その口吻(くちづけ)は毒より甘く

門音日月

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第2章 港湾都市

29話 旧市街の少年

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「あー食った食った」
「朝からよく食べるね」
「腹ぁへってたんだから、当然だろ」
 朝飯を食って、何をしたものかと街を歩いていて気になったことをレーテに聞いてみる。
「この街は街の中にも壁があるんだな」
「あの壁は旧市街の城壁、らしいね」
 らしい?
「私が本当に周りのことに無頓着というか、無関心だったからね。私の活動する範囲外のことは、本当に知らなくてね」
「てことは、行ったことはないんだよな? だったら行ってみようぜ、いい暇つぶしになりそうだしな」
 レーテは何かを思い出そうとしているのか、唇に指を当て考えている。
「行くのは構わないのだけどね、確かレオナルドが旧市街は」
「あの野郎の行ったことだろ、どうせ大したことじゃねえさ。行ってから思い出しゃいいだろ」
 どうせしばらくやることもねえんだ、行ける場所に行ってから次にやること考えりゃあいいってもんだ。
 古い壁を目指し歩いていく。城壁ってことはどこかに門があるだろうから、突き当たったところで適当に曲がって壁沿いに歩いていく。
 暫く歩くと、壁の内外に行き交う人の流れを見つけた。あそこかと思い行ってみたら、当たりだ、城壁と同じくらい古臭い門があった。
 古い城門をくぐった先は、城門以上に古びた雰囲気の街並みだった。
「はあぁ、門の向こうとこっちで全然違う街じゃねえか」
「来るのは初めてだけれど、本当に別の街だね。レオナルドの言っていたことだけどね」
 道は石畳にはなっておらず、土がむき出しのままだ。雨が降れば水溜りになるだろう、大小のヘコみが所々にある。
「治安が悪いと言っていたと思うよ。この辺り一帯壊して新しい街に作り変えたい、とかなんとかも言っていたね」
 治安が悪いか……なるほどな、確かに時折すれ違うやつがレーテの方を見ている。盗りやすそうと思われてるか、拐いやすそうと思われているか、まあロクでもない理由なんだろうな。
「オメェ財布取られんじゃねえぞ」
「ゴーヴァンが周りに睨みを効かせているうちは、大丈夫だと思うけどね。自分から危ない場所に飛び込むつもりはないから、安心おしね」
 オレぁ用心棒じゃねえっつうの。
「しかしここは、何にもねえな」
「店や市場は壁の向こうにしか無いのかも知れないね」
「じゃあ、特にこれと言って見るものなし、てことか」
「少なくともゴーヴァンが見て、楽しめるような場所はないのじゃないかね」
 特に面白え物もねえんなら、壁の向こう側に戻るか。
 もう戻るかと来た方を見た時、細い路地が見えた。子供が転がっている。そこに犬種の男が近づいてきたかと思ったら、子供が蹴り上げられていた。
 駆け出していた。ただ何も言わず、男の顔を殴りつけていた。
「オイ、大丈夫か!」
 蹴られた腹を抑え、丸くなっている子供を抱き起こす。
「なにしやがぐべっ!」
 子供を腕に抱えたまま、男の腹に蹴りを一撃。
「黙ってろ! オイ、オレの言葉がわかるか」
 頭が小さく経てに動く。腹を蹴られたのか苦しそうにしちゃいるが、意識はあるみたいだ。
「待て……そいつは」
「あ゛ぁっ!」
 腹をおさえて這いつくばっている男に睨みをきかせ、牙を見せて笑いかけてやる。
「コイツに用があるならオレが聞いてやるぞ」
 短い悲鳴を残し、男は路地の奥へと消えていった。
「ゴーヴァン、何をやっているのかね」
 今更のようにレーテがこちらにやってくる。
「ああ、コイツが……」
 あれ、この子供の顔見たことあるような。犬種の子供って、最近何かあったような。
「この子供、昨日私の財布をすった子供だね」
 は?
「オッサンのお陰で助かったぜ。バレてボコられたときはヤバいと思ったけど、お陰でこいつは盗れたからさ」
 ひょっとしてこれ……スリの片棒担いでねえ?
 あの男の姿はもう見えない。これ、オレやっちまった?
「オッサン、もう降ろせよ」
「お、オイ、こういう場合ってどうすりゃいいんだ?」
「街の警備官に事情を話して、その子供と財布を渡すしか無いのじゃないかね」
 レーテがそう言うと、途端に腕の中のガキが暴れ出す。
「行かねえぞ、おれは! 離せ、おーろーせー!」
「誰が下ろすか! 人にスリの片棒担がせやがって!」
「オッサンが勝手に暴れただけだろ!」
「そこはその子供の言うとおりだね。突然飛び出して、相手を殴る蹴るしたのはゴーヴァンだ」
 言い返す言葉が見つからねえ。
「いいからもうおろ……っつう」
 オレを蹴りつけると、顔をしかめ片足を抑える。
「なんだ、足でも痛めてんのか」
「関係ねえだろ。おろせってんだよ」
 どうしたもんだろうな、コイツ。
 暴れようとしはするが、足が相当痛むのか
「いっそ、医者にでも連れて行くかね?」
「医者が金のないおれのことなんて診てくれるもんかよ」
「なら家にでも連れて行って、子供を預けて、財布は届けることにしようかね」
 家、という言葉を聞いてガキの動きが止まる。
「なんだよ、都合悪いことでもあんのか?」
「エレオノーラに知られたくない」
「エレオノーラ? 家族の名前かい?」
「おれのいる孤児院の修導女だよ」
 修導女と聞いて、コイツにスられた時に出てきた修導女の顔が浮かぶ。まあ同じ奴が出てくるってことはねえだろ。
「ならその孤児院に行こうかね。お説教してもらうにしても、怪我の治療をするにしても、その方が良いだろうさね」
「ちゃっちゃと場所教えろ。そこまで連れてってやっから」
 でも、だって、と言い難そうにしていたが、オレから逃げられないと分かったんだろう、渋々と言った顔で孤児院の場所を話し始めた。



