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第26話 パーティー解散
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ギャァアアアァァァァッッッッ———!!!
『竜』の咆哮が第60階層の空気を震わせた。
ロワの攻撃はその一回に止まらず、くるりと空中で回転して反対側からも斬りつけた。
『竜』の首から勢いよく血が噴き出す。
鮮血を全身に浴びてなお、ロワの追撃の手は止まない。
痛みにのたうち回る『竜』からの炎や雷による抵抗を軽々かわしながら、ヤツの身体を確実に傷付けていく。
「どうした!? さっきまでの勢いは!!」
優勢と劣勢が入れ替わった戦場で、相棒の嗤い声が響いた。
あれだけの劣勢がどうしてここまで覆ったのか———今の俺にはその理由は分からないが、ロワの動きや攻撃は鋭さと力を取り戻し、この土壇場になってレベルが急に上がったかのようだ。
グゥグゥゥゥゥ………グゥォォォォッ………ォォォォッ———
ビタンッビタンッと、尾を打ち鳴らし『竜』は悔し気に呻くが、もうヤツに勝機は残っていなかった。
やがて頭部を天井に向け、細く長く一鳴きすると、ぐらりとその巨体が傾ぎ、自ら作った血溜まりの中に倒れ込んだ。
「……………………………や、やったのか……?」
ピクリとも動かない事を確認して俺が近付くと、ロワも空中から降りて来る。
「ロワ」と声を掛ける前に、バシャーッと土砂降りのような勢いで水を掛けられた。
いいや、前言撤回! これは土砂降りどころじゃない。滝だ、滝!!
「———っぷはっっ!! 何すんだよ!? 地上で溺れ死ぬかと思ったわっ!!」
「よし。ヤツの残滓はこれで綺麗になったな」
「は? ざん……しって?」
見ればロワもびしょ濡れだ。まさに水も滴るいい男を体現している。
『竜』の鮮血を浴びて血まみれになっていたから、本人も気持ちが悪かったのだろう。
ああっ!! それよりも今は礼を言うのが先だな。
命懸けで助けて貰ったんだ、ちゃんと人としての筋は通しておかないと———
「んんぅっ!?」
しかしそれは叶わなかった。
口を開く前にロワに吐息ごと唇を奪われたからだ。
「……んっ、んぅ……んーっっ!」
「ふっ、ん………」
いつになく荒々しい口付けに、俺は息も絶え絶えになる。
ガッツリと逃すまいと言うように肩に食い込んだロワの指が痛い。
性交時はお互い余裕が無くなるのが常だが、それ以上に今回は性急だ。
『竜』を倒した勝利の興奮のせいかと、ふと視線をロワから外せば、地面に大量に転がっている空き瓶で不可解な現状の謎が解けた。
アレは、ロワ特製の精力増し増しのポーションに間違いない!!
「———っぷはぁ!! 待てっ!! ちょっと待て!! ここは落ち着け、ロワ!!」
「待てるか! さっさとやって、ダンジョンから出るぞ、ラント!」
「ちょっと、あっぁ! そんなとこいきなり触るな! だから、話聞けって、ぁん! もう! あんた、腕折ってんだろ!? 怪我人なら無茶すんなっっ!!」
必死の攻防の末、身体を弄っていた不埒な腕からようやく抜け出す。
「そんなジト目したって駄目だぞ。俺は……まあ、『竜』に犯されかかったけど、あんたのお陰でほとんど無傷だ。ありがとうな、ロワ」
やっとここで相棒に感謝の言葉が伝えられた。
短い言葉だったけど、俺の気持ちは伝わったらしい。情欲にギラついていた目に、少しだけ照れが見え隠れする。
「………パーティーメンバーだから当然だ。さあ、足を開け」
「まだ俺の話は終わってない! 腕、折れてただろ? ポーションでそんなに即効で治るのか?」
ロワは『竜』に砕かれた筈の右手を、苦もなく動かして見せた。
「お前が隙を作ってくれたお陰でな。ポーションで体力を回復して自分の魔法で治した。多少の違和感はあるが、それもしばらくしたら消えるだろう」
「だったら今は少し休んだ方が」
「ラント」
俺の言葉を遮って、ロワは左手を第60階層の奥へ指差した。
「ここからでも見えるだろう。あそこが出口だ」
「!?」
思わず俺は駆け出していた。
小山のような『竜』の死骸の向こう、確かに今までは岩壁だった場所にぽっかりと黒い穴が空いている。
そうだった。場所にもよるが、踏破後には最下層に外に通じる出口が出現するダンジョンも少なくない。
この大ダンジョンは、そんな親切設計のダンジョンだったのか!
