【完結済】高校時代に書いたファンタジー小説を原文ママで投稿してみる

蒼(あお)

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本編(最後の封印編)

第四十四話 予兆

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 聖達と別れたリーダとフレアは、結局七大神達がが心配で出発できずにいた。

ふたりは七大神が使っていた建物にそのまま残り、

来る日も来る日も彼らが行った方向を見つめる。

皆が、聖が、向こうから元気に手を振りながら帰って来ないかと・・・・。

時の神殿は時限と次元が狂っているため、

中で数分しか経っていなくても実は何年も経っていたり、

何ヶ月も彷徨っていたのに出てきたら数分後だった、なんてこともある。

だからどれだけ待てば彼らが帰ってくるか、ふたりには検討もつかなかった。

「聖様・・・どうかご無事で・・・。」

フレアはいつも同じ事を天に祈る。

彼女がすっと目を開けると、空で何かがキラリと光った。

「!?」

驚いてフレアは目を見張る。

その直後にあたりは轟音と共に砂埃に包まれた。

「・・・・・・なに・・・・?」

フレアは目も開けられない。

「どうした、フレア!」

ドアを壊すほどの勢いで出てくるリーダ。

砂埃が晴れると、フレアのすぐ隣で緑色のローブを身につけた少年が

しゃがみ込んでむせていた。

「・・・・・君は・・・・?」

フレアはのぞき込むようにしながら、少年に聞いた。

「お・・・俺は神界政府軍魔導兵みなら・・・・じゃなくて伝令係!

ここに七大神が集まってるんですよね!?」

少年は汗びっしょりになりながら言う。

「神界政府軍・・・?君は一体・・・。」

フレアが聞きかけると、弱い風が吹いた。

彼女の髪の中から魔族を象徴する長い耳がのぞくと、少年は青ざめた。

「・・・・・・・・魔ぞ・・・!」

「え?どうしたの?」

フレアが少年に触れようとすると、

少年はその手を払いのけて立ち上がり、身構えた。

「っ・・・・・七大神に伝える前に死ねるか!」

少年は何か呪文を言いかけた。

しかしその時には、リーダが彼の背後に回っていて、少年の口を塞いだ。

「君。魔族を恐れるのはわかるが、突然攻撃魔法はないんじゃないか?」

そう言われて、少年はリーダを睨みつける。

「私はフレア。確かに魔族だけど、

神を食べたり殺したりはしないわ。私たちも七大神の帰りを待っているの。」

「!」

少年はフレアの言葉に目を見開く。

そして力一杯リーダの手を押しのけると、口を開いた。

「魔族が七大神を待ってるだと?何を企んでる?それ以前に七大神はどこに・・・・。」

言いながら少年は片膝をついた。

やたら息が乱れている。

「大丈夫?」

「うるさ・・・・!」

少年はそのまま倒れ込む。

「ちょっと・・・・!」

フレアは少年の身体をゆすった。

「そっとしてあげなさい、フレア。きっと転移の魔法でここまでワープしてきたんだ。

子供の使う魔法じゃないよ。

こんな子供が転移してきて七大神を探してるなど、何事だろう。」

「・・・・・・。」

少年はフレアが魔族だと認識する前、確かに“神界政府軍”と言っていた。

転移した後ろくに動けもしない兵の見習い少年ひとりに連絡を任せるなんて、

何かおかしい。

場の空気は一気に冷たくなった。

「・・・・・いい予感はしないね。」

リーダは呟いた。
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