 グズをこねるガキに案内され着いた建物に入ると、中にいた女と目が合った。
「カルロ! どこへ行っていたの!」
 よく見ればそれは昨日オレに頭を下げた修導女で、顔色を変えて駆け寄ってきた。
「カルロ、その方達は」
 言い難そうに目をそらす。カルロってのな、このガキ。
 言えねえよな。財布スろうとしたらバレて失敗、しかもそれが原因で蹴り飛ばされてたなんて、言えねえよな。
「タチの悪い連中に絡まれてたんだよ、コイツ」
「それをゴーヴァンが助けたというわけさね」
「で、コイツどこで休ませてやりゃあいいんだ?」
 修導女は驚いた顔でオレを見る。
「助けていただいただけでなく、カルロの心配までして下さるだなんて……こちらです」
「大丈夫だよエレオノーラ、おれ別に」
「無理すんじゃねえ。足痛めてんだろうが」
 カルロを担いだまま、女の後をついていく。
「レーテ、何してんだ?」
「いや、私はどうしたものかと思ってね。ついて行っても、邪魔になるだけの気がしてね。」
「別に来りゃいいだろ、そんな気にする程のことか」
「お気になさらず、お入りください。この辺りは、女性が一人で外にいるには、その少々……」
「そうかい、じゃあお邪魔させてもらうかね」
 別段広い建物じゃなかった。入り口を入って、すぐそばの階段を上がって、その近くにある扉に入ると、ベッドが3つ並べられているだけの狭い部屋だった。
「ここへお願いいたします」
 女に言われたベッドにおろし、靴を脱がそうとしたときも、カルロは何度も痛みを耐えるような顔し、声が出るのをこらえていた。
 結構腫れてるなるな、こりゃ。
「なあ、水と長い布があったら持ってきてくれねえか」
「はい、わかりました。カルロ、もう少し我慢していてちょうだい」
 女が部屋から出ていくと、代りにレーテが中に入り、カルロに手を差し出す。
「さあ、今のうちに盗った物をお渡し」
 無言で懐から取り出したものを渡すカルロ。
「これは私が届ける場所に届けておくよ」
「ったく、人にスリの片棒まで担がせやがって」
「オッサンが勝手に勘違いしただけだろ」
「んだとこのガキゃあ、テメェがスリなんてやるからこんな目にあったんだろうが」
「うっせえな、おれが何しようがおれの勝手だろ」
「ちったぁ反省してんのか、いや、しろ」
「ゴーヴァン、子供と言い合ってどうするさね」
 レーテの言葉に頭が冷える。
 オレぁこんなガキ相手に、何ムキになってんだ。
「お待たせしました。これでよろしいでしょうか。」
 丁度いいところで、修導女が戻ってきた。
 手にした桶の中の水は、井戸から汲んできたばかりなのか冷たく丁度いい。
「ほら、桶の中に足入れて冷やせ。えっと」
「エレオノーラと申します」
「エレオノーラ、怪我した足の固定の仕方教えるから、覚えてくれ」
 カルロの無事な方の足に、布を巻いて固定する。
 エレオノーラは真剣な顔つきでオレの手元をじっと見ていた。
「随分と上手いものだね。それならゴーヴァンがやってやればいいだろうに」
「いつまでも邪魔してるわけに行かねえだろ。」
 オレの言葉を聞いたエレオノーラが、心底申し訳無さそうな顔になる。
「申し訳ありません。怪我をしたカルロを連れて来てくださったのに、何のおもてなしも出来ず」
「いいんだよ、エレオノーラ。そのオッサン達のことなんか気にしなくたって」
「カルロ、なんてことを言うの」
「いいじゃないかい、ゴーヴァン。それなら休憩がてら、ここで少し休ませてもらおうじゃないかね」
「ええ、是非そうなさってください」
 特にやることもないから、ここで時間をつぶすのは構わねんだが。
「なんだよ、とっとと帰れオッサン」
 このガキと、もうしばらく一緒にいなきゃいけないってのが腹が立つ。



