男子校でハーレムが作れる俺マジ勝ち組

葉鳥(はとごろTIMES)

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早乙女静香ルート

打ち明けて、デート2

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※この作品は同人ゲーム「男子校でハーレムが作れる俺マジ勝ち組」からテキストを抜き出したノベル版です。
 ゲームテキスト形式なので背景やキャラ名の指定が残っています。
 原作ゲームは18禁ですが、今作は18禁シーンを削除し全年齢版として公開します。
 PCを持っていない方のために、同じく全年齢版の体験版プレイ動画もございます。
 詳しくは「はとごろTIMES」のホームページをご覧下さい。
 また、漫画も投稿しています。そちらも是非ご覧下さい。



《第三者視点》

「えっ? ちょ……なんか走り出しましたよあの二人!」
桃滋楼
「映画見に行くって聞こえたし、走らないと間に合わないんじゃねーの?」
羅斗
「ちょっと桃ちゃん、なんでそんな落ち着いてんの! すぐ始まる映画なら、私達も走って同じとこ入らないと!」
桃滋楼
「そこまですんの!?」
羅斗
「映画館! 暗闇の中! なにがあってもおかしくない!」
桃滋楼
「さっきインパクトに欠けるとか言ってたじゃねーかよ」
羅斗
「細かいことはいいからほら走るよ!」
桃滋楼
「うわっ!? ひっぱんな自分で走れる!」

「仕方ないですねぇあたしがもう片方の手引っ張ってあげます」
桃滋楼
「日本語が通じてねぇ!?」



《映画館内》
桃滋楼
「で、お前ら俺より先にへばってんじゃねーかよ」
羅斗
「はぁっ、はぁっ……いや、桃ちゃん早すぎ……っ」

「これだ、から……ひぃっ、脳みそ筋肉の不良は……はぁっ」
桃滋楼
「あの二人が買ったもんを人数分買ってくればいいのか?」
羅斗
「そ、そうだね……お願い」
息を切らしてうずくまる二人を残し、桃滋楼は窓口へとチケットを買いに行く。
幸い人が並んでいることも無く、さっさの男女二人組みと同じ奴と告げるだけで分かってもらえた。
桃滋楼
「ほら買ったぞ」
羅斗
「ありがと……えっと、スクリーン三番に行けばいいのね」

「なんてタイトルやってるんです?」
桃滋楼
「俺が知るか。入れば分かるんじゃねーの?」

「それもそうですね。どうせ映画じゃなくて二人を見に来たんですし」
桃滋楼
「あー走ったら喉かわいた。腹も減ったし、なんか買ってこうぜ」
羅斗
「私も飲み物欲しいー」

「スティッククレープ食べたいですー」
桃滋楼
「……なんだかんだ、お前ら楽しんでるんだな」



それぞれ飲食物を手に中に入る。すでに照明は消えており、上映直前だった。
羅斗
「これじゃあの二人の場所わかんないね」

「仕方ないですし、入り口近くに座って帰りに出て行くところを掴まえましょうか」
羅斗
「そだねー。じゃーせっかくだし映画楽しもっか」

「なにやるんですかねー」
入り口のすぐそこに、大きなポップコーンを抱える桃滋楼をはさむように三人並んで座る。
そして画面を見上げ、両端の二人は硬直した。
真っ暗な廃ビルの中、女性が髪を振り乱し必死に何かから逃げている。
羅斗
「あ、あれー……なんかホラーチックなの始まったんですけど……」
桃滋楼
「チックっつーかまんまホラーなんじゃね?」

「ホラー映画って噂に聞くあのホラー映画です……?」
桃滋楼
「噂されてんのかどうかは知らねーけどよ……なんなの? お前らもしかして、こーゆーのダメなの?」
羅斗
「ままままままさかそそそそそそんな」

「あ、あたし見るの初めてですもん、ダメとかそういうのよくわかんな……」
画面の中の女性
『ぎゃああああああああああああああああっ!!』
羅斗
「きゃああああああああああああああっ!?」

「ひゃああああああああああああああっ!?」
桃滋楼
「――――――ッ!!」
両隣に座る二人の劈くような悲鳴が、近接距離から桃滋楼の鼓膜を射撃した。
桃滋楼
「す、ステレオできやがった……」
ぐわんぐわんする頭を抱える桃滋楼。だが、羅斗と騒はそんな桃滋楼などお構いナシに両側からさらに追い討ちをかけた。
羅斗
「なななな何なの!? 何でいきなり頭から食べられるとかショッキングな映像を見せられなきゃいけないの!?」

