恥ずかしいだろうが」
「え、尾のある種はそういうものなのかね?」
「他は知らねえけど、オレの故郷じゃ尾で気持ちが出るのはガキだけだ」
「別に構わないじゃないかい。それはそれで可愛らしいと思うけどね」
「戦士が可愛いだなんて言われても嬉しかねえ!」
レーテから顔をそらす。
クスクスと笑う声と、美味しいという声が、交互に聞こえていた。
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