「ああ、今は出るなよ。一旦出たら、またここに来るには第1階層からやり直さなきゃいけないからな」
「わ、わかってるって!」
危ない危ない。『竜』の回収もまだなのに、今外に出るわけにはいかない。
……………それにしても、そうか。俺達は、この大ダンジョンを初めて完全踏破したパーティーになるのか。
実際『竜』を倒したのはロワだから実感は乏しいが、冒険者として憧れだった『完全攻略』の甘美な響きがじわじわと心に沁みてくる。
「喜びに浸っているところ、水を差して悪いが私は急いでいる」
「あ! ああ、そうだった! だったら尚更俺に構ってないで、『竜』を回収してオルコギルド長に報告しないとだろ」
「だからだ」
「ん?」
相棒はピッと俺に突きつけた指を、少しだけ苛立たし気にぐりぐりとおでこに押し付けてくる。地味に痛い攻撃はやめろ。
「察しが悪いな。報告したらどうなると思う」
「そりゃあ、今まで誰も辿り着けなかった大ダンジョンの最下層に到達して、あまつさえ伝説級の魔物を倒したんだ。大騒ぎにならないわけが———あ」
「そうだ。事後処理に時間が取られる」
そうだった。
ダンジョンは最下層まで踏破し、そのパーティーが完全攻略したと認定されるまでそこそこ時間が必要だ。
特にこの大ダンジョンは第60階層まである。
ギルド長が臨時で大きなパーティーを編成し、攻略したパーティーのメンバーが案内人となってここまでもう一度降りて来るとなると———ひと月からふた月くらい掛かるかもしれない。
「ギルド長への説明までは付き合うが、私は早急に花を届けねばならないので、案内人としてお前と同行は出来ない」
「ああ、分かってる。そこは任せてくれ」
「……………………分かってないだろ。私はそれ以降、ラントに精気を供給出来ないと言っているんだ」
「あ」
呆れたように嘆息した後、ロワは改めて俺の身体に手を触れた。
熱い。過剰に摂取したポーションのせいか、それとも勝利の余韻のせいか。
「レベルが不自然に上がった事は、あのギルド長に言えば何とか誤魔化してもらえるだろう。だが、供給が出来ない以上、魔力を使えばお前のレベルはこれから落ちるだけだ」
「そうか、そうだよな………」
だからロワは最後に俺に精気を与えてからパーティーを去ろうとしているのか。
もちろん、大量に摂取したポーションの副作用もあるだろうが———
「…………ロワ。ポーションはまだ残っているか?」
「ん? ああ、最後の一個を残してある」
「じゃあ、それを俺にくれ」
彼は怪訝な顔をしつつも、ポーションを俺にくれた。
俺は躊躇いなくそれを三分の一くらい残して煽った。
ドロリととろみのある液体を飲み込むと、効果はすぐに現れた。
「———っ!!」
腹の奥から熱が生まれ、瞬く間に全身に回る。
ロワのヤツはこれを何十個も飲み干したのだ。そりゃあやる事しか考えられなくなるだろう。
それを思えば、彼の態度は紳士的だとさえ言える。
「ラント?」
俺の意図をはかりかねて困惑しているロワの身体を、今度は俺が押し倒した。
特に抵抗される事もなく組み敷いた相棒の上から、俺はニヤリと笑い掛ける。
「ポーションや回復魔法で身体の傷は治っているとは言え、あれだけの大立ち回りをやったんだ、疲れてるだろう? ロワ。最後は俺が全部してやるよ」
俺の企みを正しく理解したロワも不敵に笑う。
「成程。悪くない提案だ」
「ああ、だからあんたは寝てろ。………………んっ……」
俺は先程残したポーションを指に絡め、自分の尻の奥に滑り込ませた。
いつもはロワがやってくれる前戯を兼ねた事前準備だ。
彼はガツガツと俺の身体を貪るくせに、こういう事はしつこい程丁寧で慎重だった。
だけど今それをやってるのは俺自身で、ポーションの副作用もあってどうしても火照る身体を鎮めたくて性急になる。最初は恐る恐る入れた指先も、すぐにジュポジュポと淫らな水音を響かせて抜き差ししてしまう。しかしロワの圧倒的な質量に慣れた身体では、こんな児戯にも等しい自慰じゃあ全然足りない!
