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End of the world
しおりを挟む_____1年後に、未来の消滅が確認された。
火山の噴火?彗星の衝突?
いくつかの候補はあるものの、理由はまだ判明していない。
しかし、人類が消滅するのは確定している。
未来予知・観測機関[S F O]はこの事態の解決策を打ち出した。
それは人類の特異点、つまり自らの意思で未来を変えられる者に、人類の滅亡を止めてもらうというもの。
口では簡単に言えるが、あまり有効な打開策とは言えない。
なぜなら、自らの意思で未来を変えることができる者(以降は特異点と呼ぶ)は、自覚がなく、探す手段もほとんどない。
可能性としては、過去に未来を変えた経験のある者(偶然の可能性もある。というか、ほぼ偶然)に接触を図り、再び未来を変えれるのか検証する。
変えれたのなら、その者が特異点となる。
「うう・・・む、難しい」
オレの横で頭がパンクしている彼女の名は、クラン・ソラノ。最近[SFO]に来た新人だ。
アメリカとのハーフで、生まれ持っての茶髪を高い位置でポニーテールにしている。
今難しい説明をしたのはこのオレ、カイル・コーバー。この厄介な新人と行動をするはめになった、かわいそうな人である。
目的地まで車で移動していて、ヒマなのでこれまでの状況をおさらいしたいとクランが言ってきたので、ザックリと説明してあげた。
オレ的には割とわかりやすく説明したつもりだったが、クランはあまり理解できていないようだった。
この物覚えの悪い後輩はどうにかならんかね・・・・
「はぁ・・・・つまりだな」
オレはさらにわかりやすく話しをまとめる。
要約するとこうだ。
・人類の滅亡が確定した。
・平穏な未来を取り戻すには、特異点を探さなければならない。
・特異点に、人類が滅亡する未来に行かないようにしてもらう。
「未来って確か、分岐点がたくさんあるんですよね?」
「そーだな。木をイメージするとわかりやすい。基本的には1本の大きな人類が歩む基準となる幹があるんだ。それを世界線という」
なんだか学校の授業みたいになってきたぞ。
オレはそう思いながらも、説明を続けた。
「そして、世界線から未来は細かく枝分かれしている。でもまぁ大体の未来はまた元の世界線、つまり基準となる未来に戻ってくる」
「ってことは、その未来に至るまでになにが起こるかが、枝分かれしてるわけですね?」
「まあそんな感じ。んでもって、たまに枝分かれした枝が別の未来の基準となる幹(世界線)と繋がってたりするんだ」
ちなみに、とオレは続ける。
「枝分かれさているのは確認されているが、その内容までは予知できなかった。つまり、何をすれば別の世界線に行けるかはわかっていない」
「その別の幹に人類を導く事ができる可能性があるのが?」
「特異点候補、HOPER(ホーパー)と呼ばれる者たちだ。過去の偉人で例えるなら、エジソンやニュートン、ガリレオなんかもHOPERだな」
「でも彼らは未来を変えようと思ったわけじゃないんですよね」
「そういうこと。自分が行った行為が結果的に世界線を変えることになったが、本人たちに自覚はない」
あ、ちなみに。
「企業や政府で行った事が世界戦を変える事もあるが、それはHOPERとは言えない」
「あくまで個人の力で未来を変えることができる者の事をHOPERと呼ぶんですか?」
「そう」
クランよ。なぜ企業の人がHOPERと呼べないか、そんな疑問を持った顔をしているな?
「例えば、津波が来るという未来が予測されたとする。それを知り、企業や政府が防波堤を作ると、津波被害に遭うという未来とは別の未来になるだろ?」
「うんうん」
「だが、防波堤を作るという行為は莫大な時間とお金がかかる。人手も必要だ」
「確かに」
「しかし、HOPERは違う。たった1人、あるいはごく少数の人の力だけで、未来を丸ごと変えちまう」
「あ!ってことは、個人でやってるから、それだけ力も強いって事ですか?」
クランが身を乗り出して聞いてきた。
珍しく物分りがいいじゃないか。
「そう!そういうこと。だから、原因もよくわからない人類滅亡と言う未来を変えるには、それくらい強い力がないと無理って事だな」
「えー。じゃあ私じゃ無理なんですねぇ・・・」
・・・・
「それ、本気で言ってる?」
じっとりとした目でクランを睨む。
「や、やだなぁ半分は冗談ですよ!冗談!!」
そうかそうか半分は本気か。あとでキツく説教が必要だな
「っと、見えてきたぞ。この町に、HOPERがいる」
オレたち[S F O]は、先ほど言ったHOPER達を探し出し、接触。
未来を変える特異点となる者かどうか判断する。
そのため、世界各地に職員を派遣し多くのHOPER達と接触を図っている。
調査を開始してから3ヶ月が経つが、やはりというのか、特異点は見つかっていない・・・・
「いよいよですね・・・私たちの初仕事!」
「いやいや。オレしたことあるし。お前だけだし。私たちとか言うの止めてくれる?」
「そこは雰囲気で行きましょうよ!」
・・・はいはい。とオレは頭をかきながら返事をする。
たとえ可能性が低くてもオレたちは接触を続けるしかないんだ。
失われた未来を取り戻すために。
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