【完結済】高校時代に書いたファンタジー小説を原文ママで投稿してみる

蒼(あお)

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外伝(連載初期に「読んでも読まなくてもいい」扱いでサイトの片隅に置いていた)

2ー3

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さっきダーツは奴に当たらずにはじき飛ばされた。
つまり、奴を保護する何かがあるということ。まずはその正体を突き止めなくてはならない。
「私がやろう。」
聖夜は進んでその役を引き受けようとした。しかし羅唯はそれを止める。
「貴様に死なれちゃ奴が封印できん。俺がやる。俺はお前と違って肌が強いんでな。」
「・・・・・。」
聖夜は黙って任せた。確かに、その方がいいかもしれない。
羅唯は飛び上がり龍の真上に出る。
そのまま何かの呪文を詠唱しながら突っ込む。
「破!」
鋭い光が龍の鱗に当たった様子。だが効果は何も無いようだ。羅唯がすぐに降りてくる。
「・・・あれは・・・何の変哲もないただのシールドだ。
流石にダーツじゃ裂けんが弓か剣なら裂けるだろう。鱗は無理だろうがな。」
「そうか。」
それを聞いて、聖夜はすぐに策を思いついた。しかし、適任が居ない・・・・。
「・・・・シヴァが居ればな・・・。」
ぼやく。
「なんだ?」
「鱗が固くても、剥がしてしまえばなんてことないだろう。
シヴァの地壊刃なら、あのうろこを剥がせるかもしれないが・・・・・。」
それを聞いて、羅唯は首に掛けていたネックレスを外した。
それは金属だがすこし反った型の一本の棒になっている。
「・・・・・・一枚でも、剥がせたらいいんだな?」
「・・・・・・何をする気だ?」
「見てわかるだろ。」
羅唯がその棒に神力を加えると、それは巨大で大きく湾曲している剣へと姿を変える。
こんなところにまで武器を隠し持っていたらしい。
「タイミング逃すなよ。」
「・・・・・本気か?」
「本気だ。」
「やめろ。」
「情けは要らん。」
いくら羅唯の肌が強いと言えど、下手をすれば怪我ではすまない。
かと言って、他に方法があるわけではないのだが・・・・・。
羅唯は再び飛び上がり龍の鱗にその巨大な剣を引っかける。
龍は危険を感じたらしく、長い身体を大きく揺らす。
「破!!」
羅唯が剣に神力を込める。剣は鱗をそぎ取った。
その瞬間を逃すまいと聖夜が飛び上がり、むき出しになった龍の皮膚に聖光刃を突き刺す。
もちろん呪文は詠唱済み。
「封魔!!」
龍は暴れる。暴れるがもう遅い。聖夜の封印を破れる者などこの神界にはいない。

・・・・・・やった・・・。

ふたりともそう思った。だがその次の瞬間ハプニングが起こる。
「!!!!!!」
暴れ回る龍の角に、羅唯は引き裂かれた。
「羅唯!!」
羅唯はそのまま砂に落ちる。
「・・・・・・マズい!」
聖夜は聖光刃を抜き地面に降りた。どうせ数分すれば龍は封印される。
「羅唯!」
呼んでも返事は無かった。聖夜は彼を担ぎ暴れる龍から遠ざかった。

韻唄にやっと刀をかすらせることが出来るようになった風真。
しかし彼にはもう神力が殆ど残って居なかった。
いつ墜ちてしまってもおかしくないが、風真は墜ちるまで闘うつもりだった。
下では、波人が闘っている。出来るだけ韻唄をくい止めなくては・・・・・"あいつ"が来るまで。
頼るのは好きではなかった。しかし、頼らずにはいられない。自分たちでは、とても歯が立たない。
「・・・なぜ最初に俺を選んだ?」
風真は最後の手段、時間稼ぎに出た。
「・・・・時間稼ぎ?」
「どぉだろうな。俺はお前達が俺を狙ったのが少しおかしいと思ってな。」
「何が?」
「・・・・まるで逃げ道を残しているようだ。」
「・・・・・・。」
韻唄は顔を背けた。
「迷いがあるだろう?」
「無いわ!!」
「なら、なぜ俺を狙った?俺がこの神界全ての風を操れると知っていてか?
俺の起こした風を七大神の全員が気付くことが出来ると知ってのことか?」
韻唄は少し焦ったような顔になる。
風真を襲った時点から、仲間が来ることはわかりきっている・・・・。
風真以外を狙えば、ひとりずつ確実に倒せたはずなのに・・・・・。

波人は7回目の"水渦"を出した。
「・・・・何度やったって無駄だって。あんたもバカじゃあるまいしもうやめたら?」
「甘いわ。」
波人はにやりとして言う。
「あんたの周り、水ばっかりや!!」
「!?」
覇累の足下の水が炎のように一気に上がる。
「わしらのステータスは暗記済みやなかったんかいな?それとも応用編はまだやったか?」
「・・・・こんなもの!!」
覇累は剣圧で水を払おうとしたが水には形がないため何度やっても元に戻る。
「あほやないんならやめたら?」
密かな仕返し。
「・・・こんなことしたって・・・・どうせそっちの神力が尽きるだけだ!!それを待ってりゃ問題ないっ!」
「かまへんよ。」
「!?」
「わしの仕事は、時間稼ぎやさかい。」
波人がそう言った数分後、シヴァと時雨がそこに来た。
「・・・七大神・・・・時雨!?」
時雨は杖を高く上げ、こう言う。
「時元閉鎖!!」
遠くで何カ所か、青白い光が雷のように落ちた。
「・・・・・!?」
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