「あっ、は、ふぅっ……あっっ」
ハアハアとロワの上で身をくねらせていると、ゴクリと喉を鳴らす音が聞こえた。
「………っ、早く、しろ」
余裕の無い声が俺を急かし、下から服に包まれたままの剛直を尻たぶに擦り付ける。
「ちょっと待てって」
「待ち切れない。こっちは勝手にやらせてもらうぞ」
「あっ……!」
勝手に宣言すると、スルリと俺の手をかわしロワが乳首に吸い付いた。
「んぁ!? 馬鹿、やめろっ……て!」
彼との度重なる性交で、弄られて快感を覚えるようになったそこは、舌先で嬲られぴんと勃ち上がる。
唾液で濡れてテラテラと光る乳首に、舌が掠める様が卑猥で視覚からも犯され、否応無く興奮を高められる。それに連動するように更なる快楽を期待する尻の窄まりが、早く早くとパクパクと物欲しそうに口を開閉させ始めた。
いつもなら残った理性が邪魔するところだが、今回ばかりは身体の火照りを早く鎮めたくて、俺はロワの陰茎に手を伸ばす。
「……っふ、んっ!」
ポーションの効果ではち切れんばかりに育った先端をあてがい、ゆっくりと俺の中に飲み込んでいく。
「あっ………、はぁっ、んっ」
俺を快楽の海に突き落とす肉茎を、自らの意思で根元まで胎内に収めると、その圧迫感に安堵すら覚える。
慣れとは本当に恐ろしいものだ。
動かない俺に焦れたロワの手が、先を促すようにやわやわと尻を揉みしだき始めた。
「んあっ! こら! 悪戯すんなっ……てぇ!」
「早く動け。お前が出来ないなら、私が———」
腰をつかまれ、ズルズルと引き上げられたかと思ったら、次の瞬間乱暴に落とされた。
胎内にロワの亀頭を埋め込まれたままだったので、その切先に突き上げられる衝撃に俺は一溜まりもなく射精してしまう。
「!!———あぁぁっ…………っ、はっ、んぅ………っ」
ヒクヒクとだらしなく震えて揺れる俺の先端からは精液が溢れ、ロワの剛直を咥え込んだ肉壁は痙攣して収縮を繰り返す。
「………っ、はっ、これを気に入ったようだな」
「いや、まっ、まだ動かす、なぁっっ!」
俺の腰を両手で固定させると、彼は情け容赦無く下から突き上げる。
「あっ、はぁ……っむりっ、もっと、ゆっくり……っ!」
胎内に塗り込んだポーションがグチュグチュと淫らな水音を立て、それと共に胎内をかき混ぜられる。
徐々に快楽に脳が支配され、理性が本能に負けて吐き出される声も嬌声に変わる。
「あっ、あっ、あぁっ! んっ……! はぁっ」
「気持ち、いいか? ふっ、ラント……っ」
「あっ! いいっ、はっ、おかしく、なるぅっ! あぁっ!」
ロワの動きに合わせて腰が躍る。
もうこうなったら快楽を追求する事しか考えられなくなる。とろけ出した思考は、ただひたすら目の前の男を求めていた。
ふらふらしていた上体を倒すと、俺の方からロワの唇を奪う。
一瞬だけ驚いた表情をした相棒は、次に薄っすら笑うと口内に舌を侵入させ、俺の上顎をぞろりと舐めた。
その微妙な感触すら今の俺には過ぎた快楽だ。
パンパンと肉体がぶつかる音。接合部から聞こえる、もはやポーションか体液か区別が付かない水音。
広い空間で熱など籠る筈が無いのに、熱くて堪らず汗が噴き出る。
「……っふ、出すぞ……!」
「あ、んっ、やっ———っ!! ……あ……っ、は……ぁぁ」
激しい抽送の後に、胎内に叩きつけるようにロワの精液を流し込まれた。
次いで少し遅れて俺も二度目の射精をした。