「ぐろいですきもいですやあああ今落ちたの足じゃないですかあああああっ!」
右から左から、桃滋楼の胸倉を掴んでがっくんがっくんと揺すりまくる。
桃滋楼
「馬鹿やめうぇっ、お、が、ごふっ!?」
桃滋楼
「げほっげほごほっ! あーうっぜ! 大人しくしてろや映画館なんだからよ!」
羅斗
「いや無理ほんと無理私血とか無理なんだってばあああああ」

「ああああたし血はいいけど内臓系やです動いてる内臓とか特にいやですうううう」
二人で桃滋楼にしがみつき、画面から目をそらすためにそれぞれ肩に顔を埋める。
桃滋楼はそんな二人を無視し、ポップコーンを齧りジュースを飲みながら優雅に映画鑑賞をするのであった。




そんな優雅な時間は、あまり長く続かなかった。
桃滋楼
「あの……ちょっと離してくんね……?」
桃滋楼が控えめに、軽く頬を染めながら言った。
三人用にと買ったポップコーンを一人で食べ続け、それに比例して水分を摂取していたため、尿意を催していたのだ。
だが、そんなことを知る由もない二人は、この言葉に背筋を凍らせる。
羅斗
「え……な、なんで……」
桃滋楼
「なんでってその……と、トイレ、いきたい……」

「う、嘘です! そんなこと言って一人逃げ出す気ですね!?」
桃滋楼
「はあっ!?」
羅斗
「な、そ、そんなの許さないから! 絶対離さないから!」
桃滋楼
「いやマジで便所だけだってすぐ戻ってくるからよ」
羅斗
「こんな絶望しかない場所でそんな言葉が信じられると思って!?」
どうやら羅斗は映画の内容に少し感化されているようだ。

「あたしたちを見捨てて逃げるなんて最低ですよ! そんなことするくらいなら漏らせばいいと思うです!」
そして騒もまた恐怖でとんでもないことを言っている。
桃滋楼
「くっ……や、マジで困……離して、あ、うっ」
唯一心の支えとなっている怖がっていない桃滋楼を逃がすまいと、二人が左右からがっしりとその身体を掴まえる。
その際どちらかがとんでもないところを締め付けたようで、桃滋楼はせり上がってくる激しい尿意に涙目になる。
桃滋楼
「ぎぃっ……!? ば、ばっかそこ押す……ヒィッ!?」
画面
『ぎゃああああああああああああっ!』
羅斗
「あああああああああああっ!」

「ひぃ――――ッ!?」
桃滋楼
「やめろ力入れるなあぁっ! 嫌ホントに無理なんだってお願いだから頼むから許してふぎゃあ、んあ、あ、アァ――」



《零時視点》
グロ映画に入って先輩達に尾行を後悔させる作戦は、どうやら大成功したらしい。
羅斗
「お、おわった……死んだ……いっぱい死んで私も死んだ……」

「しばらくお肉系たべられないです……うげえぇ」
入り口近くの席で死んでいる二人の姿を見つけた。伏嶋は……ここにはいないみたいだな。
静香
「どうでした? これに懲りたら尾行なんて真似はしないことです」
羅斗
「や、やっぱりワザとだったんだ……やだこの子ドSすぎて濡れちゃう……頬が」

「酷すぎですぅ、この鬼畜眼鏡信じられないですぅ……」
静香
「別に嫌がらせだけが目的だったわけでもない。僕、この映画の原作小説を読んだことがあるのだが」
あ、やばい。ここから長いぞ。
静香
「一見ただグロテスクなだけのスプラッタ作品ですが、ちゃんと見ているとストーリーがしっかりしているんです。序盤に散らした伏線をすべて綺麗に回収しているといいますか……」
話を聞くのは先輩と騒に任せ、静香の長ったらしい語りをBGMにこっそりと外に出る。



《映画館外》
零時
「…………」
外には壁にもたれて体育座りし、べそをかいている伏嶋がいた。
おかしいな、伏嶋は怖いのもグロイのも大丈夫なはずって静香が言ってたけど……
零時
「伏嶋? 大丈夫か?」
桃滋楼
「間に合ったし……床汚さなきゃセーフだし……漏らしてねーし……」
よ、よく分からないが触れてはいけない話題のようなので、聞かないことにしよう、うん。



この後、結局五人で一緒に行動することになり、日が暮れるまで遊び倒したのだった。
目的だった本屋にもみんなで行き、そこで解散して帰宅した。
あまりデートらしくはなかったけど、静香も俺も楽しんだので良しとしよう。
どうせこれからデートする機会なんて、いくらでも作れるし。


そう、いくらでもつくれる、はずだった。

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