 結局カルロの足が冷えるまで待って、足の固定をしてやった。待っている間も足を固定してる間も、オレに対して減らず口を叩くわ無事な方の足で蹴ってくるわ、全っ然可愛くねえガキだった。お礼の一言も言えねえのかっつうの。
 それから修導女に案内され、少し広い部屋に通される。
 明り取り用の窓から僅かに光が差し込み、他よりも明るく感じられる部屋だった。
「お水くらいしか、お出しできませんが」
 水の入った木製のコップがオレ達の前に並べられる。
「カルロのこと、本当にありがとうございました。」
 深々と頭を下げられる。
「私はこの孤児院で子どもたちの世話をしている、エレオノーラと申します。宜しければ、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
「オレぁはゴーヴァンだ」
「私はレーテさね」
「ゴーヴァン様、レーテ様。どうか、カルロのことは責めないでいただけないでしょうか。あの子が悪徳に見を染めるのは、皆、私の不甲斐なさゆえなのです。」
 レーテが腰に下げた小袋から、薄汚れた財布を出す。
「じゃあ、これについては何も言わなくてもわかる、と言うことかね?」
「はい。あの子が盗んだもの、ですね」
「アイツがスリやってんの分かってて、放ってんのか」
「何度も止めるように言ってはいるのです。当然、そうやって盗んできたお金は警備官の方に、遺失物として届けております。ですがカルロは、弟と妹達の為だからと、盗むことを止めてはくれないのです」
 エレオノーラの言葉に、ふと義兄さんと姉さんの顔が浮かんだ。
「教導会からの支援金だけでは生活が苦しく、私自身もなんとかしようとしてはいるのですが」
「生活が苦しくて盗んだ、か。まあ珍しい話じゃないんだろうね」
「だからって盗んでいいかどうかは、話が違うだろ」
「仰るとおりです」
 俺達の向かいの椅子にエレオノーラが腰掛ける。
「ですが私一人で働いて得られる収入も限りがあるのは事実。それをあの子は、どこかで感じているのかも知れません」
 顔を曇らせるが、すぐに明るい顔に変わる。
「けれど真面目に働こうともしてくれているのですよ。港や市場に通って、仕事を探してきたと話してくれるんです」
 それ、スリに行ってんじゃねえか、と思ったが黙っておくことにした。
 人の物を盗んでいいなんて思っちゃいないが、カルロのやっている理由だ。同じ境遇だったとしても、義兄さんや姉さんがそんなことをやるのは想像もできない。
 でもオレはどうだ? 義兄さんや姉さんがエレオノーラと同じだったら、アイツと同じことをしないでいられるか?
「そう言えば孤児院と言っていたけど、他に子供はいないのかね?」
「今はカルロの他に三人、この孤児院で生活しています。めったにお客様なんて来ないので、緊張して隠れてしまったようで、申し訳ありません」
「隠れて、ねえ」
 扉開けて、思いっきりこっち見てるチビどもがいるんだが。
 そのうち一人がオレと目が会い、向こう側に隠れてします。
「おやおやゴーヴァン、怖がられてないかい」
「え? あ、ああ。あなた達、ちゃんとご挨拶しないと駄目でしょう」
 カルロよりも小さい子供が三人、姿を見せると不揃いなこんにちは、をオレたちに言い放つ。
 オレが笑顔を返すと、一人は他二人の後ろに隠れ、その二人も僅かに後ずさっている。
 オレ、そんなに顔が怖いか?
「さて、そろそろお暇させていただこうかね」
 レーテが席を立つ。
「おう。じゃあ、邪魔したな」
「いえ、こちらこそ本当にありがとうございました」
 部屋から出るのに、チビどものそばを通った時だ。
「ねえ、おねえちゃんどうして、おかおかくしてるの?」
 子供の一人がレーテのマントを引っ張る。マントがずれ、フードからレーテの顔が現れた。
 それと同時に、レーテの顔に僅かに入り込んでいた陽の光が当たる。
「あ……っつぅ!」
 灰が舞う。
 咄嗟にレーテは顔を抑え、その場にしゃがみこみ、フードを深くかぶり直す。
「オイ、大丈夫か」
「どうされました。お具合でも悪いのですか?」
「大丈夫さね。私は陽の光が苦手でね、急に目に入ったから目眩がしただけさね」
 レーテがオレの腕を引っ張る。
「あの、しばらく休まれた方が」
「大丈夫、そのためにゴーヴァンがいるからね。行こう、ゴーヴァン」
「お、おう」
 まるで逃げるように、オレとレーテは孤児院をあとにした。
「エレオノーラに見られたかね? 面倒なことにならなければいいのだけどね」
 オレの手を引きながら、レーテは誰に言うでもなくそう呟いていた。
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