しかし息つく暇もなく押し倒され、ロワにのし掛かられる。今出したばかりなのに、彼の男根は隆々と聳え立ち、ぐちゃぐちゃになった俺の窄まりに再び押し込まれた。
「あ———っっ!」
「……はっ、ラント、ラント」
正常位でゆるゆる始まった抽送に、俺のそこも首をもたげる。ポーションの副作用の効果は継続中らしい。
ポタリと頬に水滴が垂れる。
見上げると、左右で色の違うロワの瞳と視線が絡まった。
『竜』と対峙していた時のような凶暴さは鳴りを潜めていたが、俺と同様に———いや、それ以上の熱を孕んだ瞳に視線が奪われる。
身体の中を凶悪な杭で穿たれながらも、今更ながらロワの瞳を綺麗だと思う。
ジッと見つめると虹彩の模様まではっきりと見えそうな程、俺達は近い距離にいた。
これ以上はない程交わってしまっているのだから、それも当然か。
だけど、もうすぐ俺達の関係は終わる。
ギュッと、気が付いたら俺はロワの背中に腕を回し、抱き付いていた。
「ラント?」
耳に聞こえるロワの声が、少しだけ怪訝そうになる。
大丈夫。抱き付いた俺の表情は彼からは見えない筈だ。それをいい事に、俺はさらに強くロワの身体を抱き締めた。
「…………っとだ」
「え?」
「もっとだ。ロワ、もっと俺に注いでくれ………」
「…………ああ」
俺の意を汲み、再び抽送が速まる。
あとは互いの呼吸音と俺の喘ぎ声だけが空間を支配する時間が、ポーションの効果が切れるまで延々と続いた———
俺とロワは数時間後、第60階層の出口から外へ出た。
ギルドに直行し、俺達のパーティーが大ダンジョンを完全攻略したと報告した。
報告をしたのが他の冒険者もいる受付だった為、ギルド内は蜂の巣をつついたような大騒ぎになった。
まあ、俺が逆の立場なら同じように興奮しただろうから、気持ちは分かる。
しかしその時は俺達の証言だけだったから、当然真偽を疑う冒険者も出てくる。
それをロワが事前に『竜』から剥がしとった巨大な鱗で黙らせた。尚、本体そのものは空間魔法で苦労して仕舞い込んである。ダンジョンの主人を倒したと言う証明もそうだが、『竜』そのものを検体として然るべき機関に運ぶそうだ。
大ダンジョンが完全攻略された事を喜んだり悔しがったりする冒険者達を尻目に、俺とロワはオルコギルド長に応接室に呼ばれ、詳細を報告した。
その過程で俺が『夢魔』と言う『魔人』である事も、ギルド長によって肯定された。
本来なら討伐対象である筈の俺を放置したのは「実害が無かった」からだそうだ。俺にとっては有難い事ではあるけれど、オルコギルド長の度量が大きいと言うのか、何と言うか……………。
ロワはオルコギルド長に自分は用があるので、大ダンジョンの案内は出来ないと言うと、それもあっさり了承された。
「じゃあな、ロワ」
「ああ」
まるでそれぞれの家に帰るような日常の別れの言葉で、俺達のパーティーは解散した。
『竜』の咆哮が第60階層の空気を震わせた。
ロワの攻撃はその一回に止まらず、くるりと空中で回転して反対側からも斬りつけた。
『竜』の首から勢いよく血が噴き出す。
鮮血を全身に浴びてなお、ロワの追撃の手は止まない。
痛みにのたうち回る『竜』からの炎や雷による抵抗を軽々かわしながら、ヤツの身体を確実に傷付けていく。
「どうした!? さっきまでの勢いは!!」
優勢と劣勢が入れ替わった戦場で、相棒の嗤い声が響いた。
あれだけの劣勢がどうしてここまで覆ったのか———今の俺にはその理由は分からないが、ロワの動きや攻撃は鋭さと力を取り戻し、この土壇場になってレベルが急に上がったかのようだ。
グゥグゥゥゥゥ………グゥォォォォッ………ォォォォッ———
ビタンッビタンッと、尾を打ち鳴らし『竜』は悔し気に呻くが、もうヤツに勝機は残っていなかった。
やがて頭部を天井に向け、細く長く一鳴きすると、ぐらりとその巨体が傾ぎ、自ら作った血溜まりの中に倒れ込んだ。
「……………………………や、やったのか……?」
ピクリとも動かない事を確認して俺が近付くと、ロワも空中から降りて来る。
「ロワ」と声を掛ける前に、バシャーッと土砂降りのような勢いで水を掛けられた。
いいや、前言撤回! これは土砂降りどころじゃない。滝だ、滝!!
「———っぷはっっ!! 何すんだよ!? 地上で溺れ死ぬかと思ったわっ!!」
「よし。ヤツの残滓はこれで綺麗になったな」
「は? ざん……しって?」
見ればロワもびしょ濡れだ。まさに水も滴るいい男を体現している。
『竜』の鮮血を浴びて血まみれになっていたから、本人も気持ちが悪かったのだろう。
ああっ!! それよりも今は礼を言うのが先だな。
命懸けで助けて貰ったんだ、ちゃんと人としての筋は通しておかないと———
「んんぅっ!?」
しかしそれは叶わなかった。
口を開く前にロワに吐息ごと唇を奪われたからだ。
「……んっ、んぅ……んーっっ!」
「ふっ、ん………」
いつになく荒々しい口付けに、俺は息も絶え絶えになる。
ガッツリと逃すまいと言うように肩に食い込んだロワの指が痛い。
性交時はお互い余裕が無くなるのが常だが、それ以上に今回は性急だ。
『竜』を倒した勝利の興奮のせいかと、ふと視線をロワから外せば、地面に大量に転がっている空き瓶で不可解な現状の謎が解けた。
アレは、ロワ特製の精力増し増しのポーションに間違いない!!
「———っぷはぁ!! 待てっ!! ちょっと待て!! ここは落ち着け、ロワ!!」
「待てるか! さっさとやって、ダンジョンから出るぞ、ラント!」
「ちょっと、あっぁ! そんなとこいきなり触るな! だから、話聞けって、ぁん! もう! あんた、腕折ってんだろ!? 怪我人なら無茶すんなっっ!!」
必死の攻防の末、身体を弄っていた不埒な腕からようやく抜け出す。
「そんなジト目したって駄目だぞ。俺は……まあ、『竜』に犯されかかったけど、あんたのお陰でほとんど無傷だ。ありがとうな、ロワ」
やっとここで相棒に感謝の言葉が伝えられた。
短い言葉だったけど、俺の気持ちは伝わったらしい。情欲にギラついていた目に、少しだけ照れが見え隠れする。
「………パーティーメンバーだから当然だ。さあ、足を開け」
「まだ俺の話は終わってない! 腕、折れてただろ? ポーションでそんなに即効で治るのか?」
ロワは『竜』に砕かれた筈の右手を、苦もなく動かして見せた。
「お前が隙を作ってくれたお陰でな。ポーションで体力を回復して自分の魔法で治した。多少の違和感はあるが、それもしばらくしたら消えるだろう」
「だったら今は少し休んだ方が」
「ラント」
俺の言葉を遮って、ロワは左手を第60階層の奥へ指差した。
「ここからでも見えるだろう。あそこが出口だ」
「!?」
思わず俺は駆け出していた。
小山のような『竜』の死骸の向こう、確かに今までは岩壁だった場所にぽっかりと黒い穴が空いている。
そうだった。場所にもよるが、踏破後には最下層に外に通じる出口が出現するダンジョンも少なくない。
この大ダンジョンは、そんな親切設計のダンジョンだったのか!
「ああ、今は出るなよ。一旦出たら、またここに来るには第1階層からやり直さなきゃいけないからな」
「わ、わかってるって!」
危ない危ない。『竜』の回収もまだなのに、今外に出るわけにはいかない。
……………それにしても、そうか。俺達は、この大ダンジョンを初めて完全踏破したパーティーになるのか。
実際『竜』を倒したのはロワだから実感は乏しいが、冒険者として憧れだった『完全攻略』の甘美な響きがじわじわと心に沁みてくる。
「喜びに浸っているところ、水を差して悪いが私は急いでいる」
「あ! ああ、そうだった! だったら尚更俺に構ってないで、『竜』を回収してオルコギルド長に報告しないとだろ」
「だからだ」
「ん?」
相棒はピッと俺に突きつけた指を、少しだけ苛立たし気にぐりぐりとおでこに押し付けてくる。地味に痛い攻撃はやめろ。
「察しが悪いな。報告したらどうなると思う」
「そりゃあ、今まで誰も辿り着けなかった大ダンジョンの最下層に到達して、あまつさえ伝説級の魔物を倒したんだ。大騒ぎにならないわけが———あ」
「そうだ。事後処理に時間が取られる」
そうだった。
ダンジョンは最下層まで踏破し、そのパーティーが完全攻略したと認定されるまでそこそこ時間が必要だ。
特にこの大ダンジョンは第60階層まである。
ギルド長が臨時で大きなパーティーを編成し、攻略したパーティーのメンバーが案内人となってここまでもう一度降りて来るとなると———ひと月からふた月くらい掛かるかもしれない。
「ギルド長への説明までは付き合うが、私は早急に花を届けねばならないので、案内人としてお前と同行は出来ない」
「ああ、分かってる。そこは任せてくれ」
「……………………分かってないだろ。私はそれ以降、ラントに精気を供給出来ないと言っているんだ」
「あ」
呆れたように嘆息した後、ロワは改めて俺の身体に手を触れた。
熱い。過剰に摂取したポーションのせいか、それとも勝利の余韻のせいか。
「レベルが不自然に上がった事は、あのギルド長に言えば何とか誤魔化してもらえるだろう。だが、供給が出来ない以上、魔力を使えばお前のレベルはこれから落ちるだけだ」
「そうか、そうだよな………」
だからロワは最後に俺に精気を与えてからパーティーを去ろうとしているのか。
もちろん、大量に摂取したポーションの副作用もあるだろうが———
「…………ロワ。ポーションはまだ残っているか?」
「ん? ああ、最後の一個を残してある」
「じゃあ、それを俺にくれ」
彼は怪訝な顔をしつつも、ポーションを俺にくれた。
俺は躊躇いなくそれを三分の一くらい残して煽った。
ドロリととろみのある液体を飲み込むと、効果はすぐに現れた。
「———っ!!」
腹の奥から熱が生まれ、瞬く間に全身に回る。
ロワのヤツはこれを何十個も飲み干したのだ。そりゃあやる事しか考えられなくなるだろう。
それを思えば、彼の態度は紳士的だとさえ言える。
「ラント?」
俺の意図をはかりかねて困惑しているロワの身体を、今度は俺が押し倒した。
特に抵抗される事もなく組み敷いた相棒の上から、俺はニヤリと笑い掛ける。
「ポーションや回復魔法で身体の傷は治っているとは言え、あれだけの大立ち回りをやったんだ、疲れてるだろう? ロワ。最後は俺が全部してやるよ」
俺の企みを正しく理解したロワも不敵に笑う。
「成程。悪くない提案だ」
「ああ、だからあんたは寝てろ。………………んっ……」
俺は先程残したポーションを指に絡め、自分の尻の奥に滑り込ませた。
いつもはロワがやってくれる前戯を兼ねた事前準備だ。
彼はガツガツと俺の身体を貪るくせに、こういう事はしつこい程丁寧で慎重だった。
だけど今それをやってるのは俺自身で、ポーションの副作用もあってどうしても火照る身体を鎮めたくて性急になる。最初は恐る恐る入れた指先も、すぐにジュポジュポと淫らな水音を響かせて抜き差ししてしまう。しかしロワの圧倒的な質量に慣れた身体では、こんな児戯にも等しい自慰じゃあ全然足りない!
「あっ、は、ふぅっ……あっっ」
ハアハアとロワの上で身をくねらせていると、ゴクリと喉を鳴らす音が聞こえた。
「………っ、早く、しろ」
余裕の無い声が俺を急かし、下から服に包まれたままの剛直を尻たぶに擦り付ける。
「ちょっと待てって」
「待ち切れない。こっちは勝手にやらせてもらうぞ」
「あっ……!」
勝手に宣言すると、スルリと俺の手をかわしロワが乳首に吸い付いた。
「んぁ!? 馬鹿、やめろっ……て!」
彼との度重なる性交で、弄られて快感を覚えるようになったそこは、舌先で嬲られぴんと勃ち上がる。
唾液で濡れてテラテラと光る乳首に、舌が掠める様が卑猥で視覚からも犯され、否応無く興奮を高められる。それに連動するように更なる快楽を期待する尻の窄まりが、早く早くとパクパクと物欲しそうに口を開閉させ始めた。
いつもなら残った理性が邪魔するところだが、今回ばかりは身体の火照りを早く鎮めたくて、俺はロワの陰茎に手を伸ばす。
「……っふ、んっ!」
ポーションの効果ではち切れんばかりに育った先端をあてがい、ゆっくりと俺の中に飲み込んでいく。
「あっ………、はぁっ、んっ」
俺を快楽の海に突き落とす肉茎を、自らの意思で根元まで胎内に収めると、その圧迫感に安堵すら覚える。
慣れとは本当に恐ろしいものだ。
動かない俺に焦れたロワの手が、先を促すようにやわやわと尻を揉みしだき始めた。
「んあっ! こら! 悪戯すんなっ……てぇ!」
「早く動け。お前が出来ないなら、私が———」
腰をつかまれ、ズルズルと引き上げられたかと思ったら、次の瞬間乱暴に落とされた。
胎内にロワの亀頭を埋め込まれたままだったので、その切先に突き上げられる衝撃に俺は一溜まりもなく射精してしまう。
「!!———あぁぁっ…………っ、はっ、んぅ………っ」
ヒクヒクとだらしなく震えて揺れる俺の先端からは精液が溢れ、ロワの剛直を咥え込んだ肉壁は痙攣して収縮を繰り返す。
「………っ、はっ、これを気に入ったようだな」
「いや、まっ、まだ動かす、なぁっっ!」
俺の腰を両手で固定させると、彼は情け容赦無く下から突き上げる。
「あっ、はぁ……っむりっ、もっと、ゆっくり……っ!」
胎内に塗り込んだポーションがグチュグチュと淫らな水音を立て、それと共に胎内をかき混ぜられる。
徐々に快楽に脳が支配され、理性が本能に負けて吐き出される声も嬌声に変わる。
「あっ、あっ、あぁっ! んっ……! はぁっ」
「気持ち、いいか? ふっ、ラント……っ」
「あっ! いいっ、はっ、おかしく、なるぅっ! あぁっ!」
ロワの動きに合わせて腰が躍る。
もうこうなったら快楽を追求する事しか考えられなくなる。とろけ出した思考は、ただひたすら目の前の男を求めていた。
ふらふらしていた上体を倒すと、俺の方からロワの唇を奪う。
一瞬だけ驚いた表情をした相棒は、次に薄っすら笑うと口内に舌を侵入させ、俺の上顎をぞろりと舐めた。
その微妙な感触すら今の俺には過ぎた快楽だ。
パンパンと肉体がぶつかる音。接合部から聞こえる、もはやポーションか体液か区別が付かない水音。
広い空間で熱など籠る筈が無いのに、熱くて堪らず汗が噴き出る。
「……っふ、出すぞ……!」
「あ、んっ、やっ———っ!! ……あ……っ、は……ぁぁ」
激しい抽送の後に、胎内に叩きつけるようにロワの精液を流し込まれた。
次いで少し遅れて俺も二度目の射精をした。
しかし息つく暇もなく押し倒され、ロワにのし掛かられる。今出したばかりなのに、彼の男根は隆々と聳え立ち、ぐちゃぐちゃになった俺の窄まりに再び押し込まれた。
「あ———っっ!」
「……はっ、ラント、ラント」
正常位でゆるゆる始まった抽送に、俺のそこも首をもたげる。ポーションの副作用の効果は継続中らしい。
ポタリと頬に水滴が垂れる。
見上げると、左右で色の違うロワの瞳と視線が絡まった。
『竜』と対峙していた時のような凶暴さは鳴りを潜めていたが、俺と同様に———いや、それ以上の熱を孕んだ瞳に視線が奪われる。
身体の中を凶悪な杭で穿たれながらも、今更ながらロワの瞳を綺麗だと思う。
ジッと見つめると虹彩の模様まではっきりと見えそうな程、俺達は近い距離にいた。
これ以上はない程交わってしまっているのだから、それも当然か。
だけど、もうすぐ俺達の関係は終わる。
ギュッと、気が付いたら俺はロワの背中に腕を回し、抱き付いていた。
「ラント?」
耳に聞こえるロワの声が、少しだけ怪訝そうになる。
大丈夫。抱き付いた俺の表情は彼からは見えない筈だ。それをいい事に、俺はさらに強くロワの身体を抱き締めた。
「…………っとだ」
「え?」
「もっとだ。ロワ、もっと俺に注いでくれ………」
「…………ああ」
俺の意を汲み、再び抽送が速まる。
あとは互いの呼吸音と俺の喘ぎ声だけが空間を支配する時間が、ポーションの効果が切れるまで延々と続いた———
俺とロワは数時間後、第60階層の出口から外へ出た。
ギルドに直行し、俺達のパーティーが大ダンジョンを完全攻略したと報告した。
報告をしたのが他の冒険者もいる受付だった為、ギルド内は蜂の巣をつついたような大騒ぎになった。
まあ、俺が逆の立場なら同じように興奮しただろうから、気持ちは分かる。
しかしその時は俺達の証言だけだったから、当然真偽を疑う冒険者も出てくる。
それをロワが事前に『竜』から剥がしとった巨大な鱗で黙らせた。尚、本体そのものは空間魔法で苦労して仕舞い込んである。ダンジョンの主人を倒したと言う証明もそうだが、『竜』そのものを検体として然るべき機関に運ぶそうだ。
大ダンジョンが完全攻略された事を喜んだり悔しがったりする冒険者達を尻目に、俺とロワはオルコギルド長に応接室に呼ばれ、詳細を報告した。
その過程で俺が『夢魔』と言う『魔人』である事も、ギルド長によって肯定された。
本来なら討伐対象である筈の俺を放置したのは「実害が無かった」からだそうだ。俺にとっては有難い事ではあるけれど、オルコギルド長の度量が大きいと言うのか、何と言うか……………。
ロワはオルコギルド長に自分は用があるので、大ダンジョンの案内は出来ないと言うと、それもあっさり了承された。
「じゃあな、ロワ」
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まるでそれぞれの家に帰るような日常の別れの言葉で、俺達のパーティーは解散した。
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